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(1) 銀行が詰まっている
(2) 企業の生産が詰まっている
(1) 不況の原因は、銀行が詰まっているせいだ
(2) 不良債権がたまっているせいで、金融システム不信になる
(3) 不良債権を抜本処理すればよい。そうすれば銀行収益が確立する
(4) 公的資金を投入すれば、銀行はコストなしに不良債権処理をできる
(5) 不良債権があるせいで、金が生産性の低い産業にたまって、生産性の高い産業に回らない。
(6) 銀行融資が、不動産業に偏っている。国全体の経営資源が、生産性の低い産業に偏る
(2) (3)でも詳しく示した。以下でも、さらに説明しておこう。
簡単に言おう。結局、「不況は不良債権のせい」という考え方は、根本的に間違っているわけだ。今の不況は、需要不足のせいである。不良債権のせいではなのだ。もちろん、不良債権処理をしても、プラス効果などはない。「これで風通しが良くなったので、銀行は金を貸し出します」と言っても、そもそも企業は金を借りる気はない。だから、何の意味もないわけだ。
第1に、生産性の低いところに労働力が集中するのは当然だ。生産性の高いところでは、どんどん労働者が不要になって、人員を吐き出す。だからその分、生産性の低い産業が引き受ける。どんな時代でもどんな国でもそうだ。
第2に、不動産業に資金がたまっているのと生産性が低いのとは、関係ない。不動産業に資金がたまっているのは、融資を返せないからだが、それはバブルが破裂したからだ。経営がデタラメだったのが原因であり、生産性の低さは関係ない。
第3に、不動産業以外の赤字産業に資金(返せない融資)が溜まっているのは、単に返せないでいるだけだ。黒字産業は、さっさと金を返して、赤字産業だけは、金を返せずにいる。そういうことだ。つまり、「低能率な産業に金が溜まる」というのは、「今はどの企業も金を借りようとしない(むしろ返そうとする)」というのを言い換えただけだ。
第4に、これが根本だが、経営資源の偏在というのは、不況のときには、まったく問題とならない。なぜなら、もともと余っているからだ。経営資源の偏在が問題となるのは、経営資源が不足しているとき(デフレでないとき)の話だ。そういうときには、限られた経営資源を、低能率な産業から高能率な産業に移すべきだ。しかし、経営資源が余っているときに、「低能率な産業に置くべきではない」と言い出したら、無駄に眠らせておくことになる。経営資源を「低能率な産業 → 能率ゼロの倉庫」というふうに移すことになる。……狙っていることとは逆のことをやるわけだ。(それが小泉の「構造改革」だ。)
結論。「都合の悪いことは何でもかんでも、生産性の低い産業に帰する」というのは、ご都合主義である。「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも、みんな生産性の低さのせい」というわけだ。こういうのは、経済学とは関係ない。
(4))
それにしても、ダイエーが倒産するとはね。数年前には、懸念はされても、「まさか」という感じだった。隔世の感がある。小泉の構造改革ってのは、本当にすごいな。日本最大の小売業を実質倒産させたり、日本最良のIT企業であるソニーを赤字経営にしたり。日本経済の構造をこれほど悪化させた首相は、空前絶後だろう。その意味で、「構造改革」は、まさしく実現された。(「改善」ではなくて「改悪」ですけどね。)現状は、どうか? 実質倒産した企業の再建策というものは、はっきりと決まっていないで、混迷している。そこで、この問題を整理したい。
おっと。話が横道に逸れた。元に戻す。
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このグラフで、 右上がりの曲線は供給。 右下がりの曲線は需要。 | ||
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