[付録] ニュースと感想 (126)

[ 2008.1.12 〜 2008.2.02 ]   

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● ニュースと感想  (1月11日b)

 「生物と無生物のあいだ」(福岡伸一・講談社現代新書)という本がある。( 2007年のベストセラーの一つ。)
 この本のどこがおかしいかを指摘しておく。同時に、正しくはどう修正すればいいかを示しておく。
  ※ 形の上では書評ですが、有益な話があるので、ぜひ読んでください。
 → Open ブログ 「[書評] 生物と無生物のあいだ」


● ニュースと感想  (1月12日)

 遺伝子の本質は何か? 遺伝か? いや、そうではない。むしろ、(その逆に)遺伝以外のことだ。つまり、生命の生存そのものだ。
  → Open ブログ 「遺伝子の意味(生命子)」
 ※ 重要な話。


● ニュースと感想  (1月13日)

 (1)   「辞書を引くなら、電子辞書が便利だ」
 という見解が広まっている。しかし、
 「紙の辞書の方が学習効果が高い」
 という調査結果がある。
  → nando ブログ 「紙の辞書の学習効果」

 (2)  生命の本質とは何か? 一般的に、次の説がある。
 「生命の本質は、自己複製である」
 これは本当だろうか? 実は、これは誤りだ。
  → Open ブログ 「生命の本質とは?」


● ニュースと感想  (1月13日b)

 「テロ特措法の意味」について。
 テロ特措法(自衛艦給油法案)が成立した。これについて不思議に思う人もいる。次のように。
 「自民党のなみなみならぬ執念で、結局テロ特措法が成立しました。私には、こうまで自民党を駆り立てる背景にある物が、一体何なのかが良くわかりません。何か巨大な利権が動いているのか。米国との暗いつながりがあるのか。」
 なるほど、不思議に思うのも、無理はない。私も以前はこの疑問を抱いた。そこで、問題の背景を説明しておこう。

 読者は、私が政府自民党を大々的に批判すること(民主党のシンパになること)は望まないだろうが、「イヤミを利かせる」ことは望むかもしれない。とはいえ、私はそのつもりはない。単に真実を探ろうとするだけだ。

 まず、事実を見よう。次のことがわかる。
 「テロ特措法は、実効性はほとんど何もない。あってもなくても、何も変わらない」
 これで何が起こるかといえば、自衛艦が給油することだ。で、自衛艦が給油しないとどうなるかというと、米軍が自分で給油するだけだ。民間の給油艦を使うかもしれない。で、違いは何かというと、日本が油代を払うかどうか、ということだけだ。そして、その金額(油代)は、日本が米軍基地に払う兆円規模の金に比べれば、スズメの涙にすぎない。
 つまり、毎月払う家賃が1万円であるところに、500円ぐらいの上乗せをするかどうか、……という程度の違いにすぎない。一価そろって大騒ぎするような大問題ではない。それよりは原油値上がりの心配でもした方がずっとマシだ。

 では、実効性はどうでもいいことに、なぜ大騒ぎをするか? それは、「象徴」という言葉でわかる。「象徴」というのは、実態は空っぽであるのに、人々の思い入れで多大な価値が込められたものだ。たとえば、桜の花を「国」の象徴と思ったり、菊の花を「天皇」の象徴だと思ったり、ベンツマークを「ベンツそのもの」の象徴だと思ったり。(それで国産車にベンツマークだけ付けて喜ぶ、というようなもの。……実は、昔の日産やマツダは、ベンツそっくりのグリルをつけて、得意がっていた。嘘みたいで、呆れる話だが。)
 今回の法案も同様だ。これは「日本が米国移住属すること」の象徴である。つまり「日本は米国の下僕です。米国の軍事危機の際には、何でもかんでも犬のように協力します」ということを宣誓したいわけだ。そういう象徴的な意味がある。
 で、この点については、自民党は「何が何でも米国の下僕であるべし」という強固な新年がある。それというのも、「さもなくば、いざというとき、米国は助けてくれない」と思うからだ。それというのも、「米国は信頼に足りない。日本を愛してくれない。いざとなったら、いつでも捨てられてしまう。あっさり見捨てられてしまう」という恐怖心に駆られているからだ。彼らは誰一人、「日米安保条約」なんか信じていない。「ソ連が日ソ中立条約をあっさり廃棄したように、米国だっていつまたあっさり日米安保条約を廃棄するかわかったもんじゃない」という恐怖に駆られている。そこで、「何が何でも米国の愛情を引き止めよう」と思って、日々あくせく、忠実な犬としての誠意を示したがる。……これが自民党の体質なのだ。
 これは、一種の精神病である。強迫神経症。誇大妄想。
 「米国が日本を捨てることはありえない。日本を守ることが米国の利益にかなうのだから。かつて米国が欧州を身を賭して守ったように、日本に対しても同様にするはずだ」
 というのが政治的な常識だが、そういう政治的な常識がわからない。というのも、「いつ捨てられるか。捨てられたら困る」という恐怖に駆られているからだ。強迫神経症。
 ま、正常な人から見たら、強迫神経症の患者は、馬鹿らしくてみていられない。とはいっても、現実にはそういう患者がいて、政権を握っているのだから、どうしようもない。こいつを強制的に排除するとしたら、クーデターでも起こすしかないが、そういうわけにも行くまい。私みたいに「妄想を解け。真実に気づけ」というふうに言っても、国民はみんな目をふさがれているから、百年河清を待つが如し。真実を言えば済む、というものじゃないのだ。

 で、民主党はどうしているかというと、こいつもひどいもので、「何とかして状況を利用して、自分が儲けてやろう」「こいつと国民を食い物にして、おれたちが政権を握りたい」と、がめつく考えるばかり。卑しいですね。

 で、こういうメチャクチャな状況で、結果的に、今回の状況となったわけだ。一言で言えば、「気違い国家の状況」である。「うる星やつら」の最後に、毎度、ハチャメチャのラストシーンが出るが、あれと同様。

 [ 付記 ]
 じゃ、どうするべきか? 
 比喩的に言おう。あなたの女房が、とんでもないことを言い出す。
 「あたしはどうしてもルイヴィトンの 30万円のバッグがほしいの。これがないと生きていけないの。だからどうしても買うわ。それがイヤなら、離婚します。離婚してくれないなら、自殺します」
 これはまあ、強迫神経症のようなもので、気違いじみているが、こういうふうにいわれたら、理不尽でも、受け入れるしかない。「女というものは理不尽なことをいうこともある」と思って、受け入れるしかない。
 だから、自民党が「どうしても給油法案を通すしかない。これだけは何が何でも譲れない」と言い出したら、いかに根拠不明で非合理であっても、受け入れるしかない。彼らにはそれが至上命題であって、どうしても譲れないからだ。
 で、私が民主党だったら、「そうか。仕方ないな。じゃ、それだけは、あんたたちのいうとおりにしてあげる。そのかわり、別の点では、こっちの言うとおりにしてくれよ」と申し出る。すると自民党は、「給油法案さえ通るなら、あとは何でも認めてやる」と思うから、民主党はあれやこれやと、多くのことを引き出せる。
 たとえれば、女房のルイヴィトンを認めるかわりに、こちらの趣味(オタクのフィギュア人形 ?  (^^); )を50万円分ぐらい買う、というようなものだ。30万円と50万円の取引だから、こっちの方が得をするのだが、それでも、相手は「ルイヴィトンを認めてくれるなら、何でも許しちゃう」と言って、こっちの好き勝手を認めてもらえる。
 こういうふうに「取引する」というのが、利口な政治家のやり方だ。

 なお、「女というものは理不尽なことを言うこともある」と思って、受け入れるしかない、と述べたが、これは、お互い様である。たいていの亭主は、「どうしてもGTRがほしいんだ」とか言い出して、莫大な自動車代を自分の好き勝手に使ってしまうものだ。女房が「だったら中古のアルトにしなさいよ」と言っても、絶対に聞き入れないで、高額な自動車を買ってしまう。……「男というものは理不尽なことを言うこともある」というのが、真実だ。だったら、お互い様である。
 特に、オタクであることを許容されている男性は、そのことをよく理解しているはずだ。  (^^);

( ※ 私はどうかというと……アニメのオタクではないが、「読書オタク」ふうのところはある。やたらと本を買うし。一番ひどいのは、無償でネットに情報を流すことだろう。「そんな金儲けにならないこと、どうしてやるのよ。あなたって理不尽ね」と怒られても仕方ない。ともあれ、何事もお互い様である、と理解しない限り、家庭生活というものは営めない。)


● ニュースと感想  (1月14日)

 「大きい政府と小さい政府」について。
 経済成長のためには、どうすればいいか?
 ひところは、「小さい政府」という主張があった。「小さい政府で民力の活用」というわけだ。しかし、その方針で構造改革路線を突っ走った結果は、「格差の拡大」という名称の、「ワーキングプア問題」であった。ここでは、貧しい人は極端に貧しくなっているが、豊かな人が極端に豊かになっているわけでもなく、国全体ではいくらか貧しくなっている。実際、ユーロに比べて、円は大幅安だ。……要するに、「小さい政府」は失敗だ。
 そこでこれを逆方向に進めて、「大きい政府」という主張も出てくる。「北欧では教育水準が最高で素晴らしい。経済成長も高い。そこでは大きな政府がある。だから北欧を見習おう」という発想だ。たとえば、この雑誌。
  → 週間東洋経済
    ( 読者感想1読者感想2

 では、本当に、北欧の真似をすればいいか? これについては、批判的な意見もある。
 「北欧の政府は民主的で公正だ。一方、非民主的で癒着している日本の政府が大きな政府になったら、害悪ばかりが拡大する」
 という意見。( → 中村正三郎のサイト
 それはそれで、ごもっとも。

 ただ、それとは別に、経済学的な観点から論じてみよう。初めの問題に帰る。
 「小さな政府と、大きな政府とは、どちらが経済成長に有利か?」
 それに対する答えは、こうだ。
 「どっちも関係ない。政府が大きかろうが小さかろうが、経済成長には何の関係もない。なぜなら、政府が働く(生産する)わけではないからだ」
 働くのは国民であって、政府は国民の富を(税金として)吸い上げて使うだけである。ごくつぶしのようなものだ。ゆえに、政府が大きくても小さくても、何も関係ない。比喩的に言えば、「勉強する息子と、スポーツする息子では、どちらが親の収入は高くなるか」というようなものだ。答えは「どっちにしても親の所得には関係ない」である。親の稼ぎは、親で決まる。ごくつぶしの生き方で決まるわけではない。
 ( ※ 細かく言うと、「大きな政府」とは、「国民の金を税金で吸い上げて、それを福祉の形で還元する」ということだから、国民全体としては、損得はない。福祉の有無という違いはあるが、経済成長には関係ない。)
 
 では、経済成長を決めるのは、何か? もちろん、国民の働きだ。だから、正解は、こうだ。
 「経済成長をもたらすのは、『小さな政府』でもなく、『大きな政府』でもなく、『働く国民』である」
 親が働けば、親は金を稼ぐ。息子が何をするかは関係ない。それと同様だ。経済成長をする国家とは、政府が何をするかではなくて、国民が働くか否かである。それだけで決まる。
 だから、「小さな政府/大きな政府」という論議の意味は、ただ一つ。『政治家と経済学者が無駄な論議をすること」だけである。ま、そのことで、掲載雑誌と経済番組が、幾ばくかの所得を得る。無駄なおしゃべりを聞かせることで、国民の財布から金を得る。詐欺師のように。……そういう効果だけがある。それがすべてだ。「小さな政府/大きな政府」という論議の意味は。

 では、馬鹿げた論議のかわりに、何をすればいいか? 簡単だ。こうだ。
 「国民がちゃんと働けるようにすること」
 つまり、「派遣やアルバイトになんかなりたくない、正社員になりたい」という国民にたいして、ちゃんと職を与えることだ。
 ここで、たいていの経済学者は、逆のことを主張する。
 「派遣やアルバイトが増えると、雇用の流動化が起こって、経済状況は最適化され、企業の利益は増える」
 ま、それはそうだが、そういうのは、「いかに企業業績を改善するか」ということを考えている人々(企業おかかえの政府や経済学者)の発想である。国民のための経済学者の発想ではない。
 
 では、正しくは? 
 「国民がちゃんと働けるようにすること」
 を目的とするならば、その方法は、ただ一つ。
 「個別の企業をどうするかではなくて、国全体の総需要を拡大すること」
 つまり、
 「正しいマクロ政策を取ること」
 である。この点は、何度も言ってきたとおり。
 正しいマクロ政策を取れば、総需要が拡大する。そのおかげで、国民は正社員としてまともな仕事をなして、まともな生産活動をする。そのせいで、生産性は大幅に向上する。アルバイトとして店頭販売や皿洗いなんかをするかわりに、成長する先端企業の職場の「開発補佐」をする。(それはただのゴミ掃除や調理であってもいい。彼がその役割を分担することで、開発技術者は雑用を免れるから会社、全体の効率は向上する。)……こうして、全体効率が向上することで、国全体でも経済効率が高まる。
 
 結論。
 不況期に経済成長率を高めるには、供給サイドで、同じ職場の生産性を高める努力をすればいいのではない。需要サイドで、総需要を拡大すればいいのだ。そうすれば、職場そのものが劇的に変わる。たとえば、コンビニの店員が、成長する先端企業の下働きになる。こうして、彼の給与は劇的に向上し、彼の生産性も劇的に向上する。同じ職場で努力すればいいのではない。職場そのものを根本的に変えればいいのだ。そして、そのためには、高給の職場そのものを大量に創出する必要がある。……その方法が、「総需要の拡大」なのだ。

 直感的に言えば、こうなる。
 不況下では、設備の稼働率が低いので、企業は利益を出せない。そのせいで、人件費を削るしかない。そのせいで、国民はみんな貧しくなる。特に、派遣やアルバイトには、しわ寄せが来る。
 一方、不況が解決すれば、設備の稼働率が高まり、企業は利益を出す。そのせいで、従業員にたくさんの金を払える。そのおかげで、国民はみんな豊かになる。労働者の奪い合いが起こり、派遣やアルバイトは激減し、正社員が増える。
 同じ職場で生産性を改善するための、魔法の方法などはない。しかし、職場を変えることなら、「マクロ政策」という魔法の方法がある。その方法は、ごく簡単だ。「中和政策」という方法を取ればいい。

 [ 付記 ]
 北欧に何を学ぶか? その答えは、ただ一つ。「大きい政府」でもなく「福祉主義」でもなく「所得再配分」でもない。「正しいマクロ経済政策」である。つまりは、「不況からの脱出」である。
 北欧の場合、大陸欧州とは違って、「マネタリズム」という馬鹿げた政策を盲目的に取ることはなかった。このことが大きな理由となる。特に、通貨「ユーロ」を導入していないこと(フィンランドは別だが)も重要だ。
 フィンランドはユーロを導入しているし、デンマークとスウェーデンもユーロ導入の準備中である。つまり、マネタリズムに従いかけている。このまますると、北欧もマネタリズムの毒牙にかかり、将来的には、失業の嵐に呑み込まれる可能性もある。
 ついでだが、イギリスもまた、ユーロを導入していないおかげで、マネタリズムの毒牙にかからずに済んだ。そのせいで、イギリスも経済成長率は高めだ。
 どうせ見るなら、「北欧とイギリスの共通点」として、「ユーロに入っていないこと」を見るべきなのだ。ユーロが有利なのは、ユーロ圏内の東欧途上国だけだ。西欧先進国にとっては、百害あって一利ありにすぎない。
 ついでだが、日本もまた、マネタリズムの毒牙にかかっている。だから、日本が見習うとしたら、「マネタリズムから離れるべし」ということだろう。
( ※ マネタリズムとは? 「物価上昇率を基準にして、通貨量の調整だけをすれば、万事改善します」という、超楽観主義のこと。現実には、そんな超楽観主義がうまく行くことはない[インフレ期以外にはない]のだが、そこに気づかず、いつまでも妄想をいだいているのが、マネタリズム。)
( ※ だから、どうせ論じるならば、「北欧に見習うか否か」よりも、「マネタリズムから脱するか否か」を論じるべき。で、論じないから、いつまでたっても、マネタリズムという病気に感染のしっぱなし。慢性病人。)


● ニュースと感想  (1月14日b)

 「戦争の経済学」の最後に、書評についての加筆をしました。
   → nando ブログ 「戦争の経済学」【 追記 】


● ニュースと感想  (1月15日)

  生物とは何か?」ということを、本質的に考えよう。
 「生物/無生物」という境界でなく、「無性生殖/有性生殖」という境界を見るといい。
 「自己複製の有無」よりも、「性の有無」こそが本質的なのだ。
 → Open ブログ 「有性生物と無性生物」


● ニュースと感想  (1月16日)

 有性生物の本質を論じる。「愛とは何か?」「性とは何か?」という問題に、生物学的に切り込む。
( ※ 本項では重要な真実が示されます。)
  → Open ブログ 「有性生物の本質」


● ニュースと感想  (1月16日b)

 「新型インフルエンザ」について。
 タミフルについて気にしている人もいるが、それとは別に、「新型インフルエンザにどう対処するべきか」という医学・薬学の話題がある。
 これについて、次のページに面白い記事がある。読んでみるといいだろう。
  → ほら貝 (「エディトリアル」2008-01-13 )
 一部引用しよう。
 “ NHKは昨日と今日、二夜連続で新型インフルエンザの大流行(パンデミック)をテーマにした「最強ウィルス」を放映した。一夜目は ……
 という番組紹介(要旨)。

 ──
 なお、私見を一つ。
 新型ウィルスのことばかりが話題になっているが、別途、根源的に「医療崩壊」の問題がある。
 もともと処理能力がギリギリのところに、さらに新たに病人が殺到して、医師が倒れたら、どうなるか? 当然、日本の医療は、全面崩壊となる。
 対処ができていないのは、新型インフルエンザだけじゃない。あらゆる医療が崩壊寸前なのだ。新型インフルエンザは、その引き金になりそうだ。
( ※ 比喩的に言うと、原発がたくさんストップしたせいで、日本中が電力マヒ状態に陥り、あらゆるパソコンがストップして、日本が崩壊する……というふうな。)


● ニュースと感想  (1月17日)

 有性生物の真実を解き明かす。新たに二つの新概念を導入して、体系的に示す。いよいよ最終的な完結編。(エッチな話も含まれます。感動つき。)
  → Open ブログ 「利全主義と系統 (性の真相)」


● ニュースと感想  (1月18日)

 「反復性の性犯罪」について。
 列車内でレイプした異常な性犯罪男に、懲役 18年の判決。
  → zakzak
 「被告が性的暴行を中心に計6回服役し、出所後1カ月もたたず、今回の暴行に及び」という判決理由。
 一方、弁護側は、「被告が16歳のころに交通事故で頭に重傷を負い自己抑制力が低下していた」と主張。
 なるほど、そういうことですか。やっと合点がついた。
 さて。そうだとすれば、「社会隔離」という意味での長期刑は意味があるが、単に「罰することで懲らしめる」という効果はないと思える。頭がイカレているんだから、刑罰による懲戒効果はない。いくら長期刑にしても、出たらまた反抗に及びかねない。無駄な懲役。無償で養ってあげるお金がもったいない。  (^^);
 「だったら死刑にしろ」
 とは言わないが、やはり、こういうのは、この被告よりも、本当の犯人を死刑にするべきだろう。本当の犯人とは? 彼のナニである。
 こいつを死刑にするべし。つまり、チョン切ってしまうべし。(去勢?)
 で、そのあとは、短期刑で解放してもいいだろう。
 これだと、犯罪抑制効果は、結構ある。第一に、頭のイカレたこういう被告は、初回の犯罪で、さっさと去勢にするので、再犯を起こさない。また、頭のイカレていない普通のスケベは、「チョン切られるのが怖い、死ぬほど怖い」と思って、犯罪抑制効果がある。
 
 [ 付記 ]
 同趣旨の話。
  → 8月02日a3月28日b7月08日
 ( ※ 去勢というのが、タマか、チューブか、という話は、上記を参照。Wikipedia にもある。……あんまり知りたくない話。読み過ぎると、夜中にうなされるかも。悪夢。  (^^); )


● ニュースと感想  (1月18日b)

 「寒さしのぎ」について。
 最近、寒いですねえ。ただ、寒さしのぎのためには、「下半身を温める」というのが一番利きそうです。特に、厚い靴下。(モモヒキは……試したことがないのでわかりません。  (^^); )
 あとまあ、運動して、体の発熱量(代謝量)を高めるのもよさそう。ダイエットにもなるしね。じっとしているのは駄目みたいです。


● ニュースと感想  (1月18日c)

 生物シリーズの補説。
  → Open ブログ
 二項目あるが、重要性は低いので、特に読む必要はありません。うるさい人向け専用。


● ニュースと感想  (1月19日)

 「NHKのインサイダー取引」について。
 NHK職員のインサイダー取引があった。二人は犯行を認め、一人は否認。
 私が思うに、否認する方が罪が重くなるが、わかっているんでしょうかね? 
 まず、犯行を認めた二人は、刑事罰が科されるだろう。村上ファンドの村上は実刑判決が下ったから、この二人も実刑判決が下って当然だ。ただし、それは刑事事件であって、NHKとしてはさらに追加処分を下すかどうかは、任意である。常識的には、ちょっとした減給ぐらいで済むだろう。というのは、職務を悪用したが、職務をサボったからではないからだ。悪用の分は、公的に刑事罰が下る。サボっていない分は、NHKとしてはどうでもいい。むしろ、懲戒免職なんかにすると、せっかくの人材が流出して、NHKが損をする。職員を罰するつもりで、自分自身を罰してしまう。本末転倒。……だから、ここは、懲役3カ月というような公的処分だけでもいい。
 残る一人は、反抗をしていないと主張している。では、それを認めよう。その場合、公的処分はなし。懲役も禁固も罰金もなし。ただし、である。「値動きを見ていて、株の売買を決めた」と主張しているのだから、勤務中に株式売買を熱心にやっていたことになる。これは職務怠慢にあたる。当然、常習だろう。もちろん、クビにするべきだ。当り前ですね。ろくに仕事もしないで、株式取引なんかに熱中している職員は、職務規程に反する。仕事中に エロゲ ばかりやっているのと同様だ。こんな野郎に給料を払う必要はない。さっさと懲戒免職するべし。彼の損害は、退職金をもらえなることと、この時代に職をなくしてフリーターになること。「勤務中に株売買をしてNHKをクビになったやつ」というレッテルもつきまとう。

 [ 付記1 ]
 以上を書いたあとで、続報が出た。監視委が課徴金を課する見込み。(夕刊)
 ただし、このあとまだ、検察がある。村上との公平性からして、今回の犯人も有期懲役を求刑するのが当然だろう。何しろ、十円を盗んだコソ泥をも、いちいち起訴して、懲役一年を求刑するのが検察だからだ。
 ただし、これは「検察が公平性を保てば」という条件つき。ここが一番疑わしいのだが。……検察のポリシーは公平性ではなくて、「マスコミへの見映え」である。ライブドア事件でも、村上ファンド事件でも。……つまりは、自分の出世がポイント。  (^^);

 [ 付記2 ]
 私が思うに、インサイダー取引の二人は、情状酌量の余地があると思う。「一時の気の迷い」と見なせなくもない。彼の長い人生における、ほんの一瞬の出来事だ。ついつい「悪魔のささやき」に従ってしまったわけだ。
 「バレなければ、百万円儲かりますよ。パソコンなら匿名だから、どうせバレませんよ。どうです? 百万円、ほしくありませんか?」
 こういう悪魔のささやきを聞いたら、ふらふら、となってしまう人は多いだろう。人間というものは弱いものだ。こういうことは、誰しも起こりうる。
 例。「ビールをコップ半分飲んでも、運転できますよ。バレなければ、大丈夫」
 例。「一夜の浮気をしても、どうってことないですよ。バレなければ、大丈夫」
 こういうことは、誰だって身に覚えがあるはずだ。もちろん、私だって……あれ? あったかな? たぶん、なかったと思うけど。  (^^);
 もちろん、読者のあなたなら、あるはずだ。  (^^)

 なお私は、勤務中に エロゲ をやっている、というようなことは、一度もありません。やったらクビで当然だよ。
( ※ 読売新聞 2008-01-18 によると、同社では記者の株売買が一切禁止されているという。しかし、これは行き過ぎだろう。いけないのはあくまで、勤務時間中のことだ。勤務時間外なら、エロゲ でも何でも、勝手にやってくれ。あとは自己責任であって、会社の関知することじゃない。)

 [ 付記3 ]
 「勤務中に酒を飲むのはどうか?」
 という問題がある。特に、残業中に、他に誰もいないときに、こっそり二人だけで同意して飲む。
 私は「駄目そう」と思ったが、「OK」と見なす法律判断が優勢らしい。「行列のできる法律相談所」の番組による。
 仕事をしないで酒を飲むのはまずいが、ちゃんと仕事ができているのならば、誰の迷惑にもならない限り、処分されないようだ。……で、このポイントは、残業時間中、というところ。ある程度は個人の裁量の余地があるようだ。その場に課長がいるわけでもないので。
 この場合は、「バレなきゃいい」ということだけでなく、「バレてもいい」ということらしい。
 酒飲んで運転するのは犯罪だが、酒飲んで仕事をするのは犯罪ではない、ということか。なお、酒飲んでから・・・・・・(以下、自粛。)


● ニュースと感想  (1月20日)

 「民主党とガソリン税の減税」について。
 民主党が「ガソリン税の暫定税率廃止」という減税策を唱えている。これについて論じよう。
 このことが結果的に何をもたらすか、ということは、どうでもいい。次のいずれかだろう。
  ・ 道路建設の減少
  ・ 一般財源から道路建設に回す
 どっちでも、大差はない。それは政府の裁量の範囲だ。「無駄な道路建設をやめろ」という声もあるだろうし、「いや、地方にはもっと道路が必要だから、一般財源から金を得て道路建設をするべきだ」という声もあるだろう。しかしまあ、それは一長一短だから、一概に良し悪しを決められない。私としては、そのこと自体は、是非を問わない。
 問題は、二つある。

 第一に、「一般財源から金を回す」ということの意味だ。これは「金が空から降ってくる」ということを意味せず、「一般国民にとっては増税になる」ということを意味する。要するに、歩行者や電車利用者に対しては増税となり、自動車の利用者には利用距離に応じて減税となる。普通のサラリーマンみたいに週末に買物に使うとか、幼稚園児の送り迎えぐらいだったら、ガソリン代はたいしたことがないから、実質的には増税となる。むしろ、「ガソリンをたっぷり使います」という人にのみ減税となる。たとえば、毎朝ベンツで通勤するような人だ。(ただし会社経費では落とせない人。)あるいは、重量級のSUVで長距離ドライブするのが趣味の人。……特定のガソリン大量消費者が大幅に減税を受けて、普通の週末ドライバー中立で、自動車に乗れない老人や歩行者が増税となる。(なぜ増税になるかといえば、金は天から降ってこないからだ。……ここを勘違いして、「誰も増税にならない」と主張するのは、よほどの馬鹿であろう。)

 第二に、これで得をする(したがる)のは誰か、ということだ。それは、民主党だ。国民の金を兆円単位で勝手に自分の小遣いのように動かして、それで国民から票を買おう、としているわけだ。呆れはてた発想である。要するに、国民の金を使って、国民を買収しようとしているわけだ。ま、「選挙で買収するのが悪い」という倫理的なことは言わないでおこう。それよりは、「自分の票のための買収資金に、国民の金を使おう」というのが、ひどい悪徳だ。どうせ買収するなら、自分の金で買収すればいい。ところが、国民の金を勝手に使って、それで買収しようとする。より正確に言えば、老人や歩行者や低所得者の金を奪って、その金を、地球温暖化を促進する環境破壊者に贈り、環境破壊活動を促進する。で、環境破壊活動を少しはしている全員から、票を得ようとする。……だますことによって。
 これはまあ、詐欺の一種である。新風舎の詐欺商法にそっくりだ。新風舎は、マスコミ紙上に大々的に巨額の宣伝をしたが、その宣伝費は、だまされた客から得た。つまり、客は、自分がだまされるための金を、自分で払った。
 民主党は、「あなたはとても儲かりますよ」と主張して、あなたに利益を与えるのだが、そのための利益は、あなたの財布からいただく。あなたをだますための金を、あなたからいただく。逸れていて、「民主党はあなたに金を上げます」としゅちょうする。実際には民主党は、一文だって国民に金を渡さないのだが、国民の金を横流しして、貧しいものから環境破壊者金を渡すことで、「儲かりますよ」「民主党がお金を上げますよ」と見せかけて、国民の票を盗んで、自分たちが政権を得ようとする。新風舎と同じ種類の人間だ。

 はっきり言っておこう。今の民主党(小沢民主党)は、政策などは、何一つない。彼らの狙いは、「政権を獲得すること」ただそれだけである。「国民のために政治をする」という発想は皆無であり、「自分たちが政権を取ること」だけが狙いである。日本の政治史上、最悪であろう。
 このような政治家は、現在では、アフリカだけに見られる。たとえば、ケニアでは、独裁政権が、民主主義を破壊して、負けた大統領が居座っている。こういうふうにアフリカでは民主主義が破壊されているが、それというのも、「政権につくこと」だけを目的としている独裁者がいるからだ。金正日と同じ。
 小沢というのは、ケニアの独裁者や、金正日と同じで、「自分が政権につくこと」だけを目的としている。彼には政治理念は何一つなく、「政権とを取ること」だけが目標だ。政治家というよりは、独裁者になりたがっている危険人物にすぎない。
 彼は、党首の下で幹事長として働くのならば、優秀な選挙参謀となれるだろう。しかし、彼が党首になれば、その政党は国民にとってナチスと同じ意味しかない。このような政党は、徹底的に破壊する必要がある。
 はっきり言っておこう。今の民主党は、ナチスと同じである。国民に甘いことをいって、政権を取ろうとする。そして、そのあとは、最終的には国家を破壊する。それが今の民主党の進みつつある道だ。
 私は、基本的には、自民党は嫌いで、民主党の方がマシだと思ってきた。しかし、今やその民主党を、殺すべき時期に来た、と思う。民主党はもはや以前の民主党ではない。ナチスが「国家社会主義ドイツ労働者党」と嘘八百の名前を付けたように、民主党は「民主党」という嘘八百の名前を付けている。しかしその正体は「独裁党」「詐欺師党」である。それが今の民主党の正体だ。

 私は決してアンチ民主党ではない。むしろちょっとぐらいは愛していたかもしれない。そして、だからこそ、今の民主党を切り捨てる必要を感じる。この民主党は昔の清く正しい民主党ではない。
 あなたは女を愛したあと、「愛する女を決して裏切るべきではない」と思うことはあるだろう。しかし、その女が犯罪者になって、人々を傷つけようとするのであれば、もはやその女を愛するべきではない。むしろ、かつて愛した女であればこそ、その女を監獄にぶち込むべきだ。
 今の民主党は、狂気状態にある。こういう狂気の政党は、さっさと叩きつぶした方がいい。
 私ははっきり警告しておこう。「小沢はヒトラーであり、民主党はナチスである」と。彼らの新風舎ふうの詐欺商法にだまされてはならない。彼らは「国民に利益を与えます」と告げながら、本当は票を奪い、政権を奪おうとしているだけだ。

( ※ どこかの週刊誌は「ポピュリズム」と述べていたが、そんな甘いものじゃない。こいつは、詐欺である。ナチスの宣伝に似ている。甘いことを言って、国家を破壊しようとしているだけだ。)

 [ 付記 ]
 本サイトの方針は、民主党支持でもなく、自民党支持でもない。小泉が「構造改革」という名称で嘘八百を告げたときには、「だまされるな」と何度も強調した。そして今は、寡黙で朴訥な福田については「だまされるな」と言うことはないが、甘い言葉でだまそうとする和製ヒトラーについては「だまされるな」と言う。
 何年か時間がたつうちに、詐欺師の居場所は、与党から野党に変わってしまった。ともあれ、本サイトの方針は、与野党のどちらかに与することではなくて、単に「だまされるな」と喚起することだ。

 [ 補足 ]
 ついでに言っておくが、ガソリン税を払っている人々は、税金を払っているつもりにはならないでほしい。あれは道路建設費にすぎない。「空から道路が降ってくる」「空からお金が降ってくる」と思うのならば別だが、自分たちが使っている道路については、その建設費と、道路の土地代の、双方を自分で払っているだけだ。その意味では、電車の利用者が電車代を払うのと同様である。
 なお、電車の利用者は、あらゆる費用をすべて自分で払い、さらに、税金も払っている。一方、自動車の利用者は、道路の買収代は払わずに国庫に負担してもらい、また、税金を払うどころか、一般財源から税金を負担してもらっている。
 例示的に言うと、電車の利用者は、200円を払って、190円をコストとして払い、10円を税金として払う。自動車の利用者は、500円のガソリン税を払い、520円の道路コスト負担を国からもらえる。自分では 500円の税金を払っているつもりだが、実質的には 20円を国から補助金としてもらっている。ただし、それでも、「500円を自分で負担しているんだ」と錯覚している。(「道路は天から降ってくる」と思っているので。)
 自分で自分にだまされるわけ。で、こういう阿呆を利用して、ごっそり票と政権をいただこうとするのが、民主党だ。


● ニュースと感想  (1月20日b)

  → Open ブログ 「[補説] 利己的遺伝子の意味」


● ニュースと感想  (1月21日)

 利己的遺伝子説を正しく理解するには、どうすればいいか、という話。
  → Open ブログ 「[補説] 利己的遺伝子説の修正1」

 なお、その最後の [ 付記2 ]に、次のような話がある。こちらは、普通の人が読んでも、ためになる話。こちらだけ読んでもよい。以下、一部抜粋。

 「物事を数値で理解しよう、それが科学的なことなのだ」
 と思い込んでいる専門家が多い。しかし、数値で理解するということと、数値だけで理解することとは、まったく異なる。
 物理学のように「物質」を扱う科学は別として、生物や人間という「生きたもの」を扱うほとんどの分野では、数字にはならないものにこそ真実がある。


● ニュースと感想  (1月22日)

 前日分の続き。完結編。
  → Open ブログ 「[補説] 利己的遺伝子説の修正2」

 内容は、葛藤をめぐる話。一部引用すると、次の通り。
 「母狼は、熊を見て、恐怖に駆られる。身を守るために、さっさと逃げ出したい。いつもなら、逃げ出しただろう。しかし今は、そばに子がいる。自分が逃げ出せば、子が死んでしまう。子への愛が、逃げることを禁じて、戦うことを促している。心のなかでは、二つの本能が対立する。『逃げたい、いや、戦おう……』と。言葉にはしないまま、二つの本能が対立する。そういう葛藤のあとで、最終的に、一つの決断がなされる」


● ニュースと感想  (1月24日)

 「病院PFI(民活)の失敗」について。
 病院PFIの失敗、という記事が朝日にあった。(朝日・朝刊・2面 2008-01-22 )
 PFIとは、民間資金を導入して、公的事業を民間に撒かせるもの。詳しくはネットで調べてほしい。
 今回は、公的病院を民間のPFI業者に委ねた。「民間の方式で事業効率を高め、大幅な黒字化」という狙い。しかし、結果は、大幅な赤字。前は黒字だった事業も、大幅赤字に転落した。ただしPFI事業の業者だけは、「こんなに大幅に黒字にできます」と宣伝しておいたので、巨額の手数料をちょうだいした。
 ま、一言で言えば、「詐欺に引っかかった」となる。  (^^);

 では、詐欺師は? 小泉だろう。「民間活力の導入で黒字化」と標榜して、あちこちで民営化をした。その例が郵政民営化だ。で、郵政事業はどうなったかというと、確かにコスト・ダウンはしたが、そのコストダウンの分は、宅配便との競合における赤字の穴埋めに使われた。ゆうパックを使える人は、ゆうパックの赤字を補填してもらえることになり、料金値下げのメリットを享受できた。しかし、他の人々は、郵便の遅配や誤配というデメリットを味わうハメになった。
 結局、オークションを使う一部の人ばかりが利益を得て、国民の大半はサービス低下のデメリットを受けたことになる。これが郵政民営化の成果。……で、トータルで見ると、メリットもデメリットもあまりなくて、単に国民間の配分が変更されただけだ。郵政事業自体は、たいして効率化しなかったことになる。むしろ、「不採算事業の廃止」という名目で、へき地では郵便局が廃止されたので、郵政事業でわずかな利益を得た代わりに、地方の人々が大被害を受けた。差し引きすると、国全体では、大損だろう。(ただし郵政事業自体では、少しだけ利益が増えた。)

 では、話の本題に戻って、病院では? PFIによる事業変更のためにかかったコストは莫大だったが、効率アップというメリットはまったく得られなかったようだ。では、なぜ? 
 これは、当り前の話だ。そもそも、最初に妄想があった。
 「公務員は民間に比べて、ダラダラと仕事をしているから、民間業者に任せれば、効率がアップする」
 これは間違いである。公務員が遊んでいるはずがない。そりゃまあ、一部の公務員は遊んでいるだろうが、それは、人員配置が適正でないというだけのことだ。どの公務員も遊んでいるわけではない。特に、病院と教育の分野では、公務員は超多忙だ。残業手当をもらえない分、(計算上の)効率は民間よりも高い、とも言える。
( ※ 実際には 11時間労働しているのに、8時間の労働をしているだけと見なして計算をすれば、労働効率は 11/8 で、1.375 となり、37.5%も効率が高いことになる。計算上は。)
 
 要するに、「民営化すれば効率が高まる」という小泉流の市場改革の発想は、ただの妄想にすぎない。もともと目一杯である病院や教育では、民営化したところで、刺して効率はアップしない。(教育ならば質が効率することはあるかもしれない。ただし病院では、それも無理でしょうね。)

 では、「民営化で効率アップ」というのは、なぜ信じられているのか? 実は、根拠がある。次のことだ。
 「正社員にあたる公務員を解雇して、派遣やアルバイトを雇うと、労働賃金を下げることができて、労働コストを下げることが可能になる」
 これを一言で言えば、「労働者をワーキングプアにして、労働者の賃金を奪い、その金で、会社が儲ける」ということだ。これが民営化の本質である。効率向上なんて、真っ赤な嘘。ただの労賃切り下げが実態だ。
 そして、そのことは、今や日本中で見て取れる。経済学者は「生産性向上で不況解決」と述べたが、実際にあったのは「労賃切り下げで企業の黒字化」ということだけだった。そして、それを利用しようとするのが、PFIの本質だった。
 ところが、病院というのは、専門医師や看護婦なので、派遣やアルバイトに交替させることはできない。また、もともとタコ部屋であって、医師も看護婦も過労死寸前だ。……こんなところで民営化をしても、何のメリットもない。もっとこき使えば、医師や看護婦が死んでしまうだけだ。奴隷を酷使すれば、奴隷が死ぬ。

 結論。
 「民営化をすれば効率アップ」
 というのは妄想であった。その妄想に従ってPFIがなされたが、その結果は、妄想の通りにはならず、現実離れした夢が破れたことの損害が起こっただけだった。「夢を見る料金」として莫大なコストがかかっただけだった。ディズニーランドで夢を見るように、「民営化による利益」という夢を見るために、莫大な金を払っただけだった。……ただし、その夢を見たがる阿呆から、「夢を見させて上げる料金」をいただいた詐欺師だけは、ボロ儲けした。


● ニュースと感想  (1月24日b)

 ドーキンスの利己的遺伝子説の具体的な適用例を紹介する。
 (私の説というよりは、すでに一般的に知られた話の紹介。肝心の独自の説明は、明日以降で始まるが、そのための準備。)
  → Open ブログ 「[補説] ミツバチの利他的行動 1」


● ニュースと感想  (1月25日)

 「子供の学力低下」について。
 Open ブログ 「子供の科学力の低下」 に、NHKのディレクターからコメントが寄せられた。以下、引用。
ブログを拝見しました。NHK「日本の、これから」のディレクター****です。この番組は一般市民による3時間の生討論番組でこれまでに「憲法9条」「いじめ」「年金」など社会問題を取り上げてきました。次回3月8日(土)テーマは「学力」です。
昨今、日本の子供たちの学力低下が問題視されています。
ゆとり教育の功罪。公教育・教師への不信感。無責任な親。やる気のない子供たち。地域社会の崩壊。原因は色々考えられます。
番組では学力低下の背景を整理し、日本という国の将来を担う子供たちにどんな教育が必要なのかを徹底的に議論したいと思っています。国際競争に打ち勝つための優秀な人材育成に力を入れるのか、経済至上主義ではなく心豊かな大人に育てるべきなのか。学力を考えることは日本の向かうべき方向性を考えることにもつながります。
番組では立場の異なる多くの方からの意見を募集しています。25日夜より番組HPからアンケートに参加頂けますので、是非ご協力下さい。その際、「清水宛」と一筆下さい。
http://www.nhk.or.jp/korekara/
 これに対する私の返信は、次の通り。

NHKの方にご覧いただけたのは、光栄に存じます。
しかしながら、番組には期待できませんので、悪しからず。
根源的に見当違いなことをする番組には、協力のしようがありません。

> 国際競争に打ち勝つための優秀な人材育成に力を入れるのか、経済至上主義ではなく心豊かな大人に育てるべきなのか。

こういう無意味な問いかけをしなくてもいいようにするには、下記サイト
http://nando.seesaa.net/category/491840-1.html
をご覧ください。
これは本サイトの兄弟サイトの目次ページです。

次のような項目があります。
  ◆ 思考力と教育
  ◆ いじめ対策
  ◆ ワーキングプア & 古典派の倒錯
  ◆ 戦争の経済学
  ◆ ワーキングプア の本質
  ◆ 人口デフレ
  ◆ なぜ言語力が重要か?

教育問題についても論じていますが、経済問題についても論じています。
とにかく、経済と教育は、二者択一ではありません。まともな経済があって初めて、まともな教育が可能になります。経済をメチャクチャにしたまま、教育だけをまともにしようと思っても、駄目です。

マルクスも言っていたように、経済はすべての基盤です。最低賃金以下の給与しかもらえない状況を放置しておいて、「経済のことなんかどうでもいいさ、教育だけやればいいさ」なんて思っても、駄目です。
かといって「企業の競争力を強めるのが最優先だ」などと思うのは、修正する方向が正反対です。(改善どころか悪化。)

NHKは、マスコミのなかでは最も本質に近づいており、朝日や読売のようなマスゴミとは違いますが、まだまだ問題の本質を理解していません。
「どんな番組をつくると視聴者に受けるか」
「どんな番組をつくると視聴者の声を聞くか」
というふうに考えるよりも、まず、
「物事の真実を探ろう」
という知恵をもつことが必要です。その知恵がないまま、無知な読者の妄想をたくさん集めて報道しても、嘘を並べた面白いバラエティ番組ができるだけで、物事の真実はつかめないままです。

> 昨今、日本の子供たちの学力低下が問題視されています。ゆとり教育の功罪。公教育・教師への不信感。無責任な親。やる気のない子供たち。地域社会の崩壊。原因は色々考えられます。

色々なんか、考える必要はありません。理由はただ一つだけです。
つまり、こうです。
「学力を低下させようとする方針をあえて取ったから、狙い通りにまさしく学力が低下した」
つまり、必然的結果です。これまでさんざん「受験競争の緩和」という名分で、「教育の縮小」をやって来たのだから、その必然的な結果です。簡単に言えば、こうです。
「勉強しないでも頭が良くなる、と思って勉強時間を減らさせて、IT教育の名分で読書もやめさせた。かわりに、パソコンとテレビゲームとケータイに熱中させてきた。そうしたら、目論見とは逆に、頭が良くならなかった。それで、『なぜだろう・なぜだろう』と大騒ぎしている」
それだけのこと。もともと「勉強しないでも頭が良くなる」と思った、という自分の最初の方針に根源的理由があることに、気づいていない。自分であえて自殺的行動を取ったということに気づいていない。「崖から飛べば空を飛べる」と信じて、あえて崖から飛んだのが自分だ、ということに気づいていない。

 上記の疑問は、自殺者の死体を見て、「誰がこの人を殺したか? 犯人を捜せ!」と言っているのと同じです。馬鹿げている。
 悟るならば、「崖から飛べば空を飛べる」と信じたという、自分の錯覚を悟るべきでしょう。自殺した人間を殺した犯人を、よそにいくら探しても、犯人は見つかりません。

 ──

 なお、とりあえず簡単に正解を知りたければ、上記の目次のうちの
  ◆ 思考力と教育
  ◆ なぜ言語力が重要か?
 という二つのページをご覧ください。


● ニュースと感想  (1月25日b)

 血縁淘汰説ないし利己的遺伝子説の難点を示す。
 これらの説によると、「近親交配こそベストだ」ということになるが、そんなことはありえない、というような話。
  → Open ブログ 「[補説] ミツバチの利他的行動 2」

 オタクの妄想では、アニメ世界のなかで、目の大きなかわいい妹が登場して、「おにいちゃん・・・萌え」とか言うことになっているようだが、そんなことは、まともな人間ではありえないのだ。
 ま、進化論学者はたいてい、オタクっぽいのかもしれないけどね。とにかく、私は近親婚なんていやです。オタクもいやです。……進化論学者とオタクで、近親交配でもしていて下さい。げっ。


● ニュースと感想  (1月26日)

 ミツバチシリーズで最も重要な話。あっと驚く話。コペルニクス的な大転換。天と地がひっくりかえるような学説。
   → Open ブログ 「[補説] ミツバチの利他的行動 3」


● ニュースと感想  (1月26日b)

 「ガソリン暫定税率の損得計算」について。
 ガソリン暫定税率の減税については、1月20日 ですでに示した。これは国民をだますペテンなのだが、そのことを具体的な数値で示そう。
 ガソリン暫定税の総収入は 2.6兆円。これは 1億3000万人の国民で頭割りすると、一人あたり2万円。赤ん坊も老人も含めて、一人あたり2万円となる。1世帯4人とすると、世帯あたりで8万円。(3人世帯なら6万円。)……この分は、国民全体に対する増税となる。(後述。)
 一方、暫定税率の金額は、ガソリン1リットルあたり25円。この分は、ガソリン利用者に対する減税となる。
 では、減税と増税を相殺すると、損得の分岐点は、どのくらいか? ガソリン単価が1リットル 125円だとして計算しよう。
     25円× χ リットル=8万円。
     χ= 80000÷25
     分岐点 = 125×χ = 125÷25×80000=40万
 つまり、ガソリン代を毎年 40万円以上支払う人なら、暫定税率による減税が8万円以上になるので、差し引きして得である。一方、ガソリン代を毎年 40万円以下しか支払わない人ならば、減税は8万円以下であるのに、増税はしっかり8万円取られるので、差し引きして損である。

 先日も述べたが、ガソリン減税というのは、次の意味をもつ。
 「ガソリンを大量に消費する少数者だけが莫大に利益を得て、大多数の人は少しずつ損をする」
 ここで、少しずつというのは、最大で8万円になる金額だが、普通の自動車所有世帯ならだいたい5万円ぐらいだろう。一方、ガソリンを大量に消費する少数者は、莫大な利益を得る。ベンツやRVでガソリンをたっぷり消費する人ほど、ボロ儲けだ。彼らはガソリン代値下げの恩恵を受けて、ますます大量にガソリンを消費するだろう。もともと桁違いに消費しているのだが、さらに輪をかけて消費するだろう。

 こういうふうに、一部の人を除いて、国民のだいたい数は大損する。なのに、「値下げ」という甘い言葉だけを振りまいて、国民をだまそうとする。それが民主党の政治家だ。ひどいペテン。だまされないようにしましょう。
 ついでに言えば、マスコミもグルだ。民主党の言い分をそのまま報道して、それが嘘だということを指摘しない。ナチスのグルだったマスコミと同じ。真実よりも虚偽を報道するのが使命。
 彼らに共通することは? こうだ。
 「減税というのは、天から金が降ってくることです。大判小判がざっくざく。あら嬉しいな。万歳、万歳。遊んでいても大金が入る。まるで夢みたいな幸福だ」

 [ 付記 ]
 しかしそれはまさしく夢である。天から金が降ってくることはありえない。単に借金しているだけだ。……で、その分は、最終的には、国民全体が支払うことになる。
 細かく言おう。2.6兆円をガソリン利用者に減税すると、同額を国民全体に対して増税することになる。単に財政に穴をあけるだけなら、目先では増税にならないが、長期的には増税である。減税国債を発行するのと同様だ。借金生活となる。借金しているあいだは、「天から金が降ってくる」と思えるが、実際には、そんなことはない。
 ま、普通の借金(普通の減税)なら、借金しても、その分の金は、自分の手元にある。あなたがサラ金から十万円を借りたら、あなたの手元には十万円が残り、借用証が十万円となる。しかし、ガソリン減税の場合は、違う。あなたの手元には借用証が十万円となるが、現金は残らない。では、現金はどこへ消えたのかというと、ガソリン大量消費者のところへ行く。あなたの手元には1万円が残り、十万円の借用証も残る。一方、ガソリン大量消費者は、十万円の借用証が残るが、その一方で、たくさんいる人々から(1万円との差額の)9万円ずつをごっそりちょうだいするので、彼らだけは一人あたりで百万円ぐらいのボロ儲けになる。
 ここでペテン師が登場する。「皆さん。これであなたも大儲けですよ。1万円得しますよ」と。なるほど、たしかに1万円得する。ただし、その裏では増税の形で、十万円の損がある。それを隠して、だましているわけだ。
 ああ。経済音痴の国民とマスコミは、こうして詐欺師にだまされる。


● ニュースと感想  (1月27日)

 「二つの減税」について。
 日本では、ガソリン暫定税率を減税しようとしている。その効果は、前項で述べたとおり。(つまり、大多数の国民は損で、一部の大量浪費者ばかりが大幅な利益を得る。)
 一方、アメリカでは、低所得者向けを中心とした普通の減税をやる。
 ブッシュ米大統領と米議会は24日、1人当たり最大600ドル(約6万4200円)の所得税を小切手で還付する減税を柱とした総額1500億ドル(約16兆円)の景気対策に合意した。
 具体的には、納付された個人所得税を還付する「戻し税」として、単身世帯で最大600ドル、夫婦世帯で最大1200ドルを小切手を郵送する方法で支給する。子どもがいる場合は1人当たり300ドル上乗せする。
 減税の対象は、年収が単身で7万5000ドル(約800万円)以下、夫婦世帯で15万ドル(約1600万円)以下に限定し、高所得者は対象外とする。また、課税最低限に達していない低所得者も、勤労者には単身で300ドル(世帯600ドル)を給付する。
 所得税の還付総額は1000億ドル(約10兆7000億円)。議会は2月中旬の法案成立を目指しており、各種手続きを経て、5月には小切手の送付が始まる見通しだ。 ( → 読売のサイト )( 2008-01-25 )
 つまり、総額 16兆円。夫婦と子供二人で 1800ドルだから、1世帯で 20万円。これは最大額だから、平均的には 10万円ちょっとぐらいかもしれない。だとしても、かなり大規模な減税だ。すばらしい。
 
 さて。両方を比較すると、米国の方がはるかにまともな経済政策だ、とわかる。それでいて、かかるコストは同じぐらいだ。米国は総額 16兆円だが、日本は人口が半分だから、日本に換算すれば 8兆円ぐらい。労働人口(高齢者を除く)を見ると、日本は若手が少なくて労働人口は半分以下だから、所得税の対象者だけで見ると、日本では6兆円ぐらいか。一方、ガソリン税は、2.6兆円。これが毎年続くわけだから、二年で 5.2兆円、3年で 7.8兆円。とすると、米国の減税は、日本のガソリン税減税の2年半分ぐらいの量だ。
 だったら、日本だって、そうできるはずだ。平均的に 10万円ちょっとの減税をすればいい。少しずつガソリン税の減税を続けるよりは、ガソリン税を維持したまま、今すぐ 10万円をもらえる方が、ずっとありがたみがあるはずだ。

 どこか、まともな政党は、そういう経済政策を主張しませんかね?
 「わが党の方針は、ガソリン税の減税をしませんが、そのかわり、今すぐ 12万円をプレゼントします。 12万円の減税です。コストはガソリン税の減税と同じです。皆さん、どっちにしますか? ガソリン代をリッターあたり 25円下げるのがいいですか? それとも、今すぐまとめて 12万円もらうのがいいですか? お好きな方をどうぞ。今すぐ 12万円ほしければ、わが党に投票してください。リッターあたり 25円の減税がよければ、民主党に投票してください。コストは同じです。さあ、どっち?」
 私が首相だったら、こういうふうに主張して、今すぐ解散しますけどね。これで民主党は壊滅するだろう。12万円と 25円とじゃ、勝負になるはずがない。だいたい、民主党の計算は、経済政策としてメチャクチャである。だから、この勝負の真の意義は、こうだ。
 「 目先の 25円にとらわれる、猿みたいな経済政策を取るか? マクロ経済学を理解した、まともな経済政策を取るか? さあ、どっち?」
 予想は …… どうも今のところ、猿が多いみたいですね。。。。  (^^);


● ニュースと感想  (1月28日)

 「日銀の総裁人事」について。
 日本銀行の次期総裁に、元財務次官の武藤敏郎副総裁が就任する公算が大きくなったという。民主党が容認する方向に転じたため。(各紙・夕刊 2008-01-26 )
 民主党は「中立性」を条件に容認する方向らしいが、とんだ茶番だ。財務次官が中立性を維持するというのは、泥棒が「中立性」を誓って、警察官になるのと同様である。泥棒が、仲間の泥棒に対して、中立性を維持することなどありえない。仲間をこぞって逃がしてしまうだろう。それと同じ。
 民主党は「財政と金融の分離」という建前で、元財務次官を排除しようとしたらしい。しかしこれは発想が根本的に狂っている。「財政と金融の分離」というのが理由なら、現役の財務省と日銀とを分離すればいいだけだ。OBをどうのこうのするというのは、お門違いだ。
 ではなぜ、OBを排除する必要があるか? OBが天下りだからだ。ではなぜ、天下りがいけないのか? ……ここまで考えると、肝心の利害関係がはっきりとする。それは、こうだ。
    財務省 ── 民間銀行
    日銀   ── 民間銀行
 こういう関係がある。
 財務省は、民間の銀行を指導する立場にあり、民間の銀行にOBを天下りで出している。ゆえに、財務省は民間の銀行に甘い。
 日銀は、民間の銀行の利害を調整する立場にある。
 したがって、民間の銀行に甘い財務省OBは、日銀総裁になったとき、必然的に、民間銀行に甘くする。なぜなら、さもなくば、財務省の他のOBが民間銀行に天下りできなくなるからだ。彼らは全部、「財務相一家」である。その立場で、民間銀行の利益を守るために、すべてを動かそうとする。もちろん、日銀をも。
 というわけで、財務省OBが日銀総裁になると、日銀は民間銀行に甘くせざるを得ない。したがって、「国民のための金融政策」という方針は、ないがしろにされる。あくまで民間銀行のために金融行政がなされ、国民の利害は軽んじられる。

 では、その歴史的な例は? バブルだ。バブル期には、日銀の方針のもとで、金融が緩和された。そのときの日銀総裁は、大蔵省出身の澄田智(任期 1984 〜1989 )だった。
 彼はバブル期に、資金を大量に供給して、バブルをどんどん膨張させた。その時期には明白に「資産インフレ」が発生していたのだが、円表示の物価指数だけを見て、「物価上昇率は上がっていない」と判定して、金融を緩和し続けた。
( ※ 実はドル表示の物価指数は大幅に上昇していた。ただし急激な円高の星で、円表示の物価指数は低迷した。これは、円高のせいで、輸入物価が下がったことになる。とはいえ、実質的には、金余りの現象が発生していたことになる。円高のせいで物価上昇が隠蔽されたが。)
 要するに、財務省のOBなんかが日銀総裁になると、まともな金融政策は実行できない。「金利を上げると、国民生活がこうなる」というような発想はなく、「金利を上げると、民間銀行の利益ががこうなる」というような発想があるだけだ。あくまで民間銀行の利益が価値基準となる。(さもなくばOB仲間を天下りで受け入れてもらえなくなるから。)

 要するに、彼らは「同じ穴のムジナ」である。こんなやつらに金融業制を委ねるやつの気が知れない……と言いたいところだが、実は、私は、やつらの気を知っている。
 民主党はなぜコロリと態度を変えたか? 民主党もまた同じ穴のムジナになってしまったからだ。つまり、民間銀行からたっぷりと献金を受けたのだ。というのも、財務省が根回しをして、「うちのOBを日銀総裁にしてくださいよ」と頼んだからだ。
 「民間銀行の皆さん。民主党に献金して、うちのOBを日銀総裁にしてください。そうすれば、彼がみなさんのために働くから、おたくたちも得をしますよ。われわれはみんな仲間じゃないですか。銀行、財務省、日銀。仲良しのギルドです。それを守るために、民主党を買収してくださいよ。頼みますよ。……あ、そうそう、来年もまたうちのOBが一人で増すから、その説はよろしく」
 こうして民主党は、民間銀行の献金を受けて、買収された。ゆえに、コロリと態度を変えることになったのである。

 教訓。
 誰かがコロリと態度を変えたとしたら、そこでは必ず、裏金が働いている。人の心を変えるものは、人の心を買えるもの(金)だ。

 [ 付記 ]
 読売(朝刊・2面 2008-01-27 )に、解説記事がある。
 民主党の方針転換の理由は、二点。「金融政策の混乱を避ける」というのと、「他に人材がいない」というのと。そう解説している。
 しかし、これは、「何か理由を見つけなくちゃならないから、とりあえずもっともらしく見える理由をつけた」というだけだろう。そんな理由だったら、最初から与党が唱えている。今になって民主党が豹変する理由にはならない。
 だいたい、こんなのは、理屈になっていない。  「金融政策の混乱を避ける」というのが理由なら、同様の理屈が他にも成立する。ゆえに、野党は与党に何一つ反抗できない。金融政策に限らず、与党の全政策に黙ってOKするしかない。
 「他に人材がいない」なんて、馬鹿なことを言っちゃいけない。小さな会社ならばそういうこともあるだろうが、日本全体でそんなことはありえない。仮にそれが本当だとしたら、彼が辞任したとたん、誰も日銀総裁になれないんですか? まさか。
 だいたい、日銀総裁は、一人ですべてを決める独裁者じゃない。決めるのは日銀の委員会だ。総裁はその中の一人であるにすぎない。
 ま、例の元次官が有能だ、ということは、私も認めよう。しかし、有能であればあるほど、危険なのだ。彼はその有能さを、国民のために使うのではなく、財務省と銀行のために使うからだ。
 バブルをふくらませた張本人と同じ体質をもつ人を、どうしてまたも登用するのか? あのときも「この元事務次官は有能です。他に人材はありません」と言って登用したあげくが、このざまだ。つまり、今に続く巨大な不況の根源は、元大蔵事務次官にある。そのことをわかっているんですかね? 
 それとも、何ですか? またバブルをふくらませて破裂させて、日本をふたたび奈落の底に落としたいんですか? ま、そういう意図なら、わかりますけどね。日本を破滅させるのが目的なら、今回の人事は最適だろう。私が金正日だったら、是非とも彼を登用したい。テポドンよりも圧倒的な破壊力で、日本をズタズタに破壊することができそうだ。それだけの能力をもつのは、この人しかいない。核爆弾 20発ぐらいの威力がある。……さすがに、優秀。


● ニュースと感想  (1月29日)

 「あれこれの値上げ」について。
 電力料金が4月以降に値上げされる予定だという。そのほか、すでに決まった値上げは、小麦その他、いろいろとある。そのせいで、ラーメンもパンも、あれやこれやと値上げになっている。
  詳しくは → 朝日の記事 ( 2008-01-26 )

 これだけ値上げが続いているときに、ガソリン代だけ値下げをしようという、民主党の発想。馬鹿じゃなかろうか? 
 では、どうすればいいか? ラーメンもパンも、みんな国費を投入して、国費補助をすればいいか? しかしそれじゃ、共産主義時代のソ連の配給制度みたいだ。
 では、正しくは? 簡単だ。「減税」である。これによって、各人は自分二兎って最適の箇所に金をつぎこめる。「自分は田舎でガソリン代がかかる」と主張する人は、ガソリン代に金をつぎこめばいい。軽自動車やバイクを運転する代わりに、重たくてガス食いのRV車を運転しながら、「車は必需品だ」と言って正当化する人は、まさしく、リッターあたり5キロしか走らないような車のためにガソリン代をつぎこめばいい。ただし、その分、電力代やラーメン代やパン代にまわす金はなくなる。一方、車のかわりに自転車やバイクで済ませる人は、ガソリン代に金をつぎこむ代わりに、もっと適切な分野に金をつぎこめばいい。たとえば、知的能力アップのための教養費や書籍代とか。あるいは、浮気のためのホテル代とか。……そのあたりは、ご自由にどうぞ。
 ともあれ、金をどう使うかは、各人任せるのが最適だ。その方法が「減税」だ。民主党の発想は、「大幅減税するが、その金は、何が何でもガソリン代のために使え」というのと同じである。いやですねえ、こういう田舎者の発想は。金に意地汚くて、センスがない。もうちょっと洗練された発想はできないんでしょうかねえ。ああ、意地汚い。(……ま、党首の顔を見れば、すぐわかるが。)
( ※ 余談だが、福田首相は、「のび太が首相になった」と中国で話題になっているという。なるほど。のび太は意地汚くない。小沢はジャイアンか。  (^^); )


● ニュースと感想  (1月29日b)

 「医師不足への対策」について。
 医師不足への対策について、朝日の社説が述べている。
 「何で今ごろまた?」と思いましたね。読売ならば、ふだんからちょいちょい話題にしているが、朝日はあまり話題にしていない。それが今になって突然、話題にする。なぜか? わかりましたか? 私はピンと来ました。
 「橋下・新知事の当選を見て、彼の公約から、それを思いついた」
 ということだ。情けないね。どうせなら、彼の公約を見た時点で、評価すればいいものを。(私はそうしました。このサイトで。)
 また、今になって話題にするなら、「橋下氏の物真似です」とでも言えばよかった。そうすれば猿真似がわかったのに。それなら、正直であり、偽装ではありません。  (^^);
 ま、朝日は公約のリサイクルをして、それを新品だと偽装したのでしょう。

 皮肉はともかく本題に入ると……朝日の社説の趣旨は、次の通り。
 「医師が不足している。医療過疎の県では特に医師が不足している。これを解決するには、どうするべきか? プロ野球のドラフト制度にならって、医師のドラフト制度を導入すればいい。医療過疎の県に重点的に、医師を配分すればいい。どうです。名案でしょう?」
 近ごろ医師の不足や偏在が目にあまる。
 医師は毎年40000人ほど増えているが、人口1000人当たりの医師は2人だ。先進国平均の3人まで引き上げるべきだ。医師の養成には10年はかかる。早く取りかからなければならない。
 医師が充足するまではどうするか。産科や小児科など、医師が足りない分野の報酬を優遇する。あるいは、医師の事務を代行する補助職を増やしたり、看護師も簡単な医療を分担できるようにしたりして、医師が医療に専念できる環境をつくることが大切だ。
 そのうえで、診療科目の選択や医師の配置に対して、公的に関与する制度を設けるよう提案したい。
 医師の専門分野が偏らぬよう、診療科ごとの養成人数に大枠を設ける。医師になってからは、一定期間、医師の少ない地域や病院で働くことを義務づける、というものだ。
 配置を受ける時期は、研修時や一人前になったとき、中堅になって、といろいろありうるだろうが、義務を果たさなければ開業できないようにする。
 医師は命を預かるかけがえのない仕事である。だから私立医大へもかなりの税金を投入している。収入が高く、社会的な地位も高い。たとえ公立病院に勤務していなくても、公的な職業だ。
 自由に任せていては、医師の偏在は解消できない。社会の尊敬と期待にこたえて、このように一時期の義務を受け入れることはできない相談だろうか。
 医師の多い県から出してもらう必要も生じるだろう。
 その際には、プロ野球のドラフト制度をヒントにしてみてはどうだろうか。新人だけでなく中堅の医師を含めて、医師不足の県が、医師の多い県から優先的に採用できるようにするのだ。

( → 朝日・社説 2008-01-28 )
 呆れてものも言えない、とはこのことだ。あいた口がふさがらない。
 まずは、緑色部に着目しよう。
 「収入が高く、社会的な地位も高い。」
 というが、地域の開業医はともかく、大病院にいる勤務医はそうではない。給与総額はたいして高くはないし、それに比して、労働時間は異常に長い。おまけに宿直まである。さらには、ウィルスが蔓延しているという危険環境にある。ま、3K(危険・汚い・きつい)ですね。これだったら、相当の高給でないと割が合わないが、現実には、たいしたことはない。しかも、最初の医大教育の投資(莫大な教育費)をまかなう必要がある。さらに、30歳ぐらいまで医師になれずに勉強するでの収入が少ないので、それも考慮する必要がある。生涯賃金では、全然、低所得だ。……認識が正反対である。ひるがえって、朝日の社説委員は、ゴミみたいな記事をかいて、まさしく無駄な新聞紙を大量に吐き出していて、「何もしない方がまだマシ」という状況なのに、新聞社員として年収千五百万円ぐらいをもらっている。こっちの方がよほどひどいのだが、何だってまた、ごくつぶしの連中が、社会に有益で3Kの人々を「収入が高く、社会的な地位も高い」などと金持ち階級扱いするのか。冗談じゃないですね。これじゃまるで、レーニンが「資本家をたたきつぶせ」と労働者を煽動したのと同様である。気違いじみた妄想で、国民をたぶらかそうとしている。
 「自由に任せていては、医師の偏在は解消できない。」というのもまた、共産主義丸出しである。日ごろの主張はどこへ行ったのか? 
 「市場原理で配分は最適化されます。だから自由競争を推進しましょう」
 というのが、日ごろの主張であったはずだ。だったら、それを今こそ唱えるべきではないのか? 

 ここで、経済に話を移そう。
 「市場原理で配分は最適化されます。だから自由競争を推進しましょう」
 というのは、ミクロの原理としては、まさしく正しい。配分の最適化は、まさしく自由競争でなされる。一方、
 「市場原理で経済成長が実現しす。だから自由競争でマクロ的に成長させましょう」
 というのは、古典派(特にサプライサイド)の主張だが、これはまったくの間違いである。「市場原理」というミクロの原理を、マクロの分野に持ち込んではならない。そんなことをすれば、「弱肉強食」のもとで、弱者はメチャクチャに虐待され、さらに、国家経済全体も縮小する。(それが現状だ。)

 朝日はなすべきことを逆にやっている。
 マクロの分野では、自由競争だけでは駄目だ。マクロ政策が必要なのだ。なのに、「自由競争だけでいい」と主張している(いた)。小泉流。
 ミクロの分野では、自由競争が原則なのだが、逆に、上記のように、「公的介入」を唱える。共産主義政策。(そう言えば小泉も「構造改革」というイタリア共産党の政策を導入した。その物真似ですね。)

 ここで、話の核心に移る。朝日という馬鹿の悪口ではなく、正解を示す。
 一般に、配分の最適化をするには、自由競争でいい。ただし、自由競争の場合、需要が過剰のときには、価格が高騰する。たとえば、プロ野球ドラフトがそうだ。契約金が異常に高騰するという現象が発生した。そこで、ドラフトというカルテルを導入することで、この価格急騰という問題を抑制した。……ここでは、「需要過剰」という問題があったから、それへの対策として、「需要を抑制する」という対策を取ったわけだ。それが本質である。ここでは、公的介入をしたのではない。カルテルを結んだのだ。勘違いしないように。(それで利益を得たのは球団で、損をしたのは超一流の選手。)
 さて。では、医師不足の県には、この方法は当てはまるか? いや、当てはまらない。なぜならここでは、需要不足はなく、逆に、供給不足があるからだ。もちろん、医師の給料が高騰しているわけでもない。むしろ、「死ぬほど働かせる」という労働環境の割には、給料は安すぎる。
 たとえば、離島では、「年収 4000万円」という条件もある。ただしそこでは、「年中無休で、3人分働け」という環境にある。村としては、三人を雇用するべきなのだが、そうすると、1500万円×3で、4500万円となる。さらに、施設も三倍増にする必要がある。その金が惜しい。だから、一人の医師を三倍働かせようとする。しかし、そんなことをすると、医師が壊れてしまう。だから医師は、死にたくないので、逃げ出す。……これがつまりは「年収 4000万円でも医師が来ない」という状況だ。ここでは本当ならば、医師を三人雇用し、施設も看護婦も三倍にするべきなのだ。なのに、その金を惜しむ。つまりは、価格をあえて下げている。払うべき金を払わない。だから、医師が来ないだけだ。逆に言えば、払うべき金を払えば、医師は来る。「現状はタコ部屋だからやめたい。離島でも何でも、人並みの生活ができるなら、そこに行きたい」と思っている医師はいる。……だから、ここでは、まともに金を払えば、解決ができるのだ。
 しかし、朝日の政策は、それとは正反対である。「3Kの職場には労働者が来ない」という状況を見たときに、「3Kをなくす」という発想がない。「3Kで致死的な職場では給料が高い」という点だけを見て、「奴らは高給をもらっているから、待遇を改善する必要はない。むしろ、強制的に配分するべきだ」と思い込む。
 しかし、そんなことをしたら、どうなるか? 医師のなり手が激減する。ただでさえ、現状では、低レベルの医師がたくさんいる。三流医大の馬鹿医者がたくさん出ている。それなのに、「医師の徴用」みたいなことをして、医師の待遇をさらに悪化させたら、どうなる? まともな医師が激減する。普通の会社には入れないような低劣な馬鹿だけが医師をやるようになる。国民の生命を、馬鹿連中に委ねることになる。……それでいいのか? 

 朝日の狙いは、要するに、「医療崩壊を意図的になそう」ということだ。「医療費のコストを下げよう。そのためには、まともな会社に入れないような馬鹿連中を医者にすればいい。そうすれば、医師に払う賃金を下げることができる。また、あちこちに大量の医師を配分することもできる」と。……しかし、そこに配分されるのは、医師というよりは、医師という名の猿である。猿が人間を治療して、デタラメな治療をして、国民を大量に死なせよう、という方法だ。
 なるほど、そうすれば、国民の人口が激減する。少子高齢化の社会で、老人が大幅に死亡して、日本は高齢化社会の問題が一挙に解決する。……ヒトラー並みの優生政策。
 素晴らしい名案。……と思っているんだろうね。ただし、それで死ぬのは、ユダヤ人じゃなくて、自分たちだ、ということに気づいていない。「ユダヤ人みたいな高齢者を死なせてしまえ」という政策を取ったあとで、自分が殺される。
 朝日がここまで馬鹿だとは思わなかった。

 なお、私としては、代わりに名案を出しておこう。
 「朝日の馬鹿な社説社員を徴用して、医療の場の下働きをやらせる。便所掃除やゴミ掃除など」
 で、一日に 18時間ぐらい働かせて、宿直もやらせて、給料は薄給にする。……どうです? これで医療費が抑制される。朝日の言い分のとおりになる。……あ、そうそう。これは公的なドラフトということにしましょう。徴兵みたいなもので。で、最終的には、朝日の社員には、戦死してもらう。これで彼らに払うべき年金も払わないで済むしね。一石二鳥。
 
 あ、わかった! 朝日の真の狙いは、高齢者を全部殺して、年金問題を解決することにある。そのために、医療崩壊を狙っているのだ! すごい策謀。

 [ 付記 ]
 あまりにもひどい朝日の社説への皮肉が強すぎたが、要するに、本項の意図は、「経済的観点をもて」ということ。
  ・ ミクロの最適化は、「配分」の問題だから、公的には介入するな。
    (各病院が待遇改善を図ればよい。)
  ・ マクロの総枠は、マクロの問題だから、マクロ政策を取れ。
    (国が医師の待遇改善や人員増加の国家政策を取るべし。)
 こういうふうに、ミクロとマクロを区別して、なすべきことをなせ、ということだ。で、朝日は、現状では、正反対のことをやろうとしている。そのせいで、国家を破壊することになる。特に、医師の待遇を悪化させると、医師の総量が減るし、総量が減るのにあえて増やそうとすると粗製濫造になる。そういう根源を理解する必要がある、ということだ。


● ニュースと感想  (1月29日c)

 ミツバチはなぜ不妊なのか、という生物学的な話題。
  → Open ブログ 「[補説] ミツバチの利他的行動 4」
 子を産まないような性質を帯びた生物はさっさと滅びてしまうはずなのに、なぜ子を産まないのか? なぜ不妊なのか?
 「ミツバチは遺伝子をたくさん残せて、羨ましい」
 と進化論学者は思っていたが、実は、不妊のミツバチには、悲しい事情があったのである。生物学者がいくら「子を産めないと、遺伝子をたくさん残せて、すばらしい」と称賛しようが、不妊のミツバチはちっとも嬉しくないのであった。
 「馬鹿な人間は誰も、あたしの悲しみを理解してくれないんだわ。あたしの気持ちを理解してくれるのは、やっぱり女心を理解する南堂さんだけなんだわ」


● ニュースと感想  (1月30日)

 「ガソリン税のまとめ」について。
 ガソリン税の減税について、民主党の菅直人が「ガソリン税の一般財源化」を唱えている。「道路特定財源(使途を道路だけにすること)をやめて、一般財源に振替よ。その上で、道路は真に必要なものだけを一般財源から建設すればいい」というもの。
 これは妥当だ、と思える。自民党よりもマシだ。この方針のもとで、「道路に回す金を減税に向けよ」とすれば、私の主張と同じになる。
 というわけで、正解はだいたい判明している。

 さて。似たようなことは、朝日も主張している。
 「一般財源化せよ。ただし、与党の方針は駄目だ。期限切れのガソリン税を一時的に延長して、その後に3分の2で再可決するなんて。メチャクチャだ。それよりは、正しいものをとるように論戦をせよ」
 という趣旨。( → 朝日・社説 2008-01-28 )

 また、朝日の悪い癖が出た。いかにももっともらしいことを言うが、民主党の側は「一般が財源化」という選択肢を提出していない。論戦など、あるはずがない。菅直人は民主党の代表でもないし、民主党の政策を唱えてるわけでもないからだ。
 民主党の方針は、こうだ。
 「論戦なんかしないで、何が何でもガソリン税の減税。そのためには、国会審議の拒否。最終的には、倒閣をめざす」
 要するに、ガソリン税を、政争の具にしようとしている。自分が政権をほしいからやっているだけで、国民のためにやっているわけではない。だから自分の方から「審議拒否」という方針を打ち出す。で、仕方ないから、今になって与党が「じゃ、強行採決しかないな」と思い始めたわけだ。
 どっちが悪いかと言えば、民主党(特に小沢)が悪いに決まっている。評価すれば、
   善  : 菅直人
   小悪: 与党
   大悪: 小沢(民主党)
 という評価になる。で、朝日の主張は、「与党は小悪だから駄目だ。善をめざせ」というもの。しかし、善という選択肢は、呈示されていない。それを方針としている政党は一つもない。個人レベルではともかく、政党レベルでは、その政策は呈示されていない。ありもしないものを欲しがっても、ただの「ないものねだり」だ。
 正しいことを主張しているつもりで、空理空論に陥る。……これが朝日の特長。自分だけは正しいことを主張しているつもり。机上の空論だとは気づかないまま。
(頭が足りない、という一言でも済ませられるが。現実遊離。……文学趣味ですかね。社説でただのお気楽エッセーばかりを書く。それが朝日。……「小論文の書き方」というのを、誰か、朝日に教えて上げてください。)


● ニュースと感想  (1月30日b)

 「管理職とは何か」について。
 日本マクドナルドの男性店長が起こした「管理職」をめぐる裁判で判決が出た。「店長は管理職だ、という理由で残業代を支払わなくてもいい、ということにはならない」という判決。妥当であろう。会社側は不服だが。
 ただ、判決理由がおかしい。
 判決は、管理監督者を「経営者と一体的な立場にある者」と認定。店長は
(1)企業全体の経営方針の決定過程に関与していない (2)権限は店内に限られている  ことなどから、肩書は店長であっても実質的に管理職ではないとした。
( → 東京新聞
 ここでは、権限の大小で、管理職か否かを決めている。しかし、権限がどれほど大きくても、管理職とは言えないことがある。これは本質を突いていないのだ。
 管理職の定義は、権限が大きいことではなくて、「部下を管理すること」だ。そして、その本質は、「自分では労働しないこと」「労働を部下にやらせること」だ。
 ここでいう労働とは、単に働くことではなくて、直接的な生産活動のことを言う。電気製品会社ならば、商品である電器製品を工場で生産したり、研究所で設計開発したり、流通過程で流通させたり。……こういうふうに生産に直接的にタッチすることを言う。一方、部下にそういうことをやらせて、自分自身では直接的にはタッチしない人(間接的にのみタッチする人)は、管理職である。
 マクドナルドも同様だ。店において直接的に生産・販売にタッチする人が労働者であり、自分ではやらない人が管理職だ。たとえば、アルバイトが十人いて、その十人を管理するだけの人は、管理職だ。一方、アルバイトが4人いても、その4人に混じって自分も労働作業をするのであれば、労働者の性質を帯びる。(半分労働者・半分管理職)……これはまあ、係長みたいなものである。
 こういうのは、自らも労働するので、純粋な「管理職」ではない。したがって、残業代を支払われる労働者に該当する。
 
 以上からわかっただろう。管理職の本質は、権限の大小などは関係ない。(直接的に生産するという意味で)労働するか否かだ。核心を言えば、「自分で労働するか、他人に労働させるか」という違いだ。
 そして、そのまた本質は、「他人に労働をさせて、その労働の利益をかすめ取る立場か、それとも逆に、かすめ取られる立場か」ということだ。アルバイトが十人いれば、十人のアルバイトは成果をかすめ取られる。その分、彼らは貧しくなり、逆に、管理職は豊かになる。……こういうのが管理職だ。
 マグドナルドの店長は、店員がいなかった。自分が全労働をなしていた。彼は、かすめ取る側にはいなかった。むしろ、マクドナルド本社にかすめ取られる側にあった。……これは、純粋に労働者である。管理職の度合いはほぼゼロだ。
 彼は、権限がどんなに大きくても、金をかすめ取られる立場にある。マルクス流に言えば、搾取される立場にある。このことを見抜くことが必要だ。
 マルクスの理屈は、現在でも、錆びてはいない。彼の資本主義分析は、かなり本質を見抜いている。
 しかるに、ソ連崩壊後、労働者の権限は極度に縮小されていった。そのせいで、世界各国で、失業が増え、労働者はワーキングプアなどになっていった。
 歴史的に言えば、ソ連崩壊や共産主義の崩壊は、資本主義各国の労働者をも崩壊させつつある。その現れが、失業やワーキングプアだ。「ソ連はひどい国だなあ」なんて笑っているあいだに、自分たち自身が逆の意味で資本主義の弊害にむしばまれつつある。
 今にして思えば、右と左とが対立していた時代は、左右が均衡していて、バランスが取れており、いい時代であった。今では逆に、左が縮小して、労働運動は極端に低下した。そのせいで、資本家の側は、奪い放題である。賃金をいくらでも切り詰めようとする。……こうして、ワーキングプアの問題や、店長の残業手当の問題が出てくる。こんなひどいことは、ソ連崩壊以前にはなかったことだ。現在の日本は、終戦直後を除けば、この半世紀で最悪の状況とも言える。
 そして、それは、「ソ連や共産主義なんか駄目だね」と他人を嘲笑っていた報いなのだ。2ちゃんねらーなどが、共産主義を馬鹿にすればするほど、資本家がどんどん権力を巨大にして、労働者をしこたま食い物にするようになる。
 そして、そのときになって、「マルクスの話を聞いていれば、こんなことにはならなかったのに……」と後悔しても、もう遅い。人々は、魂を悪魔に売り渡すように、社会のシステムを資本家に売り渡してしまったのだ。今や労働者は、悪魔に食い物にされるように、資本家に食い物にされるばかり。
 しかも、そのことに気づかない。「自分は奪われている」ということに気づかない。だから裁判の判決も、「権限の大小」なんていうピンボケのことばかりを唱えている。

 [ 付記 ]
 権限と金、という話題では、次のページに面白い話がある。関連する話題。笑えるような、笑えないような。……
  ( → 読売・編集手帳


● ニュースと感想  (1月30日c)

 利益の大小だけじゃなくて、リスクも考えなさいよ、という話。
 「ハイリスク・ハイリターン」と「ローリスク・ローリターン」を区別せよ、という話。
  → Open ブログ 「[補説] ミツバチの利他的行動 5」

 「何を当り前のことを言うの?」と思う人が多いだろうが、進化論の世界では、誰もこの区別ができないのだ。彼らには「リスク」という概念が欠落している。
 この手の詐欺(平成電電・近未來通信)に引っかかる被害者は、続出した。古くは、マイカルの社債やアルゼンチンの国債がそうだ。で、進化論の学者も同じ詐欺に引っかかっているわけだ。


● ニュースと感想  (1月31日)

 戦争はなぜ起こるのか? 戦争は、損得勘定で言えば、損をするに決まっている。なのになぜ、損をする戦争を、あえてなすのか?
  → nando ブログ 「戦争はなぜ起こるか?」


● ニュースと感想  (1月31日b)

 「医療崩壊への対策」について。
 医療崩壊への対策として、とりあえず 1500億円の予算化方針が示された。(各紙・夕刊 2008-01-30 )
 1500億円(ぽっち)という少額の金(国民一人あたり千円程度)で、医療崩壊が解決するはずもないのだが、それさえ、予算化に難渋している。結局、医療予算の枠は増やさないまま、一部の診療報酬だけを上げる。その分、他の部分は下がる。差し引きすれば、診療報酬の総額は変わらない。たいして対策なっていないわけだ。

 その一方、ガソリン浪費促進(地球温暖化促進)のために、2兆6千億円も出そうとしている動きがある。民主党がそうだ。
 まったく、何考えているんですかね、この政党。「ガソリンよりも医療崩壊が切実な問題だ」ということがわからないんでしょうかね? 自動車というのは、ドライバーにとっては必需品かもしれないが、歩行者にとっては走る凶器である。比喩的に言えば、あなたの目の前でナイフをびゅんびゅん飛ばして、あなたの生命を危機にさらす人間が「これはサーカスで、おれにとっては必需品なんだよ。あんたは我慢しな」と、どついているようなものだ。エゴの極み。
 それに反論できないで、「道路は必需品です」としか言えないような自民党も、同じ穴のムジナ。五十歩百歩。
 日本は絶望的ですねえ。……橋下知事を除けば。
 やはり、子供を七人も産むような人じゃないと、まともな政治家になれないのかも。ほら、言うでしょ。英雄、色を好む。 (あれ? 意味が違う? 浮気のことかしらん。…… だったら私の方が向いているかも。   (^^); )


● ニュースと感想  (2月02日)

 ミツバチの話から得られる、われわれへの教訓。
  → Open ブログ 「ミツバチの教訓 1 (生物の原理)」
  → Open ブログ 「ミツバチの教訓 2 (生物の原理)」
  → Open ブログ 「ミツバチの教訓 3 (生物の原理)」

 ※ 前日に 仮公開した話を、三つに分割して、新たに公開しました。
   下手な文章を、全面的に書き改めました。
   文系の人にも興味深く読めるのは、三番目(の最後の項目)です。


● ニュースと感想  (2月02日b)

 「民主党のガソリン税の計算」について。
 民主党の国会議員である某氏の言い分。(国会質問で。)
 「ガソリン税の減税で、一世帯あたり 5〜6万円の減税になる」
 (読売・朝刊・政治面 2008-02-01 )
 ガソリン減税はリッターあたり 25円。ガソリン価格が 150円。減税が 5〜6万円になるとしたら、その人のガソリン代の出費は、
    5〜6万円 × (150 / 25)= 30 〜 36万円。
 つまり、ガソリン代の出費が 30 〜 36万円であることが前提になっている。で、ガソリン代の出費がその額に満たなければ、その人は、減税の恩恵がゼロである。その一方、「将来の赤字負担」という形で、その人にも、5〜6万円の増税が将来的にのしかかる。(金は天から降ってこないからだ。今もらえば、後で払う。)
 どうです? あなたのガソリン代は、30 〜 36万円になりますか? もしそうなら、損得はなし。 30万円以下なら、損をする。36万円以上ガソリン代を払うなら、得をする。あなたはそれほどガソリン代を払っていますか?

 ──
 
 なお、最近、民主党は方針を転換した。
 「ガソリン税の減税はやめて、その税を一般財源化する」
 それはまあ、私も主張していたことだし、悪くはない。むしろ、いいことだ。しかしねえ、方針がこれじゃ正反対でしょうが。以前と以後とで、言っていることが 180度異なる。
  ・ 以前 …… ガソリン税の減税(ガソリン浪費をする少数者に多額の金を与え、大多数の国民からは金を少しずつ奪う)
  ・ 以後 …… ガソリン税の一般財源化(ガソリン浪費をする少数者から多額の金を奪い、大多数の国民には金を少しずつ与える)

 わかりやすく言うと、次の通り。
  ・ 以前 …… ベンツに乗っている金持ちのガソリン税を減税してやり、自動車に乗らない高齢者の福祉を減らす。
  ・ 以後 …… ベンツに乗っている金持ちからガソリン税をたくさん徴収して、自動車に乗らない高齢者の福祉に回す。
 どっちがいいかと言えば、以前よりは以後の方がいい。しかし、言っていることが、昨日と今日とで正反対だ。これじゃメチャクチャである。自分の言っていることがわかっていないのだろうね。経済音痴のせいで。……たぶん「自民党の邪魔をする」ということしか考えていないだろうね。
 こういう輩が政権を取ったら、と思うと、寒気がする。「政権を取ることだけが目的の政治家・政党」というのは、金正日そのものだ。悪夢。(……ま、党首の顔を見た時点で、悪夢だということはわかっていたが。  (^^); )








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「泉の波立ち」
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