[付録] ニュースと感想 (145)

[ 2010.5.11 〜 2010.6.16 ]   

  《 ※ これ以前の分は、下記のページで 》


    2001 年
       8月20日 〜 9月21日
       9月22日 〜 10月11日
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      11月04日 〜 11月27日
      11月28日 〜 12月10日
      12月11日 〜 12月27日
      12月28日 〜 1月08日
    2002 年
       1月09日 〜 1月22日
       1月23日 〜 2月03日
       2月04日 〜 2月21日
       2月22日 〜 3月05日
       3月06日 〜 3月16日
       3月17日 〜 3月31日
       4月01日 〜 4月16日
       4月17日 〜 4月28日
       4月29日 〜 5月10日
       5月11日 〜 5月21日
       5月22日 〜 6月04日
       6月05日 〜 6月19日
       6月20日 〜 6月30日
       7月01日 〜 7月10日
       7月11日 〜 7月19日
       7月20日 〜 8月01日
       8月02日 〜 8月12日
       8月13日 〜 8月23日
       8月24日 〜 9月02日
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       12月03日 〜 12月12日
       12月13日 〜 12月24日
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    2003 年
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    2004 年
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       4月26日 〜 5月11日
       4月26日 〜 5月11日
       5月20日 〜 5月29日
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       7月26日 〜 8月14日
       8月15日 〜 9月06日
       9月07日 〜 9月26日
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       10月12日 〜 11月08日
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       8月15日 〜 9月18日
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       10月28日 〜 12月09日
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    2010 年
       1月01日 〜 2月02日
       2月03日 〜 5月08日
         5月09日 〜 6月16日







● ニュースと感想  (5月09日)

 「ギリシアの経済危機とユーロ(欧州共通通貨)」について。
 最近の経済的な話題は、ギリシアの経済危機だ。ギリシアが莫大な財政赤字を蓄積したせいで、信用不安を起こし、あちこちで株安や通貨安をもたらしている。これに対して、欧州連合(EU)が債務保証をするという対策が出されたが、ギリシアが破綻したときに、どの国がどれだけ金を払うかが不明であるため、信用不安は解消されない。
 そもそも、他国が債務保証をすることは、ギリシアの莫大な赤字を解消することを意味しない。莫大な赤字が出たとして、それを他の国が払えば、債権者は助かるが、払った国は莫大な負担を迫られるから、そっちの国で問題が起こる。複数の国で分担するとしても、赤字が分担されつつ拡散するだけであり、赤字が消えるわけではない。ギリシア一国が破綻するかわりに、欧州全体が少しずつ破綻する。……これでは、巨視的に見たとき、問題点は何も解決していないことになる。
 結局、現在取られているどのような方法でも、経済危機を解決することができない。問題は何も解決していないし、解決する見込みさえないのだ。

 では、どうすればいいか? 
 この問題については、私は前から何度も言及してきた。
   → サイト内検索
 要するに、欧州共通通貨(ユーロ)というもの自体が、根本的に間違っている。今回の問題は、欧州共通通貨(ユーロ)というものがある限り、必然的に起こっただけだ。もちろん、今回限りではない。今後も何度も生じるだろう。(十年おきとか二十年おきとか。 1/f 揺らぎみたいなものか。小規模なものはチョイチョイ起こり、大規模なものはときどき起こる。)
 
 私が前に述べた理由は、こうだった。
 「どこかの国が経済的に弱体化したときには、その国は通貨を下げることで、経済状態が健全化する。そのためには、変動相場制が必要だ」
 ここで、通貨を下げるというのは、一国全体の賃金水準が低下することを意味する。そのことで輸出競争力を上げて、経済規模を拡大して、成長する。こうして、赤字を解消する。
 このことは、不思議でも何でもない。普通の会社なら、みんなそうしている。たとえば、ある会社が赤字で倒産しそうになったら、従業員は賃下げを受け入れ、そのことで、会社の倒産を避ける。従業員が相も変わらず、高賃金を要求していれば、会社は破綻する。……これと同じことが、国レベルで起こることもある。それが、ギリシアの例であり、また、アジア通貨危機のときのアジア各国の例である。
 ここで、アジア各国は、通貨レートを下げることができたから、その後に、経済は回復した。ところが、ギリシアは独自の通貨をもたず、欧州共通通貨(ユーロ)の圏内にあるから、通貨レートを下げることができない。それゆえ、経済危機に瀕して、それを調整するすべをなくしたわけだ。
 結局、ギリシアが立ち直る方法は、通貨レートの切り下げしかない。しかしながら、欧州共通通貨(ユーロ)というものを維持し続けていれば、解決方法はどこにもない。欧州各国が債務保証をしても、それは赤字の解消を意味しない。どうにもならないまま、混迷するばかりなのだ。

 さて。話を根源に戻そう。
 「共通通貨があると、通貨レートを調整できない」
 というのが、先に述べた理由だった。
 ではなぜ、通貨レートを調整する必要があるのか? それが新たな問題だ。
 その答えは、こうだ。
 「各国には、成長力の差が現れる。ある国では、成長が高く、ある国では、成長が低い。成長が高い国では、賃金水準が上昇し、成長が低い国では、賃金水準が低下するべきだ。しかし現実には、それは実現されない。賃金には下方硬直性があるから、成長が低い国でも、賃金水準が低下することはないのだ。(現状維持となる。)ここで、低い国では現状維持でも賃金水準が低下するようにするには、物価上昇があればいい。たとえば、物価上昇が5%で、賃金水準が現状維持ならば、賃金は実質的に5%低下したことになる。こうなれば、問題はない。しかしながら、欧州では、物価上昇率を低くする政策が取られている。とすれば、各国における賃金水準の最適化が、うまく実現できない。かくて、成長の低い国(ギリシア)では、あるべき水準以上の高い賃金が維持される。そのせいで、輸出も増えず、経済は拡大せず、そのくせ、さんざん輸入する。ろくに働かないで、どんどん消費するというのは、借金生活そのものだ。当然、赤字がどんどん蓄積する」

 要するに、国ごとに成長の違いがあるのだから、国ごとに通貨も異なるべきなのだ。なのに、同一の通貨を使えば、国ごとの成長の違いをうまく吸収できない。歪みが溜まる。そして、そのひずみが極限に達したとき、経済危機が起こる。(地震の発生みたいなものだ。)

 私は何度も述べたが、欧州共通通貨(ユーロ)という理念そのものが、経済学的には、根本的に狂っている。
 欧州が本当に、「欧州共同体」という理念に従おうとするのであれば、まずは、欧州の言語を統一するべきだ。それが先決となる。その後に、社会保障や税制を共通化し、賃金水準を統一するべきだ。ドイツもポーランドも賃金水準を統一するべきだ。つまり、ドイツやフランスからポーランドやスロバキアなどに大幅に富を移転するべきだ。そして、そのように欧州が一体化したあとで、ようやく、欧州共通通貨が導入される。……これならば、問題は起こらない。
 しかし、現実には経済がバラバラなのに、通貨だけを共通にすれば、現実と理念との食い違いから、歪みが生じる。当然、経済危機が起こる。経済危機は、起こるべくして起こったのだ。

 なお、欧州共通通貨(ユーロ)というものは、導入した時点では、問題は起こらない。各国の賃金水準の違いに応じて、別々の賃金水準がユーロ表示で実現する。
 しかし、その後、経済成長に差が出る。ある国は高い経済成長をなし、ある国は低い経済成長をなす。こうなると、以前のままの賃金水準では、食い違いが生じてしまう。これを何とか解決するには、高い物価上昇が起こればいいのだが、現実には、物価上昇を避ける経済政策が取られている。となると、食い違いを自然解消する可能性もなくなる。
 
 結論。
 ギリシアの通貨危機は、起こるべくして起こった。経済危機が起こるのは、経済学的には当然のことであり、また、経済危機を回避・解決するすべがないのも、経済学的には当然のことだ。すべては当り前のことなのである。ユーロという通貨制度を取ったときに、このような問題は胚胎されていた。最初からそうなるはずだったのだ。
 これに対する解決策は、他国による債務保証ではないし、ギリシアの財政健全化でもない。ギリシアがユーロを脱して、独自通貨を取り、通貨レートを下げることだ。
 結局、欧州共通通貨(ユーロ)という制度自体が根本的に間違っているのだから、この制度を解消することだけが、問題の解決をもたらす。

 [ 付記 ]
 朝日新聞(社説)は、次のように書く。
 「ギリシャは公務員が多く、その給料も高い。それをカットしたり増税したりして、財政再建を果たさなければならない。」
 しかし、増税などをすれば、経済規模がかえって縮小し、状況はいっそう悪化する。また、公務員が多いからといって、彼らを解雇するだけでは、状況は何も好転しない。公務員がまともな民間産業で働くようになれば、状況は好転するだろうが、ここで増税などをすれば、公務員が働く場はなくなる。
 朝日は、こうも書く。
 「ギリシアはユーロから離脱すべきだという意見もある。しかし、そんなことをすれば、同じような事態に追い込まれる国が相次ぎ、ユーロ圏は崩壊していくだろう。」
 しかし、ユーロ圏が崩壊することこそ、最も好ましいのである。悪をもたらす悪しき制度を確立して、そのせいで悪しき状況に陥ったならば、そういう悪の制度を崩壊させることこそ、状況を好転させる唯一のすべだ。
 朝日は「今さら後戻りはできない」と書くが、そんなことはない。今からでも遅くはないから、後戻りするべきなのだ。泥沼に足を入れたなら、後戻りするのが、助かる唯一のすべだ。「今さら後戻りはできない」と言って、泥沼にどんどん踏み込んでいけば、死ぬだけだ。
( ※ ただし、このことを理解するには、経済学的な原理を知る必要がある。本項を理解すればいいが、理解しなければ、無知のまま、死の道を直進するしかあるまい。)

 なお、読売新聞(社説)も、大同小異である。「財政再建をせよ、増税せよ」と、朝日同様のことを書く。そして、こう書く。
 「日本経済の信認を最も傷つけているのは、財政再建の道筋も示さず、ばらまきを続ける鳩山政権の経済政策である」
 こういうふうに、財政ばかりを見ていて、経済を見ないことの愚は、前日の項目(読売の経済提言)で示した。


● ニュースと感想  (5月09日b)

 (1)
 スポーツカー型のマウスというものがある。一見、キワモノ商品のようだが、実はこれは実用性が非常に高い。
  → Open ブログ 「スポーツカー型のマウス」

 (2)
 医療崩壊への対策として、次の二点があるそうだ。
  ・ 待合室で予診する
  ・ コンシェルジュになる
  → Open ブログ 「医療崩壊への対策」


● ニュースと感想  (5月10日)

 財政赤字を解消するには、増税をするべきか?  増税をすれば、経済は不況になり、かえって財政赤字が拡大するのではないか?
  → nando ブログ 「財政赤字と増税」


● ニュースと感想  (5月10日b)

 (1)  ニューギニアで銅山の公害(鉱害)で、流域の森林に大規模な被害が起こっているという。これというのも、人々が炭酸ガスばかりに目を奪われ、公害に目を向けないからだ。
  → Open ブログ 「公害拡大の放置」

 (2)
 異なる種同士の交雑は可能か? (例。ネアンデルタール人とホモ・サピエンス。)
 生物学的に言えば、「可能性は非常に低い」と言える。
  → Open ブログ 「異種間の交雑」


● ニュースと感想  (5月11日)

 (1)
 欧州の通貨統合については、5月09日の項目でも述べたが、もっと前にも基本的なことを述べた。それへのリンクを紹介する項目。
  → nando ブログ 「欧州の通貨統合( Euro )」

 (2)
 flash 広告が増えてわずらわしいな……と思っていたが、Adblock Plus 1.2 という最新バージョンで非表示にできる。( Firefox で。)
  → Open ブログ 「flash 広告と Adblock」


● ニュースと感想  (5月11日b)

 「ギリシア経済危機への対策」について。
 ギリシア経済危機への対策が発表された。IMF や欧州がギリシアに資金を供給するという。(他に、日本などは市場にドルを供給するが、これはどうでもいい。)
 今回の措置は、まったく見当違いだ。なるほど、ギリシアに資金を供給することで、当面の問題は避けられる。しかしそれは、問題を先延ばしするだけのことだ。問題を解決することはない。なぜなら、ギリシアの赤字垂れ流しという状況は、少しも解決しないからだ。
 ギリシアの赤字垂れ流しという状況は変わらない。それでいて、欧州各国がギリシアの債務を保証して資金供給をすれば、ギリシアの財政が(避けがたく)破綻したときには、その負担は欧州各国にのしかかる。
 単純に言えば、駄目な会社に対して連帯保証人が債務保証をすると、債権者は安心して資金を貸すだろうが、赤字そのものが消えるわけではない。駄目な会社が倒産したときに、連帯保証人が負担をするだけだ。
 今回の例で言えば、ギリシア財政が破綻したときには、欧州各国が負担を迫られる。それだけのことだ。この補償によって、当面の資金逼迫(ひっぱく)は避けられるが、ギリシア財政の破綻そのものが避けられるわけではない。なのに、今回の措置で「安全になった」と勘違いした人々が、ユーロを買ったりして、いくぶんユーロ高になっている。
 話は逆だ。ギリシアの債権の不安はなくなったが、かわりに、その不安は欧州各国に分担された。欧州各国は、巨額の赤字を負担する危険を分担するようになった。(危険がなくなったのではない。)とすれば、欧州の通貨(ユーロ)は、不暗視されて、通貨レートが下がって当然なのだ。また、多大な資金供給によっても、通貨レートが下がって当然なのだ。そして、ユーロのレートが下がれば、ギリシアも欧州各国も、通貨安にともなって、賃下げの効果が出る。それにともなって、欧州各国もギリシアも生産量が増える。欧州各国は、通貨安と賃下げと物価上昇に見舞われて、生活が苦しくなるが、そのかわり、失業や倒産や国家破綻の可能性が減る。……こうなるのが当然なのだ。
 ところが、現実には、ユーロが高めに推移している。市場は「ユーロの危機が去った」と思い込んでいる。これでは話が逆だ。市場は経済状況を適切に評価していない。つまり、歪んでいる。
 となると、将来的には、歪みは解消される必要が出てくる。つまり、突発的な「ユーロ安」だ。それが近い将来に発生するだろう。
 なるほど、今はギリシアの危機はほころびを取りつくろった。しかし、ギリシアの経済状況は何も変わらない。ふたたび赤字が垂れ流しとなる。かといって、増税などをすれば、経済状況はますます悪化する。
 5月09日 の項目でも述べたが、ギリシアの問題を根本的に解決する方法は、ギリシアの通貨レートの切り下げしかない。そのためにはユーロ離脱しかない。経済状況が急激に悪化したらならば、その国はユーロから離脱することが必要だ。離脱しなければ、状況は解決しない。
 この本質を理解しないまま、資金の供給で問題を先延ばししようというのは、ただの弥縫策(びほうさく)にすぎない。


● ニュースと感想  (5月12日)

 「ユーロ安」について。
 前日に述べたこと(前項:ユーロ安の予想)が、早くも起こってしまった。
 11日の東京外国為替市場では、ユーロ売りが進み、対ユーロで円高が進んでいる。  「ECBが債務不履行の懸念がある国債を抱えることで、ユーロに対する信認が大きく下がる」(国内大手銀行)などとの見方が浮上。 ( → 朝日新聞・夕刊 2010-05-11
 市場は私が思ったほど馬鹿ではないようだ。
 このままさらにユーロ安が進み、ユーロ内で物価上昇が進行すれば、状況は改善する。(各国で5%程度の物価上昇と賃上げが進み、ギリシアだけは物価上昇があるのに賃上げはない、という形。)
 しかし、そうはならないだろう。欧州各国や IMF は、5%の物価上昇を許容せず、その前に金融引き締めに走るはずだ。連中はマネタリズムを信奉しており、マクロ経済学を理解できないからだ。
 というわけで、ユーロ安が進んでも、マネタリストがそれを阻止しようとする(金利を引き上げる)ので、ユーロ経済はどんどん弱体化し不安定化するだろう。市場はユーロ安に進むだろうが、市場を金融当局が強引に操作しようとすれば、悪しき状況になるのは、必然だ。
( ※ 賢明ならば、市場に任せるだろうが、そうはしないだろう。彼らは愚かだから。)
( ※ 前日では、「突発的なユーロ安」を予想したが、今のうちにはやめにユーロ安が起こるのは、好ましいことだ。なぜなら、それならば、歪みが蓄積しないからだ。しかし、金融当局が強引に介入すると、あとで変なことが起こりかねない。)


● ニュースと感想  (5月12日b)

 「辺野古・陸上案(新)」について。
 普天間基地の移転先としては、辺野古が好ましい、と前に述べた。( nando ブログ)
 では、辺野古にするとして、滑走路はどうするべきか? 
  ・ 杭打ち方式(半・海上)
  ・ 埋め立て方式(半・海上)
  ・ 陸上方式 (半・山地)
 いずれも難点があることが知られている。

 そこで私の案を示す。
 「辺野古地区で、海岸沿いの平地に、南北に長大な滑走路(1.3キロ)を設置する」
 地図で描くと、これだ。
  → 地図Z(辺野古・陸上案(新))
 これにも難点が出てくるかもしれないが、とりあえず、提案しておこう。

 なお、現状は、次の三つの案。
  ・ 杭打ち方式 ……… 米軍が大反対(テロの危険)。コストは多額。
  ・ 埋め立て方式 …… コストがものすごく多額。
  ・ 陸上方式 ………… 山地を削るので、飛行機が山にぶつかりそう。
 いずれも「滑走路が短い」という難点をかかえる。
 ただし、いずれも東西方向の滑走路なので、風の便がいいのかもしれない。(そこでは東西方向の風ばかりが吹いているのだとしたら、南北方向の滑走路は横風になるので、適さないことになる。)
 しかしそれなら、次の案がいいだろう。
  → 地図Z(辺野古・陸上案(別))

 ──

 なお、本項で述べる案は、いずれも、既存の米軍基地のなかに滑走路を作る。当然、反対運動などは起こらない。
 ただし、米軍基地が、(飛行場に土地を食われて)小さくなってしまう。その分は、辺野古の民有地を買収すればいいだろう。あと、沖縄高専をつぶせばいい。それらの跡地を、米軍に提供すればいい。
 そして、かわりに、普天間の跡地を手に入れればいい。
 要するに、辺野古の小さな僻地と、普天間の広大な一等地を、土地交換するわけだ。お得ですね。

( ※ 上記の案だと滑走路付近の幅が狭すぎる、と思えるかもしれない。しかし、丘を削って、その土で平地を盛り上げれば、大丈夫。山をたくさん削ったり、海を埋め立てたり、杭を打ったりするのに比べれば、ずっと簡単だ。削るべき丘の量も、たいしたことはない。)

 [ 参考 ]
 現行の陸上案は、次の地図で説明される。緑豊かな山地を削る、とはっきりとわかる。
  → 解説サイト


● ニュースと感想  (5月12日c)

 白娘隊というネーミングの、萌え米。twitter との関係。
  → Open ブログ 「白娘隊 (萌え米)」


● ニュースと感想  (5月13日)

 (1)
 ファインマンの言葉。「自分をだますべからず。あなたが最もだましやすいのは、あなた自身だ」
  → Open ブログ 「自分にだまされるな」

 (2)
 コンピュータ用語辞典。ただし、真面目ではなく、ギャグ。
  → Open ブログ 「PC用語辞典(ギャグ)」


● ニュースと感想  (5月13日b)

 「基地の種子島・移設案」について。
 この項目は、下記に移転しました。
  → nando ブログ 「米軍基地の種子島 移設案」


● ニュースと感想  (5月14日)

 「種子島・移設案(他人のサイト)」について。
 前日の「種子島・移設案」は、私が初めて述べた訳じゃなく、同趣旨のことを書いた人が他にもいるとわかった。リンクを示しておく。
  → 名護よりも種子島に基地を
  → 佐藤正久(参院議員)


● ニュースと感想  (5月14日b)

 (1)
 Google の検索結果の画面が改悪されたが、対処する方法がわかったので、後半に記す。
  → Open ブログ 「Google 検索結果の改悪」

 (2)
 不要になったプリンタを捨てるには? どうすれば容易に安価に捨てることができるか?
  → Open ブログ 「プリンタの捨て方」


● ニュースと感想  (5月15日)

 「人間と人形」について。
 人間と人形は、どちらが大切か? 常識に従えば、人間だ。しかしオタクならば、「人形の方が大切だ」と思うだろう。それを示唆する判決が出た。
  → パロマ死傷者で社長に猶予刑
  → ペコちゃん盗で懲役5年
 人間を死なせても、禁固1年6月、執行猶予3年。人形を盗めば、懲役5年。裁判長が特別にオタクだったから? いや、この世はすべて、オタクの世界。  (^^);
 ペコちゃん裁判では、裁判長は「店の処罰感情は厳しく、社会に与えた影響は大きい」と述べた。これが懲役5年の理由。
  → 記事
 一方、パロマ事件では、被害者感情はこうだ。
  → 息子を失った母の悲しみ
 ペコちゃん人形を盗まれた店の処罰感情は重視するが、息子を失った母の悲しみは軽視する。やっぱり、オタク的な判決か? 

 [ 付記 ]
 ペコちゃん人形を盗むぐらい、たいした大泥棒ではないと思う。なのに、懲役5年という重罰。これはたぶん「誘拐罪」の扱いなのだろう。
  → 小6女児誘拐で懲役6年
 女児を誘拐するのも、女児みたいな人形を誘拐するのも、罰はほとんど同じ。やはり人形を人間扱いしているな。いかにもオタク。
( ※ 本人はオタクじゃないつもりかもしれないが、やっていることは重度のオタクそのものだ。ほとんど狂人のレベル。)
 
 [ 余談 ]
 私の予想。将来、こうなる。
  ・ 涼宮ハルヒのフィギュアを壊した人 → 懲役5年。
  ・ 1歳長女重体、床にたたき付けた母親 → 執行猶予
 たぶん、そうなるだろう。裁判官はたいていオタクだから。  (^^);
 ( ※ ただし、裁判員制度によれば、常識的になるかも。)
 ( ※ サンダース人形を道頓堀に落とした阪神ファンも、懲役5年? オタク裁判官にかかれば、そうなるはずだ。)


● ニュースと感想  (5月15日b)

 (1)
 Google はおかしくなっている。それは、Microsoft がおかしくなっていった過程と同様だ。
  → Open ブログ 「 Google の MS 化」

 (2)
 何事であれ、さまざまな行動で、失敗することがある。では、失敗を避けるには?
  → Open ブログ 「失敗しない方法」


● ニュースと感想  (5月16日)

 「種子島への基地移設への反発」について。
 種子島への基地移設について、先日、提案した。これは、nando ブログに引っ越した。(ついでに多少、加筆した。)
 この記事の内容について、「沖縄県民を侮辱している。右翼的だ」という反発があった。いかにもありがちで、予想されたとおり。
 この反発を紹介し、私の見解を示す。かなり長い文章だ。
  →  nando ブログ 「米軍基地の種子島 移設案」コメント欄

 なお、本文の最後にも、 【 追記 】 を加筆しておいた。2010-05-15 の朝日の記事についての言及をしている。これも長い話。


● ニュースと感想  (5月16日b)

 学校教育で、土曜授業が復活する。(東京都で。)  だが、土曜授業よりは、夏休みをやめて、夏に授業をする方がいい。
  → Open ブログ 「学校の夏休みを廃止せよ」


● ニュースと感想  (5月17日)

 iPad を電子投票の端末にするといいだろう。これによって電子投票のコストを大幅に下げることができる。(提案)
  → Open ブログ 「iPad で電子投票」


● ニュースと感想  (5月17日b)

 「事業仕分けとグッドデザイン賞」について。
 民主党は新たに、事業仕分けをするそうだ。独立行政法人(など)が対象だという。
 だったら、グッドデザイン賞の件も、含めてほしいものだ。これは国家公認の「詐欺」か「たかり」みたいなものだからだ。詳しくは、すでに論じたので、そちらを参照。
  → Open ブログ 「グッドデザイン賞」

( ※ グッドデザイン賞というのは、本来は精選された優秀なデザインに与えられるものだった。ところが、マークの認定料を取って金儲けする主義になったので、やたらと乱発されるようになった。毎年千件以上の商品がグッドデザイン賞を受賞している。馬鹿馬鹿しい。もはやただの「天下り先で甘い蜜を吸うための道具」になっている。)
( ※ 実行しているのは、民間の財団法人だが、国家公認だし、天下り先になっているはずだ。また、競輪の補助金が投入されている。……とにかく、賞を乱発している点からして、グッドデザイン賞の趣旨をハズレている。この団体は、ただの営利団体だから、財団法人の認定を取り消すべきだ。株式会社にして、税金を払ってもらうといい。また、「グッドデザイン賞」という名称の使用料を、国家に対して払うべきだ。それができなければ、「グッドデザイン賞」という名称の使用を禁じるべきだ。「ナイスデザイン賞」というのを、新たに勝手に制定すればいい。金儲けを狙いにするなら、最初からそうするべきだ。)
( ※ とにかく、私は詐欺が大嫌い。人をだまして金儲けする連中は大嫌い。だからこういうイヤミを書く。いじわるばあさんみたいに。  (^^); )


● ニュースと感想  (5月18日)

 太陽光発電が増えれば増えるほど、かえって炭酸ガスは増える。つまり、逆効果。  そのことは、前にも本ブログで指摘したが、そろそろ具体化しつつある。
  → Open ブログ 「太陽光発電で炭酸ガス増加」


● ニュースと感想  (5月18日b)

 「欧州の通貨安とギリシアの再建」について。
 欧州の通貨安が進んでいる。(ニュース参照。)
 これは私には意外だった。私の予想は、「将来の突発的なユーロ安」だった。だが、現実には、即効的に「ユーロ安」がじわじわと進んでいる。予想に反した形で事態が進んでいる。では、それは何を意味するか? 

 私の予想は、こうだった。
 「欧州の金融当局は、ギリシアに債務保証をすることで、当面の危機を乗り越えられると楽観的に予想した。しかしそれは、赤字が消えるということではなく、赤字が欧州全体に分散することだ。したがって、ギリシアは危機を免れても、欧州全体は危機を免れない。そのことに気づいたころ、ユーロは突発的に下がるだろう」
 ところが、現実には、即効的にユーロがじわじわと下がっている。これは、欧州の通貨当局の見通しが間違っていることを、市場が認識していることを意味する。つまり、欧州の金融当局は馬鹿だが、市場は馬鹿ではない、ということだ。あとになって急に気づくのではなく、最初から気づいている、ということだ。
 実は、だいたい同様のことは、竹森俊平も読売のコラムで書いている。「金融は統一されているのに、財政は統一されていないから、今の体制では問題の回避は根源的に不可能だ」というふうに。元の文章はこうだ。「財政、金融が別々の論理で運営されるユーロの仕組みがある限り出口のない状況だ」(読売・朝刊・コラム 2010-05-17  → 転載
 ともあれ、欧州の金融当局は馬鹿だが、世間はそれほど馬鹿ではなかったのだ。(私には意外だった。世間がこれほど賢明だとは思ってもいなかった。景気対策では、私の見解を理解できない人がほとんどだから、欧州の通貨レートについても、私の見解を理解できない人がほとんどだと思っていた。ところが私の意見を聞くまでもなく、正解にたどり着いた人が多いようだ。)
 
 さて。ここまで、いろいろな話を聞いてみると、要点は、こうだ。
 「ユーロ(欧州共通通貨)という制度を取っている限り、現状では解決不可能」
 となると、肝心の結論は、こうだ。
 「問題を解決するには、ユーロ(欧州共通通貨)という制度を捨てるしかない。少なくとも、経済の弱体化した国は、ユーロ(欧州共通通貨)から離脱するべきだ。」
 これはまあ、論理的な必然である。同じことを論理的に言い換えているにすぎない。ところが、どういうわけか、肝心のその話が抜けている。

 要するに、人々は、真実をきちんと見てはいるのだが、「王様は裸だ」と言えない状況にある。
 そして、「王様は裸だ」(ユーロを維持しては駄目だ)と述べているのは、私ぐらいだろう。昔からずっと私はそう述べていた。一方、多くの人は、「ユーロは素晴らしい」と述べていたから、「ユーロは駄目だ」という現実に直面しても、なかなかそれを語ることができない。「王様は裸だ」という現実を目にしても、「王様は裸だ」と語ることができない。

 さて。それでも、もうすぐ、「王様は裸だ」と叫ぶ人も出てくるだろう。「ユーロを維持しては駄目だ」と。つまり、「ギリシアはユーロを離脱するべきだ」と。
 ここで、世間より先を行く私は、新たなテーマを出そう。こうだ。
 「ギリシアがユーロを離脱するには、どういる手順で離脱するべきか?」
 この問題が生じる。そこで、私は世間よりも一足先に、以下のように答えよう。
  1. ギリシアはユーロ離脱を表明する。
  2. 固定レート制を採用する。そのレートは、どのようなレートでも構わない。(このレートは、単に、ギリシア国内通貨(ドラクマ)の単位を決めるだけだ。金銭的な損得は関係ない。)
  3. ギリシア政府は、そのレートで、ドラクマとユーロとの交換を保証する。売り買いともに保証する。この意味で、ドラクマは、ユーロと完全に互換性がある。
  4. ギリシア政府は、国内の市場の売買で、ドラクマとユーロのどちらを使ってもいいと認可する。(もちろん外国人がギリシア国内でユーロで買ってもいい。)
  5. ギリシア政府は、国内の企業に対し、賃金をドラクマで支払うことを義務づける。賃金をユーロで支払った企業に対しては、その金額の 10%を課税する。(このことでギリシアの国内で流通する通貨は、徐々にドラクマに置き換わる。数カ月を経て、9割ぐらいまでドラクマになるだろう。)
  6. こうして徐々にドラクマが普及することで、ギリシア政府には、同額のユーロが手元に入る。ただの紙幣を発行して、ユーロを得るのだ。これは、政府の通貨発行益(シニョリッジ)である。
  7. ギリシア政府は、この通貨発行益で、国家の対外債務を返済する。(すばらしい名案!)
  8. ギリシア政府は、ドラクマを乱発すると、ドラクマの通貨価値が減るから、ドラクマを乱発しないようにする。このことで、ドラクマの通貨レートを維持する。このような固定制の維持は、最低でも1年間は続ける。
  9. ただし、ドラクマの通貨レートは、ユーロに対して、毎年3%程度の下落をするように、ドラクマを少しだけ増発する。同時に、物価上昇率は欧州よりも3%高く、また、金利も欧州よりも3%高くなるようにする。簡単に言えば、物価上昇率は5%で、金利も5%をメドにする。(欧州は、物価上昇率が2%で、金利も2%である、と仮定する。)
  10. この状況では、ギリシアの賃金は、(賃上げしなければ)毎年5%ずつ下落することになる。このことで、産業間の調整が進む。たとえば、公務員の賃金を据え置きにすれば、4年間で公務員の賃金は 20%(プラスアルファ)下落することになる。
  11. こういう形で、通貨レートの引き下げが起こり、ギリシアは他の欧州諸国とは別の高成長路線を取る。国民生活は苦しくなるが、経済規模は成長し、財政的に破綻を免れる。
 以上が、ギリシアがユーロを離脱するための手順だ。こうすれば、うまく行くはずだ。

 [ 付記 ]
 ただし、現実には、別の問題もある。ギリシアでは納税がデタラメだ、ということだ。きちんと納税する人が少なく、脱税が大幅にまかり通っている。こういう状況を改善して、国家が徴税能力をもつことも、状況改善のためには必要だ。
 とはいえ、それは、経済学とは別の問題だ。(政治の問題だ。)経済学者がどうこうしろと提案する問題ではなく、政治家が当り前の状況を構築するべきという問題だ。
 だいたい、ろくに徴税能力もないから、国債を乱発するのだろうが、そんなことでは、ますます国債の信任をなくす。歳入の点では半人前の国家が、歳出の点では一人前に浪費する。……こんなことでは、国家(もしくは半国家)が破綻するのは、当然だ。こういう国を加入させたEUという体制が、初めから狂っているとも言える。


● ニュースと感想  (5月19日)

 「ギリシアの財政再建」について。
 ギリシアの問題に対しては、「財政を再建せよ」という声が強い。欧州各国の金融当局がそうらしいし、日本でも新聞社が社説で唱えている。
 「肝心のギリシャでは、増税や公務員給与の削減への反発が根強く、デモが続いている。」( → 読売・社説 2010-05-11 )
 しかし、ギリシアで必要なのは、増税ではない。増税なんかすれば、需要が縮小し、経済規模はかえって縮小する。簡単に言えば、デフレになる。デフレになって、状況が改善するはずがないでしょう。

 では、どうすればいいか? きちんと働けばいい。ところが、これを疑問視する見方もある。
 「ギリシャの政府債務の多さや産業の弱さなどをみると、」( → 朝日・社説 2010-05-11 )
 しかし、これはおかしい。産業の弱さは、まったく問題にならないはずだ。なぜなら、産業が弱ければ、人件費が安くなるし、将来の成長の源泉ともなるからだ。野口悠紀雄ならば、「中国は人件費が安いから成長できる」と述べるだろう。ともあれ、産業の弱さは、通貨レートで自動調整されるから、特に問題とはならない。

 では、ギリシアがなすべきことは、何か? 増税でもなく、産業の強化でもないとしたら、何か? それは、前項でも述べたとおり。「脱税をなくすこと」だ。
 そもそも、脱税 がまかり通っていれば、どうしたって、財政に穴があく。増税をすれば、税収が増えるのではなく、真面目に税を払う人ばかりが重税となり、大多数の人は脱税のやりっ放しだ。
 だから、何よりも大切なのは、脱税の廃止だ。

 その上で、「富の再分配」も必要となる。
ギリシアは経済を握る数十家が支配し、脱税天下の国でもあり、脱税、誤魔化し天国のフィリピンとそっくりである。
( → ブログ記事
 こういう状況を是正するために、一種の「富裕税」をかけて、富の再分配をするといい。同時に、脱税を徹底的に取り締まる。富裕層が脱税をしているのであれば、富裕層を狙い撃ちして、高額の税金を取り立てる。(罰金としての重加算税で)
 さて。このように、脱税を阻止するには、どうすればいいか? 有能な税務署員をたくさん雇用すればいい。警官が増えれば犯罪者が減るのと同じで、税務署員が増えれば脱税は減る。
 ところが、たいていの経済学者は、「公務員を減らせ」と述べる。そのせいで、かえって税務署員が減るので、脱税がまかり通り、国家の歳入は減ってしまう。愚の骨頂。
 ケラケラ笑いたくなるが …… 実は、同じ愚を日本もやっている。税務署員はいつも人手不足だから、税務検査は行き届かず、脱税の見落としがたくさん出る。だからそれだけでも国家の歳入は大幅に穴があく。(ギリシアほど大規模ではないが、いくらかは。)
 人のフリ見て、……と言いたくなるね。情けないことだが。

 [ 付記 ]
 読売や経産省は、「産業強化のために法人税減税を」と唱えている。これなど、だ図税の公認だろう。そんなことをすれば、歳入に大幅な穴があいて、日本は財政再建どころではなくなる。
 片方では「財政再建を」と唱え、片方では「法人税の大幅減税を」と唱える。読売というのは、よほど頭が狂っているのだろう。( →  5月08日b
( ※ 財源としては、「消費税の大幅増税」を当てにしているのかもしれないが、法人税の減税に当てたり、財政再建に当てたり、福祉費用に当てたり、あれこれ使い道を考えていると、消費税は 10% では足りずに、20%〜30%ぐらいになりそうだ。当然、とんでもない不況、いや、恐慌になるだろう。わかっているんですかね?)


● ニュースと感想  (5月19日b)

 マイクロソフトが Sky Drive という無料ストレージサービスを宣伝している。なかなか便利そうだが、これは使う価値があるか?
  → Open ブログ 「Sky Drive(無料ストレージサービス)」


● ニュースと感想  (5月19日c)

 「Twitter の馬鹿らしさ」について。
 Twitter というのは本当に下らない時間つぶしらしい。典型的な例がある。ネット上で有名な「きっこ」のつぶやき。
宮崎県の口蹄疫で牛や豚が殺処分されてる問題だけど、もともと人間が食べるために牛や豚を育て、肉の美味しくなる時期に屠殺場で殺し続けてきたことは何とも思ってない人たちが、「涙ながらに牛を殺した」とか「豚を殺した」という詭弁はやめて欲しい。
( → まとめサイト
 ああだ、こうだ、と話が進んでいるが、一番最初が勘違い。「涙ながらに牛を殺した」というのは、牛がかわいそうだから涙を流したんじゃない。せっかく丹誠込めて育てた商売品が、ゴミになってしまったからだ。同様のことは、自動車だって、衣服だって、どんな商売品にも当てはまる。
 あなただってそうでしょ? せっかく書いたブログ原稿が、保存ミスで消去したら、涙を流したくなってしまうはずだ。特にそれが、1日の作業ではなくて、2年間をかけてようやく書いた原稿だったりしたら。しかも、それが 100万円の価値があるとしたら。泣きたくなりますよね。
 ここを誤読した上で、延々と無駄話を書き続ける。また、それに返信する人もいる。まったく、何をやっているんだか。暇人ばかり。
( 「そういうおまえもナー」と言われそうだが。  (^^);  ただし私は、何度もつぶやいたりしない。また、1回に 140字を越える。)


● ニュースと感想  (5月19日d)

 「口蹄疫への感想」について。
 口蹄疫がニュースになっている。これについての私の感想は、こうだ。
 「口蹄疫は、きわめて感染力が強い。最初に見つけた段階で、すぐさま対処するべきだったのに、『どうせ風邪さ』と思い込んだ保健所員が、検査しないでほったらかした。また、農水相は、『どうせすぐに収束するさ』と楽観して、何も対処しないで外遊した。……こういう甘さが、根本原因だ.事後的に騒いでも、手遅れだ。」
 これで思い出すのは、「失敗しない方法」だ。
 失敗しないためには、どうすればいいか? そういう発想そのものが間違いだ。失敗はどうしても避けられない。失敗そのものを避けるのではなく、失敗したときの被害を最小化することが大切だ。
 口蹄疫の発生そのものをなくすことはできない。しかし、口蹄疫が発生したあと、被害を最小化することはできる。そのためには、最悪の事態を想定して、最悪の事態を防ぐ努力が大切だ。
 今回はそれがなかった。体制の不備。(政府の問題だけじゃない。日本中のあらゆる場面で、同じことが成立する。私やあなたの身のまわりでも。)


● ニュースと感想  (5月20日)

 「口蹄疫の拡散」について。
 口蹄疫の発生については、朝日新聞(朝刊 2010-05-19 )に詳しい情報があった。獣医は口蹄疫に関しても十分注意していたようだ。しかしながら、病気の牛の症状が口蹄疫の標準的な症状(マニュアルに記述してある症状)よりも、大幅に軽いので、普通の風邪や下痢と見なされ、口蹄疫と認識されなかった。それでも、伝染した2頭目以降では、念のために研究所に依頼して、チェックを入れて、口蹄疫と認識された。それが4月 19日だ。……ここまでは、まったく問題がない。(獣医が悪いのではなく、病気の方がマニュアル通りでないのが理由。)

 問題は、4月 19日に口蹄疫が発覚したあとの、行政の対応だ。「どうせすぐに収束するさ」と思って、放置しておいた罪は、すごく重い。口蹄疫は、伝染力が強く、自然に収束したりはしない。英国では 600万頭の屠殺処分となった。そういう例が近年はあるのに、楽観していたというのは、無知というよりは、無能の極みだろう。
 今回の事件は、無能が原因の流行と見なせそうだ。
 去年、新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)のときには、あれほど過剰に大騒ぎしたのに、牛の口蹄疫が判明したあとは、あまりにものほほんと無対策でいた。馬鹿丸出しというべきかも。
 民主党の赤松農水相は、無能の極みだが、もし舛添が農水相をしていたら……と想像すると、……やっぱり無理かな。あの人は、有能というよりは、大衆受けを狙うだけだ。口蹄疫対策が人気取りに役立つと思えば、大々的に行動するだろうが、世間に先んじて対策をするという人ではない。
 ただ、私としても、口蹄疫なんて全然気にかけていなかった。初期の段階で、私としても警告を鳴らせたらよかったな……とは思うが、「口蹄疫の伝染力がとても強い」なんて、私は知らなかった。「口蹄疫なんて、パソコンのウイルスじゃないから、関係ない」という感じだった。私も無知でしたね。   (^^);
 でもまあ、私は生物学者じゃないから。

 [ 付記 ]
 病気の方がマニュアル通りでなかったのは、病気のせい(新型であるせい)かもしれないが、マニュアルの記載が不備であったことも考えられる。新型 or 変わり種の口蹄疫があるのに、それを記載しなかった、という問題。
 ただし、マニュアルを変えたとしても、今回の問題を防げたかは疑問だ。やはり同じ経過をたどっていただろう。理想的には、1頭目の段階で口蹄疫のチェックを入れるべきだが、それだと、ただの下痢などで、すべての牛に口蹄疫のチェックを入れることになり、ちょっと無理そうだ。


● ニュースと感想  (5月20日b)

 So-net の IPフォンを導入した。だが、マニュアルがひどすぎる。ユーザーはひどい目に遭うだろう。 ( 2010-05-18 現在 )
  → Open ブログ 「So-net の IPフォン」


● ニュースと感想  (5月21日)

 (1)
 Google 日本語入力の長所と短所。簡単にまとめる。
  → Open ブログ 「Google 日本語入力 評価」

 (2)
 Google 日本語入力 をカスタマイズすることで、変換・確定・修正などの操作を、ホームポジションだけで実行できるようになる。 ( BSキー,Enter キー,カーソルキーを使わずに、確定・修正などの操作ができる。)
  → Open ブログ 「Google 日本語入力 用のソフト」


● ニュースと感想  (5月22日)

 エコキャップに関して、前にも述べたことがある。だが、それを読んでも、「エコのためなら、無駄をしてもいい」「善行という大義のためなら、無駄は許される」と思う人がけっこういるようだ。
  → Open ブログ 「エコと偽善」


● ニュースと感想  (5月23日)

 (1)  「成長分野を成長させて、日本全体の成長の牽引をさせる」という案を、よく聞く。だが、この案は間違っている。
  → nando ブログ 「成長戦略と成長分野」

 (2)
 三田紀房が医療改革の提案をしている。(漫画で。)
  ・ 医療に市場原理を導入する
  ・ 医療ボランティアを導入する
 → Open ブログ 「三田紀房の医療改革案」


● ニュースと感想  (5月23日b)

 (1)
 Sugersync という無料ストレージサービスがある。これは、機能の面では、一番上であるようだ。(ただし、使い勝手はちょっと良くないので、初心者向けではない。)
  → Open ブログ 「Sugersync (無料ストレージサービス)」

 (2)
 無料ストレージサービスとしては、以前からある Dropbox というのもある。容量は小さいが、使い勝手がいい。ただし、かなり遅い。
  → Open ブログ 「Dropbox (無料ストレージサービス)」


● ニュースと感想  (5月24日)

 (1)
 口蹄疫の問題について、私の見解を示す。これは、単に牛の問題であるだけでなく、日本の保健行政全般が未整備であることを意味する。将来的には、人間に災禍が降りかかるだろう。
  → Open ブログ 「口蹄疫の問題」

 (2)
 ADSL の速度は、公称値に比べ、実測値はどのくらいか? 
  → Open ブログ 「ADSL の速度(実測値)」


● ニュースと感想  (5月25日)

 (1)
 池田信夫が、次の話を書いている。
 「もしソフトバンクがNTTを買収したら」
 しかし、話の方向が狂っている。
  → Open ブログ 「ケータイと寡占」

 (2)
 若者はケータイを主たる使用機器としていて、パソコンなんかはろくに使わない……と池田信夫が言っている。本当か?
  → Open ブログ 「若者はケータイだけ?」

 (3)
 ブラインドタッチができない人でも、ブラインドタッチができるようになる方法がある。ブラインドタッチをしやすい配列を使えばいいのだ。
  → Open ブログ 「ブラインドタッチができないなら」


● ニュースと感想  (5月26日)

 iPad の意義は何か? パソコンとケータイの中間であることか? 電子書籍が読めることか? 私の考えでは、読むことに特化していることだ。
  → Open ブログ 「iPad の意義」


● ニュースと感想  (5月27日)

 「鳩山の公約違反」について。
 鳩山の公約違反について、池田信夫が語っている。
 鳩山首相の沖縄に対する「約束」が守れなかったことが大問題になっている。しかし彼が野党党首だったころ適当にした約束が、政権について実務的に検討したら守れなくなるのは、当たり前だろう。消費税にしても子ども手当にしても、マニフェストを守ることより現実をみて修正するほうが大事だ。
( → 池田信夫ブログ
 ここで、「約束が守れなかったことが大問題になっている」というのはいいが、だからとって、「約束を守らなければいい」という結論を出しているのは、論理がストレートすぎる。言葉の表面だけを見て、物事の本質を考えていない。(頭がないと言われても仕方ない。)
 この問題は、「約束を守らなければいい」というふうにしてカタがつくものではない。約束を守るかどうかが問題となっているわけではないからだ。新聞にも書いてあることだが、「約束を守れ。県外に基地を移転させよ」というふうに述べる人はほとんどいない。むしろ、「どうせ守れもしない約束を語って、夢を見させて、幻滅させたのがいけない」というふうに述べている人が大半だ。
 つまり、ここでは、「言葉の通り実行せよ」と述べられているのではなく、「できもしない言葉を言うな」つまり「嘘を言うな」と批判されているのだ。今すぐどうするか(約束を守らないことにするか)が問題なのではなく、1年前に嘘を語ったことが問題となっている。現在ではなく、過去が問題となっている。
 
 こんなことは、当り前なのだが、池田信夫は、新聞を読めないのだろうか。というより、ネットの断片的な記事ばかりを読んで、紙の新聞の長文解説を読んでいないのだろうか? 池田信夫の主張は、典型的なネット馬鹿だ。断片情報ばかりを得ているから、長文による思考力がなくなっている。そのせいで、情報を、反対方向に誤解してしまっていいる。ネットの情報ばかりを見ていると、こういう馬鹿になる、という見本だ。

 [ 付記 ]
 ついでだが、「まさしく公約を守れ」と主張している人もいる。つまり「基地を県外に移設せよ」と。(具体的な地名を上げながら。)
 そんな風変わりなことを述べているのは、どこの誰ですか?   (^^);
   → nando ブログ 「米軍基地の種子島 移設案」


● ニュースと感想  (5月27日b)

 「勝間和代の提言」について。
 勝間和代が提言している。「インフレ目標と、量的緩和」という政策。
   → zakzak 「勝間和代氏が緊急警告」
 今さら数年前の提言を持ち出しても、古証文みたいなものだ。「それは効果がない」と判明している。デフレ下では金融政策は無効。また、日銀が言葉を出しても、言葉は人を動かさない。
 それによって何が起こるかというと、何も起こらないまま、あるとき突然、ハイパーインフレが起こるだけだ。プラスのメリットは皆無で、破局の危険というデメリットだけがある。愚の骨頂。( 詳しくは「バーナンキの背理法」)
 上記の勝間和代の話は、ほぼすべてが間違い。

 [ 余談 ]
 勝間和代の妄言。(上記記事から。)
「日本の債務総額は確かに900兆円弱ありますが、政府が持つ資産は600兆円にも達しています。たとえて言うなら、『9億円の借金があって大変だ!』と言っている人が、実は6億円の豪邸に住んでいるという話です。日本の場合、その豪邸は特殊法人と呼ばれていて、そこには官僚のOBのみなさんが住んでいます。特殊法人を全廃し、政府のバランスシート(貸借対照表)を縮小すれば、国の借金はいくらでも減らせる」
 馬鹿丸出し。計算ができないの? 特殊法人が 600兆円ももっているわけがないでしょうが。

> 政府のバランスシート(貸借対照表)を縮小すれば、国の借金はいくらでも減らせる

 トートロジーという言葉をご存じない? 

 [ 付記 ]
 彼女の話で、正しいのは一つだけだ。「今は住宅を買うべきではない」ということ。国の政策については無知でも、個人についてのアドバイスは有益になることもある。
 だけど、「パソコンは買っても車は買うな」は、正しいとは言えない。不要ならものを買う必要はないが、買い換えの時期が来たら、低燃費の車に買い換えても悪くはない。特に、エコ補助金があるならば。(自動車へのエコ補助金というのは、政策としては馬鹿げているが、もらう立場としては、もらい得である。)
 また、「教育費は年収10%まで」というのも、正しいとは言えない。塾や家庭教師や私学に金をかけることは、コストパフォーマンスから言えば、お得だとは言えない。年収 600万円で教育費に 60万円というのは、ちょっと多すぎる気もしなくはない。特に、一人っ子であれば。二人なら、やむを得ないが。(それにしても、子供の数を考慮していないのが、不思議。)

( ※ 勝間和代ばかりを笑えないな。朝日新聞も同様だ。本日別項[ 朝日のギリシア再建策 ]を参照。)


● ニュースと感想  (5月27日c)

 「朝日のギリシア再建策」について。
 ギリシアの問題について、「財政赤字の削減が大切だ。日本もギリシアの二の舞にならないように、財政赤字を減らせ」と朝日が述べている。
 ギリシャは、国際的な信用を回復するために、増税や年金カットに踏み出した。そのせいで当面、景気も暮らしも悪化する。大量の失業と、社会のきしみは計り知れない。
 だが、放漫財政のツケはいつか支払わなければならない。問題を放置すればするほど、ツケは重くなる。
 日本が危機の震源になったら、世界への影響は深刻だ。財政赤字を放置しない責任感ある政府を持つことこそ、ギリシャから得るべき教訓である。 ( → 朝日・社説 2010-05-26
 自分では正しいことを言っているつもりなのだろうが、大間違いだ。こんな方針を取れば、急速に不況に突入し、経済は大幅に縮小する。第二次大戦前の世界恐慌みたいな状況だ。世相不安のなかで軍部が増強して戦争の再来になりかねない。(日本では当時、世相不安のなかで、若手将校が政治家を暗殺して、政府は軍部の暴走を止められなくなった。いや、軍部首脳自体が、若手将校の暴走を止められなくなっていた。そして最終的には戦争となった。国家が経済的に崩壊しかけている状況では、こういうことも起こる。)
 朝日の言っていることは、国家崩壊をめざす道だ。そのことを自覚する必要がある。
 病気の人間に対して、「働かずに薬ばかり買って大赤字だから、もうおまえには金を貸さない」と言えば、どうなるか? 当然、薬も食事もなくなり、死ぬしかない。死ぬとわかっていれば、とんでもないことをやり出す。一時的に起きあがり、包丁をもって強盗殺人をするとか、息子がよそで強盗殺人をするとか。……死ぬしかないとわかっていれば、そうなりかねないのだ。そして、その原因は、病気の人間に対して、「もう赤字は許さない」という非常なことを言い出した政府にある。
 病気の人間に対してなすべきことは、赤字を減らすことではなく、病気を治療することだ。経費を減らすことではなく、収入を増やすことだ。そして、そのためには、一時的には赤字(治療費)を増やす必要がある。現状では必要な治療費がないから、病気を治すための薬を半分しか買えない。薬が半分では、いつまでたっても、病気は治らない。ここでは、薬代を減らして病人を死なせてしまえばいいのではなく、薬代を増やして病気を治療することが大切なのだ。
 なのに、それを理解できない阿呆が、「薬代を減らせば、赤字が減る」と思い込んでいる。「増税をすれば、財政赤字が減る」と思い込んでいる。違う。「増税をすれば、不況に突入して、財政赤字がかえって増える」のだ。

 何事であれ、表面の数字のつじつまを合わせることが大事なのではない。それは経理屋の発想だ。大事なのは、表面の数字ではなく、物事の本質だ。財政の数字(黒字・赤字)ではなく、経済力(GDP)だ。財政の数字を表面的によくするために、肝心の経済力を縮小させてしまうのでは、元も子もない。というか、逆方向だ。
 ギリシアの破綻は、確かに、放漫財政から来ていた。しかし、それを解決するためには増税をすればいい、というのは、あまりにも浅はかだ。毒を飲んだら健康が悪化したから、今度は栄養満点のビフテキを食べれば毒が消える、と思うのは、浅はかだ。反対のことをすればいいのではない。病気に対してなすべきことは、病気への治療だ。それは、病気の原因と、反対のことだとは言えない。
 財政赤字を減らすためには、たしかに、ある程度の増税は必要だ。(財政の健全化という意味。)ただし、増税をそれ単発で行なえば、必ず経済は縮小する。それは状況をかえって悪化させる。増税をするなら、それと同時に、経済拡大策が絶対に必要だ。そして、経済拡大策とは、ギリシアにおいては通貨レートの引き下げであり、日本においては物価上昇である。このような経済拡大策の必要性を理解しないまま、増税だけを実施すれば、どうなるか? 増税は実現しても、経済は縮小する。つまり、「手術は成功しました、患者は死にました」となる。


● ニュースと感想  (5月28日)

 「予算と決算(予定と結果)」について。
 前日分で述べたように、朝日新聞も勝間和代も、トンチンカンな経済判断をしている。その核心はどこにあるかを、簡単に示そう。こうだ。
 「予算と決算の違いを理解できない」(予定と結果の違いを理解できない)
 具体的に言おう。
 予算では、「財政赤字を 20兆円削減」という予算を立てる。歳入は 10兆円増(それだけ増税)で、歳出は 10兆円減とする。差し引きして、黒字額が 20兆円増える。(つまり赤字額が 20兆円減る。)……これが予算だ。
 ところがこれは、俗に、「捕らぬタヌキの皮算用」と呼ばれる。  (^^);
 数字の上でつじつま合わせをしても、そううまくは行かない。なぜなら、それにともなって、経済が変動するからだ。
  ・ 歳入は 10兆円増 ⇒ 国民所得が減り、総需要が減り、総生産が減る。
  ・ 歳出は 10兆円減 ⇒ 政府支出が減り、総需要が減り、総生産が減る。
 どっちも乗数効果があるから、現実にはその 2.5倍ぐらいの影響がある。 20兆円の財政赤字縮小に対して、2.5倍の 50兆円の GDP縮小が起こる。これだけ経済が縮小すると、日本全体のGDP (約 500兆円)は、1割も縮小するから、とんでもない大不況になる。企業は黒字から赤字に転じて、法人税の税収が激減する。失業手当は増加するし、中小企業の倒産対策や、エコ補助金などで、莫大な支出が必要とされる。
 結局、税収は大幅減となり、一方、必要な支出は大幅増となる。……何のことはない。狙いとは正反対の事態となる。

 結局、どういうことか? 
 予算の上では、赤字が大幅に縮小するはずだった。ところが、現実には、赤字がかえって拡大してしまうのだ。しかも、日本は大不況となる。
 そのことは、いちいちシミュレーションする必要もない。小泉政権が1年目に実行した政策そのものだ。あのとき、「米百俵」などと唱えて、財政赤字を大幅に縮小しようとしたが、予算はそうでも、決算(現実)は、そうはならなかったのだ。人々はもう忘れてしまったようだが。

 では、こういうことは、どうして起こるのか? こうだ。
 予算の上では、「経済状況は変わらなければ」という前提の上で、歳出を減らし、歳入を増やす。
 しかし決算では、「経済状況が大幅に変化した(悪化した)」という結果に基づいて、歳出増えて、歳入が減る、という現実に直面する。
 要するに、「財政赤字を減らしても、経済状況は変化しない」という前提を取っているところに、根本原因がある。そして、それは、一言で要約できる。
 「マクロ経済学を知らない、経済音痴
 勝間和代も、朝日新聞も、池田信夫も、すべてこの一言で片付く。


● ニュースと感想  (5月28日b)

 「社民党の閣議署名拒否」について。
 社民党の党首が、大臣として閣議に署名するのを拒否するそうだ。これに関して、「連立離脱か?」というような問題が騒がれている。総理大臣が「閣議決定」のあかわりに「首相発言」にする、という案もある。
 だが、この問題は、法律的には簡単にカタがつく。こうすればいい。
 「社民党の党首を一時的に外遊させて(または病気療養させて)、その間、他の国務大臣が代理を務めて、署名をする」
 つまり、「代理」を使うわけだ。このことは、法律で規定されている。
各省大臣(=主任の大臣)の外遊時等には、「国務大臣の代理には他の国務大臣が就く」という内閣法上の原則に基づき、直属の副大臣ではなく、他の大臣または内閣総理大臣がその臨時代理を務める(例:総務大臣臨時代理)。その人選は内閣総理大臣が行う。
( → Wikipedia
 これで済む問題だ。国中で大騒ぎする必要はない。頭を使うべし。


● ニュースと感想  (5月28日c)

 豚インフルエンザ(新型インフルエンザ)が話題になってから、1年たつ。これを回想して、「初期の対策が奏功した」と見なす見解がある。しかし、本当にそうか?
  → Open ブログ 「豚インフル・1周年」


● ニュースと感想  (5月29日)

 「アップルとマイクロソフト」について。
 ニュースが二つある。一つはこれ。
  → アップル時価総額、MS抜き米IT業界首位に

 こういうニュースが流れると、日本時はすぐに真似をしたがる。たぶん勝間和代みたいなのが。(?)
 「ゲイツの真似をしよう」
 のあとは、
 「Google の真似をしよう」
 であり、その次は、
 「アップルの真似をしよう」
 となる。「成功者の真似をしよう」と唱えて、詰まらない本を書いて、自分が儲ける。自分は決して、ジョブズの真似をしない(できない)のに。  (^^);

 さて。日本がアップルの真似をすると、どうなるか? たぶん、こうなる。
  → 中国のiPhone工場でまた自殺
 記事には、次の文言がある。
 「厳しいプレッシャーのもとで低賃金の長時間労働を強いられている」
 日本みたい。


● ニュースと感想  (5月29日b)

 「三田紀房の馬鹿馬鹿しさ」について。
 最新号(5/27)では、また変なことを書いている。カンボジアで医療事業、という案。
 まったく。読んですぐ嘘とバレるような、安易な嘘を書かないでほしい。いくら漫画だからって、漫画チックすぎる。「何もしないでいたら美女が言い寄って、その美女と寝たから運良く仕事がうまく行って、社長になれた」という島耕作みたいだ。  (^^);
 とにかく、ホラのオンパレード。

 カンボジアというのは、小学校を建設する資金さえもない最貧国だ。(行列のできる相談所、による。)
 そういう最貧国が、この世で最も金のかかる大学医学部をいっぱい作る、というような話。日本よりもはるかに貧乏な国が、日本よりもはるかに金のかかる事業をなし遂げる、という話。
 事業がうまく行けばこれほどうまく行く、という夢想だが、そこでは、「コストがこのくらいかかる」というコスト計算が抜けている。コストなしに、売上げを考えて、「事業は成功する」という見通しを立てる。
 やってられんわ。  (^^);

 どうせ漫画を書くなら、最低限、二人の相手から取材してほしい。一人だけの馬鹿から取材するから、こういうメチャクチャな漫画を書くようになる。
 三田紀房は、漫画家として、能力が衰えたようだ。ドラゴン桜のころがピークだったかな。


● ニュースと感想  (5月29日c)

 iPad に対抗する形で 日本版のキンドルもどきが 誕生する見込み。ソニー、凸版印刷、KDDI、朝日新聞の4社による。これは成功するか?
  → Open ブログ 「日本版キンドルもどき」


● ニュースと感想  (5月30日)

 (1)
 iPad と無線キーボードを組み合わせることで、移動中の入力用のパソコンとしては具合よく使えるという。高級・多機能ポメラみたいなもの。
  → Open ブログ 「iPad とキーボード」

 (2)
 アップルは、iPad で娯楽分野を制覇しただけでなく、肝心の事務分野をも制覇する(マイクロソフトをしのぐ)ことを狙っているらしい。  では、それは可能か?
  → Open ブログ 「アップルが事務分野を制覇?」

 (3)
 ソニーのウォークマンは、当時、画期的な製品だった。「これぞソニーのすばらしい技術の証」と自己賛美しているソニー社員が多いようだ。  だが、事実はその逆である。
  → Open ブログ 「ソニーのウォークマン秘話」


● ニュースと感想  (5月31日)

 「林野庁と事業仕分け」について。
 民主党がまた事業仕分けをやっていることが話題になっている。(朝日・朝刊 2010-05-30 )
 しかし、事業仕分けをするなら、林野庁を事業仕分けするべきだ。この件は、いちいち書くまでもなく、前に書いたことがある。冒頭を引用すると、次の通り。
 事業仕分けが最も必要な官庁がある。それは林野庁だ。林野庁の仕事は、天然林の破壊である。存在そのものが悪である。さっさと廃止するべし。
( → 事業仕分けと林野庁
 半年前に書いた話だが、興味があれば、また読んでください。(やや短い話です。)
 なお、 下記サイトによると、「平成21年度は、森林整備事業費が約201億円」とのことだ。
  → http://blog.livedoor.jp/rokuten1/archives/50956371.html


● ニュースと感想  (5月31日b)

 iPad の本質は何か? ── それを考えると、OS が軽量であることが、本質の一つであると思える。
  → Open ブログ 「iPad の軽量OS」


● ニュースと感想  (5月31日c)

 「社民党の連立離脱」について。
 社民党が連立離脱した。これについて、あちこちで騒いでいるようだが、実質的な意義は皆無に等しい。衆院では民主党が圧倒的多数を握っているし、参院ではもうすぐ解散だ。解散したとして、民主党が圧倒的な票を取るならば、社民党の票などはまったく影響しない。
 問題は、民主党が圧倒的な票を取れないことだ。そして、その理由は、鳩山と小沢が居座っていることだ。ここにこそ最大の問題がある。着目するなら、そちらだ。本質は、そちらだ。
 鳩山と小沢が居座っているから、社民党の連立離脱が意味を持つようになる。しかし本来は、社民党がどうしようと、大勢にはまったく影響しないはずなのだ。社民党のことで騒ぐ必要はまったくない、というのが私の見解だ。それは問題の核心がどこにあるかを隠蔽するだけだ。

 [ 付記 ]
 社民党の立場は、あまりにも子供じみていて、大人げないと言えば言える。しかしそれは昔からそうなのだから、今になって騒ぐほどのことじゃない。
 また、沖縄の基地を外に出すという点では、社民党の言っていることは(半分)正しく、辺野古にするという鳩山の言い分の方がおかしい。地元の反発があるのに、実現はまず無理だろう。
 この問題は、社民党の言うとおり、「県外移設」が正しい。ただし、社民党は、移設先として「種子島」を上げなかった。そこだけが不足している。その点を除けば、社民党の言っていることの方が正しく、民主党の言っていることの方が間違っている。駄々をこねた子供の方が正しく、世間慣れした大人の方が間違っている。


● ニュースと感想  (6月01日)

 「社民党の行く末」について。
 社民党が連立離脱したが、これは「伝家の宝刀」を抜いたことを意味する。「抜くぞ、抜くぞ」と見せかけて、抜かないことが効果的なのだが、とうとう抜いちゃった。これで世間は大騒ぎだが、この効果はいっぺん限り。社民党は今は浮かれているが、今後は群小の野党の一つとなり、誰も見向きもしないし、マスコミも報道してくれない。舛添の何とか党とか、元横浜市長の何とか党とか、そういう泡沫政党といっしょの扱いだ。共産党や公明党以下の扱いであることは確実だが、共産党や公明党はほとんど報道されない。社民党も、今後はその扱いだ。
 「離脱して気持ちがいい」と党関係者は発言しているが、どんな実績を上げるかより、気持ちの良さを優先するんだから、プロの政治家じゃないね。あくまでアマチュア政党。それが社会党や社民党の伝統だし。ま、仕方ないですね。舞台から消えてください。これからは観客のいないところで、素人演劇をするしかないですね。では、さようなら。


● ニュースと感想  (6月01日b)

 (1)
 iPad を使う人は、ADSL や光ファイバーを解約する方がよさそうだ。(独身ならば、という条件は付くが。)   → Open ブログ 「iPad で ADSL 解約」

 (2)
  Firefox はときどき落ちるようだ。ブログ記事の作成したあと、保存ボタンを押したとたんに、Firefox が落ちるだけでなく、パソコン全体が落ちる。    → Open ブログ 「Firefox は落ちる」


● ニュースと感想  (6月02日)

 (1)
 日本版のキンドルもどき(ソニー・リーダーを使用)のあとで、iPad 側が逆襲に出た。ビューンという名称のもの。人気殺到で、サーバーダウン。
  → Open ブログ 「iPad の逆襲(電子書籍)」

 (2)
 液晶のコントラストを下げるといい。初期設定では、コントラストが高すぎることが多い。   → Open ブログ 「液晶のコントラストを下げる」


● ニュースと感想  (6月03日)

 「鳩山辞任と与野党」について。
 鳩山首相が辞意を表明した。
 私のかねての見通しでは、数日前から「もう本人は辞任を覚悟しているだろう」というものだったが、その後、強気の態度が出たので、「あれ、変だな」と思っていた。が、あれは、芝居だったのだろう。見事な演技でした。脱帽。( → 項目最後の 【 追記 】 を参照。)
 ともあれ、これで大喜びなのが、民主党だ。一方、自民党や社民党は、真っ青だろう。民主党が大勝しかねない。自民党や社民党は「こんなはずじゃなかった」と思っているだろう。
 自民党や社民党は「鳩山の首を取ってやるぞ」と意気込んでいたが、実際にそうなったら、かえって困ったことになる。鳩山の首を取ることは、自分たちの首を絞めることになる、と、今にして気づいたことになる。……馬鹿丸出しの野党。
 野党は本当ならば、「鳩山は辞任するべからず。いつまでも総理でいろ」と唱えるべきだった。なのに、問責決議案なんかを出そうとするから、総理が辞めちゃった。
 ひるがえって、昨年は、麻生総理がずっとひどかったが、民主党はあえて麻生総理を辞めさせなかった。その方が賢明でしたね。
 今の自民党や社民党の馬鹿さ加減は、呆れるばかり。こういう連中が政権を取らないで、本当によかった。民主党はひどいものだが、自民党や社民党ほどの馬鹿ではないのが唯一の救いか。たとえ零点でも、マイナスよりはマシだ。

 【 追記 】
 本項を書いたあとで、記事が出た。やはり、数日前から辞任を考えていたようだ。また、最後は演技をしていたようだ。以下、引用。
10日から1週間くらい前から、そのことを自問自答していた」とし、衆院解散について「選択肢はなかった」と述べた。
 首相は5月31日の民主党の小沢一郎幹事長、輿石東参院議員会長との会談で「身を引きたい、辞したい」と伝えたとし、翌1日の会談では「私も辞めるが、一番求められているのは政治とカネにおけるクリーンさだ。そのために幹事長にも身を引いていただきたい」と申し出て、了承を得たと語った。同日の会談後、記者団の「続投か」との質問に、笑顔で左手の親指を立てたことについては「自分が(辞意を)心に決めていても、それを表したときに(政局が混乱し)どのようになるかは分かるだろう。自分の心を外には一切出さないように努めた」と主張した。
( → 時事通信 2010-06-02


● ニュースと感想  (6月03日b)

 (1)
 ストレージサービスとして、すでに掲げたもの( sugarsync, dropbox )ではサイズ的に不十分だと思える場合には、Gladinet と ADrive という選択肢がある。
  → Open ブログ 「Gladinet + ADrive」

 (2)
 DPI 広告(行動ターゲッティング広告)の是非が話題となっている。これについての私の見解は、こうだ。── 同意を得た場合のみ許される。利用者が拒否しなければ同意したと見なす、というのは許されない。それは一種の詐欺だからだ。
( 現状では、DPI 広告というのは、詐欺の一種である。)
  → Google and Me ブログ「DPI 広告の是非」


● ニュースと感想  (6月03日c)

 ひところ価格高騰していた液晶モニタが、ふたたび価格下落した。
  → 書評 ブログ 「液晶モニタが安い」


● ニュースと感想  (6月04日)

 (1)
 Kindle を使用したアメリカ人の平均的な感想。
 → Kindle の感想の紹介

 (2)
 携帯式のポケット Wi-Fi モデムは、あまり実用性がないようだ。iPad の端末として一時的に使うことはできるが、ケータイ電話の代わりとして常時使うことはできない。(電池が切れる。)
 → iPad で ADSL 解約 【 追記 】

 (3)
 SSD つき ミニノート の 購入ガイド。
 HDD のかわりに SSD を使うことで、高速かつ省電力とすることが可能だ。
 通常はとても高価だが、48,405円(送料込み)で買えるミニノートもある。

 → SSD つき ミニノート 購入のガイド


● ニュースと感想  (6月05日)

 「菅直人首相」について。
 菅直人が首相になるが、私はこれを支持する。私が政治家を支持することは、めったにない。というか、小泉を「経済以外では」という限定で支持したのを別とすれば、まともに支持するのは菅直人だけだ。これは昔から一貫している。
 一方、鳩山や小沢については、数年前から「駄目出し」していた。(鳩山が党首になったころ)。昨年の民主躍進のころは、多くの人々が民主党を支持していたようだが、私は黙っていた。というのは、麻生も駄目だが、鳩山も駄目だからだ。人々は鳩山に期待していたようだが、私は全然期待していませんでした。でも、水を差すのは何だから、黙っていた。
 で、今は、菅直人に「どうせ民主党だから駄目だ」と期待をしない人が多いようだが、私は期待をしておきます。別に、デフレが解決するとも思えないし、何もかもが好転するとも思えないが、best ではなくとも better にはなるだろう。少なくとも小沢や鳩山みたいに国民を失望させることはないと思う。小泉以来では一番の支持を得そうだし、一番の長期政権になりそうだ。1年以内にやめることはないだろう。……女問題を除けば。   (^^);
 そもそも、菅直人が前に失脚したのも、女がらみのスキャンダルであって、政治的な問題ではなかった。かえすがえすも惜しい。
 でもまあ、現時点になると、鳩山も小沢もすっかり掃除されて、民主党は菅直人支持できれいに固まったようだ。こうして掃除がきれいになってみれば、菅直人は思う存分、好きなようにやっていけるだろう。
 今後は、彼の苦手な根回しなどに頭を割かれることもなく、彼の好きな政策に集中できる。問題は、参院の過半数だが、参院でも過半数を制する見込みが十分にあるしし、そうなれば問題はない。また、過半数を取れなくても、どこかと連立するから、たいして問題ではあるまい。
( ※ 仮に私が首相だったら、公明と連立する。その次の候補が、舛添かな。その次が、みんな。その次が、国民新党。その次が、共産党。ラストが、社民党。……社民党みたいな頭の固い政党とくっつくことが、そもそもの間違い。あれは連立相手としては最悪だ。結婚相手として最悪なのを選ぶようなもの。絶対に妥協しない相手と結婚できるはずがない。共産党の方がまだマシだ。……私だったら、公明とくっついて、国民新党ともバイバイしたい。)
( ※ もう一つ、自民党の国会議員を一本釣りして、民主党に入れる、という方法もあるな。小沢流だが。)


● ニュースと感想  (6月05日b)

 「池田信夫のトンチンカン」について。
 池田信夫がまたトンチンカンを書いて、笑わせてくれる。
 小沢氏も鳩山氏も「バラマキ福祉を約束して選挙に勝った」と錯覚し、官僚を敵視してバラマキ路線を守った。
 バラマキ路線の共犯者である菅直人氏がなるのは最悪だ。彼が首相になっても民主党の支持率は上がらず、参院選ではボロ負けして1ヶ月半で菅首相は退陣し、短命内閣の記録を塗り替える公算が大きい。そのあとは民主・みんな連立政権で「渡部喜美首相」もありうる。渡辺氏も財政再建の見通しを示さないポピュリストだから民主党と馬が合うだろうが、これも破綻する運命だ。構造改革を継承するしか、本格政権になる道はない。
( → 池田信夫ブログ 2010年06月02日
 すでに述べたように、菅直人は財政再建を重視する姿勢を示している。私の予想では、たぶん高速道路の無料化は廃止されるだろう。
 また、民主党の支持率は、すでにかなり回復した。(朝日読売の世論調査による。)……池田信夫は、どうせすぐにハズレるに決まっている予想など、しなければいいのに。競馬でもやっていたら、今ごろ破産していただろう。   (^^);
 というわけで、民主党は参院選では、ボロ負けということはありえないですね。
 また、仮に負けた(過半数を得られなかった)としても、菅直人が辞任するはずがない。負けたとしたら、鳩山のせいなんだから。まさか樽床が首相になるわけがないし。   (^^);
 渡部喜美首相なんて、爆笑ものだ。民主党は衆院で過半数を制しているし、単独で首相を指名できる。(憲法の規定で衆院優先。)
 池田信夫の推奨する「構造改革を継承」なんて、時代錯誤も甚だしい。「構造改革で日本は貧困化する」というのは、私が小泉政権時代に予言したことだ。その予言通りになった。この点で、私は池田信夫とは正反対で、正しく経済を予言したことになる。池田信夫は、予想が外れたことに対して、シャッポを脱ぐべきだ。
( ※ 私は別に、小泉の姿勢が悪いとは思っていない。そもそも、小泉支持という感じで、「小泉の波立ち」というサイトを立ち上げたほどだ。ただし、小泉の姿勢はいいが、経済政策は最悪だった。その点を強く指摘したのが、「小泉の波立ち」時代の本サイトだ。)

 池田信夫に贈る言葉。
 「過ちて改めず、これを過ちという」
 それでも駄目なら、
 「馬鹿は死んでも治らない」

 [ 付記 ]
 池田信夫の翌日分の項目には、次の記述がある。
 「経済学では未来の予測可能性は100%だと考え」
 これは、馬鹿丸出し。それは古典派経済学、もしくは、池田経済学。そういう傲慢なことを考えるから、上記のようにハズレっぱなしになる。
 一方、ケインズやクルーグマンや私は、
 「経済学では未来の予測可能性は不十分だと考える」
 それゆえ、ケインズやクルーグマンや私は、経済をかなりの確率で正しく予言できる。
 愚者は自分を利口だと考えて傲慢になるが、賢者は常に謙虚である。
 ( ※ 「おまえが謙虚なわけないだろ!」と言うなかれ。  (^^); )


● ニュースと感想  (6月05日c)

 「菅直人はもう首相か?」について。
 天皇による首相の任命式は、8日になるそうだ。では、それまでは? 首相は、菅直人ではなく、鳩山だろう。さまざまな権限をもつのは鳩山だし、外国の大使などと首相として対面するのも鳩山だろう。……そう思って、調べてみたら、やはりそうだった。
  → 8日の任命式までは鳩山内閣継続
 マスコミには「菅首相」「鳩山前首相」という表現があふれているが、これらは表現としては間違いである。どうもマスコミの皆さん、憲法をちゃんと読んでいないらしい。中学生のときに学んだはずなんだが。(ゆとり教育のせいで、憲法を学ばなかったのかな?)


● ニュースと感想  (6月06日)

 「天皇の譲位」について。
 前項(菅直人はもう首相か?)で述べたが、天皇陛下は4日ごろから7日ごろまで静養しているらしい。そのせいで、菅直人の首相の任命式できずにいる。一方、鳩山は首相官邸から出て、お別れのセレモニーをした。つまり、首相官邸は、誰もいない。空っぽ。(らしい。)
 こんな脳死状態は好ましくない。実際、かつて関東大震災があったときには、こういう首相の空白状態にあった。(だから被害がひどかった……のかも。)
 それにしても、自分が静養したいから、首相の任命式をやらないなんて、もはや国事行為の遂行能力をなくしていると言える。とすれば、ずっとお休みいただいた方がいいだろう。「退位しろ」と言うと、不敬罪になるかもしれないから(?)、「譲位」を考慮していただくのがいいだろう。つまり、明仁から徳仁へ。
 普通の民間人は、60歳ぐらいで定年になるのだから、天皇陛下も、そろそろお休みいただいた方がいい。ご本人の健康のためにも。……そもそも、「日本国民のために」と言えば、拒むことはないと思う。人徳のある人だから。


● ニュースと感想  (6月06日b)

 (1)
 Dropbox や Sugarsync などのストレージサービスについて、あれこれ紹介したが、そのまとめ。
  → Open ブログ 「ストレージサービスのまとめ」
 
 (2)
 宇宙の外側には、何があるか? 「何もない空間がある」と私は考える。逆に言えば、宇宙は「何もない空間」ではなく、エネルギーに充ちた空間である。
  → Open ブログ 「宇宙の外側」


● ニュースと感想  (6月06日c)

 「菅直人の初仕事」について。
 「菅首相の初仕事は郵政国営化」と池田信夫は twitter でつぶやいたが、実際にはその反対だった。亀井が「郵政法案の成立(実現)」を強く申し込んだ(連立の条件とした)が、これを蹴飛ばして、「郵政法案の成立にむけて努力する」という努力目標に置き換えてしまった。(新聞報道 2010-06-05 )
 つまり、口約束だけ。ポーズを見せて、言質を取られない。どうやら、今国会での郵政法案は握りつぶすらしい。えらい。口先だけで仲良くして、喧嘩はしない。大人の対応ですね。
 そう言えば、池田信夫は、小沢に似ているな。  (^^);


● ニュースと感想  (6月06日d)

 「池田信夫の嘘」について。
 池田信夫がまた嘘をついている。菅直人を「社会主義者」とけなして、「小泉の構造改革路線は素晴らしい」と述べている。「構造改革路線」というのは、国家による経済介入だから、これこそ社会主義だという気もするのだが、それはさておき。
 嘘というのは、次の言葉だ。
 「2000年代前半には自動車産業を中心とする輸出産業の復調で景気は回復した。この20年間に成長率が上がってデフレも止まったのは、菅氏の非難してやまない小泉政権の時期だけだったのである。」( → 池田信夫ブログ
 ここには嘘が二つある。

 第1に、「2000年代前半には自動車産業を中心とする輸出産業の復調で景気は回復した」というのは、話が逆だ。輸出産業が伸びたのは、輸出産業が(リストラや生産性向上で)優秀だったからではない。米国のバブルによって、日本からの輸出が増えただけだ。米国景気の恩恵を享受していただけのことだ。だから米国景気が冷えるにつれて、輸出もあまり増えなくなった。……こんなことは、経済学者の間では、常識である。経済常識も知らないで、よくまあ経済学者を標榜できるものだ。菅直人は素人だから、知らないことがあっても仕方ないが、自称経済学者がこんなことを書くのだから、呆れるほかはない。
( ※ でもまあ、無知は許せる。許せないのは、嘘を書くことだ。)

 第2に、「この20年間に成長率が上がってデフレも止まったのは、菅氏の非難してやまない小泉政権の時期だけだったのである。」ということはない。次の表を見ればわかる。( なお、小泉政権は、2001年から2006年まで。 2001年4 月26日 - 2006年9 月26日)
  → 成長率と物価上昇率
  → 一人あたり国民所得
 池田信夫の話は、見え見えの嘘。統計ですぐバレる。

 ついでだが、この 17年ぐらいの間で、物価上昇率が 1%以上になったのは、1997年のころだけだ。
  → 物価上昇率のグラフ
 日本経済は 20年近く、ずっと低迷していたが、一番ひどかったのが、小泉時代だ。その間、国民所得の下落がひどい。メーカーはリストラで体質を強化したが、国民は失業や賃下げに喘いだ。貸し剥がしで自殺者が出たのもこのころだった。不良債権処理でどんどん倒産が続出したのもこのころだった。(不良債権処理というのは、要するに、赤字会社はどんどん倒産させてしまえ、ということ。)
 小泉時代は、この 20年の間で、最も地獄に近い時代だった。企業が生き延びるために、民は滅びる、という時代。そして、そういう時代を、池田信夫は賛美する。ふたたび繰り返せ、と主張する。ぞっとするね。


● ニュースと感想  (6月07日)

 「菅直人への評価」について。
 池田信夫は、こう書いた。
 「彼が首相になっても民主党の支持率は上がらず、参院選ではボロ負けして1ヶ月半で菅首相は退陣し、短命内閣の記録を塗り替える公算が大きい。」
 しかし、2010-06-06 の各紙(朝日・読売・毎日・共同)の調査によると、民主党の支持率は 20%程度から 30%程度へ大幅に上昇した。また、菅直人を「評価する」という声は 6割前後という高い数字を示す。一方、自民・みんなの党などは、支持率を大幅に下げた。このままだと、参院選では、民主が圧勝しそうだ。単独過半数も、十分に考えられる。というか、そうなりそうですね。
 池田信夫の記事って、本当に面白い。自分のお馬鹿さをきちんと文章で証明してくれる学者は、めったにいない。  (^^);

 教訓。
 真実を知りたければ、池田信夫ブログを読め。そこに書いてあることの反対が、真実である。(常にハズレる天気予報と同じで、とても有益だ。)


● ニュースと感想  (6月07日b)

 「景気と物価上昇の関係」について。
 池田信夫のブログの 6月6日の項目では、 Rajan, R.G.: Fault Lines という英文書籍の書評をしている。ま、それはいいのだが、次の記述が問題だ。
 80年代に工業化が飽和すると、国内の過少消費がGDPを抑制するようになり、日本の場合はバブルとその崩壊の原因となった。この問題を克服するには国内産業に競争を導入して消費を拡大するしかないが、……
 こうした構造的な問題を解決する簡単な処方箋はない。
 ありますよ。消費を拡大するには、二つの道がある。
 一つは、金融緩和と大幅減税だ。これによって、マイルド・インフレをもたらす。マイルド・インフレのもとでは、消費は増える。(理由は → 「需要統御理論」 簡単解説
 もう一つは、労働組合の強化だ。労働組合がストをして、賃上げを求めれば、自然に、コスト・プッシュ・インフレが起こる。70年代までは、それで成功してきた。逆に言えば、80年代以降、経済が低迷したのは、労働組合が弱体化したからだ。(そのせいでインフレが起こらなくなった。)
 基本的には、マネタリストが「インフレは悪だ」と主張して、インフレ退治に躍起になったから、インフレといっしょに、好況も退治されてしまったのだ。
 構造的な問題を解決する簡単な処方箋はあるが、それにも増して大切なのは、現在の経済学が、あえてデフレをめざしている、と気づくことだ。特に、「物価上昇率をを1%〜2%とするインフレ目標」と唱える人がいるに至っては、狂気の沙汰と言うしかない。普通の景気のときに、「物価上昇率をを1%〜2%とするインフレ目標」を採ったなら、それは強力な景気後退政策となる。(倒産や失業が急増する。)
 物価上昇率は、年に4〜5%は必要だ。このことを理解しない経済学者が多すぎるから、いつまでたっても、世界は景気低迷を脱せない。


● ニュースと感想  (6月07日c)

 (1)
 日本の財政悪化を受けて、「財政再建を」「増税を」と唱えられている。では、増税をするとして、どういうふうにすればいいか? 増税の条件は? 
  → nando ブログ 「増税の条件」

 (2)
 池田信夫は「構造改革」という路線が好きなようだが、これがどう間違っているかは、前に書いたことがある。(5月22日)
  → nandoブログ「成長戦略と成長分野」
 たとえば、「IT分野を成長させることで日本経済全体を拡大しよう」という案があるが、これは本末転倒だ。正しいのは、その逆順である。


● ニュースと感想  (6月08日)

 「法人税の引き下げ」について。
 法人税を引き下げよ、という議論がある。次の趣旨。
 「日本の法人税は高すぎるから、企業の活力が損なわれ、また、企業は海外に逃避したがる。だから、法人税を下げよ。そうすれば日本経済は活性化する」
  → 日経の社説
  → 池田信夫の主張
 あまりにも馬鹿馬鹿しいのだが、簡単に指摘しておこう。
 これらの説は、要するに、「天から金が降ってきたら、状況は好転する」というものだ。なるほど、天から金が降ってきたら、そうなるでしょう。しかし、天から金が降ってきるはずがない。
 要するに、上の主張は、財源を示していない。財源なしで、法人税引き下げができると思っている。実際には、財源が必要だ。具体的には、消費税の引き上げが必要だ。(それを含意しているのだろう。まともな頭があれば。)
 しかし、不況のさなかに消費税を引き上げれば、ただでさえ不足している消費がさらに縮小する。病気の根源で一番のポイントを、さらに悪化させる。
 たとえて言うと、心臓が弱くて安静している人に対して、「スポーツをやると健康になりますよ」と言って、心拍数が 200になるような運動をやらせるようなものだ。一番弱いところを直撃する。死んでしまうかもしれない。
 日本経済で一番弱いところは、消費だ。その消費をさらに縮小させる政策(消費税の引き上げ)なんて、狂気の沙汰だ。もしやれば、日本経済は奈落の底に落ちる。
 では、どうする? 赤字国債に頼るか? そうすれば、財政赤字はますます拡大する。この点では、「財政赤字を減らせ」という日経の主張には反する。(ただし私の主張には反しない。)
 では、赤字国債に頼って、法人税率を下げたら、どうなるか? それと似たことは、小泉政権時代に、類例があった。企業はリストラをして、どんどん業績を好転させていった。赤字企業が次々と黒字に転化していった。その一方で、国民は賃下げと失業に苦しんだ。企業の黒字は、内部留保として滞留し、投資には向かわなかった。結局、経済が好転する循環は起こらず、企業のところに金が溜まるばかりだった。金のめぐりが悪くなった日本経済は、血のめぐりが悪くなった人間と同様で、成長力をなくした。かくて景気はいっそう悪化していった。企業は黒字になり、国民は赤字になり、日本経済全体が縮小していく、という過程。
 これと同じことが起こる。しかも、財政赤字は、どんどん拡大していく。この場合には、将来的には、ギリシアの破綻と同じことが起こる。

 何度も言ったが、財政赤字を拡大してもいいと言えるには、条件がある。それは、その赤字を使って、経済全体を拡大することだ。そうすれば、一時的に赤字が増えても、将来的には赤字をすっかり返済できる。しかるに、日本経済全体が縮小していけば、たまった赤字はいつか爆発する。ギリシアのように。あるいは、アルゼンチンのように。

 結局、消費税に頼るにせよ、赤字国債に頼るにせよ、法人税の引き下げは、日本にとって逆効果だ。そもそも、需要が縮小しているときに、供給の側を刺激するということが、本質的にあさっての方向を向いている。

 どちらかと言えば、その逆の方向を取った方がいい。次のように。
 「法人税を一時的に引き上げる。その一方で、消費税を0%にする」
 この場合、国民一人あたり、20万円ぐらいの減税があったことになる。その分、消費が刺激されるので、経済は急激に拡大するだろう。そのおかげで、企業の収益は大幅に向上するだろう。法人税が5ポイントぐらい上がったとしても、利益の額は従来比で倍増するだろう。……企業としては、その方がよほどありがたいはずだ。
 実際には、「消費税の廃止」ということは、技術的に不可能だ。だから、上の話は、空想的だ。とはいえ、「消費税の廃止」と同等の効果は、一時減税によっても得られる。それならば、何も問題はない。

 教訓。
 池田信夫のいうことは、(ほぼ)常に間違いである。彼と反対のことを言えば、真実になる。

 [ 付記 ]
 池田信夫の言うことは、嘘が多すぎる。
 外資系企業の日本法人は金融技術によって日本で得た利益を海外に移転し、ケイマンやマカオなどで法人税を払っています。
 そういうのは、租税回避と言って、国税庁に睨まれる。下手をすると、重加算税を課せられる。世の中、そんなに甘くない。
 ユニクロなど高い利益を上げているグローバル企業は、拠点を海外に移して海外で税金を払うようになっています。今やOECD諸国で最高になった日本の法人税を払うのは、海外展開する能力も金融知識もない企業だけです。
 見え見えの嘘を書かないでほしい。トヨタやソニーやキヤノンはどうなんです。日本で法人税を払わないんですか? もしそうしようとしていたら、今ごろ重加算税をいっぱい払っていたはずだ。
このまま放置すると、ただでさえ雇用規制や過剰コンプライアンスでコストの高い日本から企業が逃げて空洞化が進み、所得の高い個人も資産を海外に移し、日本に残るのは老人と低所得者だけになるでしょう。
 ありえなーい。日本で金儲けができるのに、金儲けのできそうもないちっぽけなケイマンに逃げていく企業が、どこにある。一例でもいいから、例を挙げてほしいものだ。また、個人でも同様だ。たまに出ていく金持ちもいるが、どうしても日本から離れて暮らすことはできなくなり、日本に戻って、あとで追徴課税されたりする。( → 武富士の息子
 だいたい、その理屈が成立するなら、欧州の人は、高い消費税を回避して、日本で暮らすはずだ。日本は消費税がぐんと低いのだから。高所得者は、消費税の低い日本に、こぞって押し寄せるだろう。  (^^);
 現実には、そんなことはない。人は税率なんかで居住国を変えたりしないものだ。たとえば、孫正義は、「税率が低いからケイマンに行こう」なんて思わない。「税率なんかどうでもいい、日本で事業をしたい」と思うから、日本にいる。だからこそ億万長者になった。
 税率のことしか考えないような人間は、生産活動に向いていない。ものを作らず、帳簿の数字でも数えていればいいのだ。間違っても、知的生産なんか、しようとしないでほしい。社会の迷惑だから。


● ニュースと感想  (6月08日b)

 (1)
 Firefox でルビを使うアドオンがある。
  → Open ブログ 「Firefox でルビ」

 (2)
 公共投資の方が減税より乗数効果は大きい、というのが、教科書的な認識だ。しかし、これは間違いだ。貯蓄にまわる分は、金が眠るのではなく、金が投資に向かうからだ。
  → nando ブログ 「公共事業と減税の乗数効果」


● ニュースと感想  (6月09日)

 nando ブログに、次の3項目を記しました。
  ◆ 減税の規模は?
  ◆ 減税の意味(タンク法)
  ◆ 増税と物価上昇


● ニュースと感想  (6月10日)

 (1)
 ブログのプレビュー機能は、たいていが不完全だ。そこで、gooブログのプレビュー機能を拝借するといい。
  → Open ブログ 「ブログのプレビュー機能」

 (2)
 日本の財政破綻は、あるか? ある。では、それを避ける方法は、増税か? 違う。
( ※ 本項は非常に重要です。日本の破綻を回避するかどうかが、ここにかかっています。)
  → nando ブログ 「日本の財政破綻 【 重要 】」


● ニュースと感想  (6月11日)

 (1)
 砂漠緑化の技術が 2029年に普及するだろう ── という研究者の予測が発表された。しかし、砂漠緑化の技術はすでに開発されている。
  → Open ブログ 「砂漠緑化の技術」

 (2)
 日本の財政は、遠くない将来に、必ず破綻する。これは必然だ。
( 日本は死ぬしかないのかも。第二次大戦前の日本が、原爆を落とされる運命へと、まっしぐらに進んだのと同じである。破局に向かって一目散。残されるのは、焦土化した大地と、莫大な死骸だけ。)
  → nando ブログ 「財政破綻は必然」
 

● ニュースと感想  (6月12日)

 (1)
 大型減税をするとして、その財源は、どこから得るか? わかりやすいのは、「翌年度の財政赤字を借りる」ということだ。これだけで 44兆円ぐらいを得られる。
  → nando ブログ 「減税の財源」

 (2)
 財政赤字の問題について、どう道筋をつけるか? 菅直人は「超党派の議論」を提案したが。
  → nando ブログ 「財政赤字の道筋」

 (3)
 「iPad であなたはもっと馬鹿になる」という newsweek の記事がある。
  → Open ブログ 「iPad で馬鹿になる」


● ニュースと感想  (6月13日)

 (1)
 財政破綻の見本として、アルゼンチンの例がある。いったん破綻したあとで、どうなったか?
  → nando ブログ 「破綻の見本(アルゼンチン)」

 (2)
 財政破綻という問題は、非常に難解である。これは、ミクロ経済学やマクロ経済学より、もっと難しい「ミドル経済学」の問題だ。読者が理解できないとしても、仕方ない。
  → nando ブログ 「財政破綻の難解さ」

 (3)
 Google Analytics のせいで重いサイトが多いようだ。特に、企業サイトで多い。重いどころか、しばらくつながらない例も多い。  《 重要 》
  → Google and Me ブログ 「 Google Analytics で重いサイト」


● ニュースと感想  (6月14日)

 (1)
 急激な財政破綻が起こりかけたとき、それを一時的に延期する方法がある。それは、外貨準備を用いることだ。
  → nando ブログ 「破綻の延期(外貨準備で)」

 (2)
 財政破綻の細かな話題について、Q&A形式で説明する。次の4件。
  ・ 財政破綻は必然か?
  ・ 外貨準備で破綻を回避できるか?
  ・ 財政破綻は何をもたらすか?
  ・ 財政破綻の回避策は?
  → nando ブログ 「財政破綻 Q&A」


● ニュースと感想  (6月14日b)

 Google Analytics のせいで重い(接続できない)サイトが多い。これを解決するために、Google Analytics を無効化することができる。Firefox のアドオンを使う。
  → Open ブログ 「 Google Analytics を無効化する」


● ニュースと感想  (6月15日b)

 (1)
 次の項目に、新たな記述を加筆・修正しました。
  → Open ブログ 「Google 検索結果の改悪(対処法も)」
 これによって、Google 検索結果の改悪については、あらゆる問題を、ほぼ完全に解決できます。

 (2)
 宇宙探査機 はやぶさ が見事に帰還した。YouTube の動画を4本。それだけ。
 → Open ブログ 「はやぶさの帰還(動画)」


● ニュースと感想  (6月16日)

 財政問題については、8年前(2002年)にも、いろいろと詳しく論じた。そこには大事な話がある
  → nando ブログ 「財政問題の補足」


● ニュースと感想  (6月16日b)

 (1)
 はやぶさはなぜ感動的か? なぜ涙腺を刺激するか? ノース2号と同じだからだ。ある大切なもののために、空中でこっぱ微塵になっていく。
  → Open ブログ 「はやぶさはノース2号」

 (2)
 お料理教室。初心者向け。
  → Open ブログ 「マリネの作り方」





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「泉の波立ち」
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