[付録] ニュースと感想 (141)

[ 2009.10.28 〜 2009.12.09 ]   

  《 ※ これ以前の分は、下記のページで 》


    2001 年
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      11月04日 〜 11月27日
      11月28日 〜 12月10日
      12月11日 〜 12月27日
      12月28日 〜 1月08日
    2002 年
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       1月23日 〜 2月03日
       2月04日 〜 2月21日
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       3月17日 〜 3月31日
       4月01日 〜 4月16日
       4月17日 〜 4月28日
       4月29日 〜 5月10日
       5月11日 〜 5月21日
       5月22日 〜 6月04日
       6月05日 〜 6月19日
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       7月11日 〜 7月19日
       7月20日 〜 8月01日
       8月02日 〜 8月12日
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       4月26日 〜 5月11日
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       2月27日 〜 3月08日
       3月09日 〜 3月13日
       3月14日 〜 3月24日
       3月25日 〜 4月14日
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       8月15日 〜 9月18日
       9月19日 〜 10月27日
         12月12日 〜 12月09日






● ニュースと感想  (10月28日)

  豚インフルエンザの患者に簡易検査をするせいで、タミフルやリレンザの処方が遅れて、死者を増加させている。ヤブ医者たちが人を殺す。(あなたもやがて被害者に ……  (^^); )
  → Open ブログ 「簡易検査による死者増加」


● ニュースと感想  (10月29日)

 中外製薬のタミフルの売上げが、前年比 33倍。こんなにボロ儲けができる国は、日本だけだ。馬鹿な日本をカモにして、ウハウハか。
  → Open ブログ 「タミフルでボロ儲け」


● ニュースと感想  (10月30日)

 任意のホームページについて、ルビを振ることができる。サイトの紹介。
  → Open ブログ 「ふりがなホームページ」


● ニュースと感想  (10月30日)

 「生活道路の速度規制」について。
 生活道路の速度を、時速 30キロ以下に規制するという。
警察庁は29日、一般道路の規制速度の決定方法を見直し、生活道路を一般道から独立させて新たな道路区分として原則時速30キロに制限するなどの新基準を示した。
 幅 5.5メートル未満の道路での事故は08年、19万3316件。
( → 毎日新聞 2009-10-29
 この件は、私も前に述べたことがあるが、時速30キロというのは、速すぎる。今でも時速30キロと表示されているところがあり、そこでは、その表示があるがゆえに、かえって自動車は時速30キロでふっとばす。歩行者は殺されそうになる。というか、殺された歩行者が何人もいる。(私の自宅のそばで。)
 幅 5.5メートル未満の道路(たいていは 4.5メートル)というのは、基本的には歩道である。人間が通るための道路を、自動車も通らせてもらっているだけだ。そこは歩車道が分離されている道の車道ではないのだ。とすれば、そこでは、時速 10キロぐらいに制限するのが妥当だろう。
 なお、幅 5.5メートル未満の道路を「車道だ」と強引に言い張るつもりならば(民主党みたいな自動車優先主義ならばそういうことはありそうだが)、その場合には、人間を通行禁止にするべきだろう。その場合、当然、たいていの人は自宅から出られなくなり、国家は麻痺する。国家破壊テロ。  (^^);
 それを馬鹿らしいと思うのであれば、時速 10キロぐらいに制限するべきだ。自動車が生活道路を走って、人間をなぶり殺しにするなんて、人道に反する。
 ま、民主党というのは、人道に反することをして、車道を優先させる。  (^^);  それが鳩山お得意の「友愛」だ。口先ばっかり。……こいつも小泉と同じで、詐欺師だな。
 小泉は「構造改革」という名分で貧しい人々を奈落の底に突き落とし、鳩山は「友愛」という名分で自動車を優遇して歩行者を踏みにじる。デカいタイヤが歩行者の上にのしかかる。ぎゃ〜〜〜〜。


    _。


● ニュースと感想  (10月31日)

 インフルエンザの感染を防ぐために、「ウイルス除去」をうたう空気清浄機は、有効だろうか? この問題を考える。
  → Open ブログ 「空気清浄機は有効か?」


● ニュースと感想  (10月31日b)

 「民主党の馬鹿」について。
 次の記事があった。
  → 「『前科』は問わない」民主党が参院選候補者の公募を発表
 前科? すると、犯罪者を国会議員にするつもりかよ!  (^^);
 ひょっとして、殺人犯も? 例の婚約者殺しの詐欺女でも候補者にするつもりか?

 「前歴」という言葉も知らない政治家。ひどいね。民主党も、麻生並みか。


● ニュースと感想  (11月01日)

 (1)
 屋上農園が都心で はやっているという。銀座や渋谷のビルの屋上に、家庭農園を設置する。「癒しになる」という理由で、大人気。  これは、私が前に推奨した「屋上菜園」に合致する。その意義は、「癒し」ではなく、「緑化」だ。
  → Open ブログ 「屋上農園」

 (2)
 「アキレスと亀」「ゼノンのパラドックス」というものが知られている。(数理論理学の分野。)  これらの問題は、現代数学がいまだ未完成であることとも関連する。
  → Open ブログ 「二種類の数学」


● ニュースと感想  (11月02日)

 太陽光発電を優遇する一方で、風力発電を冷遇することが決まった。支離滅裂。
  → Open ブログ 「風力発電を冷遇」


● ニュースと感想  (11月02日b)

 「欧州のガソリン価格」について。
 高速道路の無料化が話題になっているが、実際にそうしているドイツではどうなっているか? 実は、ガソリン価格が非常に高い。朝日(朝刊 2009-11-01 )のコラムによると、181円。他の欧州諸国でも、150円程度。日本は126円で、特別に安いという。
 念のため、ネットで検索したが、為替相場で変動するものの、だいたいそんな価格である。ドイツよりも高い国もある。
  → 参考サイト
 日本は突出して安いようだ。(ただし米国はもっと安くて、日本の半額。ほぼ無税のようだ。)

 以上のことから、次のように結論できる。
 ドイツで高速道路が無料だというのは、本当に無料であるわけではない。ガソリン税を通じて、走行距離および車両重量に比例する形で、間接的に金を取っているだけだ。比喩的に言うと、ケータイ電話の「定額制」の逆である。定額制ならば、「通話料金ゼロ」というふうに宣伝できる。逆に、従量制ならば、「毎月の固定料金はゼロ」と宣伝できる。どっちも「タダで電話を使えます」と宣伝するが、実際には多額の金を取る。ドイツも同じ。高速道路の使用量そのものは無料でも、走るたびにガソリンや軽油に大幅な課税がかかるから、ドライバーはしっかり金を取られる。
 だから、ガソリンに金をかけるか、高速道路に金をかけるか、という違いはあるものの、ドライバーが金を取られる点では、同じである。(本当にタダで高速道路を使えるわけではない。電気自動車は別として。)

 ところが、日本では、民主党が奇妙なことを主張している。高速道路もガソリン暫定税率も、どちらも負担をなくす、と。これはどういうことかというと、金が天から降ってくるということではなくて、自動車の利用者の料金を歩行者から奪う、ということだ。たとえば、自動車を運転できないお年寄りや、小さな子供たちから。
 そして、彼らから奪った金によって、高速道路でびゅんびゅん自動車を吹っ飛ばし、大量の炭酸ガスを排出し、空気を汚染し、ディーゼル微粒子をまき散らし、家風小を増大させ、酸性雨をたらして土壌を汚染し、健康を害させて人々の健康を蝕み、生活道路では時速30キロで吹っ飛ばして人々の命を奪い、歩行者の健康と命をさんざん奪い取る。
 「歩行者の皆さん、あなたたちの健康と生命を奪ってあげます。だから殺してあげるためのお金を戴きますよ」
 というわけ。殺し屋政策。

 欧州では、自動車は健康にも環境にもよくない、ということがわかっているから、ガソリンや軽油に高額の税をかける。一方、日本では、ディーゼルはガソリンよりも安いし、そのガソリンでさえ欧州よりも安い。なのに、さらに税額を半分にする。
 狂人か? 殺し屋か? 実は、違う。彼らの言い分は、
 「マニフェストに書いてあったから、実行します」
 だ。その意味は? 

 悪魔は、うまいことを書いた契約の証文の隅っこに、「あなたの生命を戴きます」という文句をこっそりまぎれこませる。そして、人がうまい言葉を信じてその契約書にサインしたあとで、「この契約書にはこう書いてあるでしょう」と言い張って、人の生命を奪う。
 民主党は、狂人でも、殺し屋でもない。悪魔だ。だまして国民の生命を奪い取る。


● ニュースと感想  (11月03日)

 豚インフルエンザの患者が急増している。それにともなって、医療がパンクしかかっている。これへの対処策は一つしかないのだが、いまだにそれとは反対の医療政策が取られている。自滅策。
  → Open ブログ 「患者急増、医療パンク」


● ニュースと感想  (11月04日)

 (1)
 前項では「患者急増、医療パンク」という話題を扱った。これをあっさり解決する方法がある。それは医療を定型化することだ。
  → Open ブログ 「診察を定型化せよ」

 (2)
 患者が急増して病院が混雑しているのは、医師たちが間違った治療をしているからだ、という話。医師による殺人。
  → http://openblog.meblog.biz/article/1893298.html#ps

 (3)
 米国がペラミビルの緊急投与を許可したのに続いて、韓国も同様の措置を取った。
  → Open ブログ 「韓国がペラミビルを許可」


● ニュースと感想  (11月05日)

 タミフルやリレンザは、五日間の連続使用が標準である。しかしこれを二日間に短縮することを提案したい。
  → Open ブログ 「タミフルの短期利用」


● ニュースと感想  (11月05日b)

 「インフラ崩壊」について。
 「橋が崩落寸前、国交省調査 財政難で補修進まず」という記事があった。
 コンクリートの劣化や鋼材の腐食が想定外に進み、崩落寸前の状態に陥った道路橋が全国で121基あることが、国土交通省の調査でわかった。
( → 朝日・朝刊 2009-11-04。紙の新聞の方が情報は詳しい。 )
 わかっているなら、金をかけて補修すればいいのだが、民主党はその逆をやろうとしている。補修費となるべきガソリン税率を半減して、補修費を消してしまおうとする。現状のまま放置すれば、やがて補修費が急増して、とんでもない巨額になるという。
 その結果は? 放置したあげくの、インフラ崩壊。あちこちで橋が崩落し、動労は陥没し、空中の高速道路はひび割れる。あちこちの道路が通行止めとなり、国家は分断される。

 ま、これを予防する一番の方策は、「大型車両を減らすこと」であり、「大型車両には大幅課税する」ことなのだが、現状は、その反対で、大型車両をどんどん容認している。トラックはどんどん大型化が進行し、それにともなって、橋はどんどん崩れていく。
 その意味は? 国の方針は「大型化による物流コストの低減」だ。しかし実は、橋などの補修費がかさむのだから、ちっともコスト低減になっていない。かえってコストは上昇する。……だから、その本質は、「物流コストを引き下げつつ、社会コストを上げること」だ。つまりは、「運送業者が儲けて、国民が損すること」だ。要するに、「運送業者が国民の金を盗むこと」である。
 こう言う泥棒をやるのが、自民党と民主党の政策。特に、民主党はひどい。「歩行者から金を盗む」という政策を、大々的に推進しようとする。
 高齢の老人から金を盗む泥棒が、「友愛」を口にする。盗人猛々しいとはこのことだ。いけしゃあしゃあと、よくまあ恥ずかしげもなく口にできるものだ。言っていて、恥ずかしくないんですかね? (詐欺師だから、嘘はお手の物か?)

 [ 付記 ]
 何で民主党はこんなに自動車優遇にこだわるのか? 
 ひょっとしたら、小沢の不明資金と関係しているのかも。どこから入ったかわからない政治資金が4億円ぐらいあるらしい。どこから入ったか?
  → 読売新聞 2009-11-04 「土地取引巡る記載虚偽」

 どこから入ったかはわからなくとも、どこに出ていったかはわかる。
  → 民主党の小沢支配
 小沢の師である田中角栄は、「金で党を支配せよ(子分を買収せよ)」という教えを残した。小沢はそれを忠実に実行しているわけだ。


● ニュースと感想  (11月06日)

 「出口戦略とは?」について。
 日本を含む先進諸国の国家財政の借金が雪だるま式に増えていることについて、「出口戦略を立てよ」とIMFが報告書で指摘した。つまり、「解決の道筋を立てよ」と。
( → 読売新聞・朝刊・2面 2009-11-04。紙の新聞のみ。)
 特に日本を名指ししているわけではないのだが、日本の状況が一番悪いので、日本は特に問題となっているようだ。

 さて。問題は、「出口戦略とは何か?」だ。口先で言うのは優しい。「財政赤字をなくすこと」だ。では、その方法は? それが問題だ。

 赤字を減らす方法は、二つしかない。次のように。
  ・ 支出を減らす
  ・ 収入を増やす
 ここで、「収入を増やす」というのは、「天から金が降ってくる」というようなタナボタを意味するのではない。「労働活動(生産活動)を増やす」ということだ。……そして、それのみが、この場合には正解となる。
 一方、「支出を減らす」という方法もある。これは帳簿屋のやる方法だ。会社でも経営コンサルタントを呼ぶと、たいていはそれをやる。たとえば、日産のゴーン社長がそうだ。「支出を切り詰めよ」と宣言して、コストカットをしたのはいいが、ついでに、ハイブリッドの研究費もゼロになってしまった。今までの研究の蓄積はパーとなり、日産はハイブリッドの開発が中止。そのせいで、トヨタやホンダに大きくリードを奪われることになった。(ちょうどそのころ、ホンダはハイブリッドの開発費を大幅に増加していた。)
 個人の家庭でたとえよう。病気で失業して、借金が溜まっている家庭がある。ここでは、次の二つの道がある。
  ・ ただちに借金を減らす。薬を中断して、食事も減らして、ホームレス。
  ・ もっと借金をして、健康を回復して、そのあとでいっぱい働く。
 前者は支出を減らす方法。後者は所得を増やす方法。どちらがいいか? 前者は死にいたり、後者は正常化に至る。

 現実は? たいていの国では、マネタリストが威張っていて、「金融政策で景気を回復せよ」とだけ喚いている。マネタリストの傍流みたいな連中は、「とりあえず増税して財政を健全化せよ。そうすれば財政健全化により市場金利は下がるので、投資が増える」と主張する。(インフレのときには、これは有効である。クラウディング・アウトの逆。)
 要するに、今の経済学者立ちは、正解を取らない。「所得を増やす」「労働活動を増やす」という方法を取らない。単に、「マネーを操作するだけで生産量を増やす」とか、「生産性の向上でタナボタで金儲け」とか、そういうデタラメばかりを主張する。「まともに汗水流して働くことが大事だ」とは誰も言わない。
 
 結論。
 経済のことを最も知らないのが、経済学者だ。経済活動をモデルによって説明することばかりに熱中するから、「モデルの変数をどう操作しようか」という表面的なことばかりを見る。そのせいで、「労働活動が富をもたらす」という本質を見失う。
 経済のことを最も知らないのが、経済学者だ。そして、その典型が、IMF だ。「出口戦略を練れ」なんて、子供じみたことばかりを言っている。頭が大人であれば、「正しい出口戦略とはこれこれです」と示せるのだが、それも示せない。というのも、「モデルの変数をどう動かすか」ということばかり考えているからだ。
 経済学者たちが、自分で汗水垂らして働けば、「経済とは何か」を理解できるようになるだろう。


● ニュースと感想  (11月06日b)

 (1)
 ファビピラビル(T-705)という抗インフルエンザ薬がある。タミフル、リレンザ、ペラミビルと並ぶものだ。これもまた、米国では緊急利用が認められたという。
  → Open ブログ 「ファビピラビル(T-705)もOK」

 (2)
 レヴィ=ストロースを一言で言えば、「最後の巨匠」であろう。人文科学がまだ大きな勢力を誇っていた時代の、掉尾を飾る。
  → → nando ブログ 「レヴィ=ストロース」


● ニュースと感想  (11月07日)

 (1)
 これまでのデータでは、豚インフルエンザの死亡率は 0.001%以下だという。また、死者の大半は、持病のある人。
  → Open ブログ 「死亡率は 0.001%」

 (2)
 インフルエンザのワクチン接種のために病院に行くと、待合室で感染してしまいそうだ、という話。元も子もない、というべきか。
  → Open ブログ 「ワクチン接種で感染」


● ニュースと感想  (11月08日)

 インフルエンザを含む風邪(風邪症候群)に対して、解熱剤を処方する医者がかなり多い。しかしよほどの高熱でなければ、解熱剤は不要だ。
  → Open ブログ 「風邪と解熱剤」


● ニュースと感想  (11月08日b)

 「勝間和代は間違っている?」について。
 勝間和代が菅直人と政策論議をしたという。記事を二つ引用しよう。
 菅直人副総理・国家戦略担当相と経済評論家の勝間和代氏が5日、今後の財政政策などについて議論を戦わせた。勝間氏は「若年層の失業対策と財政再建の特効薬はデフレを止めるこだ」と主張し、日銀による金融緩和策を断行し大量の通貨を発行することを提案したが、菅氏は難色を示し、約1時間に及んだ論争は物別れに終わった。
 菅氏が「どうすればいいのか」と尋ねると、勝間氏は「紙幣をたくさん刷って、借金にして政府がばらまく。国債発行は悪くない。実際は投資であり、将来の税収なり投資した資産で賄えばいい」と大胆にたたみかけた。
 これに対し、菅氏は「勝間氏の話は極めて魅力的だ」と持ち上げつつ、「日銀がやってくれるなら明日にでも言おうかという気はあるが、どこかのお金を持ってきて一時的に使っても、結局どこかのお金が使えなくなって返さなければいけなくなる」と消極的な様子。働く女性らにカリスマ的な人気を誇り、“カツマー” 現象まで起こしている勝間氏も、菅氏の心は動かせなかったようだ。
( → 産経ニュース 2009-11-5

 「具体的にどうすればいいのか」と聞く菅担当相に対して、勝間さんは「通貨発行量をふやすのがいちばん簡単」「要は中央銀行のお金を大量に刷って、それを借金として政府がばらまく」と回答。菅担当相が「簡単に言えば、国債を50兆なり70兆なり出して、日銀に買い取らせるということか」と聞くと、勝間さんは「そういうことです」と答え、「国債の発行が悪いことのように国民は教育されているが、将来への投資と考えるべき」と主張した。
( → 毎日新聞 2009-11-6
 これに対して池田信夫が噛みついている。
 毎日新聞の記事によれば、彼女はそれを国債の日銀引き受けでやれと主張したようだが、ゼロ金利状態でいくら通貨を供給してもインフレが起こらないことは、ここ1年の世界経済で実証ずみだ(彼女か亀井静香氏が首相になれば起こるかもしれないが)。
 こんな間違いだらけの経済政策を政府に提案するのは、笑ってはすまされない。「勝間バブル」も、いい加減につぶしたほうがいいのではないか。
( → 池田信夫ブログ 2009-11-7
 まず、池田信夫のブログには、勝間和代の提言がリンクされている。それを見たが、いちいち「間違いだ」騒ぐほどのことじゃない。彼は自説と異なるものをすべて「間違いだ」と決めつけたがるが、勝間和代の説は、おおむね、ただのマネタリストの見解にすぎない。つまりは、学会の主流派の見解だ。それだけ。
 勝間和代というのは、自分では何も考えず、他人の言説をまとめるのが得意なだけだ。その説を見て「間違っている」と言うのは、見当違いも甚だしい。彼女は自説を何も述べていない。単にマネタリストの見解を述べているだけだ。あれを「勝間和代の説」と見なすのは見当違いも甚だしい。また、批判するなら、勝間和代でなく、マネタリストを批判するべきだ。(女性への やっかみをするのは、女々しいね。情けない。)

 どちらかと言えば、冒頭の新聞記事の方がよほど興味深い。
 「日銀引き受けで、ばらまき」
 というのは、確かに、インフレの効果がある。その意味で、池田信夫のように、
「ゼロ金利状態でいくら通貨を供給してもインフレが起こらないことは、ここ1年の世界経済で実証ずみだ」
 と言うのは、見当違いだ。彼は(前日・前々日の)記事を、ちゃんと読んだのだろうか? 勝間和代の説は、金融市場に金を投入するのではなく、財市場に金を投入することなのだから、確実に、インフレ効果はある。その意味では、勝間和代の方が、池田信夫よりも圧倒的に正しい。池田信夫は経済学のことを全然、理解していないようだ。金融市場と財市場の区別もできていないようだ。ど素人ですかね? 

 勝間和代の説で問題があるとしたら、「ばらまく」という言葉の意味だ。彼女はそれを「実際は投資であり」と表現しているから、たぶん、公共投資(公共事業)に使う、という意味なのだろう。つまり、ケインズ政策。そして、その資金に、赤字国債を使う、というわけ。
 これは、クルーグマンの説と同様だから、特に「間違いだ」と大騒ぎするほどではない。よくあるケインズ派の説と同様である。オバマだって同じようなことを言っていた。これを批判することはできるが、あくまで「学説の一つ」として批判するべきだ。別に、勝間和代の独自の説じゃない。「勝間和代の説」として批判したら、ケインズが泣くよ。

 「赤字国債によって公共事業をしてデフレを脱する」ということは、まさしく成立する。その意味で、「デフレ脱出」を目的とするのであれば、勝間和代の説は完璧に正しい。(ケインズの説が正しい、という意味と同じ意味で正しい。)
 ただし、問題は、「デフレ脱出」を目的とするということだ。それが問題だ。なぜか? ケインズの方法では、「デフレ脱出」は可能だが、そのあとで、「インフレの暴走」が起こるからだ。いわば、窮地を脱するための 100万円を貸してもらったら、そのあとで利息を 500万円も要求された、というようなものだ。(悪魔の商法。悪徳サラ金ふう。) つまり、「行きはよいよい、帰りは怖い」である。
 
 勝間和代の説は、正しくはない。しかしその理由は、「これではデフレ脱出ができない」ということではなくて、「デフレ脱出はできるが、そのあとで不幸が倍加して襲いかかってくるから」である。
 そして、正しい方法は何かと言えば、「ばらまきをしない」ことではなくて、「ばらまきの対象を、公共投資のかわりに、減税にすること」なのだ。この場合にのみ、デフレ脱出が可能となり、かつ、インフレ暴走を避けることができる。(将来の増税によって。)
 この件は、下記で詳しく説明したことがある。
   →  nando ブログ: 公共事業の難点
   →  nando ブログ: 定額減税の意味

 [ 付記 ]
 現時点では、投資不足ではなく、消費不足となっている。投資が必要なのは、供給が不足しているときだが、現時点では供給は過大なのだから、供給を増やす必要はない。
 現時点では、消費が不足しているのだから、消費を増やせばいい。将来、インフレになったら、消費が過大になっているのだから、消費を減らせばいい。……これが物事の本質を突いた考え方だ。
 経済政策というのは、消費の変動を調節するためにあるのである。そして、その理由は、経済現象というものがすこぶる心理的なものであるからだ。……このことを理解できない人々が、経済を科学的に扱おうとして、誤りに陥る。(恋愛を科学して女性にもてよう、とする男が、みんな女に嫌われるのと同じ。科学オタクというべきか。気持ち悪い。……経済学者はたいていそうだ。)

( ※ 消費でなく、公共投資なら? この点は、すぐ上のリンクで示したとおり。つまり、公共投資というものは、数年ぐらいで増やしたり減らしたりするものではない。やれば、「半分だけのダム」や「橋梁だけの橋」など、廃墟ばかりが莫大にできる。逆に、継続すれば、将来的にインフレが暴走する。)


● ニュースと感想  (11月09日)

 (1)
 簡易検査をしたせいで死んだ患者が、またも出た。殺人同様。  簡易検査は今後さらに増える見込み。殺される人も増えるはずだ。
→ Open ブログ 「簡易検査でまたも死ぬ」

 (2)
 「電子政府」がかつて話題になったが、その顛末(てんまつ)。  国の電子申請システムは、利用率が極端に低いという。利用者に使いにくいし、システムも各省でバラバラ。では、どうすればいいか?
  → Open ブログ 「電子申請システムの改善」

 (3)
 スプーン曲げをするにはどうすればいいか? 物理学的に考えて、一つの方法が思い浮かんだので、実行してみた。そうしたら、いともたやすく、スプーン曲げができた。その方法を教える。
  → Open ブログ 「スプーン曲げの方法」


● ニュースと感想  (11月10日)

 2歳の幼児が、豚インフルエンザで死亡した。呼吸停止後にリレンザを投与したが、そのまま死亡したという。この事例を考える。
  → Open ブログ 「幼児感染者の死因」


● ニュースと感想  (11月10日b)

 「政府紙幣とフリーランチ」について。
 池田信夫なんかの相手をするのは馬鹿げているとは思うのだが、勘違いしている人も多そうなので、少しコメントしておく。
 元ネタはこちら。  → 池田信夫ブログ
 以下、コメント。

 (1) 政府紙幣
 政府紙幣について、池田信夫は「それは国債の日銀引き受けと同じく無意味」と書くが、そうではなく、「それは国債の日銀引き受けと同じく有意義」なのである。詳しくは下記。
  →  nando ブログ: 政府紙幣の意義

 (2) フリーランチ
 池田信夫は「フリーランチはない」と書くが、それは正しくない。
 彼の主張は、「減税に対しては、増税か、物価上昇か、二者択一だ」ということだが、それは正しくない。ま、少しは増税することもあるだろうが、基本的には、増税よって所得を奪われることなしに済ませることも可能だ。
 このことは、次のことからもわかる。
 「金を払わずに飯を食う方法はある」
 たとえば、あなたが貧乏旅行していて、飯を食いたいと思うが、金を払えない。そこで、どうするか? レストランにはいるとき、表からでなく裏口から入ればいい。そして、こう頼む。「何でもいいから飯を食わせてください。そのかわり、皿洗いをします」
 こうして、金を払わずに、飯を食うことができる。その意味は? 金を払わず、労働を払う、ということだ。
 マクロ経済学でもそれは成立する。300万円の所得がある人に、20万円の減税をもたらしたあと、増税で 20万円を奪う必要もないし、物価上昇で 20万円分の貨幣価値低下をもたらす必要もない。かわりに、20万円分、余計に働いてもらえばいい。ただし、それに対しては、所得を与えない。具体的に言えば、「20万円の所得を与えるが、そのすべてを増税で召し上げる」というふうにする。この場合、たとえ20万円の増税があっても、所得は全然減らない。金は少しも奪われず、労働を奪われるだけだ。
 ここで、差し引きすれば、最初に 20万円の減税があり、最後に20万円の無賃労働がある。差し引きすれば、損得はない。「働いてから金をもらう」かわりに、「金をもらってから働く」というふうになるだけだ。つまり、順序が変わるだけだ。
 しかも、このことを通じて、全体的には失業(不況)という問題が解決する。めでたし、めでたし。

 結論。
 経済学の役割は、「フリーランチはない」と語ることではなくて、「働かざる者食うべからず」と語ることだ。金を出したり引いたりすることを語る必要はなく、「労働が生産活動を生み出す」と語ればいい。
 池田信夫みたいな人は、やたらと「生産性向上」というようなことを語るが、生産性の向上なんか意味はない。なぜなら、失業者は、生産活動をしていないから、どんなに生産性向上があっても無意味だからだ。大事なのは、(無職でなく)生産活動をすることであって、生産性の向上ではないのだ。

 池田信夫は「需給ギャップ」(需要不足)という言葉すら理解していない。彼はこう書く。
 「需要不足とは何を基準にしているのか。長期的に維持可能な自然水準に比べて需要が足りない場合は金融政策で調節できるが、」
 何を勘違いしているんだか。需要不足とは失業率によっておおむね数値化される。(稼働率の低下分に相当する。)
 また、「需要が足りない場合は金融政策で調節できる」ということはない。金融政策では調整できないというのが「流動性の罠」の状況である。金融政策で調整できるのは、需要のうちの「投資」だけであり、「消費」を調整することはできない。こんなことはイロハだろう。
 まったく、嘘ばかりを書くのは、やめてもらいたいものだ。彼は自認しているように、マクロ経済学を全然理解していないのだから、総需要とか総供給とかいうような問題については語らない方がいい。あるいは、せめて、勝間和代の本でも読んで学んだ方がいい。そうすれば少なくとも 50点は取れる。今は零点ですけど。


● ニュースと感想  (11月11日)

 「労働機会の増加」について。
 前項(前日分)では、「フリーランチ」の話として、こう述べた。
 「増税も物価上昇もなしで富を得られる。そのためには、労働をすればいい。労働によって、生産活動をすれば、生産活動の果実を得られる」
 ここで、問題は、労働を「する」か否かではない。労働を「できる」か否かだ。
 ここを勘違いすると、次のように主張する。
 「労働市場は、需給が均衡している。労働者は、選り好みしなければ、何らかの職業に就ける。だから、どんなに賃金が低くても、働く意欲さえあれば、就職できるはずだ。問題は労働者の労働意欲である。だから、職業訓練所などで鍛えればいい」
 こういう阿呆なことを主張したのが、フリードマンなどの古典派だ。池田信夫もその一人。「低い賃金でも我慢すれば就職できる」と言う。
 しかし現実には、生活保護ぐらいの金しかもらえないことが多い。整形した殺人犯は、体を酷使する肉体労働をしても、月に 15万円。年収 200万円にもならない。これが下級労働者の相場だ。
 それでも、そこに就職できるだけ、まだマシだ。現実には、母子家庭の母親などがあり、肉体労働は不可能な人も多い。そして、パートなどの職場は、数が限られている。女性失業者をすべて吸収するだけの労働市場はない。

 ここまで来れば、結論は明らかとなる。大事なのは、労働の意欲ではない。労働の機会だ。
 つまり、経済学がなすべきことは、「需給は必ず均衡する」という嘘八百を述べることではなく、「不況期には労働機会が減っていて、失業者が急増する」と述べることだ。失業者が増えるのは、人々が急激に労働意欲をなくしたからではない。あちこちで大量の解雇者が出現し、かつ、求人が大幅に減っているからだ。求人倍率が 0.9倍ぐらいになっていれば、求人からあぶれる休職者が大量に出現するのは当然だ。つまり、不況期に失業者が出るのは当然だ。
 このような問題に対して、「需給は均衡する」なんて馬鹿げた妄想を信じていては、どうしようもない。ここではきちんと「労働機会が減っている」と認識するべきだ。
 そして、そう認識すれば、正しい方策もわかる。それは労働者を鍛えることではない。労働機会を与えるように、マクロ的な生産活動そのものを増やすことだ。
 そして、マクロ的な生産活動を増やすには、「需要の拡大」しか方策はない。(供給は足りていて需要不足があるからだ。)
 つまり、労働市場における需要不足を解決するには、一般の市場(財市場)における需要不足を解決するしかない。

 以上のように、物事の根源を考えるのが、経済学だ。一方、
 「フリーランチはない」
 などと語ることで、「増税か物価上昇か二者択一だ」なんていう発想を取ってはダメなのだ。そこには「生産活動を増やす」とか「労働機会を増やす」とかいう経済学的な発想が欠落している。あるのはただ、「帳簿の帳尻をどうするか」という経理屋の発想があるだけだ。それは会計学ではあっても、経済学ではない。


● ニュースと感想  (11月11日b)

 「民主党の事業・仕分け」について。
 民主党が事業の仕分けをして、不必要な事業を洗い出すという。
   → 朝日・朝刊 2009-11-10
 しかし、国のやっている事業には、(公共事業を除けば)無駄なものはそんなに含まれていない。無駄なものが多いのは、委託事業だ。つまり、独立行政法人に補助金を出して、それが天下り役員の人件費に消えてしまう、という例だ。特に、独立行政法人が随意契約で民間会社に発注するのが、すごく無駄だらけ。この件は、前にも述べた。
  → 10月13日
 だから、この点を改善すればいいのが大事だ……と思っていたら、長妻厚労省がさっそく、その改善を打ち出した。
  → 朝日・朝刊 2009-11-10
 これは、上記の指摘に見事に合致する。偉い。……ただし、問題もある。対象が、「高齢・障害者雇用支援機構」という一つの独立行政法人だけだ、という点だ。
 これを、全省庁のあらゆる独立行政法人に当てはめれば、私の指摘とまったく同じになるので、すばらしい。そうなるかな? 
 私の予想では、「自動車関係の独立行政法人だけは別枠扱い」だ。民主党ってのは、そうじゃないですかね?  (^^);


● ニュースと感想  (11月12日)

 ワクチンの接種回数を1回にするか2回にするか、というふうな話題がある。しかし私は、ワクチンの問題については、あまり論じてこなかった。  あらためて考えるに、やはり、ワクチンの問題は大騒ぎするほどではない、と思う。大事なことは、ほかにある。
   ( ※ 本項は特に読まなくてもいい。)
  → Open ブログ 「ワクチンと免疫力」


● ニュースと感想  (11月12日b)

 「変装の仕方」について。
 英国人女性の殺人容疑者が、整形した甲斐もなく、逮捕された。
  → 日刊スポーツ
 記事によると、「白いジャンパー、黒いズボン、黒いニット帽を深めにかぶり、黒いサングラス、白マスクをつけていた。乗客らは、異様さを感じ取り、ひそひそ声で「市橋と違う?」「似ている」と話し合った」そうだ。
 これじゃ、「怪しい人物だ」と自分で宣伝しているようなものだ。つかまるのは当然。
 そこで、変装の仕方を教えよう。  (^^);

 これは、なんと言っても、お化粧ですね。
  ・ 眉を剃って、新たに描く。
  ・ つけまつげや、アイシャドーや、マスカラや、アイライナー ★★★
  ・ ファンデーションで、目や唇の印象を変える。(例。唇を小さく見せる。)
  ・ 額の形を変える。(額の角に剃り込みを入れる。)
  ・ 顔の特徴となる部分を変える表情をする。一時的に。
   (例。唇を上方に移す。頬をふくらませる。)
  ・ 鼻の両脇に、八の字ふうのラインを引く。(化粧で。)
  ・ 目の下に、クマをつける。
  ・ 鼻の穴を大きくする。(ストローの断片でも入れる。)
  ・ 笑顔になって、怪しい感じを消す。
  ・ 背広を着て、立派な雰囲気にして、怪しい感じを消す。

 悪いことをしたときには、どうすればいいか、これでわかりましたね?  (^^);


● ニュースと感想  ()

 「民主党の事業仕分け」について。
 民主党が事業の仕分けをしている。不要な事業をやめて、巨額の金を浮かすという。
 このこと自体は好ましいことだ。そこで、これを見て、「民主党はよくやっているな」と思う人も多いだろう。しかし私の評価は異なる。民主党は全然ダメだ。期待はずれと言うことはなく、もともと全然期待していなかったが、やはり予想通りで、「案の定、駄目だったか」という感じ。
 何が駄目か? 国にとって最重要の事柄を理解できていない点だ。民主党にとって一番大切なのは、事業の仕分けじゃない。高速道路の無料化だ。そして、そのためにつじつまを合わせるために、財源を探し出そうとする。つまり、いくら事業の仕分けをして金を浮かせても、その金は高速道路の無料化に消えてしまう。一つの無駄を消して、別の無駄に付け替えるだけ。意味がない。
 ま、それほどひどくはないし、高速道路の無料化以外にも「児童手当」などにも行くだろうから、まったく駄目なほどでもない。ただし、どうしても駄目な点がある。それは、一番大切なことを理解していないことだ。
 一番大切なこととは何か? もちろん、景気対策だ。小泉だって、安倍だって、福田って、麻生だって、「最重要の課題は景気対策だ」と理解していた。ところが、民主党のやることは、「無駄をなくすこと」いう、小物たたきみたいなことばかりだ。
 無駄をなくすことは確かに大切だが、そんなことよりもっと大切なことがあるでしょうが。国がいくら無駄を減らしたって、その量はたかが知れている。国民の税負担率は所得の5%前後しかないから、いくら無駄を減らしたって、GDPに影響する量は1%程度でしかない。
 そんなことよりも、GDP がこの 20年間で20%ぐらい低下してしまった、ということを理解するべきだ。この数値がどこから来るかというと、他の諸国との比較だ。以前は世界2位だったのに、今(昨年の値)では世界19位だ。もし世界2位の水準が続いていたら、GDP は20%ぐらい増えていたはずだ。逆に言えば、この 20年間で世界カ国は 20%ぐらいGDP を上昇させたのに、日本はGDP の成長率がプラスどころかマイナスになっている。それでいて、物価下落(デフレ)という悪しき事柄の影響で、実質成長率という名目的な数値だけは若干のプラスになっている。デフレが悪化すれば悪化するほど実質成長率が高まるので、「病気がひどくなるほど健康値が向上する」というからくりになっている。そのせいで、病気の悪化を、まともに認識できない。
 途方もない重病の人間が、家のなかの無駄を減らそうとして掃除をしても、意味がない。そんな下らないことをしている暇があったら、さっさと重病を治すべきだ。自分が重病であることもできない馬鹿病人。それが日本であり、その頭が民主党なのだ。
 馬鹿もいい加減にしろ、と言ってやりたいね。この点では、自民党の方が、はるかにマシだった。自民党は、何事も「金、金、金」という卑しい体質だったから、すくなくとも、金を失うという不況を正しく認識できた。しかるに、民主党は、「金がどんどん減っている」という状況にあっても、それを理解できず、「正しいことは何か」という善悪ばかりを追い求めている。理想を追って餓死する馬鹿。
 太陽電池なんかを求めて、空の太陽を王よりも、自分の足元が崩れていることを、きちんと理解するべきだ。「環境税で各家庭に毎月 1000円以上の増税にして、その金を環境対策に使います」というのが、民主党の政策。夢見るのも体外にしろ、と言ってやりたいね。
 環境対策という名の無駄事業を莫大にやろうとしてることすらもわからない、理想主義の空想家(馬鹿)。……日本を滅ぼすか?


● ニュースと感想  (11月13日b)

 「民主党の独裁政治」について。
 民主党は結構頑張っているように見えるが、この党には根源的な大問題がある。それは「党内独裁」という独裁主義だ。これは民主主義の反対である。民主主義という原理そのものを否定している。小泉は日本経済を破壊したが、民主党は日本の政治の民主主義を破壊しようとしている。(自分の党の名前さえ否定している。)非常に危険な体質なので、指摘しておく。
 この問題は、民主党の議員全体における問題というわけではない。小沢という一人から発する問題だ。ただし、その影響力が党内の全体に行き渡り、党全体の体質を変えてしまっている。だからこれは優れて民主党の問題なのである。
 
 具体的には何かというと、次の問題だ。
 「党内の異論を封殺する」

 一般に、民主主義というものは、複数の対立する主張が意見を交わすことによって成立する。ところが小沢はこれを封殺する。
 「与党なんだから、政府内で主張すればいい」
 と。これは一見、もっともらしい。しかし現実には、それはできない。なぜなら、政府内で主張する場は設けられていないからだ。儲けられているのは、「政務三役」(副大臣・政務官など)に意見を具申する場だけだ。しかし、そこでは、「意見の一方的な発言」があるだけである。「お上が一方的に意見を聞いてやる」だけであり、ただの「ガス抜き」にすぎない。
 しかし、民主主義というものは、ただの「意見の一方的な具申」ではない。上のものが下のものの意見を聞いてやることではない。民主主義とは、複数の人々が自分たちで結論を決めることだ。もちろん、直接民主主義は不可能だから、国民が自分たちで方針を決定することはできない。しかし、間接民主主義では、国民の代表者たる議員が自分たちで方針を決めることができるはずだ。特に、行政でなく立法の分野では、そうであるはずだ。
 ところが小沢民主党は、これを全否定する。やることはあくまで、「上のものが下のものの意見を聞いてやる」ことだけだ。下のものは政策の形成にタッチできない。
 その結果は? 上のものによる独裁だ。簡単に言えば、政務三役による独裁だ。もっとはっきり言えば、大臣・総理大臣を含む党の上層部による独裁だ。そして、それに対して、多くの議員は反対できない。党内独裁。

 それで問題があるか? ある。具体的な例は、「高速道路無料化」だ。これは、国民の大半の反対にあっているのに、強引にゴリ押ししようとする。なぜか? 「マニフェストに掲載してあったから」という理由だが、そのマニフェストは誰が決めたのか? 
 朝日新聞(1週間ぐらい前)に、驚くべきことが記されていた。民主党のマニフェストは、党内の意見を集約したものではない。ほんの2〜3人ぐらいが、1カ月ぐらいで慌ただしく決めてしまったという。そして、そのなかには、直嶋正行がいた。自動車労連の代表であり、現在は経産省の大臣だ。彼を含む何人かの人々が、党内の意見を聞くこともなく、強引にマニフェストにそれを挿入した。そのせいで、独裁の形で、高速道路無料化という方針が決まった。
 そして、いったんその方針が決まると、それに抗弁することはできない。「文句があるなら政務三役に言え」と言われるが、いくら政務三役に言っても、彼らは、「意見はお聞きしました」とだけ言って、抗弁する議員を追い出すだけだ。
 こうして党内独裁制度が完成する。そして、その独裁で決まった方針に対して、国会議員全員を党議拘束で縛る。かくて、国の政治を決める。……このようにして、党内独裁を通じて、国家の独裁が決まる。
 その具体的な例が、「国民の意見に反する形での高速道路無料化」だ。だから、高速道路無料化は、ただの一例ではない。それは日本の独裁政治の始まりである。それはいわば、ナチスドイツが初めて独裁を始めた頃と同様である。

 この方向は着々と進みつつある。一例が「集団的自衛権」だ。これを党内独裁の形で進めようとする。党内の大半の意見が反対であっても、小沢一人が「やる」と思えばやるようになる。独裁制。そして、そのために、「異論を言うものはすべてつぶす」という方針を取る。その例が「法制局長官の意見の封殺」だ。
 
 小沢は今春、党代表の座を降りたとき、首相の座に着くことを断念させられた。そのとき、「ならば党を統制して、党を通じて日本を支配しよう」と思った。つまり「陰の首相」だ。彼はその方針を着々と進めている。日本は「陰の首相」による独裁政治の道を進みつつある。
 小沢による独裁政治は、金正日のような「軍事的な強権」ではなく、「他人の意見の封殺」である。暴力で脅して従属させるのではなく、意見の場を消すことによって他人の意見を実質的に封殺する。
 日本の政治はまさしく独裁政治に支配されつつある。その危険性を誰も指摘しないから、私ははっきりと指摘しておく。……下手をすると日本はそのうち、戦争に巻き込まれるかもしれない。(小沢の体質は「戦争好き」ということだ。それを放置していると、ヒトラーを放置したドイツみたいになりかねない。気づいたときには「いつのまにか世界大戦が始まっていた」となりかねない)


● ニュースと感想  (11月14日)

 「税収の大幅減」について。
 前日分(前々項)では、「景気対策こそ重要だ」と述べたが、それを裏付ける数字が出た。景気悪化のせいで、国の税収が 10兆円近くも減収になりそうだという。(見込みだが。)
  → Zakzak
 ま、どのくらいの数値になるかはともかく、数兆円規模の減収になることは確実らしい。
 つまり、あちこちでいくら「無駄減らし」をしても効果がない。また、「埋蔵金」を探しても、タコが自分の足を食うのと同じことである。(自分の金を自分で使うだけ。へそくりを使うのと同じ。ちっとも得をしていない。得をした気分になるだけ。)
 つじつま合わせばかりに熱心になって、「景気悪化」という肝心のことを見失っている。愚の骨頂。
 自民党は少なくとも「景気回復をめざす」という方針があった。方向づけだけは正しかった。
 一方、民主党は、正しい方向づけさえもできていない。あさっての方向を向いている。民主党にあるのは「マニフェストを守る」ということだけ。そして、そのマニフェストは、密室で数人で決めたものだ。つまり、民主党の方向は、「独裁政治を実行する」ということだけだ。
 独裁政治が国を破壊する、ということが、まさしく実現しつつある。


● ニュースと感想  (11月14日b)

 「スパコンの凍結」について。
 民主党の事業仕分けで、スパコン開発の凍結が打ち出された。
 「事業仕分け」の3日目の作業を始めた。 独立行政法人理化学研究所などが行っている次世代スーパーコンピューター開発のための補助金(267億5900万円)が「効果が国民に見えない」などとして「限りなく予算計上見送りに近い削減」とされた。
( → 読売新聞 2009-11-13

 次世代スパコンは、世界最高レベルの演算性能を目標に12年度の完成を目指し、神戸市のポートアイランドで建屋の建設が始まっている。
 仕分け人は「国民の目線で言うと世界一にこだわる必要があるのか」などと指摘。 ( → 朝日新聞社 2009-11-13
 馬鹿も極まれり、と言うべきか。
 「効果が国民に見えない」というが、あんたが馬鹿だからわからないだけでしょうが。その理屈で言うなら、国の科学予算はすべて全廃するべきだろう。そのかわり、金は高速道路無料化のような無駄遣いだけにすることになる。それだけは目に見えるから。愚の骨頂。ここまで馬鹿だとは思わなかった。
 「国民の目線で言うと世界一にこだわる必要があるのか」とも言うが、これも馬鹿丸出し。「世界最高レベル」というのは、世界一じゃない。日本のスパコンは、昔は世界一だったことがあるが、今では米国の周回遅れである。それどころか、いつのまにか二週遅れになってしまって、その間に、中国に抜かれてしまった。
 中国の国防科学技術大は29日、開発したスーパーコンピューター「天河1号」の演算速度が最高で毎秒1206兆回に達したと発表した。演算処理が1千兆回を超えるのは、米国に次いで2カ国目という。 ( → 共闘通信
 つまり、民主党の方針は、「日本はスパコンはいらないから、中国のスパコンでも買っていればいい」ということだろう。「日本は中国の後を追う途上国でいい」ということだろう。
 スパコン開発では、日本は困難に直面している。NEC は撤退して、富士通しか残っていない。その富士通も、今回の記事を受けて、株価が急落した。この分だと、日本からNECや富士通が消えてしまって、日本はコンピュータ分野で全面的に米国と中国に従属することになるかもしれない。

 高速道路を無料化するために、国家の先端技術をみんなつぶしてしまえ、というわけか。また、太陽光発電でも、技術開発には金を投じずに、古い技術の製品を耐稜線算して普及することが大事なのか。それなら目に見えるから?
 目に見えることだけを追っていては真実は知られない。サン・テグジュベリはそう教えた。民主党の連中にはとても理解できないことだろうが。

 小泉は「自民党をぶっつぶせ」と主張して、自民党を大膨張させた。皮肉なものだ。
 では、民主党は? 「無駄をなくす」と主張して、金の卵をつぶしている。皮肉なものだ。このままだと、日本は民主党に、ぶっつぶされるかもしれない。良いことをしようという意図で、悪いものをなくすつもりで、次々と国家を破壊する。自分を善人だと信じている馬鹿ほど、始末に負えないものはない。

 [ 補足 ]
 ネットを見ると、「無駄な研究に金をかけているのは削除していい」という話もある。しかし、基礎研究というのは、必ず無駄を含む。たとえば、IPS 細胞の研究だって、最初は成功の見込みはなかったし、評価するなら「可能性が低いこと流行るべからず」となったはずだ。しかし、可能性は低いと予想されても、とにかく実際にやってみたから、未知の領域が開けた。
 必ず成功することを約されるなら、人の通った跡の道を進むしかない。独自の道を開くことはできない。やろうとすれば「トンデモだ」と詰られるだけだ。
 しかし、そんなことでは、いつまでたっても独創的な研究はできないのだ。そこのところを、民主党の連中は全然理解できない。研究開発というものは必ず無駄を含む。無駄を削減することが目的ならば、あらゆる研究開発はストップする。
 なるほど、実行段階の事業というものは、無駄をなくすことが絶対に必要だ。しかし、研究開発というものは、無駄を含むものであり、無駄から生まれるものだ。なぜなら、不確実なものであるからだ。
 研究開発を「事業」と見ること自体が、根本的に間違っている。事業ではないものを事業と見なしている。
 馬鹿が船頭になると、船が座礁する、ということの見本。日本沈没? (こうなったら、まともな知識人は、みんな米国か中国に亡命するしかないかも。日本に残るのはクズばかり。   (^^); )

 [ 付記1 ]
 NHK で仕分け人というのが議論しているのを見たが、本質とは全然関係のないところで、言葉尻をとらえて、「世界一がどうのこうの」という揚げ足取りをしている。呆れたね。これじゃ、トンデモマニアと同じだ。相手を攻撃することだけが生きがい。物事の真実を理解しようという姿勢が皆無。今回の例で言えば、「金を削る」ということだけを目的として、相手の言い分をまったく理解せず、相手の言葉尻をとらえて、下らない攻撃をして、自分が正しいことを言っているつもりになる。人間があまりにも卑しい。
 こういうふうに科学のイロハも知らない会計屋みたいな連中が、数人だけで相談して、勝手に方針を決める。ほとんど独裁だ。
 今回の作業でただ一つよかったのは、こういう「馬鹿による独裁」が白日の下にさらされたことだ。それだけは民主的。おのれの独裁制を公開する、という点だけが民主的。おのれの馬鹿さ加減を堂々とさらす、という点だけが賢い。それだけは褒めておこう。  (……というのは皮肉だが、通じるかな? 褒められていると思って、喜びかも。  (^^);  )

 [ 付記2 ]
 どうせ無駄を削るのなら、「ミサイル防衛網に最低でも1兆円」(将来はさらに増える見込み)というのを削ればいいのだが……と思っていたら、ネットに同様の見解がいくらか見つかった。
 ただし、こういう議論をすると、兵器オタクが寄ってきて、「ミサイル防衛網がほしいよ〜」とギャーギャー騒ぎ立てるようだ。
 たぶん、小沢もそうだろうな。あの人は集団自衛権が生きがいだから。
 というわけで、民主党の「無駄削減」というのは、全然、当てにならない。彼らのやっていることは、「貧困老人の石油暖房費に課税して、高速道路無料化とガソリン減税の原資にして、それを省エネ・エコだと称する」ということからもわかる。汚い仕事をきれいに見せかけているだけ。国民をだまして、良いことを一つやって、その裏で悪いことを二つするが、そいつを隠す。善人に見せかけているが、ただのペテン師。


● ニュースと感想  (11月15日)

 「Google の書籍検索」について。
 Google の書籍全文検索の対象から、英語圏以外(日本など)の書籍は除外されることになるようだ。これで解決か。
《 グーグル訴訟で新和解案 英米文化圏の作品に限定 》
 デジタル化した書籍の全文検索サービス「グーグルブックス」をめぐる集団訴訟で、グーグルや米出版協会などの訴訟当事者は13日、新たな和解案をニューヨークの連邦地裁に提出した。
 対象を、米国の連邦著作権登録局に登録されている作品か、英国、カナダ、オーストラリアで出版された作品に限定することなどを柱にしている。これで日本への影響は当面、なくなったとみられる。
( → 朝日新聞 2009-11-14
 ま、これは、私が前に述べていたことでもある。ようやく常識的なところに落ち着くことになりそうだ。
 それにしても、こんな騒ぎを起こして、最後には常識に落ち着くとなると、Google の非常識さがよくわかる。
 Web 2.0 なんて言って Google を賛美していた連中は、どの面下げているんだか。泥棒を賛美する人がいるんだから、呆れる。

 ついでだが、ストリートビューも、何とかしてもらいたいものだ。民主党は、こっちはやらないのかな? やっぱりITリテラシーがない? Google の言いなり?

 [ 付記 ]
 参考記事(ニュース)
   → 読売新聞英文1英文2


● ニュースと感想  (11月16日)

 「民主党の評判」について。
 民主党政権の評判はどうか? 市井の人々の評価を聞く、という記事があった。(朝日・朝刊 2009-11-15 ベタ記事。紙の新聞のみ。)
 おおむね 65点前後。十人ぐらいの評価だが、だいたいこのくらい。高い評価も低い評価もなく、誰もがこの程度。
 これは新聞上の印象とは異なる。新聞記事では政府が大きな仕事をしているように見える。あれやこれやと報道して。……しかし市井の人々の判断は違う。「肝心の景気対策をちっともやっていない。この点では麻生政権の方がマシだった」というもの。
 これは、私が先日に述べたことと同じだ。( → 11月13日
 誰もが同じように感じているのだろう。マスコミだけが遅れている。ちゃんと報道するべきだ。「民主党政権の景気対策は全然なっていない」と。まったく、マスコミって、全然わかっていないですね。


● ニュースと感想  (11月16日b)

 「医学部廃止論」について。
 ネットをぶらついていたら、「医学部廃止論」というのが目に止まった。次の趣旨。
 「医学部を廃止して、医師国家試験の合格だけを要件とすればいい。合格者に対して、二年間の実技研修をすればいい。これは旧来の司法試験の場合と同様だ」
 というもの。( → 出典
 私は司法試験も医師国家試験もかなりよく知っているので、この主張はかなり妥当性があると思う。基本的には、この方針は好ましい。ただし、とても重要な点が抜けている。次のことだ。
 「四年制の大学の卒業を要件とする」
 つまり、ただの独学は駄目だ。四年間の大学教育を受けていることを要件とする。なぜか? 引きこもりみたいな連中が医者になっては困るからだ。
 旧来の司法試験の場合、引きこもりみたいな受験オタクがたくさん出現した。彼らは社会常識もないまま裁判官になり、世間常識のない判決をいっぱい出すという弊害が生じた。
( ※ なお、そのあとで、新司法試験というものが出たが、これはさらに輪をかけて有害なものとなった。馬鹿ばっかり、というありさま。受験オタクを排したら、基礎知識のない馬鹿が続出、という結果。おまけに、「なりそこね」の不合格者が大量に出現する、という無駄が生じた。……しかしまあ、これは余談だ。)
 
 ともあれ、引きこもりみたいな連中が医者になっては困るので、(旧来の司法試験の失敗に学んで)、四年間の大学教育を要件とするべきだ。また、卒業後、1〜2年以内の合格も要件とするべきだ。(長年の浪人を許容しない。)
 
 実を言うと、大学というものも、高校というものも、勉学のためであれば、ちっとも必要ない。私としても、大学からまともな教育を受けた覚えはない。しかしながら、大学生活というものは、非常に有意義なものだった。そこには人と人との関係があった。これこそが最も大事なものだ。
 そして、それを経験しないで、ペーパー試験だけで医者になろうとするような人間は、医者の資格がない、とすら言える。それでは、知識だけがあって優しさの欠落した人間となるだろう。(たとえば、トンデモマニア。他人を攻撃することに熱中する、というふうな。こういう医者が患者に対してどうふるまっているか、察することもできるというものだ。)

 ともあれ、「4年間の大学生活」を必要条件とするべきだ。その大学生活は、法学部でも理学部でも、何でもいい。しかし、現実には、他の学部で学びながら、医学の知識も学ぶ、という二重生活は、ほとんど困難だろう。となると、「医学部で医学を学ぶ」という現状の方針が、最も妥当だ、ということになる。ほぼ現状維持。  (^^);
 ま、違いがあるとすれば、「法学部や理学部で学んだ人も独学で医者になるように転向できる」という別コースが用意されていることだろう。しかし、そのような別コースの人がどのくらいいるかといえば、比率的にはごく少数だろう。(ただし、そういう人には、非常に優秀な人が多い。私のそばにもいた。)
 
 結局、冒頭の提案は、それなりに面白いが、現実的には、あまり意味 or 効果がないと思う。むしろ、その方針を取ったせいで、「引きこもりふうの受験オタク」が大量に医者になったとしたら、そのことの方が恐ろしい。人の心を理解できず、患者を「物」として扱う、という医者が、大量に出現しそうだ。
 私としては、冒頭の提案は、話としては面白いと思う。しかし、その提案から何か引き出すことができるとしたら、次のことだ。(反面教師ふう。)
 「大学において何よりも大切なのは、知識や勉学ではなく、大学生活(学生生活)だ。人間性の涵養だ」

 医学を学ぶ人たちは、「医学知識だけでなく人間性を学ぶ」ということを、何よりも大切にしてもらいたいものだ。そのために、充実した学生生活を送ってもらいたい。医学知識ばかりを詰め込むようであってはならない。知識だけで頭でっかちの医学馬鹿になってほしくはない。もしそういう医者になったら、どんなに頭がよくても、人から尊敬されることはなく、軽蔑されるだけだ。
( ※ よくいるんですよね。やたらと威張って、患者を小馬鹿にする医者が。)

 [ 付記1 ]
 「充実した学生生活って、何のことだ? スポーツや趣味か?」
 という質問が来そうなので、書いておこう。
 「それはもちろん恋愛だ」
 というのが回答です。  (^^); 
 で、そのために絶対にやってはいけないことがある。萌えキャラとのバーチャル恋愛だ。こういう馬鹿げたことをやらないで、リアルな人間と恋愛をしましょう。それが何より人間性を豊かにしてくれる。
 今の時代は、人々が歪んだ方向に進みつつあるので、まともな方向に進めるよう、自分を律するべきだ。私が常に「オタクになるな」と警鐘を発しているのも、「人間性の喪失」を避けて欲しいからだ。……ま、オタクという患者が出現する社会状況は仕方ないが、医者が精神病みたいな患者になってしまっては、世の中のネジが狂ってしまう。

 [ 付記2 ]
 「どうすれば恋愛ができるんだ?」
 という質問も来そうなので、答えておこう。次の二点が大事だ。
 (1) 人間として立派な人格を備えること。
 (2) 女性とのおしゃべりが上手なこと。

 (1) は、松井を見ればわかる。顔は不細工でも、人間性が立派であれば、女性からの尊敬を得られて、モテるようになる。
 (2) は、場数を踏むことが大事だ。また、話し上手であるためには、女性への思いやりを常にもつことが大切だとわかるはずだ。

 ともあれ、上記の(1)(2)ができれば、モテるようになる。女性全員からモテモテになるわけではないが、世間水準を大きく上回るモテ方になる。そもそも、医者ってのは、モテる職業なのだ。
 となると、あとは、女性がいる環境に入ればいい。その点でも、医者ならば、回りには若い女性がたくさんいる(看護婦さんのこと)。願ったり叶ったりだろう。
 だから、萌えキャラなんかと遊ばないで、看護婦さんとおしゃべりをしていればいい。
( ※ たとえば、「血液型性格判断なんてトンデモだ!」とネチネチ言うと、一発で嫌われること、間違いなし。そういう世間常識も、身につけることができる。  (^^); )
( ※ goo の調査 によると、モテない男のランキングで、2位は「文句ばかり言う」、4位は「ネガティブ思考」。……だから、「あいつはトンデモだ!」と騒いでいると、間違いなく、女に嫌われる男になる。こういうタイプが医者には多いらしい。なぜかは知らねど。)

 [ 付記3 ]
 ついでに、ちょっと感想。
 医学部に入学するには、莫大な入学金や学費を払う必要がある。(私学で。)また、国立でも、医学部の学生に投じる国費は、莫大なものだ。
 医学部では莫大な投資をしているのに、その成果がないのだろうか? 個人が独学しても同じ成果が得られるのであれば、医学部の授業はまったくの無駄だ、ということになりそうだが。
 このあたり、ちょっとわからないですね。私の聞いた範囲では、少人数授業や実習などで金がかかるのはわかる。それが無駄だとも思わない。無駄だとしたら、せっかくの授業を得ても、何も得られない学生が多い(のかな?)ということだろうか。
 しかしそれを言ったら、他の学部でも似たり寄ったりだしね。教育というのはそもそも無駄を覚悟でやるものなのかもしれない。

 [ 付記4 ]
 実は、医師国家試験というのは、易しいものではない。私は素人にしては結構医学知識がある方だから、医師国家試験で 20%ぐらいの点は取れるだろう、と自負していた。そこで実際に医師国家試験を解いてみたら…… 全滅でした。   (^^);
 ま、医師国家試験を自分で解いてみる、という体験があることからして、私は ど素人ではないのだが、それでも、医師国家試験は難関だ。思ったより、難しいんですよ。独学で容易に点が取れるとは思えない。少なくとも、「家庭の医学」を丸暗記したぐらいじゃ、駄目です。
 やはり、医学教育にはちゃんと効果があるのだ、と思える。

 [ 付記5 ]
 なお、医師不足の問題については、「医師の総数を増やす」というのは、ちょっと道がズレているという気がする。というのは、暇な町医者もたくさんいるからだ。
 問題は、総数の不足ではなくて、配分の問題だろう。開業医は暇で、勤務医は多忙すぎる。その理由は、勤務医が3Kみたいな職場だから。
 だから、根本解決の方策は、「医療費総額のアップ」および「勤務医の待遇改善(勤務時間短縮・定数増加)」だろう。これで配分は最適化される。
 一方、勤務医の状況が今のままで、医師の総数だけを増やしても、開業医がどんどん暇になる(収入も減る)だけで、勤務医の不足という状況は変わるまい。
 要するに、医者の世界では、不足しているのは奴隷(勤務医)だけであり、貴族(開業医)はちっとも不足していないのだ。そして、奴隷状態を放置したまま、「奴隷が足りない」と叫んでも、何の意味もないのだ。


● ニュースと感想  (11月17日)

 「大学教育の改善」について。
 前項の「医学部廃止論」について、あとでよく考えてみると、筆者はたぶん次のことを言いたかったのだと思う。
 「今の大学教育はあまりにもひどい。こんなことなら、独習している方がマシだ」
 これは私も賛同する。もしそういう趣旨であれば、だが。
 実際、今の大学教育はあまりにもひどい。ただし、それに対する対案は、
 「大学教育を全廃して卒業試験だけにせよ」
 ということではなく、
 「大学教育を改善せよ」
 ということであるはずだ。たとえば、手っ取り早いところでは、予備校みたいに DVD 教育に一本化する。(自習室または自宅で DVD 授業を受けて、試験だけは大学で受ける。……これだと質は向上して、コストは激減する。)
 また、DVD ではできない実習を特に重視する。
 あるいは、米国の大学のように、教師の質を大幅に向上させる。

 こういうふうに、「大学教育を改善する」というのが、正しい対策だ。なるほど、
 「今の大学教育はあまりにもひどい。こんなことなら、独習している方がマシだ」
 と言いたくなる気持ちはわかる。しかし、「気に入らないからたたきつぶせ」という人生観は、あまり好ましくない。「気に入らなければ改善する」というのが、正しい方針だ。
 そして、現状がそうなっていないのであれば、できる範囲で、自分のなしたいことをなせばいい。(私の場合は、大学の授業には、ろくに出なかった。単位は最小限だけを取得した。あとは自学。……その意味では、提案者の気持ちは、よくわかる。違いは、「いちいち文句を言うかわりに、自分で自分の道を取る」ということだ。)(とはいえ、大学時代に受けた実習の面倒くささは、いま思い出しても、腹が立つ。実習は単位を半分しかもらえないんですよ。そのくせ必修。ぷんぷん。……理論ばかりをやっている今の私には、全然無用の教育だった。ただし、私の友人は、実験ばかりをやっているから、あの実習はすごく役立ったはずだ。  (^^);  人生、役立つことばかりをやろうと思っても、なかなかそううまくは行かない、ということですね。これもまた、人生修行。無駄のない人生など、ありえない。無駄だと思ったことが、あとになって役立つことは、しばしばある。)


● ニュースと感想  (11月17日b)

 (1)
 感染症学会などが「インフルエンザになったら、ぜひとも病院へ行け」と勧奨している。その結果、どうなったか? 現状では病院が非常に混雑している。この問題への対策を考える。
  → Open ブログ 「病院の混雑と対策」

 (2)
 数学で最大の問題であるリーマン予想について、私なりの雑感を述べる。
  → Open ブログ 「リーマン予想をめぐって」


● ニュースと感想  (11月18日)

 インフルエンザの患者が殺到すると、病院はマヒ状態になる。だから、やたらと病院に行くべきではない。  しかし、病院に行かないと、患者は死ぬ可能性もある。ではなぜ、死ぬ可能性を冒しても、「病院に行かない方がいい」と言えるのか?  これを判断するには、合理的思考によるといい。
  → Open ブログ 「医学と合理的思考」


● ニュースと感想  (11月18日b)

 「事業仕分けの仕分け」について。
 事業仕分けには、賛否両論がある。そこで私の提案は、こうだ。
 「事業仕分けを、仕分けする」
 仕分け人は、好き勝手なことをやっているのだから、それに対して、仕分けをすればいい。……ま、現状では、最終的には財務省が朱筆を入れるらしいが、その前に、世間の評判を聞いたりして、事業仕分けを評価して、仕分けを仕分けすればいい。
 この件は、すでに文科省が似たことをやっている。
  → 文科省、仕分け結果の意見募集


● ニュースと感想  (11月19日b)

 「事業仕分けは無意味?」について。
 事業仕分けなんかしても仕方ない、という見解がある。効果はあるにしても、焼け石に水だ、というわけ。
  → 「事業仕分け」は焼け石に水
 なるほど。ごもっとも。事業仕分けで1兆円が浮いた、と叫んでいても、景気悪化で税収が 10兆円ぐらい減りそうだから、たしかに焼け石に水だ。
 つまり、肝心なのは、景気を回復させること。ところが現実には、最近の報道でも、実質成長率が4%弱のプラス。プラスとは言っても、この1年間に大幅に減ったあとだから、まだ落ち込んだ分の4分の1程度を回復したにすぎない。10減って、そのうちの3ぐらいは戻っても、まだ7ぐらいは減ったままだ。「増えた」と喜んでいる場合じゃない。
 この件は、私も数日前に二度ほど述べたとおり。「事業仕分けよりも景気対策が大事だ」という話。私も国民も、そのことに気づいているのに、民主党は気づかない。パフォーマンス政治ですかね。
 頭が痛くなる。   (^^);

 インフルエンザ対策も滅茶苦茶だし、景気対策も滅茶苦茶だし、米国とは基地問題をめぐって鳩山がオバマと喧嘩みたいなことをしてから、前原に指南を受けたり。……困ったことだ。
 鳩山が汚い金で失脚するのを待つしかないか。菅直人に任せるしかなさそうだ。(それで万事が解決するわけではないにせよ。いくらかはマシになりそう。菅直人は高速道路の無料化を止める気になっているらしい。)


● ニュースと感想  (11月19日b)

 (1)
 現代日本では、医者は足りないどころか余剰であると言える。医者の数を大幅に削減してもよさそうだ。(皮肉だが。)
  → Open ブログ 「 医者は余剰である(?)」

 (2)
 風邪を引いたときには、酒を飲むべきではない、という提言を出したい。  インフルエンザで死亡した人は、酒を飲んだせいで死んだという可能性が考えられるからだ。
  → Open ブログ 「風邪では酒を飲むな」


● ニュースと感想  (11月20日)

 「民主党の採決強行強行」について。
 民主党が返済猶予法案の採決強行をした。
  → 朝日新聞 2009-11-19
 これは私が先に「民主党の独裁政治」として論じたことが、まさしく現実化したことになる。
  → 11月13日b
 そもそも、返済猶予法案というのは、各会の大反対に遭っている。こんな共産主義か徳政令みたいなものは、経済関係の人々はほとんどすべてが反対している。また、当の中小企業でさえ、「そんなこと(踏み倒しみたいなこと)をすれば会社の信用をなくす」として、ありがたがっていない。
 なのに、亀井一人が、勝手に暴走している。そして、それを民主党が後押しして、勝手に独裁的に強行採決する。ここでは、小沢の独裁も相まって、党内の反対意見さえも出されない。結局、民主的な議論の形成はまったくなされず、審議もほとんどなされず、独裁政治ばかりがまかり通る。
 民主党は、自分ではまともな景気対策を取れないから、それを銀行に押しつけて、平気な顔をしているわけだ。小泉政権は、「不良債権処理」という形で、国民の金を銀行に吸い上げて、銀行に大儲けをさせたが、今度は民主党が、逆の形で、銀行や経済を損ねようとしている。あっちが右向きの馬鹿なら、こっちは左向きの馬鹿。どちらも馬鹿ばかりで、まともな経済政策を取らない。国民の金を盗むとか、銀行の金を盗むとか、そういうことばかりを考えていて、経済活動を拡大するという、肝心のことは何もやらない。
 右向きの馬鹿の次は、左向きの馬鹿。やってられんわ。   (^^);


● ニュースと感想  (11月21日)

 「独裁者は小沢」について。
 民主党の独裁政治を操っているのは小沢だ、というのは、もともと推定されていたが、それがほぼ確認された。読売新聞 2009-11-20 の朝刊・2面・コラムによる。
 国会では国対という責任者が相談して話がまとまりつつあったのだが、あるとき突然、方針が転換されて、話を御破算にして、強行採決に至ったという。つまり、国対よりもはるかに強力な権力者の「天の声」で、それまでの国対同士の合意が破棄されたという。そして、それをなせるのは、小沢しかいない。
 つまり、小沢の独裁。民主党が全体として独裁的に横暴にふるまっているわけだはない。たった一人の独裁者が、国会運営を決めて、「審議なしの強行採決」という暴挙をなしている。「民主主義の破壊」ですね。
 これに対して新聞は何を言っているのかと思ったが、朝日以外は何も述べていない。その朝日も、「拙速にするな」というぐらいで、「暴挙だ」という批判は述べていない。かつて、自民党が強行採決をしたときには、少なくとも何週間かの審議のあとで、強行採決したものだ。それでも朝日は「暴挙だ」と批判した。しかるに今回意は、(実質的に)審議なしでの強行採決だ。それでもマスコミは民主党におべんちゃらを使っている。情けない。
 この国のマスコミは腐っている。独裁者の顔色を窺うことしかできない。そのうちヒトラーが現れれば、迎合すること間違いなし。というか、もうそうなっているのかも。

 《 シナリオ 》
 検察が小沢を逮捕しようとする。
 小沢が鳩山を捜査して、国権発動で、逮捕中止。
 世論が騒ぎ出す。
 戒厳令の発動。憲法停止。
 鳩山が世間の非難を浴びて辞任。
 独裁者 小沢の誕生。

 これが冗談で済めばいいのだが、はて、どうなることやら。笑っている場合じゃないぞ。
  → 与党、連日の採決強行 衆院委11法案
 一部抜粋。
 自民党の尾辻秀久参院議員会長は「法案をあげるための強行採決ではなく、それによって国会を止めて、(鳩山首相の)疑惑隠しをするための強行採決としか言いようがない」と与党の国会対応を批判した。
 なるほど。鳩山を守るというよりは、小沢を守るためか。


● ニュースと感想  (11月22日)

 「独裁者の懐柔策」について。
 民主党が強行採決の矛を収めて、柔軟な対処をするという方針に転換したという。その理由は、小沢が「柔軟にやれ」というふうに指示を下したから。かくて、民主党の方針は、一夜にして、強攻策から柔軟策へと展開した。(朝日・朝刊・2面 2009-11-21 )
 参考記事: → 臨時国会:民主国対、迷走 鶴の一声で朝令暮改

 柔軟になったように見えるが、これでかえって独裁体質は鮮明になった。独裁者が右を向けと言えば右、左と言えば左。政党の体をなしていない。独裁者の手下としての集団があるだけだ。民主党のシンボルマークは、ハーケンクロイツにした方がいい。


● ニュースと感想  (11月22日b)

 「民主党の独裁の進行」について。
 本日別項で述べたように、民主党の「採決強行」という方針は緩和された。
 しかし、その一方で、別の点では独裁政策が進んでいる。それは「教員養成を4年から6年にする」という方針だ。
 《 教員養成「6年制」に波紋 負担増、志願者減る恐れも 》
 教師の新たな質向上策として、文部科学省の政務三役が導入を表明した「教員養成6年制」。マニフェストでうたった民主党肝いりの政策で、学部の4年だけでなく大学院の修士課程もセットで義務づけ、手厚い体制で教師を育てようという考えだ。しかし、教育関係者からは早くも多くの疑問符が投げかけられている。
 薬学部では、修業年数が延びた途端に人気が落ちた前例がある。薬剤師の資格取得にかかる年数が延びたのに伴い、06年度の入学者から6年制を導入したが、その初年度の入試の志願者は国公私立合わせて約10万1千人。前年から一気に3割強、5万人近く減った。その後も不振は続き、今春の志願者は約8万8千人に。私大では4割が定員割れになっている。
( → 朝日新聞・夕刊 2009-11-21
 こんなことをすれば、志願者が激減するのは当然だろう。そして、それにともなって、教員の質は大幅に低下する。つまり、「教員の質を向上させよう」とした政策が、かえって教員の質を低下させる。馬鹿丸出し。
 これというのも、「教育期間を延ばせば、教員の質が上がる」と考えている、単細胞な発想による。それが成立するのであれば、国会議員をみんな「大学院卒」というふうに条件で縛ってしまえばいいはずだが。そうすれば、ポルノふう映画出演の裸女優が国会議員になることもないだろうし。   (^^);
 それにしても、こんなふうに「学歴偏重」なんかしても、ろくなことはないだろう。そもそも、教員に必要なのは、大学教育の充実ではなくて、卒業後の現場研修だ。たとえば、このサイトで言及している。
 どういう大問題かと言うと、授業のテクニックを取得研修する期間が無いという事です。
 もちろん大学の講義等であるにはあるそうですが、しょせんは畳の上の水練で、どんな業種でもそうですが、やはり本番を重ねないと身につかないテクニックがあると指摘しています。言われてみればそうで、どんな新人教師でも教室内では1人で授業を行ないます。自分の記憶を掘り起こしても教師は常に1人で授業を行なっていました(細かい例外を除く)。
 どうやって授業のテクニックを取得しているか指摘されれば不思議だったのですが、実質的には独学であるとの事です。もちろん先輩教師に熱心に教えを乞うて、実戦のテクニックを向上させる教師も存在しますが、システムとして存在するわけでなく、あくまでも個人的な努力に依存する世界であるとの事です。
 教師の仕事も重責です。子どもの将来を大きく左右するお仕事です。子を持つ親の心情として失敗は許されないと考える部分はあります。失敗と言っても許容部分はありますが、教師の学級運営のために学級崩壊を経験させるような羽目は最低限会わせたくありません。誰だってそう考えていると思います。それを防ぐためには、授業や学級運営のための実戦テクニックを教師に身につけてもらわなければなりません。
 その実戦研修システムが、どうやら不十分であるらしいとの旧友の指摘に少し驚かされました。
 ( → 小児科医のサイト
 頭でっかちの教師ばかりがいるせいで、社会には大問題が起こる。いじめによる殺人だ。いじめが昂じて、殺人に至ったが、学校側は見て見ぬフリをするだけ。人殺しを助長する教育制度。
 《 沖縄中2暴行死、校長「いじめとして対応してきた」 》
 中学校の校長と教頭が21日、学校で記者会見し、「米盛君と8人の関係から、いじめとして対応してきた」と述べ、学校としていじめを認識していたことを明らかにした。
 校長は会見の最後に「力が至らなかったことを痛切に感じている。被害者も加害者も本校の生徒ということで、どう対応していいか分からず困っている」と語った。
( → 読売新聞 2009-11-21
 頭でっかちの教師ばかりがいるから、現場での対処策がわからない。あくまで一人一人の教師に方針が委ねられており、組織として学校として対処する方針ができていない。
 こういう状況を改善するには、教師全体の能力アップや研修が大事だろう。なのに、教師になる前の学生を大学院に閉じ込めて研修しても、何の効果もあるまい。

 さて。肝心の話はこのあとだ。
 こういうことは、人々の間で議論が進めば、自然にわかるはずだ。実際、朝日の報道(冒頭記事)を見ても、すぐわかる。
 しかし、民主党の政権では、それができない。なぜなら、議論を一切、拒否するからだ。「政府提出法案を成立させる」ということだけが至上命題となっている。そして、政府提出法案の根拠は、「マニフェストに書いてあった」ということだけだ。そのマニフェストの文言は、党内の論議もなく、数人の関係者が密室で短期間で思いつきでまとめたものにすぎない。その下らない文句を、「マニフェストだから」という錦の御旗のごとく振りかざして、突っ走ろうとする。(錦の御旗というよりは、ハーケンクロイツの旗というべきか。)
 要するに、民主党の内部には、「民主主義」というものがまったく消失している。本来なら、国会で論議して、野党と妥協したり、国民の声を聞いたりして、法案を修正するべきだろう。なのに、単に「マニフェストにあるから」という理屈で、馬鹿げた政策をどんどん進めようとする。狂気の沙汰だ。
 いや、狂気というよりは、独裁主義だ。民主党はもはや、民主主義を完全に否定する、独裁というになりつつあるようだ。党名を「独裁党」に変更するべし。さもなくば、詐欺だ。いや、もう詐欺だな。(……とはいえ、小泉も詐欺だったし。  (^^); )


● ニュースと感想  (11月23日)

 「菅直人による方針転換」について。
 これまで民主党の独裁的な経口をさんざん批判してきたが、それがどうやら方針転換される見込みだ。「高速道路の無料化」も、「スパコン予算の削減・消滅」も、方針転換される見込み。これを記者会見で示したのは、菅直人。
 鳩山も小沢も「高速道路の無料化」にこだわったが、菅直人が是正させるようだ。スパコンも同様。やっぱり、民主党で頼れるのは、この人だけか。
 ただし政治基盤が脆弱なのが頼りないところ。小沢辞任で、小沢の首に鈴を付けたことで、小沢にさんざん恨まれているらしい。
 政治の世界は汚いね。まともな人間は住みにくい世界。菅直人がつぶされなければいいのだが、どうなることやら。(小沢と鳩山が検察に逮捕されればいいのだが、……というのが私の願望。)


● ニュースと感想  (11月23日b)

 「事業仕分けと農学部」について。
 事業仕分けを見て思ったのだが、大学の農学部というのは、まるで無駄だから、大幅に削減した方がよさそうだ。農学部なんて、時代錯誤の典型だ。石油時代に「石炭学部」があるようなものだ。
 実は、最近では「バイオ」を標榜して、カッコよさそうに見せかけている。しかしいくら「バイオ」を標榜しても、就職先がろくにない。農業という産業自体が大幅に縮小しているからだ。(人口比では激減している。)
 農学部卒で、実際に農業やバイオを仕事にしている人は、ごくわずかだ。あとはせいぜい、食品関係や流通関係で食品を扱うぐらいだ。現実には、それでは就職先が不足するから、全然無関係の方面に進む人が多い。たいていは文系。だったら、農学部の教育は、まるきり無駄だったことになる。
 農学部なんか、さっさと廃止した方がいいだろう。かわりに、どうするか? ITプログラマというのも、余っているようだ。一方、足りないのは、次のことだ。
 「ITと一般事業とを結びつける人々」
 一般の業務(さまざまな研究など)の分野で、IT知識のある人は、ろくにいない。だから、そういう分野で活躍できる人を養成するとよさそうだ。
 しかし、それだったら、最初からそれぞれの分野で学んだ方がいいかも。だったら、方針としては、「農学部の削減」だけでよさそうだ。
 やはり、事業仕分けをした方がいい。特に「かわりの学部」は必要なく、他の学部をまんべんなく増やせばいいだろう。(そのなかでIT関係の学科を増やしてもいい。)
 なお、強いて言えば、医学部を増やすべきかも。そのうち、「医者」でなく「医療補助員」ないし「補助医者」というのが有望だ。特に、産科関係で、大幅に増やしてもらいたいものだ。(助産婦以上、産科医以下。)
 こういう事業仕分けなら、大歓迎なのだが。現実は、減らすことばかり考えて、足りないところを増やすという発想がない。足りないのは、民主党の国会議員の脳かも。脳が足りん。


● ニュースと感想  (11月24日)

 (1)
 豚インフルエンザで脳症になる例がかなりある。これを避けるには、変な解熱剤を使わないようにすることが大事だ。
  → Open ブログ 「インフルエンザ脳症」

 (2)
 口語表現で、文末につける「し」がある。
  用例。 「下向いちゃうし」
 このような「し」は、名詞につける「とか」と似ている。
  → nando ブログ 「 「とか」と「し」(接続助詞)」


● ニュースと感想  (11月25日)

 スパコン開発は、是か非か? 「是である」という見解が世間には多い。だが、よく調べると、単純に結論を出せるわけでもない。じっくり考察してみよう。
  → Open ブログ 「スパコン開発の是非」


● ニュースと感想  (11月27日)

 「スパコンは、自主開発より、買う方がいい。ずっと安上がりだ」
 という見解がある。これはこれで、一理ある。ただし……
  → Open ブログ 「スパコンを買うべきか?」


● ニュースと感想  (11月28日)

 「事業仕分けの廃止」について。
 事業仕分けの第二弾が始まったが、もう、いい加減、うんざりだ。事業仕分けというプロジェクトの役割は、もう終わったと思う。事業仕分けというプロジェクトそのものを事業仕分けで廃止していいだろう。
 なぜか? いくらやっても、キリがないからだ。そしてまた、無駄な事業の大部分は、網の目からこぼれてしまうからだ。
 この世に無駄な事業は無数にある。それらを一つ一つチェックしていたら、それだけで日が暮れてしまって、政府機能がストップしてしまう。切りのないことは、やめた方がいい。会計検査院だって、似たようなことをやっているが、毎年、一部をチェックするだけで、山のように無駄が見つかる。こういうのは、いくら探しても、キリがない。
 だから検査をやめてしまえ……というのは暴論だから、そんなことは言わない。しかし、どうせやるなら、もっと効率的にやるべきだ。つまり、「一網打尽」にするべきだ。
 では、どうやって? 一案として、次のようにしていい。
 「独立行政法人そのものを廃止する」
 しかし、これでは過激すぎる。そこで、暫定策として、次のようにする。
 「独立行政法人のトップ以下のクビをすげ替える」
 独立行政法人のトップは、天下りだ。これをすべて、民間人にすげ替える。さらに、ここからあとが重要だが、これらの独立行政法人をすべて一体化して、上位組織の下部部門とする。そして、上位組織は、「こういうふうに業務の効率化をせよ」という改善策を、マニュアルの形で、指示する。
 たとえば、「飛行機はビジネスクラスでなくエコノミーで」というようなのは、個々の独立行政法人が自発的にチェックしていたのでは、キリがない。上位組織が網羅的に、あらゆる独立行政法人に指示するべきだ。
 その意味で、独立行政法人というものは、もはや独立的なものでなくなる。独立行政法人は廃止され、上位組織の一部門となる。これまでの「理事長」は、ただの「部長」となる。
 で、そこでは、大量の職員が必要となるが、そこには、「肩たたき」された 55歳ぐらいの公務員を大量に導入すればいい。

 結局、「公務員の天下り先」としての独立行政法人が、大量の無駄を生んできた。そこで、「天下り廃止」を民主党は主張したが、それだと、大量の高齢公務員があぶれてしまう。だから、そのあぶれた分を、現在の独立行政法人の部分に担当させればいいわけだ。……これなら、本質的。かつ、無駄も消えていく。
 ただし、その際、独立行政法人に相当する部門の長は、民間人でなくてはならない。これまでの無駄を一挙に廃止しなくてはならない。その点が、ポイントとなる。

 [ 付記 ]
 なお、私が一番仕分けをして欲しいのは、民主党のマニフェストだ。「高速道路無料化」「暫定税率廃止」というやつ。こいつを仕分けしてほしいね。3兆円ぐらい食うんだから。
 百億円単位の事業仕分けをいくらやっても、3兆円には呑み込まれてしまう。アホくさ。

 [ 参考 ]
 「無知な人間が、とにかく金を削ればいい、と思っているので、はちゃめちゃなことになる」
 という点を嘆いている、被害者の側の嘆息。
  → 仕分けされた人の感想
 中国であった「人民裁判」という、吊し上げに似ているようだ。民主党は「文化大革命」と言っているから、「人民裁判」が起こるのも当然か。……こうして知識人が処刑されて、国家は破壊されていく。「正義」という名のもとで、国家の自己破壊。日本はアポトーシスをしているのかも。余計な部分を次々と削除するのはいいが、ついでに大切なところまで削除してしまう。


● ニュースと感想  (11月28日b)

 (1)
 スパコン開発には、第4の道がある。それは、GPUを並列で使うもの。ゴードン・ベル賞を受賞した、浜田剛がうまく実現している。ソフトの開発が鍵。
  → Open ブログ 「第4のスパコン」

 (2)
 スパコン開発について、専門家の評価が見出されたので、紹介して解説しておく。簡単に言うと、今回の富士通のスパコンは、抜群ではないにせよ、悪くない。
  → Open ブログ 「各種スパコンの評価」


● ニュースと感想  (11月29日)

 (1)
 民主党の事業仕分けで、太陽光発電の補助金を廃止するという方針が出された。412億円。(スパコンの補助金は本年度 267億円。)
  → Open ブログ 「太陽光発電の補助金が廃止」

 (2)
 民主党の事業仕分けで、医療の場から「漢方薬」が排除される方針が出された。保険の適用外にするという。
   → Open ブログ 「漢方薬の事業仕分け」

 (3)
 働き蟻が働かないことがある。これは、役立たずのように見えて、実はとても有用だということがわかった。無用の用。
  → Open ブログ 「怠け蟻 … 無用の用」


● ニュースと感想  (11月29日b)

 「景気対策の放置」について。
 事業仕分けなんかで大騒ぎしている間、肝心の景気対策はほったらかし。しかし日本経済はどんどんひどいありさまになっている。
  → ここ数年間の日経平均(株価)チャート
 株価を見ると、ひどいものだ。1年前に金融ショックで大幅下落したあと、この春以降、少しは持ち直したが、ふたたび最近、下落基調だ。そもそも、いくらか回復していた間も、1年前の水準に戻ったことは一度もない。
 さらに言えば、この2年間、下落の一途だ。2年前の水準と比べてみて下さい。ひどいものだ。1年前には、ショックで急落したが、実は、2年前から1年前までの1年間をかけて、じわじわと大幅に下落し続けたのである。
 なのに、民主党と来たら、「高速道路無料化のために、財源をひねりだす」などと言っている。仮にそれができたとしても、箱物の無駄遣いが炭酸ガスの無駄遣いに替わるだけで、景気対策の効果は皆無だ。そこにはマクロ的な経済政策はまったく存在していない。
 子供手当ならば、いくらかは意義があるが、「スパコンをやめて子供手当」みたいな形にするのでは、かえって有害かもしれない。

 民主党の事業仕分けの馬鹿騒ぎで、一番問題なのは、経済政策がお留守になっていることだ。これは、前にも述べたことだが、最近、いっそうひどくなっている。騒ぎは巨大化するし、円高不況はふくらむし。……馬鹿と馬鹿騒ぎによる日本破壊が、どんどん巨大化していく。


● ニュースと感想  (11月30日)

 (1)
 民主党の事業仕分けでは、スパコンだけでなく、科学全般がつぶされるようだ。驚くほど多岐にわたっている。
  → Open ブログ 「民主党の科学大虐殺」

 (2)
 スパコンの話の余談。 池田信夫がいかにデタラメばかりを書いているかを列挙する。
  → 池田信夫のスパコン論 1

 (3)
 池田信夫の発想のどこがおかしいか? それは、彼の経済学の発想による。彼の頭のなかには、「買う」という概念だけがあり、「作る」という概念がないのだ。
  → 池田信夫のスパコン論 2
 (4)
 上の(3)の続き。米国で豆腐の市場を自ら開拓した人の体験談の書評。物を売るためにも、単に市場に任せるだけでなく、創造性が必要となることがわかる。
  → 売れないモノは俺に任せろ!


● ニュースと感想  (12月01日)

 書評ブログを新たに作ったが、項目数が足りなくて寂しいので、次の三つ項目を書き足した。

 (1)
 「考える力」を養成するには、どうすればいいか? 役立つのが、「思考訓練の場としての英文解釈」という英文解釈の学習参考書だ。
  → 思考訓練の場としての英文解釈

 (2)
 カミュの「ペスト」という本がある。これは私としてはお薦めの文学書だ。
   →  ペスト(カミュ)
 (3)
 小林秀雄の「無常ということ」は、高校生時代に読んで、それきりの人も多いだろう。あらためて読み直すといい。
   → 無常という事

 [ 付記 ]
 上記の書評ブログは、金儲けのために創設したわけではないので、あまり項目を増やすつもりはありません。また、お勧めする価値のない本を、大量に紹介するつもりもありません。(池田信夫ブログじゃないし。404 ブログ でもないし。)

 今のところ、項目は四つだけ。それ以上増やすつもりは、特にありません。当分の間、新規項目は追加しないつもりです。
( ※ 誰にもお勧めできるような名著は、世の中にそんなにない。だから項目も増やさない。)


● ニュースと感想  (12月01日b)

 「仕分けするべきか?」について。
 民主党の事業仕分けはひどい。(前出。 → 民主党の科学大虐殺
 これでは「角を矯めて牛を殺す」となる。(まったく、この諺がぴったりだ。呆れるほど。)
 では、かわりに、どうするべきか? これを論じよう。

 (1) マニフェストの仕分け
 民主党のマニフェストを仕分けすればいい。大切なものを排除するのでなく、不要なものを排除すればいい。特に、民主党のマニフェストが駄目だ、とわかる。
  ・ 高速道路無料化・ガソリン暫定税率廃止 (前にも述べた)
  ・ 農家の所得補償

 この二つが駄目だ。いずれも巨額の支出を必要とする。特に後者は、民主党は「マニフェストにあるから」と主張するだろうが、こんな公約はさっさと公約違反してしまってもいい。こんな買収公約は、公序良俗に反するから、正当性がない。「買収すると公約したから買収します」という論理は成立しない。

 (2) 独立行政法人
 政府自身の事業は、たいていは、それなりに意味のあるものがほとんどだ。科学振興であれ、教育であれ、たいていは必要性が十分にある。
 一方、独立行政法人は、無駄がすごく多い。だから、独立行政法人の仕事に絞って、仕分け(というか改善策)をするべきだろう。特に、「随意契約」というのは、たいていが癒着しているのだから、バッサリ切るべきだ。
 今回の「事業仕分け」は、財務省のアンチョコに従う形でなされた。民主党は財務省の手の上で踊らされた、と言える。つまり、「何でもかんでも予算をぶった切ってやろう」と考えるだけで、事業の必要性なんか何もわからない、というわけだ。良いことでも悪いことでもとにかく帳簿の数字を減らす、という財務屋の発想。
 それよりは、本質的に、「無駄」を削減した方がいい。それには、会計検査院の力が有効だ。
 はっきり言って、事業仕分けは、大きな無駄を見つけるにはいいが、中小の無駄を見つけるには適していない。そして、大きな無駄というのは、あまり多くはないものだ。あえて見つけようとすると、必要なものまでばっさり切ってしまうことになり、かえって有害となる。
 無駄を切りたければ、もっと細かな点で探した方がいい。それには、会計検査院の手を借りて、独立行政法人に切り込むべきだ。

 とにかく、今の事業仕分けは、あまりにも粗っぽすぎる。こんなことでは、無駄をなくそうとして、国家を破壊することになりかねない。もうちょっと危機感を持ってほしいものだ。
 馬鹿とハサミは使いよう。 (……諺がよく当てはまる正当ですね。)


● ニュースと感想  (12月01日c)

 「民主党の皮算用」について。
 民主党はいわゆる「埋蔵金」で10兆円を目標に税外収入を得る皮算用をしている。
 仙谷行政刷新相は29日のテレビ朝日の番組で、2010年度予算編成について、「埋蔵金をどこまで掘り出してくるかだ。目標値は10兆円だ」と述べ、埋蔵金と呼ばれる特別会計の剰余金を取り崩すなどにより、10兆円規模の税外収入を確保する必要があるとする考えを明らかにした。
( → 読売新聞 2009-11-29
 仮にそれが可能だったとしても、それは1年間限りだから、翌年にはなくなる。とすれば、翌年には 10兆円の増税が必要となる。そんなアホなことをするのか?
 年末に大掃除をしていたら、へそくりが 10万円見つかった。「わあ、得した」と喜んで、全部、散財してしまう気か? 自分の金を見つけただけなのに、その金が天から降ってきたのと勘違いするわけ? 
 自民党の隠しておいた金は、しょせんは政府の金であり、国民の金である。それをまるで他人の金であるかのように扱って、民主党政府が勝手に散財してしまったいいのか? 無責任も甚だしい。
 
 おまけに、だ。高速道路の無料化をやれば、将来の借金がまとめて襲いかかってくる。つまり、道路公団の赤字 30兆円を、政府が負担する必要が出てくる。
   → 旧道路公団から引き継ぐ約30兆円

 埋蔵金の 10兆円は、1年間で散財してしまう。将来からのしかかる 30兆円については、無視する。
 気違いとしか思えない経済政策。自民党政権は、毎年、数兆円の無駄をしていたかかもしれないが、民主党は桁違いだ。10兆円単位で、滅茶苦茶をやる。
 それにしても、10兆円単位でバクチを打つとは、たいした博徒ですね。


● ニュースと感想  (12月02日)

 (1)
 池田信夫のように「市場原理主義」を唱えると、スパコンだけでなく、多くの企業が破壊されかねない。その例が GM だ。
  → Open ブログ 「池田信夫の破壊主義」

 (2)
 民主党が事業仕分けで科学予算をばっさり削減するのはなぜか? その理由は、科学が利益をもたらさないからだ。つまり、科学では儲からないからだ。(ひどいね。)
  → Open ブログ 「民主党の科学大虐殺 2」

 (3)
 豚インフルエンザの患者でも、異常行動が見られるという。タミフルやリレンザを飲まない患者もいるという。
  → Open ブログ 「豚インフルと異常行動」


● ニュースと感想  (12月02日b)

 市場原理がうまく成立するか、という経済学の話題を、数学的に説明する。
 ( ※ 前項「池田信夫の破壊主義」の続き。特に読まなくてもよい。)
  → Open ブログ 「均衡点の存在?」


● ニュースと感想  (12月03日)

 スパコンについて、「作る」ことを考えず、「買う」ことだけを考えるのであれば、その方針を徹底するべきだ。つまり、日本のスパコン技術を、中国に売却するべきだ。いや、いっそのこと、無償供与するべきだ。  (^^);
  → Open ブログ 「池田信夫のスパコン論 3」


● ニュースと感想  (12月03日b)

 「経済学における 利益/生産量」について。
 池田信夫が何を言っているかと思って、彼のブログに行ってみたら、さすがにスパコンの話はやめて(尻込みして?)、経済学の話をしている。
 そこでまた、古典派経済学丸出しで、次のように述べている。
コストなしでデフレを撃退する「フリーランチ」はないのである。( → 池田信夫ブログ
 この件は、前にも言及した。
  → 11月10日b11月11日
 つまり、金を払わずにランチを食べる方法はある。それは、食べたあとで、皿洗いをすることだ。つまり、金を払わずに、労働を払うことだ。
 そして、このことが、経済一般にも成立する。不況を解決するには、天から金が降ってくる必要はない。人々が働けばいいのだ。もっと正確に言えば、生産活動をして、所得を得て、その所得で消費すればいいのだ。
 ただ、不況期には、働きたくても、職がない。そこで、政府が最初に金を与えればいい。ここでは「働いてから食べる」のかわりに、「食べてから働く」というふうに、順序が逆になる。そして、そのことをなすのが、政府の経済政策だ。つまり、中和政策だ。
  → 中和政策 (最初に減税、後で増税)
 
 池田信夫の発想が駄目なところは、「利益(の最大化)」というミクロ経済学の原理だけがあって、「生産量(の調整)」というマクロ経済学の認識がないことだ。
 彼はスパコンでも、「スパコンは買うのが一番利益になる」という発想しかできない。そこには金の損得勘定だけがある。しかし、スパコンで大事なのは、金の損得ではなくて、科学技術の生産能力を日本がもつということだ。「買う」ことではなく、「作る」ことだ。
 しかるに彼は、ミクロ的に損得を考えることしかできない。「作る」「生産する」という発想がまるきり欠けている。
 彼のこのような経済学的な認識欠如が、スパコンの場合にも、「買えば利益になる」という形で、露見するわけだ。
 買うことしか考えられない人。

( ※ 参考 → Open ブログ 「池田信夫のスパコン論 3」

 [ 付記 ]
 池田信夫は次のようにも述べている。
 期的には、雇用(労働需要)を増やす方法は、その価格(賃金)を労働生産性に見合う水準まで下げるしかないのだ。
( → 池田信夫ブログ
 マクロ経済学の初歩も理解していない証拠。ケインズの話を読むべし。
 「商品の需給の均衡をもたらす生産量と、失業の需給の均衡をもたらす生産量とは、異なる」
 と示しているでしょう。失業は、労働市場の需給関係で決まるんじゃないんですよ。生産量が増えると失業は減るんです。……マクロ経済学のお勉強をするべし。


● ニュースと感想  (12月04日)

 (1)
 IT機器で最先端の分野は、部品装置だ。特に、ステッパーだ。ステッパーは、日本のニコンとキヤノンが優勢だった。ところがいつのまにか敗北してしまった。
  → Open ブログ 「ステッパーの敗北」

 (2)
 医学の研修医を教育するには、どうすればいいか? それには、うまい方法がある。
  → 書評ブログ 「研修医の教育」


● ニュースと感想  (12月04日b)

 「障害/障碍/障外」について。
 「障害者」と書くのはいやで、「障碍者」と書きたいから、「碍」という字を常用漢字に入れてくれ、という運動があるそうだ。(朝日・夕刊・1面コラム 2009-12-03 )
 趣旨はもっともだし、1字増やすぐらいはどうってことはないが、小学生の低学年みたいな子供が読めないのでは、という懸念がある。(「碍」という字そのものは、「得」という字とそんなに違わないから、小学生高学年ならば問題なさそうだが。)
 私としては、どうせ当て字を使ってきた歴史があるのなら、いっそのこと「障外者」にしてしまえ、というふうにも考える。意味なんかどうでもいいから、音だけ合わせる。これなら、小学校低学年でも読めそうだ。(「障」の字は別として。)
 前には、「障該者」という当て字を推奨したこともあったが、いっそのこと、意味なんか一切忘れてしまって、音だけ合わせればいいかも。だいたい、「障碍」というのも、マイナスのニュアンスや意味合いがあるのだから、音だけ合わせる方がマシだ、という気もする。


● ニュースと感想  (12月05日)

 環境保護のためには、社会や環境にとって悪いものに課税すればいい、という立場がある。この立場から、ピグー・クラブ・マニフェストというものが宣言された。
  → Open ブログ 「ピグー・クラブ・マニフェスト」


● ニュースと感想  (12月05日b)

 「失業者税(ニート税)」について。
 民主党政権は、扶養控除を廃止するという方針を打ち出した。
   →  読売・朝刊 2009-12-04
 所得のない成年の子供が大幅増税の対象となるという。具体的にはニートや失業者など。
 これはこれで一理あるが、現状は「大幅不況」という状況であることを考えると、あまりにも片手落ちだ。
 「基本的には働いて生計を維持することが可能な世代だ、との考え方からだ。」( → 朝日・朝刊
 というが、求人倍率が 0.5倍(地方では 0.4倍)という状況では、その建前は、絵に描いた餅だ。
 結局、政府は自らの失政で失業者を大量に生み出したあげく、「おまえが働かないから悪い」と述べて、増税する。
 これじゃ、方向が正反対だろう。失業手当をちゃんと給付することの方が先決だろうに。
 ガソリン減税であれ、子供手当であれ、恵まれた多数の人々に金を与えるために、社会の最貧困層の金を奪う。自民党でさえ、これほどの悪政はしなかった。民主党は国家を破壊しつつある。
 
( ※ 蛇足だが、2ちゃんねるあたりにいるニートも大反対しそうだ。今回については、ニートの方が正しい。ニートに「働け」と主張しても、職がないのだから、どうしようもない、という状況を変える方が先決なのだが。)


● ニュースと感想  (12月06日)

 (1)
 スパコンの事業仕分けの実況音声を文字に書き起こしたテキストがある。それを紹介する。
  → Open ブログ 「スパコンの仕分け(実況)」

 (2)
 しんにょうの点を、1点にするか2点にするかで、常用漢字審議会が迷っているという。しかし、結論は簡単だ。
  → Open ブログ 「しんにょうの1点・2点」


● ニュースと感想  (12月06日b)

 「民主党の迷走」について。
 民主党政権は完全に迷走しているようだ。
 第1に、仙谷氏・行政刷新相は、「スポーツや科学分野は、それ自体が『錦の御旗』になっている」と述べて、科学予算の削減という方針を打ち出した。スパコンを含む。( → 朝日新聞 2009-12-05
 要するに、「スポーツや科学分野は実利がない(金にならない)」という理由で、スポーツや科学分野を否定しているようだ。ま、スポーツにいては、私も同意したい。オリンピックに莫大な金を払う必要はないし、オリンピック選手への補助金というのも必要性はあまり高くないと思う。しかし、科学は別だ。科学は、それ自体は金を生まなくても、それから波及する各分野で金を生む。間接的に金を生む。仮に、科学技術がなくなれば、あらゆる産業は原始社会に逆戻りだ。
 たとえて言えば、こうだ。「男は子供を産まない。ゆえに男は不要だ」。……この理屈に従って男がいなくなれば、人類は滅びる。なぜか? 男は自分では子供を産まないが、女が子供を産むためには男が必要だからだ。しかし、頭の悪い人は、それがわからないから、「女がいれば男は不要だ」と思い込む。
 こうして「科学分野は実利がない」という発想にたどり着き、科学否定論にたどり着く。……「科学も知識も必要ない」というわけ。もはや、ポルポト流の知識不要論。

 第2に、国民新党の暴走だ。社民党の暴走は、どうやら社民党の党内選挙対策だったらしいから、まだしも無視できる。(無視していないのは鳩山だけだろう。勝手に振り回されている。選挙のあとまで。)
 国民新党の暴走は、そうではない。亀井がとことん意地を張って、兆円単位で予算の上積みを求めている。かつ、実現しつつある。というのは、国民新党の票がないと参院で過半数を取れないから、亀井が実質的に拒否権を持つと思って、強欲にあれやこれやと要求しているからだ。( → 朝日・朝刊 2009-12-05
 もはやシッポが犬を振るという状況。こうなれば、国民新党との連立を解消する以外にはない。さもなくば亀井の独裁状況となる。それは絶対にあってはならないことだ。交渉の余地はない。ただちに国民新党との連立を解消するべきだ。一日も早く。それと同時に、これまでの「郵政民営化の凍結」という方針を解消して、「郵政民営化」を大幅に促進して実行していくべきだ。このことで国民新党への報復とする。また、国民新党の選挙地盤では、対立候補の擁立を急ぐ。国民新党という存在そのものを将来的に消してしまう。……なぜか? 裏切った相手には報復が必要だからだ。さもなくば信頼関係というものは永遠に成立しなくなる。(民主党は利用されるだけの馬鹿だ、という評判が立つだけだ。)
 そのあと、国民新党などは要らない、ということを示す。共産党または公明党と閣外協力の形で提携する。「評決では賛成しなくとも反対はしない」という言質を取る。そのあと、おみやげを与える。たとえば、「次回選挙では比例区を増やす」とか、「次回選挙では公明党に小選挙区の擁立を認める。特に、国民新党のいた選挙区で、公明党候補を支援する」というふうに。
 とにかく、民主党は、過半数を取る必要はないのだ。反対票よりも多くなればいいのだから、自民党以外が棄権に回るだけでいい。そのためには、共産党または公明党と協力すればいい。
 そして、その協力を成立させるためには、国民新党を徹底的にたたいておくことが必要だ。「裏切り者を許さず」ということで。
 以上が正解。しかし鳩山は、そうできない。彼は喧嘩の仕方を知らない。となると、喧嘩をしたがるだけの阿呆な亀井に、こてんぱんにやっつけられるだけだ。鳩山政権は、もう持たないですね。小泉が予測したとおり。( → 朝日・朝刊 2009-12-05


● ニュースと感想  (12月07日)

 「亀井静香の暴走」について。
 前日に、国民新党の暴走について述べたが、これについて「亀井静香の言っていることは悪くないのでは?」という意見が寄せられた。そこで、お答えしておこう。
 第1に、亀井の言っていることは、良いことも悪いこともある。
 第2に、亀井という人物は、とても興味深い人物だ。学生時代には学生運動をしたりして、相当の硬骨漢だったようだ。( Wikipedia を参照。)
 以上のように、人間または思想を見る限り、そう悪い人間 or 政治家ではない。

 では、どこが問題か? ジコチューなところだ。それは小沢とも共通する。
 この二人の政治家が駄目なところは、主義主張がどうのこうのという問題ではない。主義主張ならば、政治の世界にはいろいろあって、人それぞれの好みがある。特に良し悪しを言いにくいのが普通だ。
 ただし、ジコチュー( or 独断専行・独裁)というタイプは、別だ。これは民主主義を破壊する。
 前日にも述べたが、国民新党は、「シッポが犬を振る」ということをしている。ほんの弱小政党にすぎないのに、あたかも民主党の票をもらったかのごとくふるまっている。郵政民営化で言えば、そのことの是非が問題なのではない。国民新党は数議席しか得られず、自民党は大量の議席を得た。なのに、国民新党の方針が取られるのでは、民主主義に逆行する。
 つまり、これは、政策の良し悪しの問題ではなくて、民主主義を認めるかどうかという問題なのだ。そして、国民新党が数議席しか得られないのであれば、数議席分の党として、それなりに禁欲的・抑制的でなくてはならない。なのに、禁欲的・抑制的であるどころか、その逆に、横暴になる。シッポが犬を振り回そうとする。……これは「反・民主主義」だろう。票が圧倒的に少ない方の政策が実現するのだから。(特に、国民新党と自民党の票を比べるといい。)(民主党との関係で言えば、郵政担当相になって政権の方針を左右していることが問題だ。別の分野で民主党の方針を実行するならまだしも、郵政の分野で国民新党の方針を実行していることが問題だ。)
 亀井のやっていることは、相手の弱みに付け込んで、民主主義を逆転させることだ。これは民主主義の政治では、決してやってはいけないことだ。なのに、彼は、それをやっている。節度がなく、横暴なことをやっている。その意味では、ヒトラーよりも、さらにタチが悪い。(ヒトラーは少なくとも民主主義に従って政権を誕生させた。ひどいことはひどいが、亀井よりはマシだ。)
 亀井のやっていることは、一種のクーデターのようなものだ。民主主義を破壊している。このような人物は、民主主義の政治から、追放する必要がある。さもなくば、民主主義がこわれてしまう。

 [ 付記 ]
 それにしても、亀井のやっていることは、相当に下品だ。「相手の弱みに付け込んで、こっちの言い分を通させる」ということだ。こんな人間と付き合うと、ろくなことはない。親しくなって、プライバシーを打ち明けたら、とたんにそれを握られて、「おまえの弱みをつかんだぞ。バラされたくなかったら、おれの言うことを聞け」と言われる。
 ま、ヤクザみたいなものだ。こういうことを平気でやるのだから、人間性が相当に歪んでいることは確かだ。……ま、精神が歪んでいるのは、顔を見てもわかるかも。あの顔は、殴られて歪んだわけじゃあるまい。


● ニュースと感想  (12月07日b)

 (1)
 ATOK や MS-IME に並ぶものとして、「 Google 日本語入力」という Google 版の IME が出現した。
  → Open ブログ 「Google 日本語入力」

 (2)
 NEC が国産スパコンから撤退した。これについて、違約金を払ってもらいたい、という見解がある。しかし、道理が通らない。ベクトル型(混合)に逆戻りするべきではないからだ。
  → Open ブログ 「NEC の国産スパコン撤退」

 (3)
 科学の分野についても、経済学の「投資と収益」という発想を取るといい。すると、物事を新たな観点から認識できる。新たな発想法。
  → Open ブログ 「科学と経済」


● ニュースと感想  (12月08日)

 (1)
 環境税とガソリン減税を合わせると、2兆円の増税と2兆5千億の減税で、差し引きして5千億円の減税だ。では、それで、家庭はどれほどの減税なるか? 実は、全世帯が増税となる。まるで手品のようなペテン。
  → Open ブログ 「環境税とガソリン減税」

 (2)
 漢方薬の事業仕分けについては、情報が錯綜していたが、読売がきちんと説明している。引用して、紹介しよう。
  → Open ブログ 「漢方薬の事業仕分け 2」

 (3)
 景気対策の新案。
 中和政策の変形で、新・中和政策というものを提案したい。「現在の減税と将来の増税」のうち、「増税」を「1年後の消費税増税」という形にする。
  → nando ブログ 「新・中和政策」


● ニュースと感想  (12月08日b)

 「自衛隊の海外派遣」について。
 民主党が自衛隊の海外派遣(海外派兵)に乗り出した。小沢の念願だが、それがとうとう実現する方向に決まった。まずは、憲法違反という問題をつぶして、「合憲」という勝手な判断を容認させる方向が決まった。
  → 官僚答弁禁止の国会法改正
 詳しい事情は、検索で。
  → 検索「内閣法制局長官 海外派遣

 民主党の独裁政治も、どんどん進みつつあるようだ。
 しかし、自民党でさえやらなかった「憲法違反の海外派遣」を堂々とやるとはね。「悪党」ぶりもいや増している。そのうち、戒厳令でも敷いて、完全な独裁政治になるかも。
 非民主 党。
( ※ 似た例は、ナチスだ。最初はうまいことを言って、国民の歓心を買い、大人気になったが、じわじわと自由を狭め、国家を破壊し、最後には戦争に持ち込んだ。……その点、民主党はもっとストレートで、最初から戦争を持ち出している。その点では、ヒトラーよりも正直かも。戦争開始まで、案外、短期間で済むかもね。科学大虐殺よりは、戦争の方が、国家破壊には手っ取り早いし。……「国家破壊を望む政治家」という漫画があるが、小沢や鳩山はそれを地で行っている。)

 [ 付記 ]
 解説しておこう。
 民主党は政権党なのだから、誰が答弁するかは、自分で勝手に決めればいい。大臣または政務官が勝手に答弁すればいい。それで問題ない。
 ただし野党が「官僚の答弁を聞きたい」と要求することがある。それは、民主党の見解を知りたい場合でなく、公平・中立な官僚の立場を聞きたい場合だ。特に、法制局の立場だ。(憲法判断について。)
 ここで、法制局は「自衛隊の海外派兵は違憲です」と昔から突っぱねてきた。自民党時代からずっとそうだ。だから海外派兵はできなかった。つまり、
  官僚答弁 = 海外派兵禁止
 という等式が成立する。(他の事例の場合には、問題は何も起こらない。)
 そこで、官僚答弁を法律であえて禁止することで、野党による答弁要求を突っぱねる。そのことで海外派兵を勝手に実施してしまえ、というのが、小沢の方針だ。そして、そのためには、次の参院選で何としても勝利しなくてはならない。海外派兵を持ち出せば、自民党だけでなく、公明党も共産党も、あらゆる野党が反対する。その反対をすべて押し切るには、民主党が単独過半数を制する必要がある。
 そこで、そのために、ガソリン減税や高速道路無料化で買収してしまえ、というのが、小沢の戦略だ。つまり、ガソリン減税や高速道路無料化というバラマキ政策は、そのあとで海外派兵をするためなのだ。……これが小沢の戦略。

 「民主党は自民党よりはマシだ」
 と思っている人もいるようだが、とんでもない勘違いだ。海外派兵などの軍事論では、民主党は自民党よりも先に行っている。鳩山と菅直人は平和主義だが、小沢と前原はものすごい国防タカ派だ。この二人のいずれかが党首になったときに、自衛隊の海外派兵は実現する。
(そして、アルカイーダなどのテロリストが、日本にもやってくる。ま、先方にすれば、「おれたちを先に殺したのは、おまえたちだろ? 目には目を、とコーランに書いてある」と言われたら、仕方ないですね。「はい、確かに、私たちが先にあなたたちを殺しました」と言うしかない。……ま、ヒトラーのナチスに票を入れたドイツ国民があとで大量に殺される被害に遭う、という歴史の二の舞か。)


● ニュースと感想  (12月09日)

 「防衛 7000億円の無駄」について。
 政府の情報収集衛星が導入されたが、7千億円近くが使われ、さらに毎年600億円以上の予算がつぎ込まれるのに、ほとんど無駄になっているという。北朝鮮の調査のためには軍事的に役立たずなので、米国の軍事衛星のお世話になるしかない。その一方、民間への利用は、機密を理由に警察・外務・防衛のためにしか使われず、民生用には使われない。結局、何の役にも立たない7千億円の無駄。……という話。
  → 朝日・社説 2009-12-08
 ご指摘は、ごもっとも。
 ま、池田信夫みたいに、「だったらやめてしまえ、民間から買い上げよ」という主張はしない。情報収集衛星を自力開発する価値はある。ただし、開発したからには、ちゃんと使うことが大切だ。
 できれば、Google みたいに、ネットから誰でも使えるようにしてほしいですね。ただし、公開する分は、解像度を低くする。解像度を下げるためのソフトなんて、簡単に開発できる(というか単に係数を変えるだけでいい)のだから、そういうふうにして民生利用を促してもらいたいものだ。
 で、解像度が高い分は、政府や自治体だけが使えばいい。国内分も、国外分も。
 軍事利用は? もともと解像度が高くないから、軍事的にはあまり利用価値がない。せいぜい、バックアップや即時データとしての利用でしょう。軍事的価値は、もともとない、と割り切るしかない。

 で、何が言いたいか? こんなところで7千億円も無駄にするな、ということだ。(スパコンの開発費に比べると、7倍にもなる。スパコン潰しにやっきになるよりり、こっちの方で騒いでほしいですね。)


● ニュースと感想  (12月09日b)

 「高校無償化への反論」について。
 高校無償化について、読売の社説が反論している。「むしろ低所得層への支援に転換せよ」という主張。
 高校の授業料減免については、生活保護世帯やそれに準じる低所得層に都道府県が既に実施している。公立高校生の10%、私立高校生18%の計約43万人が対象だ。
 一律無償化では、低所得層には新たな恩恵がほとんどない。家計に余裕のある層は塾代に回すことができ、格差が開きかねない。
 昨年度、経済的理由で中退を余儀なくされた高校生は2200人いた。こうした高校生や経済的理由で高校進学を断念する生徒をなくすことを優先すべきだ。ばらまきであってはならない。
( → 読売・社説 2009-12-08
 ごもっとも。
 言っていることはまったく正しいのだが、読売が「低所得者を大切に」と主張するなんて、なんだか気色悪い。朝日が言うならともかく。   (^^);
 とはいえ、読売の社説は、ときどき良いことを言う。民主党のバラマキ思想には、ほんとに呆れるね。バラマキというよりは、票の買収という政策。自分で言っているのだから世話ないが。下品な政党だ。
( ※ 自分の金で買収するならともかく、政権を握ったとたんに国の金で買収しようとする。さもしい党だ。)


● ニュースと感想  (12月09日c)

 「民主党の現状」について。
 ひところは期待された民主党も、今は惨憺たるありさまだ。
  ・ 国家財政の破綻。国債 53.5兆円、税収 36.9兆円( → ロイター
  ・ それでいて、高校無償化やガソリン減税などのバラマキ。
  ・ 米国と喧嘩して、日米関係が危機的状況。グアム移転も風前の灯火。
  ・ 社民党や国民新党には、鼻面を引き回される。
  ・ おまけに例の事業仕分け。(スパコンなど。)

 もう、滅茶苦茶である。まともな政権の体をなしていない。事業仕分けであちこちをぶちこわしているうちに、日本の科学をぶちこわし、さらには、国家財政をぶちこわし、日本全体をぶちこわしかけている。テロリストですかね?

 ま、一人だけ、まともな人がいる。
  → 菅直人が亀井に怒り大爆発亀井、憤慨
 鳩山がさっさと引退してくれないと、日本はどうしようもなくなる。誰か、豆鉄砲を食わせてやれないものか。   (^^);
 頼みは検察だけかな。鉄砲も持っているかも。


● ニュースと感想  (12月09日d)

 豚インフルエンザで、国産ワクチンは安全だと思われてきたが、高齢者に死者が多く出ているという。豚インフルエンザそのものよりも死亡率が高い。
  → Open ブログ 「ワクチンで高齢者の死」

 ※ 死なないで済むようにと思って病院に行くと、かえって死ぬ確率が高まる、というようなもの。薬を注射してもらったと思ったら、毒を注射されてしまう、というようなもの。しかもそのためにお金を払う。





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「泉の波立ち」
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