[付録] ニュースと感想 (150)

[ 2010.11.24 〜 2010.12.31 ]   

  《 ※ これ以前の分は、下記のページで 》


    2001 年
       8月20日 〜 9月21日
       9月22日 〜 10月11日
      10月12日 〜 11月03日
      11月04日 〜 11月27日
      11月28日 〜 12月10日
      12月11日 〜 12月27日
      12月28日 〜 1月08日
    2002 年
       1月09日 〜 1月22日
       1月23日 〜 2月03日
       2月04日 〜 2月21日
       2月22日 〜 3月05日
       3月06日 〜 3月16日
       3月17日 〜 3月31日
       4月01日 〜 4月16日
       4月17日 〜 4月28日
       4月29日 〜 5月10日
       5月11日 〜 5月21日
       5月22日 〜 6月04日
       6月05日 〜 6月19日
       6月20日 〜 6月30日
       7月01日 〜 7月10日
       7月11日 〜 7月19日
       7月20日 〜 8月01日
       8月02日 〜 8月12日
       8月13日 〜 8月23日
       8月24日 〜 9月02日
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       10月05日 〜 10月13日
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       10月22日 〜 11月05日
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       11月20日 〜 12月02日
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       4月07日 〜 4月14日
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       8月19日 〜 10月23日
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    2004 年
       1月03日 〜 1月16日
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       4月13日 〜 4月23日
       4月24日 〜 4月25日
       4月26日 〜 5月11日
       4月26日 〜 5月11日
       5月20日 〜 5月29日
       5月30日 〜 6月14日
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       7月28日 〜 8月21日
       8月22日 〜 9月27日
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       11月09日 〜 11月16日
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       1月08日 〜 1月16日
       1月17日 〜 1月29日
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       4月03日 〜 5月11日
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       7月26日 〜 8月14日
       8月15日 〜 9月06日
       9月07日 〜 9月26日
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       10月22日 〜 11月14日
       11月15日 〜 12月09日
       12月10日 〜 12月21日
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    2006 年
       1月15日 〜 1月26日
       1月27日 〜 2月12日
       2月12日b〜 2月26日
       2月27日 〜 3月08日
       3月09日 〜 3月13日
       3月14日 〜 3月24日
       3月25日 〜 4月14日
       4月15日 〜 6月03日
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       6月27日 〜 7月09日
       7月10日 〜 8月10日
       8月10日 〜 9月04日
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       9月16日 〜 9月27日
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       3月19日 〜 3月31日
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       5月22日 〜 7月25日
       7月26日 〜 9月15日
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       10月20日 〜 11月19日
       11月20日 〜 12月23日
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       8月15日 〜 9月18日
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       10月28日 〜 12月09日
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    2010 年
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       7月26日 〜 9月06日
       9月07日 〜 9月27日
       9月28日 〜 11月22日
         11月23日 〜 12月31日







● ニュースと感想  (11月23日)

 (1)
 ロサンゼルスのモーターショーで、日産が エリュール ( Ellure )という名前のコンセプトカーを公開した。これは日産のデザインの方向性を示す。
  → Open ブログ 「日産 エリュール」

 (2)
 シャープのプラズマクラスターイオン発生装置で、インフルエンザ感染の発症を抑える効果を調べる実験をしたところ、効果は確認できなかったという。  それはいいが、これについての統計的な解釈を理解できない人が多すぎる。
  → Open ブログ 「プラズマクラスターと統計」


● ニュースと感想  (11月23日b)

 「アイルランドの破綻」について。
 アイルランドが金融破綻したのは昨年のことだったが、今度は財政破綻して、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に、財政支援を申請した。(各紙・夕刊 2010-11-22 )
 アイルランドは法人税が 12.5% と特別に低いが、企業向けに大盤振る舞いしたあげく、国家財政が破綻してしまったわけだ。馬鹿丸出しと言うべきか。
 しかし、それに輪をかけて馬鹿なのが、日本の「法人税引き下げ」論者だろう。日本だってアイルランド並みで、財政の半分近くが赤字国債という借金でまかなわれている。それでいて、借金返済どころか、企業に大盤振る舞いだ。

 比喩。年収 100万円で、大赤字なので、借金が 80万円。そこで借金を減らそうとしたら、馬鹿娘が「そんなことをするなら出ていくわよ」と言い出したので、「出ていかないでくれ」と頼んで、お小遣い 30万円プレゼントする。そのあと、借金取りが押し寄せて、一家は破綻する。
 馬鹿丸出しと言うべきだが、これが日本の現状だ。他人のことを笑えたもんじゃない。

 [ 付記 ]  参考記事。
  → 「アイルランドは法人税増税を」仏大統領が注文

  → アイルランドの救済はユーロ圏破綻への道( WSJ )


● ニュースと感想  (11月24日)

 (1)
 アイルランドが財政破綻したあと、「財政赤字解消のために法人税増税を」という主張と、「そんなことをすれば成長が止まる」という反論とがある。どちらが正しいのか?
  → nando ブログ 「アイルランドと法人税」

 (2)
 プラズマクラスターイオン(シャープ)や、光速ストリーマ(ダイキン)などの空気清浄機もある。一方、ただの加湿器もある。お勧めは……
  → Open ブログ 「空気清浄機と加湿器」


● ニュースと感想  (11月24日b)

 「岩隈の入札妨害」について。
 アスレチックスが岩隈と交渉打ち切りしたのは、入札妨害だと思ったのだが、11月8日の段階で、すでに指摘されていた。
 「岩隈はマリナーズとデキている」という声もあった。沢村賞右腕のマリナーズ入団を阻止するため、同地区のライバルであるアスレチックスが獲得する気がないのに、高額な入札金を提示した可能性もあるというのだ。
 アスレチックスが独占交渉権を得ても、本腰を入れることはない。30日間の交渉期間内に話がまとまらなければ、アスレチックスは獲得できないものの、岩隈がライバル球団に行くこともないからだ。
( → ゲンダイネット
 上記の筆者は、予想通り、とにんまりしているんでしょうね。恐れ入りました。
 ……と思ったが、これはあちこちで言われているらしい。
 米球界の一部では「アスレチックスはハナから岩隈を取る気がなかった」という仰天情報が流れている。「ポスティングに加わった、同地区ライバル球団のレンジャーズ、マリナーズに取られないために、1500万ドルという、とんでもない落札金を付け、独占交渉権を獲得した。それで目的を果たしたから、わざと岩隈サイドが飲めないような安い年俸提示をして破談にしたんだ。もちろん、1500万ドルは払う必要がない。タダで岩隈のレンジャーズ、マリナーズへの入団を阻止したことになる。
( → リアルライブ


● ニュースと感想  (11月25日)

 欧州共通通貨の問題点については、「泉の波立ち」で何度も述べてきた。そこで、これらを本項でまとめて示そう。
  → nando ブログ 「欧州共通通貨(まとめ)」


● ニュースと感想  (11月25日b)

 「小野善康のTPP論」について。
 小野善康が TPP について論じている。(朝日・朝刊・オピニオン面・コラム 2010-11-24 )
 マスコミに出る経済学者のなかでは、かなりまともな方だ。古典派経済学者が根本的に狂ったことを述べるのに比べれば、方向性としてはおおむね正しい。その意味では歓迎したい。ただし、全面的に首肯できるものではない。
 話の前半では、競争力のない産業を解説するために、比較優位という経済学の基礎理論を解説する。教科書的な知識ではあるが、全面的に正しいし、その意味では好ましい。
 ただ、後半に入り、小野善康の独自の見解が出てくると、急に怪しくなる。
 「すべての産業の競争力を上げるには、内需の拡大しかない」というが、この文章はおかしいですね。内需の拡大は確かに有効だが、それは「競争力を上げるため」ではない。国内産業も国外産業もともに繁栄するのだから、国内産業が国外産業に対して有利になるわけではない。……ま、これは言葉遣いの問題だが、頭のネジが少々狂っていることを示す。
 話を根本に移すと、農業対策として、生産調整のかわりに生産補助金を唱えている。これは、私の TPP論 とおおむね同趣旨だが、少し異なる。所得補償をすることで、大規模生産者と高齢者がともに生産をすることで、農地の荒廃を防ぐというが、これは、次の3点でおかしい。
 
 (1) 大規模生産者と高齢者がともに生産をすれば、従来の生産量は維持される。その場合は全体としての生産性は低いままであり、国全体としては多額の無駄な出費を強いられる。しかもそれが永続する。ここでは「生産性」という古典派の思考がまったく欠落しているせいで、認識が甘くなっている。
 では正しくは? 生産性の向上それ自体は必要である。そして、そのためには、生産性の低い部分を切り捨てる必要がある。つまり、大規模生産者や中規模生産者は維持しても、小規模生産者は切り捨てる必要がある。そのことで、人口の産業間の移動を進める。農業人口を大幅に引き下げ、工業・商業などに人口を移転する。(これは高度成長期に起こったことだ。このような産業間の人口移動こそが、高度成長期に生産性や所得が急激に向上した理由である。決して、工業の生産性が何十倍にもなったわけではない。低い農業から高い工業へと人口が移ったことで、国全体の生産性や所得が向上したのだ。)
 TPP を実施すれば、輸出は増え、輸入も増える。つまり、工業の生産量は増え、農業の生産量は減る。これが国全体で起こることだ。しかも、好ましいことだ。……その全体を見失って、「高齢者の生産量も維持する」というのは、根源や本質を見失っている。

 (2) 高齢者の生産は必要ない。お年寄りの生きがいになるというが、高齢者の場合は赤字生産か低所得生産となる。稲作をしてもしなくても何十万円か百万円かの金を得る。そこでさらに稲作をすると、それで増える所得は、ほぼゼロか、あるいは、マイナスとなる。そんな無駄をしてもらう必要はない。それはただの趣味みたいなものだ。どうせ趣味なら、大量の水を消費する稲作よりは、大量の水を必要としない畑作か果樹栽培でもしてもらった方がいい。その方が楽であるし、趣味としても楽しいだろう。(高価格の農耕機具を必要としないから、赤字にもなりにくい。現実の稲作は、高価格の農耕機具を必要とするので、小規模農家では現状ですら赤字である。現状ですら、ただの趣味になっている。)

 (3) 農地が国土の崩壊を阻止しているというのは、まったくの間違いだ。稲作は大量の水を使うので、国土をかえって荒廃させている。そのことは、北海道やブラジルを見るとわかる。グーグルの衛星写真で、北海道やブラジルを見るといい。農地の部分は、森林がすっかり破壊されている。つまり、開墾による農地とは、森林の破壊であり、環境の破壊なのだ。
  → 開墾による森林消失
 日本における農地は、都市部ではいくらかは緑の維持に寄与しているが、郊外では里山の破壊を意味するし、山間地では森林の破壊を意味する。そんな農地は、維持する必要はない。さっさと森林に戻すべきだ。その方がずっと環境に好ましい。しかも、いったん(広葉樹の)森林に戻せば、あとは維持費はゼロで済む。ドングリもできるから、熊が飢えることもなくなる。
 一方、現状のように田んぼを維持していると、途方もない環境破壊が起こる。特に問題なのは、大量の水を必要とすることだ。そのせいで、河川を維持するために、上流地域で、ダムが必要となる。八ッ場ダムなどのさまざまなダムが水の供給に役立つという声もあるが、あれは、飲用水や工業用水のために必要なのではない。稲作のために大量の水が必要だから、上流でダムが必要となる。仮に、下流地域で稲作をやめれば、現状でも大量の水が余る。その場合には、上流でダムを次々と建設する必要はなくなる。
( ※ ダムには治水目的もあるが、実は、氾濫で生じる損失よりも、治水のためにかかるダム建設費の方が巨額になる。比喩的に言えば、貯金を盗まれないために金庫を買ったら、金庫代が貯金代を上回ってしまった、という状態だ。100万円の貯金を守るために、120万円の金庫を買ったので、金がなくなり、さらに赤字が 20万円出る、という状態だ。それが治水ダム。それだったら万一の際に泥棒に 100万円盗まれる方がマシというものだ。)

 小野善康は最後に言う。「産業の自立と、環境保全や高齢者支援が両立する」と。しかし、そんな「あれもこれもできます」というような発想をするという点で、公正さが担保されていない。甘い打ち出の小槌みたいなことを口に出しているという点で、詐欺師も同然だ。物事のプラス面だけを見て、マイナス面を見ない。公正さが欠落している。
 では、正しくは? 「産業の自立と、環境保全や高齢者支援が両立する」という方法は、あり得ない。だから、次のようにするべきだ。
  ・ 産業は現状では自立しない。大規模生産者のみが自立し、他は切り捨てられる。
  ・ 農地による環境保全は、なしえない。水田の荒廃のかわりに、水田が畑地や森林に転化される。
  ・ 高齢者は、手間暇かけて赤字の稲作をする必要はない。どうせ無所得なら、果樹栽培でもすればいい。

 小野善康の主張は、景気対策でもそうだが、物事の甘い半面だけを見て、物事の苦い半面を見失っている。認識が甘すぎる。……ま、それでも、「最初から最後まで全部間違っている」という古典派よりは、ずっとマシだが。それでも、小野善康の主張は、あまり信じない方がいい。点数で言えば、50点だ。(0点でないだけマシだが。)


● ニュースと感想  (11月26日)

 (1)
 倉庫のロボット化が進んでいるという。Amazon のようなネット小売業者の場合、顧客の注文を受けたあと、倉庫にある商品を一つ一つ取って、箱に入れる作業がある。その処理を完全にロボット化するという。SF ふうの近未来的な情景。
 → Open ブログ 「倉庫のロボット化」

 (2)
   足温器を紹介するページで、新商品を新たに追加しました。
  → 足温器の紹介


● ニュースと感想  (11月27日)

 就寝中に喉がカラカラになるのを防止するには、加湿器を使ってもいいが、濡れマスクを使ってもいい。風邪の予防に、大きな効果がある。
  → 書評 ブログ 「濡れマスク」


● ニュースと感想  (11月27日b)

 法人税減税と TPP の優先順位を、勘違いしている人々が多すぎる。日本の政治家も経済学者も、みんな頭が狂っているようだ。
  → nando ブログ 「法人税減税と TPP」


● ニュースと感想  (11月28日)

 日産は電気自動車でトップを走っているが、その心臓であるリチウム電池は、日産の自社開発ではなかった。どちらかと言えば、富士重工のものだった。(正確には NEC )
  → Open ブログ 「日産と NEC のリチウム電池」


● ニュースと感想  (11月29日)

 「スマートグリッドで省エネ社会の実現」というふうに提唱されたが、失敗であったことが判明した。私のかねて指摘したとおり。
  → Open ブログ 「スマートグリッドの失敗」


● ニュースと感想  (11月29日b)

 「自民党の二重基準」について。
 自民党などが問責決議を出したが、これを読売の社説が論じている。
 自民党が提出した仙谷氏の問責決議は、中国人船長釈放の経緯の不透明さに加え、海上保安庁が撮影した衝突時の映像を非公開とした判断を厳しく批判している。
 馬淵氏の場合は、映像流出事件を招いた海保の杜撰ずさんな情報管理体制への監督責任を挙げている。
 どれも、もっともな指摘だ。 ( → 読売社説
 つまり、次の趣旨。
  ・ 仙谷 …… 映像を非公開にするのはけしからん。
  ・ 馬淵 …… 映像を公開したのはけしからん。
 つまり、公開したのもけしからんし、公開しないのもけしからん。どっちもけしからん。
 じゃ、どうすればいいのよ? こうかいすればいいの、しなければいいの?   (^^);

 結局、ただの揚げ足取りにすぎない。国民生活をおっぽり出して、揚げ足取りばかりする政党。情けないね。また、それを称える読売は、輪をかけて情けない。
 こういう日本が情けなくなる。  (^^);


● ニュースと感想  (12月01日)

 「アイルランドの破綻」について。
 アイルランドの破綻は、「バブル」と表現していいが、その構造は、ギリシアとはタイプが異なるようだ。
 アイルランドの成長は、バブルだった。その成長の源泉は、法人税減税ではなく、巨額の借金であった。(この点は、すでに指摘したとおり。)
 ただし、その巨額の借金は、政府部門の借金ではなく、民間部門の借金だった。(この点は、先に指摘したこととは異なり、朝日の記事による。)

 ……という趣旨の話を、先日の話の後半に、【 後日記 】 として加筆しておいた。詳しくは下記で。
  → nando ブログ 「アイルランドと法人税」


● ニュースと感想  (12月02日)

 (1)
 トヨタは「エティオス」という途上国向けの小型車を出した。
 日産は「ティーダ」の新型らしいセダンを中国で開発中。
  → Open ブログ 「エティオスとティーダ」

 (2)
 新常用漢字が内閣告示された。ただし、注意点がいくつかある。  たとえば、新常用漢字をすべてパソコンで表現できるわけではない。文字コードやブログ会社に依存して、表示されない文字もある。(それを正字でなく略字で示すと) 「 叱 填 剥 頬 」 の4字だ。
  → Open ブログ 「新常用漢字の施行」


● ニュースと感想  (12月03日)

 「参院選挙区のブロック制」について。
 参院選挙区をブロック制にする、という民主党の案が出た。( → 参院選11ブロック案(朝日新聞)
 「1票の格差」が是正されるということで、朝日はこれを歓迎する記事を書いている。(2010-12-02 朝刊。)
 しかし、基本的な知識もないようなので、呆れてしまった。

 まず、名前からして変だ。ブロック制というのは、選挙の制度の名前ではない。選挙の制度の名前としては、「大選挙区制」というのが正しい。細かく言えば、「ブロック分けした大選挙区制」であろう。
 当然ながら、大選挙区制には、それにともなう大きな欠陥がある。名目上は「1票の格差」が是正されるが、実質的には同様の問題が起こるということだ。それは「死票がたくさん出る」ということだ。
 たとえば、上位の人が大量の得票を取れば、下位の当選者に比べて何倍もの得票を取ることになる。この場合、上位の当選者に投票した人の票は、票の価値が大幅に減じる。上位の当選者が5倍の票を得れば、彼に投じた人の票の価値は5分の1になる。これでは「1票の格差」は是正されていないことになる。(地域別とは別の形で「1票の格差」が生じる。)
 また、それを避けるために、同じ政党で複数の候補者が立候補したとしよう。その場合、複数の候補者がすべて落選することもある。たとえば、5人が立候補して、5人がすべて落選する。その5人の票の合計は、最下位の当選者の票数をはるかに上回る。……この場合は、大量の死票が出ることになる。

 大選挙区制には、以上のような問題がある。だからこそ、「ドント式による比例代表制」(拘束名簿式 or 非拘束名簿式)という方式が提案されたのだ。そういう歴史的な事情(つまり基礎知識)をまるきり書いているのが、「ブロック制」という名前の「大選挙区制」だ。あまりにも幼稚である。情けない。

 どうしてもブロック制というものを導入したいとしたら、次の方式ならばいい。
 「あらかじめブロック別に定数を割り振ったあとで、ブロック内で、小選挙区内し中選挙区制を導入する」
 たとえば、東京ブロック内(定数20)では、23区などに準拠して、いくつかの区をまとめて一つの選挙区とする。それぞれの選挙区の定数は、1(小選挙区)または、2〜3(中選挙区)とする。
 このような方式ならば、「ブロック制」と呼ぶに値する。正確には「ブロック制を予備的に取り入れた小選挙区制または中選挙区制」である。
 このような方式の場合のみ、1票の格差を是正できる。

※ ただし、それとは別に、(ブロック制を予備的に取り入れた)比例代表制もある。そっちでもいいが。

 [ 付記 ]
 上記では朝日の方針を批判したが、読売はそれほどひどくはなかった。ブロック制にも問題はあることを認識しており、今後の見通しを「難航しそうだ」と表現している。


● ニュースと感想  (12月04日)

 「東京都のマンガ規制」について。
 東京都が性描写をしたマンガやアニメの規制をしようとして、マスコミや愛好者が反対している。
 今回の改正案では、(1)刑法など刑罰法規に抵触する性行為(2)婚姻を禁止した近親者間の性行為−−などを描写した作品が自主規制の対象となる。都議会が否決した旧改正案は、対象を18歳未満にみえるキャラクター(「非実在青少年」と定義)の性行為に限定していたが、今回はこの規定を削除。対象が18歳以上のキャラクターにも広がる結果となった。
( → 毎日新聞 2010-12-03
 竹宮恵子さんは「 風と木の詩 」で、少年同士の性愛や父子の性関係を描いた。出版社は苦情を恐れたが、少女たちに性の問題を伝えたいと考えたからだ。文化庁長官を務めた心理学者の河合隼雄さんは「思春期の少女の内的世界を表現し切った」と絶賛。いまも広く読まれている。しかし改正案を額面通りに受け取れば、ずばり規制の対象だ。
 過去には、医学博士である手塚治虫さんが性教育の意味を込めた漫画が「悪書」扱いされたこともある。
( → 朝日・社説 2010-12-03
 マスコミが規制に反対するのは、最もだろう。条件反射みたいなものだ。
( ※ そのせいで、論旨が滅茶苦茶だ。「風と木の詩」は、同性愛の話だが、同性愛は違法ではないし、近親相姦でもない。「改正案を額面通りに受け取れば、ずばり規制の対象だ」なんて、滅茶苦茶だ。……ただしこの件は、どうでもいい。)

 マスコミの状況は、こういうものだ。しかし、である。世界で一番規制が甘いという日本のマンガの状態を、そのまま肯定できるとは思えない。
 たとえば、年少の小学生がセックスのマンガを見て覚えて、若い女性に向かって、「お姉さんも最初のときは台所でレイプされて感じたの?」なんて無邪気に尋ねる(実話)なんていう状況がある。これはどう考えたって異常だろう。これを異常と認識できないとしたら、毎日も朝日も頭がオタクになっている。
 
 問題の本質は、どこにあるか? 「書くことの規制」ではなく、「販売することの規制」でもなく、「販売する方法の規制」である。たとえば、米国ではエロ本は出版を規制されることはないが、販売場所はアダルトショップに限定されている。ところが日本では、コンビニでもアダルト本は普通のマンガの隣の場所に並べられてあり、何ら規制はされない。その点、アダルトビデオだと、レンタルビデオ店の一画が仕切られており、普通の子供は入れないようになっているし、貸出も 18禁なので、まともであろう。
 
 結論。
 出版や販売そのものを規制する必要はないが、だからといって野放しというのもおかしい。アダルト商品は、アダルトショップに限定して販売許可するべきであり、一般の子供が自由に買えるようにするべきではない。
 今の日本では、エロマンガが普通のマンガ雑誌にも掲載されており、店頭で子供が自由に買える。こんな国は世界広しと言えども、日本だけだろう。政治家はマンガを理解していないし、マスコミはオタク化している。まともな常識(世界標準)が確立されていない。
 日本という国は、あまりにもオタク化しすぎている。常識が通じないのだから。

( ※ なお、わいせつマンガの規制に関して、手塚治虫を例に出すのはピンボケだと思う。手塚治虫のマンガは、とてもエロチックなところもあるが、猥褻で下品なポルノとは違う。エロとポルノは違うのだ。朝日はその区別ができていないと思える。なお、手塚のエロマンガの例は →  これ
( ※ 手塚治虫の性教育マンガは、Amazon で → アポロの歌やけっぱちのマリア


● ニュースと感想  (12月04日b)

 (1)
 ハイブリッド車には、AI制御をするといい。状況に応じて一律に制御するのではなく、ユーザーごとに個別に制御する。
  → Open ブログ 「ハイブリッドと AI制御」

 (2)
 太平洋に浮遊するゴミが集積している地帯がある。これは「太平洋ゴミベルト」と呼ばれる。
  → Open ブログ 「太平洋ゴミベルト」


● ニュースと感想  (12月05日)

 (1)
 温暖化が進むと、やがては 84万人が死亡するだろう、という予想が示された。インチキ論理の典型だ。
  → Open ブログ 「温暖化で 84万人死亡?」

 (2)
 面白い詭弁をたまたま見つけたので、紹介しておく。
  「医学部の学費は値上げすべきだ」
 この詭弁に、どう反論するか? 
  → Open ブログ 「医学部の学費値上げ(詭弁)」


● ニュースと感想  (12月05日b)

 日本の人口に比べて、毎年の死者数は、異常に少なすぎる。これはパラドックスだ。  なぜか? その回答を求む。
  → Open ブログ 「人口のパラドックス」


● ニュースと感想  (12月06日)

 (1)
 明鏡国語辞典の第二版が発売された。新常用漢字に対応している。
  → 書評 ブログ 「明鏡国語辞典」

 (2)
 「ラブひな」という漫画が無償で読める。
  → 作者のサイト
 かなり有名な漫画なので、ダウンロードしてみたが、……
 レベルが低すぎて、とても読む気になれない。小学生向けですかね? こんなものを喜んで見る大人がいるなんて信じられない。オタクには低知能な人が多いのか? 
 同じく無償でも、「海猿」のレベルの高さとは比較にならない。


● ニュースと感想  (12月06日b)

 現代の若者の就職難は、大恐慌時代よりもひどい……という指摘。(私の意見ではなく、他人のサイトの紹介。)
  → 就職は大恐慌時より今のほうが厳しいのです
 (はてなブックマークでも話題になっている。)


● ニュースと感想  (12月07日)

 「法人税減税と景気対策」について。
 朝日はすっかり経済的に右翼化したようだ。社説で「法人税減税」を唱えている。
 減税で雇用拡大や景気回復を促そうという狙いだ。
 日本には研究開発減税のような制度もあるが、それを考慮しても実質負担率は、やはり他の主要国より高い。
 国内に雇用を残したり、設備投資を維持したりするうえで不利な材料は、少しでも減らしたい。
( → 朝日・社説 2010-12-06
 問題点は簡単だ。

 (1) 「実質負担率は、やはり他の主要国より高い」ということは成立しない。少なくともドイツや米国とは同等だ。(米国とは、税率も同等。ドイツとは、企業の社会保障負担分を込みにすれば同等。)
 (2) 「国内に雇用を残したり」というが、日本の貿易収支は大幅な黒字である。貿易収支が赤字の国が企業を誘致したがるのとは、わけが違う。「国内に雇用を残したり」という方針を取り、輸出振興策を取れば、黒字がますます増え、円高がいっそう進展する。「輸出振興策としての法人税減税」というのは、経済学的には根本的に間違っている。(法人税減税の意味は、ただでさえ黒字の企業収益をさらに黒字化し、その分、労働者の配分を減らす、という意味だ。企業や資本家を富ませて、労働医者を貧困化するという意味だ。輸出振興の意味はない。輸出振興のためだと思うのならば、話を根本的に間違えている。)
 (3) 「設備投資を維持したり」というが、需要のないところで設備投資をする馬鹿はいない。「設備過剰だから設備を廃棄・休止しよう」と企業が思っているのに、設備投資をする馬鹿はいない。設備投資を増やすには、法人税減税をすればいいのではなく、内需を拡大すればいい。「設備投資を維持するために法人税減税を」というのは、経済学的には完全に狂っている。
 (4) 問題の根源は、「景気が不況であること」だ。その意味は「マクロ的な均衡点が縮小していること」つまり「縮小均衡という状態にあること」だ。ここにおける対策は、何か? 「マクロ的な均衡点を拡大させること」つまり「需要も供給もともに大きな点で均衡させること」だ。それに対して、法人税減税は、かえって有害である。(労働者を虐待することで内需を減らすから、均衡点はさらに縮小していく。)

 結論。
 朝日の方針は、何もかも狂っている。「企業を富ませれば国も富む」と思っているようだが、現実には、「企業を富ませれば、労働者の富が減るので、結果的には労働者目にも企業も貧しくなる」というふうになる。比喩的に言えば、「種イモを食ってしまう」ということだ。内需(消費)という種イモを増やせば豊かになれるのに、目先の内需(消費)を「法人税減税」という形で食いつぶしてしまうから、一時的には腹が満たされるが、将来的にはどんどん貧しくなる。
 「種イモを食ってしまえ」という発想は、馬鹿丸出しだ。目先の富を追い求めて、将来的には貧しくなる。朝三暮四の猿よりも、もっと頭が悪い。

 [ 付記 ]
 前日(前項)のリンク先を参照。再掲しよう。
  → 就職は大恐慌時より今のほうが厳しいのです


● ニュースと感想  (12月07日b)

 「人口のパラドックス」の解決編。
  → Open ブログ 「前項の解答」


● ニュースと感想  (12月08日)

 「天声人語の政府批判」について。
 朝日の天声人語が、菅直人政権を批判している。
  → 天声人語 2010-12-07
 ま、「失望した」という気持ちはわからなくはないが、鳩山政権で失望したあとで、前と同じような期待まだもっていたとしたら、教育効果がなかったことになる。いっぺん懲りたのに、懲りなかったんでしょうかね。
 民主党政権には「何も期待しない」というのが正しい。期待しなければ、失望も起こらない。それだけのことだ。
 民主党政権は、実はとてもいい点がある。それは「朝日の主張を取らない」ということだ。「法人税減税」だの「構造改革」だの、朝日の大好きな小泉流の政策を取らない。これは素晴らしいことだ。なぜなら、現状維持であり、現状医を悪化させないからだ。ひるがえって、小泉時代には、「企業の繁栄と、刻印の貧困化」が同時に起こった。あれは最悪の時代だった。今はまだしも、マシな方である。
 「中国に屈服した」と言われるが、そのおかげでレアアースの輸入ができたのだから、文句を言うべきではあるまい。「中特に屈服するな」と言う人々は、レアアースを輸入ストップしたままでいい」と言うべきだろう。
 だいたい、「国益のためにブッシュ政権に賛同せよ。蟻もしない大量破壊兵器をアルト見なして、イラク国民をどんどん殺せ」と主張した自民党や読売に比べれば、「悪魔にならない」というだけ、百倍マシだ。
 「総じて、自民党の病巣を残して去勢した印象である」と天声人語は言う。それなら、「自民党政権にせよ」と言うべきだろう。そうすれば、ふたたび日本を食い物にする政治家たちが、わんさと湧いてくる。たとえば、「構造改革」を主張して、郵政民営化を推進して、国家の不動産をタダ同然でオリックスに一括供与するとか。そのほか、多くの国有財産をあちこちの政商に供与して、賄賂をもらう。あるいは、公共事業を増やして、小沢みたいに袖の下をえっぱいもらう。……そのために「自民党政権の復活」とか「小沢を首相に」とか言えばいいのだ。
 
 [ 付記1 ]
 天声人語の筆者は、2007年4月に交替した。( → 出典
 それ以後、品が落ちたようだ。前の筆者の方がずっと良かった。品があった。朝日は社説だけでなく、天声人語も品質が落ちたようだ。

 [ 付記2 ]  天声人語の駄目な例は、下記でも批判されている。
  → 朝日新聞の「天声人語」に唖然!
 鳩山の秘書が献金者の名義を借りた事件(金は自分の金だった)で、さんざん批判している。しかしこれは、小沢みたいに本人が賄賂を4億円も隠した例とは全然違う。
 ま、それはさておき、文章がひどいですね。「達意」というのとはほど遠い。悪文ですね。こんなのが大学入試の例文に取り上げられたとしたら、受験生が可哀想すぎる。
 ひるがえって、本日分は、悪文というほどではないが、まるで落語かダジャレだ。以前の素粒子は、ひどいダジャレばかりだったが、それを思い出す。もしかして、同じ筆者か。「朝日の素粒子は、筆者が変わって、ひどいダジャレの連発がなくなって良かった」と思ったら、同じ筆者が天声人語に転出したのかも。(または朝日の社員はダジャレを書く人ばかり?)
 うんざりするね。知的レベルがどんどん低下してる。


● ニュースと感想  (12月08日b)

 (1)
 iPad ではデカすぎるが、iPhone では小さすぎる、という人向けに、iPud が欲しいと思っていたが、一足先に、他社から別のものが出た。Androidタブレット「ZiiO」という。
  → 書評 ブログ 「Androidタブレット「ZiiO」」

 (2)
 詭弁の論法を体系的にまとめているサイトがあるので、紹介しよう。
  → Open ブログ 「詭弁の論法」


● ニュースと感想  (12月09日)

 「池田信夫の珍説」について。
 久しぶりに池田信夫のブログを除いてみたら、またまた珍説のオンパレードだ。

 (1)
   → 専業主婦という浪費
 専業主婦は女性労働力の浪費だ、という趣旨。それ自体はいい。確かにその通り。
 しかし結論の「それを奨励する配偶者控除さえやめることのできない民主党政権」というのは、八つ当たりというものだろう。配偶者控除をやめれば、専業主婦がバンバン働くようになるか? まさか。
 専業主婦が働こうとしたって、派遣社員でこき使われるだけだ。で、そうなっている理由は、池田信夫の大好きな「派遣社員の推進」による。
 要するに、企業が労働者を低賃金労働で雇おうという傾向こそが、女性労働者を職場から排除している。そして、企業は女性労働者を排除するために、しきりに残業や転勤を強いる。
 その点、米国では、そんなことはない。女性労働者に残業や転勤を強いることはない。だから、そういうふうに企業の風土を改めさせればいい。そのために法的な制度も必要だろう。
 問題の根源は、企業の女性差別にあるのだ。だから、「女性を人間らしく働かせるように、企業の傲慢な態度を改めさせよ」というのが正しい結論だ。なのに「自由経済では企業の横暴を強めよ。労働者は派遣で虐待せよ」というふうに常日頃から主張しているのが、池田信夫だろう。そのあげく、「配偶者控除」なんていう二の次、三の次の話題で、民主党に八つ当たりしている。馬鹿馬鹿しい。
 
 (2)
  → 高度成長は奇蹟だったのか
 高度成長期の理由として、「成長率が高かったのは、戦争でGDPが半減したためだ。」と述べている。
 呆れた。グラフが直線的(多角形的)に、「角のある直線が何本かある」ということを説明できていないのに。
 日本の高度成長期が、成長率が高かったのは、技術水準が急激に進んだからではない。クルーグマンが「アジア高度成長」を説明したのと、同じ理由である。失業者が大幅に失業状態からなくなったことが理由だ。もう一つは、農業から工業へと人口が移転して、産業構造が変化したことだ。この二点だ。
 そして、それが可能になったことの理由は、「供給=需要」ということが成立するように、需要を拡大したからだ。その政策が「所得倍増計画」であった。ここでは、需要が拡大したから、供給は最大限にまで拡大できた。仮に需要が伸びなければ、今の日本と同じで、長期低迷であったはずだ。
 池田信夫の理屈で言うなら、日本は長期的に成長率が低くて、一人当たりGDPはここ 20年で大幅に低下したのだから、ふたたび急上昇していいはずだ。しかるに、それができない。その理由は、需要がないからだ。その理由は、所得がないからだ。……ここのところをきちんと理解できていない。
 どうしようもないですね。

 (3)
  → 海老蔵たたきのナンセンス
 これは下らない話題。「このごろ新聞は失言や野次など政治家の下らない話ばかりで、週刊誌やワイドショーは海老蔵たたき一色だ。」と書くが、それなら、自分のブログでもいちいち書くべからず。まったく、下らない。自分で自分のくだらなさを証明している。
 「海老蔵が批判されなければならないのは顔見世興行に穴をあけたことだけで、傷害事件については彼が被害者なのに、まるで加害者のようなバッシングは尋常ではない」
 呆れるね。私がこれを書いている時点( 2010-12-07 夜)では、その直前に、海老蔵の「お詫び会見」がテレビで放映されていた。彼は自分の非をはっきりと認めて、深く深くお詫びしていた。本人がこれほど非を認めているのに、上記のように弁護する(?)なんて、論旨が滅茶苦茶でしょう。
 ま、この記事の日付は「2010年12月04日 00:17」だから、これを書いた時点では、海老蔵自身の暴力行為は判明していなかったとも言える。しかし、とんでもない酒癖の悪さは最初から判明していたし、少なくとも記事を書いたあとでは修正を入れておくべきだろう。「海老蔵を弁護した私は間違っていました。海老蔵ともども、彼を弁護した私も深く深くお詫びします」とブログで書くべきだ。
 池田信夫も頭を丸めるべし。海老蔵みたいに。(……というのは変だが。  (^^);  )
 しかしまあ、池田信夫のブログは間違いのオンパレードだから、間違いのたびに頭を丸めたら、頭がいくつあっても足りない。髪が伸びる間もなく、毎日頭を丸める必要が出てきそうだ。  (^^);


● ニュースと感想  (12月09日b)

 ソニーの没落はひどいものだが、その内幕を書いた本がある。
 「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」
 という本。
  → 書評 ブログ 「ソニーの失墜」


● ニュースと感想  (12月10日)

 「過疎地のガソリンスタンド廃止」について。
 過疎地でガソリンスタンドが次々と廃止されているので、お年寄りが困っているという。そこで行政の公的な補助金(数百万円)で、過疎地にガソリンスタンドを設置したりするという。
 馬鹿馬鹿しいですね。「ガソリンを配達する」という方法があるのだから、万一の場合には、それで済むはずだ。配達料は少しかかるが、大したことはない。
 もともとは、ガス欠になる前に、各人が自分でガソリンスタンドへ行けばいいだけの話だ。それが駄目なら、隣の家に頼んで、タンク入りのガソリンを買ってきてもらえばいい。手間賃をいくらか払うとしても。
 各人の余計な手数料を千円程度節約するために、公的費用で数百万円を援助するなんて、馬鹿げている。愚の骨頂。いくらか金をかけて、配達を利用すればいいだけの話だ。

 [ 付記 ]
 参考サイト。
  → 批判記事


● ニュースと感想  (12月10日)

 (1)
 金星探査機 あかつき が失敗した。その失敗の理由は、エンジン噴射口がセラミック製だったことらしい。
  → Open ブログ 「あかつきのセラミック」

 (2)
 クルーグマンがアイランド経済をアイランド経済と比較して論じている。そのことで、アイルランド経済の失敗の理由が、より良く理解される。
  → Open ブログ 「アイルランドとクルーグマン」


● ニュースと感想  (12月11日)

 宇宙人の存在する確率はどのくらいか? 
  → Open ブログ 「宇宙人の存在確率」


● ニュースと感想  (12月14日)

 地球の生命の歴史において、性の誕生は、カンブリア爆発の直前であった。では、それは、いかにして起こったか?
  → Open ブログ 「性の誕生の理由」


● ニュースと感想  (12月14日b)

 「法人税の実効税率」について。
 法人税について、
 「日本の法人税は、実際には低い」(実効税率は低い)
 と共産党が述べている。
  → 赤旗
 これについて、池田信夫が「共産党の主張は正しい」と是認している。
  → 池田信夫ブログ

 ま、共産党の主張については、私も前に述べたこともある。
  → nando ブログ 「法人税の意味」
 だから、この話題は、今さら「証文の出し遅れ」という感じもしなくはない。(私が書くと、同じ話の再掲になる。)
 ただし池田信夫は、共産党の是認だけでやめておけばいいものを、とんだコメントを付けて馬脚を現す。
 共産党の原文:「本経団連の会長企業、住友化学が払っている法人課税の負担率はわずか16・6%でした。」
 池田信夫のコメント:「住友化学が16.6%しか税金を払っていないのは、ナフサの租特が原因だ。これは3.7兆円も免税されており、」
 ナフサ税は間接税だから、法人税とは関係ない。あまりにも馬鹿馬鹿しいので、私が批判するまでもないと思って、コメント欄を読んでみたら、さっそく指摘されていた。すぐにわかりますよね。
 ところが池田信夫は、指摘されてもまだわからないので、次のように追記する。
追記:コメント欄でも書いたが、ナフサの租特は法人税ではないので、赤旗の記事は不正確だ。
 馬鹿馬鹿しい。ナフサの租特を法人税と混同しているのは、池田信夫であって、共産党ではない。共産党のページには「ナフサ」なんて単語は出ていない。自分の勘違いを共産党のせいにしてはいけない。(ひどいね。間違いぐらい認めればいいのに。)
 なお、上記には「コメント欄でも書いたが、」と記述してあるが、コメント欄の記述は無内容だ。ここにはいちいち引用しない。馬鹿馬鹿しいだけ。

 結論。
 共産党の意見は正しいが、池田信夫はそれを曲解している。間違いを指摘されたら、それを共産党のせいにして、自分の間違いだと認めない。しかしそれだけならば、まだいい。
 池田信夫はかねて、「日本の法人税は馬鹿高い。これでは企業は外国に逃げ出す。ゆえに法人税を半分に引き下げよ」と主張していた。
  → 池田信夫・アゴラ
 この見解が間違いであったと認めるのが先決だ。「共産党の見解が正しい」というのであれば、「日本の法人税は馬鹿高い」と述べていた自説を撤回するべきだ。
 事実を知っても、何も学べない人。学習能力がないんですね。

 [ 付記 ]
 この件は、上記の nando ブログでも前に述べたが、そこでは池田信夫の見解として次の話を引用している。
 法人税を下げることは、「空洞化」を避ける上でも重要です。日本の法人税は国際的にみても高く、もっとも収益の高いグローバル企業が海外生産に移行する原因になっています。他方、法人税を低く設定したリヒテンシュタインやアイルランドには、海外の資本が流入し、一人あたりGDPはトップクラスです。
 ここでは「日本の法人税は国際的にみても高く」という言葉がある。池田信夫は、これを取り消すべきだ。「ごめんなさい」と。
 さらに、「法人税を低く設定したリヒテンシュタインやアイルランドには、海外の資本が流入し、一人あたりGDPはトップクラスです」という馬鹿げた説は成立しない、ということは、すでに述べたとおり。
  → nando ブログ 「アイルランドとクルーグマン」


● ニュースと感想  (12月15日)

 「法人税の引き下げ」について。
 菅直人が法人税の5%引き下げという方針を示した。(各紙報道)
 馬鹿げたことではあるが、実害はあまりない、というのが、私の見解だ。
 ひるがえって、「増税で福祉拡大」という小野善康の方針は、最悪に近い。それは巨額の金を浪費するし、その金は返ってこないからだ。
 一方、法事税減税の場合、金は企業の懐に入るが、無駄に消えてしまうわけではない。たぶん企業の内部留保になるだけだろう。景気回復効果はないが、単に貯金が貯まっているだけだから、特に無駄が生じるわけではない。将来的には、新しい首相が、法人税増税の形で、内部留保を没収できる。そうすれば、元の木阿弥だ。最初と比べて、何もなかったことになる。というわけで、特に実害もなく済ませることができる。
 つまり、菅直人の政策は、悪政ではあるが、可逆的な悪政である。将来的に、良政によって回復可能だ。そこでは無駄は生じていないからだ。一方、小野善康の「福祉拡大」というのは、無駄遣いであり、不可逆的な悪政である。これに比べれば、法人税下年税の方が、(悪性ではあっても)よほどマシだ。……つまり、どのような場合であれ、単純な減税の方がマシなのだ。(ひるがえって、池田信夫流の「投資減税」は駄目だ。無駄な投資を誘発するからだ。そこでは無駄が生じる。)

 菅直人の「法人税の5%減税」は、財源が未定である。だから、実際にどうなるかは、まだ確定していない。
 財源の増税として、「証券増税」の形で「配当課税」をするのであれば、それは最も好ましい形だ。(法人税と配当課税は、本質的な部分では等価だから、片方を減税して他方ぞぞうぜいするのであれば、帳尻が取れる。)
 財源の増税として、「炭素税」「環境税」を新規に徴収するのであれば、それはそれで一案だ。これもかなりマシな案だ。
 一方、「国債で穴埋め」というのであれば、「財政破綻に近づく」という意味があるので、菅直人の主張とは自己矛盾となる。
 また、「資産家課税」「ニート課税」というのであれば、ある意味では道理が通るが、「不労所得者」ばかりを優遇することになるので、好ましいことではない。また、景気を悪化させる効果もある。

 ま、まとめて言えば、法人税減税は、筋悪の悪政ではあるのだが、歴代の首相の政策のなかでは、悪さは特にひどいと言うほどのことではない。麻生の「小規模減税」というのは、プラスの効果があったが、ごく微量であり、ほとんど影響力がなかった。それに似ていて、菅直人の法人税減税は、「小規模増税」に近い。企業にとってもたいしてありがたくないし、国民にとってもたいして苦しくない。
 ま、やめた方がいいのだが、法人税はもともと真の実効税率は低い。(前項で述べたとおり。)今さら各種控除を廃止して法人税増税をしても、たいして影響はないだろう。企業が外国に逃げ出さない、という効果もほとんどない。(円高の方が百倍も影響がある。)
 企業にとって一番ありがたいのは、法人税減税ではなく、景気回復による内需拡大(それによる利益大幅増加)なのだが、そのためには、政府は何もしないし、企業も何も要望しない。どちらも見当違いの法人税減税ばかりを狙っている。本質をハズレたところで下らない議論をいくらやっても、日本の景気回復はいつまでたっても実現しない。


● ニュースと感想  (12月15日b)

 (1)
 石油不足に対処するために、バイオエタノールというものが提唱されているが、ちょっと変わったところで、微生物の藻類を使ってバイオ燃料を作ることができる。
  → Open ブログ 「藻類でバイオ燃料」

 (2)
 おにぎりや弁当などの食品を、菌・カビから防護するには、どうすればいいか? (雑知識)
  → Open ブログ 「菌・カビと食品」


● ニュースと感想  (12月16日)

 「法人税減税の勘違い」について。
 法人税の減税について、菅直人首相が経団連会長に頼んだ。「(減税分を)働く皆さんに分配することをもう一歩踏み込んで、是非約束してほしい」
 会長は答えた。「約束というわけにはいかないが、法人税が下がれば、企業の競争力が上がり、給料も増えていくと思う」
 どちらもひどい勘違い。
 菅直人は、「(減税分を)働く皆さんに分配すること」を求めるのであれば、その金を最初から国民への減税に回すべきだった。法人税減税は、金を国民ではなく企業( or 資本家)に与えることを目的としている。あまりにも勘違い。自分でやっていることを理解していない。
 経団連会長も勘違いだ。「法人税が下がれば、企業の競争力が上がり」ということはありえない。それは「風が吹けば桶屋が儲かる」という論理であり、ほとんどありえないことだ。また、「企業の競争力が上がり、給料も増えていく」ということは、さらにありえない。企業の競争力が上がれば、国際的には、貿易収支が増えて黒字になるので、円高がいっそう進み、競争力は下がる。差し引きして、トントンだ。また、国内的には、全企業の競争力が上がれば、それぞれの競争力は中和されるから、どこも伸びない。ただし全体としては生産性の向上が働くかもしれないが、それは法人税の減税とは別問題だ。
 そもそも、法人税の減税の前提としては、「企業収益の改善による利益創出」がある。そして、利益を出すためには、人件費を削る必要がある。(不況下では、ね。)というわけで、現実には、次のようになる。
 「企業は法人税減税というニンジンをぶら下げられて、いっそう利益創出にせいを出すようになる。そのために、売上高のアップよりは、目先の利益を出すために、人件費をいっそう削減する。つまり、賃下げをする」
 要するに、法人税減税による効果は、「賃下げ」圧力である。菅直人はまったく正反対の方向をめざしている。
( ※ ただし、菅直人が経済音痴だというよりは、池田信夫その他の経済学者が嘘ばかりを付くからだ。真相を語る経済学者は、少ない。誰かいるかな?)

 [ 付記 ]
 ついでに新聞社の社説を見よう。
 朝日はこの件で何も書いていない。
 読売もほぼ同様だが、財源としての高所得者課税について、こう論じている。
 今回の控除見直しは、子ども手当増額など、ばらまき政策のツケを高所得層に押し付けた形で、税制の抜本改革につながるものではない。公平な税負担を実現するためにも、消費税率引き上げなどに早急に取り組むべきであろう。
 日経は、例によって、「企業減税を歓迎」だ。どうも、政府の政策は、日経の見解に従って動いているようだ。そのせいで日本経済はどんどん悪化しているのかも。
 毎日は、かなりまともである。長文だが、引用しよう。
 責任ある決断だったと首相は胸を張れるだろうか。……財源を捻出する議論をもっと早く主導すべきだった。
 法人税率の変更だけでなく、暫定的な策として導入されながら結果として恒久化してしまったさまざまな企業向け優遇税制を見直したり、課税対象を広げることも併せて議論する必要がある。
 だが菅政権は、あえて法人税減税を先行させる選択をした。一方で多くの優遇税制は、企業の反発が根強いため存続させる。その結果、税減収の一部は、個人(高額所得者)が増税という形で穴埋めすることになりそうだ。
 菅首相は5%引き下げの理由について、「経済界がそのお金を国内投資や雇用拡大に使う」からだと説明している。しかし、5%減税で、設備投資が活発化したり、雇用や賃金が増えるというほど単純ではない。
 経済界にも注文したい。「国内外から投資を呼び込み、雇用を創出するために(法人税率の)引き下げは必要」と経団連などは減税を要求してきた。……経済界全体に、そうした攻めの精神(アニマル・スピリッツ)が欠如しているような気がしてならない。
 何事も政府頼みでは困る。経済活動を担っているのは他ならぬ民間企業なのだということを、行動で示してほしい。
 けっこういいこと書いていますね。「自由経済を」と唱えながら政府から金をぶんどることしか考えていないような「自由経済主義」あらため「エゴ主義」の連中ばかりが威張っているが、そういう無責任な連中にぴりっと辛いことを言う毎日社説は、結構偉い。
( ※ 毎日新聞は、トンデモマニアからは、すごく批判されている。このことからしても、毎日は偉いのかも。トンデモマニアの言うことは、たいていが間違いであるからだ。)
( ※ トンデモマニアというのは、要するに権力べったりのことだから、権力にすり寄るトンデモマニアと、アンチ権力の毎日とは、相性が悪いのだろう。)


● ニュースと感想  (12月16日b)

 ネットサービスを広告収入でまかなう、というビジネスモデルがある。これは成立するか?
  → Open ブログ 「ネットサービスと広告収入」


● ニュースと感想  (12月17日)

 Windows の起動を早くするには、Windows Update の履歴ファイルを削除するといいそうだ。これが起動を遅くする理由なので。
  → Open ブログ 「Windows の起動を早くする」


● ニュースと感想  (12月17日b)

 「無料(タダ)は素敵か?」について。
 無料(タダ)は素敵だ、と思っている人が多いようだが、「タダほど高いものはない」という言葉もある。こっちの方が妥当だろう。
 最近の例では、水嶋ヒロが文学賞を受賞して、賞金の 2000万円を辞退した、という話がある。これによってポプラ社は 2000万円を出さずに、タダで作品を得たように見えるが、そんなことはない。逆に言えば、水嶋ヒロは 2000万円を損したわけではない。
 ポプラ社の規定では、賞金は 2000万円だが、かわりに印税はポプラ社の言い値となり、かなり値切られるらしい。( → 規定
 おまけに、専属契約まで結ばされるということだから、タコ部屋みたいな扱いとなる。2000万円をもらって身分を売り渡すわけだ。それじゃ、割に合わないだろう。だから、水嶋ヒロは、2000万円を辞退して、自由な身を得た。そして印税として、約1億円ぐらい(すでに 68万部を売ったから)を得たわけだ。(業界標準)
 というわけで、「2000万円を辞退して、約1億円を得る」というふうにしたわけだ。「賞金代金を辞退して、賞金代金を無料にしたが、そのかわりに、約1億万円を得る」というわけだ。無料が約1億万円に化けたわけだ。……頭いいですね。おまけに世間はそれを誤解して、「水嶋ヒロは賞金の 2000万円を辞退した。けなげだ」と思ってくれる。二重にだましている。  (^^);
 こんなところにも、からくりがあるわけだ。世の中、単純ではない。「無料(タダ)は素敵だ」と思っている人は、金儲けをする人ではなくて、カモになる人だろう。

 [ 付記1 ]  なぜ水嶋ヒロは受賞できたか? その裏事情は、たぶん、次の通りだろう。
 担当者が応募者の略歴を見たら、「現職 タレント」というのを見て、「へえ。どんなタレントだ?」と思って、本名をネットで検索する。すると、水嶋ヒロの本名そっくり(1字省略)だとわかる。「もしかしてホントに水嶋ヒロ?」と思って、略歴を見ると、年齢や出身大学その他の略歴が水嶋ヒロとまったく同じだ。そこで、内容を見ることなく、「これを大賞の受賞作にする」と決めた。通常ならば選考委員が決めるのだが、ポプラ社の大賞にはどういうわけか選考委員がなくて、会社の社員が勝手に決めていいことになっている。こうして受賞が決まった。
 そのあとは、内容がバレるとまずいので、内容を必死に隠す。売れ残るとまずいので、買い取り制にして、売れ残りのリスクをなくす。また、優秀な編集者を後ろに付かせて、誤字・脱字だらけのメチャクチャな日本語を修正する。それでもひどい箇所は、編集者がたくさん朱筆を入れる。こうして、内容は空っぽでも、とにかく読めるレベルにまでは引き上げる。
 あとは売り逃げ。さっさと売って、さっさとずらかる。
 水嶋ヒロは本当に1億円をもらえるか? ポプラ社みたいな詐欺会社は、1億円を彼に渡さずに、インチキするかもね。

 [ 付記2 ]
  Amazon では、この本への酷評となる読者批評が、次々と消されているらしい。
  → 読者の報告
 私も「鍋敷き」というコメントが消えていたので、「どうしてかな?」と不思議に思ったのだが、そういう事情だったらしい。悪口がひどすぎると拒否されるようだ。
( ※ 消えたあとには残骸ページが表示されることもある。)


● ニュースと感想  (12月17日c)

 「Amazon の批評の削除」について。
 水嶋ヒロの著作に対して、読者からの酷評が続いているが、Amazon では、この本への酷評となる読者批評が、次々と消されているらしい、と前項で述べた。
 このことは、具体的に確認されている。
 2010-12-16 の昼間の時点で、レビュー数は 599件だったのに、2010-12-16 23:58 の時点では、425件にまで減っている。大幅に削減されている。
 ざっと見たところ、面白い酷評はすべて削除されているようだ。「作品は詰まらないが、読者のコメント(批評)が面白い」という趣旨の批評もあったが、そういう面白い状態は、もはや解消した。面白い批評はなく、詰まらない批評が多い。残念。保存しておけば良かった。  (^^);

 ただし、ひとつだけ、いいのが残っている。下記。
 「あまりの皆さんの酷評に読んで見ようと言う気になり購入しました
  人の意見は素直に聞くべきと教訓になりました」

 【 追記 】
 削除はどんどん続いているようだ。最大で 610件以上あったのだが、現時点では 383件となっている。追加分がさらにあったことも考えると、全体の半分ぐらいが削除されているようだ。

 ただし、面白い酷評を保存してあるページがあった。下記。
  → Amazon レビューの保存版(削除されたものが多い):2ちゃんねる
  → もう一つ

 ついでだが、一部の書店を除いて、この本はあまり売れていないという。
  → 大ヒットの裏で思わぬ誤算も

 文芸批評家による、深読みした評価もある。
 「これは水嶋ヒロと絢香の私小説として読むべきだ。そう思えば感動する」
 という話。まさしく深読み。
  → Togetter - 「中森明夫氏による『KAGEROU』の個人的な感想」


● ニュースと感想  (12月19日)

 前項の最後に 【 追記 】 を加筆しておいた。(水嶋ヒロの小説の話題。補足情報。)


● ニュースと感想  (12月19日b)

 (1)
 年賀状のための画像。ウサギの画像。ネット上で採集したもの。
 (今年はあまり良い画像が見つかりませんでした。)
  → Open ブログ 「年賀状の画像(兎)」

 (2)
 重い Firefox を軽くするアドオン。SQLite Optimizer という。
( ※ ネット上で見つけた情報。かなり前からある情報。)
 → Open ブログ 「Firefox を軽くする」

 (3)
 WindowsXP の終了を早くする方法。  Microsoft User Profile Hive Cleanup Service (UPHClean)  をインストールといい。
 ( ※ ネット上で見つけた情報。)
 → Open ブログ 「WindowsXP の終了を早くする」


● ニュースと感想  (12月20日)

 (1)
 ベルマークは、善意の行動であると見なされて、推奨されている。しかし、エコキャップと同様で、一種の詐欺であるとも言えるようだ。
  → Open ブログ 「ベルマーク詐欺」

 (2)
 日本政府(特に民主党)は、太陽光発電に熱中している。  一方、その間に、欧州企業は太陽熱発電に集中して、事業を成長させているという。
  → Open ブログ 「太陽熱発電」


● ニュースと感想  (12月21日)

 「低賃金による敗北」について。
 朝日に興味深い記事があった。(朝刊 2010-12-20 )
 中国市場では、有能な人材が不足しており、給与が高騰している。しかるに日本企業は給与が低く、残業が多いため、有能な人材が次々と流出している(ヘッドハンティングされて、欧米系の企業に流れる)。優れた研修システムで、新人を有能に育成するのに、育成したあとは、欧米系の企業に奪われてしまう。日本企業は、有能な人材を保持できない。爆発的に成長する中国市場で、トップレベルの経営層の人材を維持できない。そのせいで、市場における自社のシェアそのものを失いつつある。
 そういう話。
 その理由は何か? 「人件費を削る」ということだ。日本国内でも人件費を削ることばかりを考えているが、急成長する中国でも同様のことを考える。そのせいで、優秀な自在を流出させ(あるいは最初から入社してもらえず)、自社のシェアそのものを失う。小金を惜しんで、大金を失う。馬鹿丸出しですね

 ここで、ひるがえって、日本の「法人税減税」という話題を考えよう。
 どうせ企業に減税をするのなら、成長のために努力している企業に、多く減税をすればいい。そのためには? 人件費に金を投入している企業に、多く減税をすればいい。具体的には、次のような会社だ。
  ・ 正社員率が高い(派遣社員率が低い)
  ・ 女性・高齢者・障碍者などの社員率が高い
  ・ 育休取得率・生理休暇取得率が高い
 例としては、日本IBMが該当する。女性社員の比率の高いデパートや女性下着メーカーも該当する。一方、大量の女性パートを採用しているスーパーは該当しない。(女性であっても低賃金のパートでは駄目だ。)
 こういう条件を満たす企業に限って、法人税の減税を実施すれば、日本もいくらかまともになったはずだが。……日本政府は駄目ですね。日本企業も駄目。だから中国でどんどん負けていく。頭の構造が根本的に「社員を奴隷にしよう」という発想だからだ。負けて当然。

 [ 付記 ]
 池田信夫みたいに「若者を優遇して、高齢者を虐待せよ」何てことばかり考えていると、日本はどんどん衰退する。若者が冷遇されているのは、企業が理由ではなくて、日本経済の規模そのものがマクロ的に縮小していることが理由だ。物事との根本理由を見失っているから、病気を治す根本的な治療ができない。
 比喩的に言うと、池田信夫の発想は、「興奮剤や精力剤で活気づけよ」という発想だ。あるいは、「風邪のときには解熱剤で生産性を上げよ」という発想だ。そういう発想では、無理をして一時的に生産性を上げることができても、体力を損なうので、結局は息切れして破滅してしまう。一時的な向上と、長期的な破滅だ。
 正しくは? 今の日本経済は、栄養失調の状態にある。だからきちんと栄養をとらえればいい。そのためには一時的に借金して、十分な食事をとって、それからせっせと働けばいい。これが正解だ。物事の真実を知れば、正しい対処も取れる。


● ニュースと感想  (12月21日b)

 「水嶋ヒロの裏話」について。
 水嶋ヒロの著作が「ひどい」と話題になっているが、その裏にはとんでもない事情があった。
 週刊ポストの報道によると、水嶋ヒロの側が関係者に相談して、関係者が著作を売り込んで、ポプラ社と手を結んで大々的なキャンペーンをすることにしたそうだ。そのためにポプラ社の文学賞を利用したらしい。
 しかしまあ、そういう事情は、それなりにおもしろいが、ここでは話題としない。(詐欺的ではあるが、週刊ポストの丸写しをしても仕方ない。)

 水嶋ヒロはどうして作家に転業しようとしたのか? もともと俳優として売れっ子なのだから、作家なんかに転業して失敗することもないのに。……と思ったら、さにあらず。
 実は全然売れっ子ではないそうだ。2010年の仕事は皆無である。というのも、絢香と結婚したあと、事務所から干されて、仕事がまったく来ないからだ。
 ではどうして、仕事が来ないのか? 「同じ事務所の絢香と結婚したから、店の商品に手を付けたとして、事務所が激怒して、水嶋ヒロを干してしまった」ということらしい。
  → 出典
 ただし、ペナルティを与えるにしても、いかにもやりすぎである。どうしてこれほどひどい仕打ちをするのか? だいたい、売れっ子の二人を干してしまったら、事務所だって損をする。怒りのあまり、損をするというのは、滅茶苦茶だ。
 ここで、事務所である「研音」という会社についてネットで検索してみたら、意外なことがわかった。この会社は、業界でも大手だが、社長は二代目のボンボンだという。これがやたらと怒りっぽいワンマンであるらしい。絢香との結婚で、事務所が怒ったというより、社長が怒ったらしい。その感情にまかせて、水嶋ヒロと絢香をともにクビにしてしまったようだ。
 彼はやたらと怒りっぽくて、恨みや攻撃もひどいようだ。そのせいで、鬱病になって自殺してしまった社長もいるという。(噂や推測を含む。しかし本当っぽい。)
  → 出典

 というわけで、水嶋ヒロが著作をするしかないのは、俳優業を失業状態になってしまったからであり、その理由となったのは、独裁的なワンマン社長の激怒であったらしい。
 ここで私が想像をたくましくすれば、このワンマン社長は絢香の熱烈なファンだったのだ。彼の大好きな絢香を、不細工な彼とは対照的なイケメンの水嶋ヒロが奪い取ってしまったから、不細工でちんくしゃな彼は、激怒してしまったのだ。
 「僕の大好きな絢香を奪いやがって! しかも、もう結婚しているだと? あんなこともして、あんなこともしているのか! くそ! 絶対に許さん!」
 かくて、彼の怒りが理由となって、水嶋ヒロは小説を書くしかなくなった。こうして、「主人公が自殺願望となる」という小説ができた。

 世間では、「イケメンで、運動能力抜群で、俳優としても大成功」と思われている水嶋ヒロだが、実状は人も羨む状況であるどころか、「 20代で早くも引退せざるを得なくなり、自殺願望にとらわれた、売れない俳優」という状況であったわけだ。

 結論。
 日本の芸能界は奇々怪々なり。事務所が怒り狂うと、売れっ子さえも売れなくなる。その事務所が怖くて、他の事務所も手を出せず、売れっ子が自殺願望にとらわれる。「東方神起の解雇」騒動の日本版か。(どちらも事務所の横暴が理由。歌手・俳優は奴隷扱い。)

( ※ なお、最近では、俳優の個人行動に最大限の自由を与える事務所が出てきた。スターダストプロモーションという会社。設立してから短期間のうちに、非常に多くの芸能人を傘下に収める。信じられないほどの急成長。それというのも、他の事務所が奴隷扱いしているのに、この会社は芸能人をとても厚遇するからだ。「結婚も交際もどうぞご自由に」という立場。手数料の徴収も明朗会計で、他の事務所のように大半をピンハネすることもない。水嶋ヒロもこの会社に入れば、復活できるかも。一方、今のように個人事務所では、まず無理ですね。)

 [ 付記 ]
 よく考えると、水嶋ヒロは馬鹿なことをしたものだ。絢香は結婚後、まもなく体調悪化のため、歌手としての業務ができなくなった。プロモーションは全部停止し、コンサートもキャンセルし、紅白歌合戦に出たことが唯一の活動だった。(らしい。)
 とすれば、水嶋ヒロは、結婚を1年ぐらい待てば良かった。その状態で、絢香は引退扱いとなって、その後に、「引退した絢香と結婚」という形にすれば良かった。それならば、ワンマン社長の怒りを買うこともなかっただろう。……「店の商品に手を付ける」という形で結婚の強行突破をするなんて、あまりにも愚かであった。ある意味、自業自得と言えなくもない。(いくらかは。)
 こうなると、俳優としては失業状態となったまま、著作の第二弾を書くしかないかも。ファンは下手な小説を何度も読まされるハメになるのか。


● ニュースと感想  (12月22日)

 「水嶋ヒロに転身のお勧め」について。
 水嶋ヒロと絢香は四面楚歌状態らしい。
  → 週刊ポスト週刊ポスト女性セブンから
 そこで、私が救いの手を述べよう。
 一つは、NHK への無償出演だ。NHK ならば、容易に出演が可能だろう。たとえば、英語番組。NHK はどうせ出演料を払えないのだし、お金持ちの水嶋ヒロならば無償出演も可能だ。それで名前を売れば、あとはCM出演で金を得られる。(そもそもすでに一生分の金を稼いでいるから、金は入らなくても大丈夫だが。おまけに絢香は歌が売れて、大金持ちだ。)
 もう一つは、政治家への転身だ。25歳以上で市長選に立候補できる。政治家に転身して、名前を売れば、テレビのバラエティにも出演できるし、そのうちドラマにも出演できるようになる。
 田中康夫や石原慎太郎と、似たようなものだ。下手な小説家は、政治家になるのが手っ取り早い。うまく行けば、そのまんま東か、青島か、横山ノックだ。……なお、知事選は、年齢制限が厳しくて、若い水嶋ヒロには無理。しかし市長選ならば、立候補できる。来年春には統一地方選があるから、札幌や静岡の市長選に立候補できる。

 ま、何はともあれ、小説家だけはやめてほしい。詐欺同然ですからね。  (^^);


● ニュースと感想  (12月22日b)

 「JR宝塚線の裁判」について。
 JR宝塚線(福知山線)脱線事故で、検察側が起訴理由を述べた。「ATS整備をすれば事故を防げたのに、そうしなかったから事故が起こった」という趣旨。
 これは全然理屈になっていない。これが起訴理由であるならば、被告は無罪となるしかない。
 だいたい、そんな理屈が成立するなら、自動車だって日産やスバルの衝突防止装置の設置が全車に対して義務づけとなる。しかしコスト的に高額だから、それは無理だ。そもそも、事故の発生に対して、「事故防止装置を付けなかったから」というのは、事故を起こした本質から目をそらせることになる。てんで見当違いだ。
 今回の事故の原因は、ATS を付けなかったことではない。列車がものすごい高速で突っ走ったことだ。その理由は、「ダイヤに遅れを出したら運転手を厳罰で処罰する」という経営方針だ。この経営方針こそが事故の理由であった。運転手は、自分のミスで、停車をミスったので、ダイヤに遅れを出した。その遅れがあると、あとでものすごく処罰される。それが怖いので、遅れを回復するために、ものすごい高速で突っ走った。かくてカーブを曲がりきれずに脱線した。
 ここでは、ATS があれば事故を防げたとしても、ATS は事故の直接原因ではない。社員の小さなミスに対して厳罰で処罰するという非人情的な経営方針に理由がある。
 だいたい、ATS がないから経営者が起訴されるということであれば、田舎の小さな鉄道はみんな経営者が起訴されてしまうし、バス会社だって日産やスバルの衝突防止装置を付けていないという理由で起訴されてしまう。
 検察は本質を間違えている。事故の理由は、社長の経営方針だ。責任は社長にある。ただしその理由は、ATS を設置しなかったことではなく、「ダイヤの遅れに対して厳罰で処罰する」という経営方針だ。一種の「成果主義」ですね。
 この事故が起こったころは、世の中に「成果主義」があふれており、「成果主義を導入すれば業績が向上する」という風潮があった。社員には何の権限も与えず、結果だけを社員のせいにする、というふうに、経営責任を放り出す。経営者であれば、ATS を設置するというふうな経営責任を果たすべきだったのに、逆に「能力主義にして厳しく処罰すればダイヤが守られる」というデタラメさ。
 こういうデタラメな経営が理由であったのだ。何か良いものがなかったことが事故の理由ではなくて、何か悪いものがあったことが事故の理由なのだ。……そして、この本質を見失ったまま起訴するのでは、被告は無罪となるしかないだろう。
 かくて悪は世にのさばる。


● ニュースと感想  (12月22日c)

 電子書籍はもはや参入者が過剰である。今さらこの市場に入っても、ちょっと手遅れかもしれない。
  → Open ブログ 「電子書籍の現在」


● ニュースと感想  (12月23日)

 消費者庁は、こんにゃくゼリーの危険性を指摘し、自主規制の基準を示した。喉に詰まらないような形状にするべし、という指針。
 → Open ブログ 「こんにゃくゼリーの危険度 2」


● ニュースと感想  (12月23日b)

 「参院選挙制度の改革案」について。
 参院選挙制度の改革案が俎上に上っている。各党が案を出して、ああだこうだと論じている。民主党の案は、ブロック制だが、これについては前に批判した。
  → 12月03日  その趣旨は、「ブロック制は、大選挙区にすぎない」ということ。選挙区制度そのものには死票は内在しないが、選挙対策の仕方しだいで死票がたくさん出る。大政党が候補を乱立させたあとで、票が減ると、全滅する。逆に、小政党が候補を絞ったあとで、票が伸びると、当選者が増えない。いずれにしても、多数の票が無駄になる。
 では、どうするべきか? 「比例制」が最善のように見えるが、これは小党乱立を招きやすく、必然的に「政治の不安定」を招く。社民党や国民新党が民主党を振り回したことがあったが、それが恒常的に続く。「多数決」とは逆の「少数決」みたいになる。これでは「民主主義」の基本原理に反する。
 私としては、次の案を提案したい。
 「小選挙区と比例区(全国一括)との並存。ただし、比例区の票は、可変的にして、1票の重みを均等にする」
 たとえば、島根県や鳥取県に近い山口県では、現状では1票の価値が重い。ここでは、地方区の票は現状通りとするが、比例区の票の価値を軽くする。たとえば、1票の重みを 0.1 にする。山口県全体では 10万票を取った政党は、重みづけをされて、1万というポイントしか得られない。一方、大阪市では、1票の重みを 3.0 にする。大阪市で 10万票を取った政党は、重みづけをされて、30万というポイントを得る。こうして各政党の取ったポイント数に応じて、ドント式で分配して、比例区の議席数を決める。
 結果的に、山口県の住民は、地方区の議席は過剰に得ているが、比例区の議席は過少に得るので、両者の総合では、適切になる。大阪市の住民は、その逆だ。
 このように、地方区の票の重みと、比例区の票の重みを、可変的にすることで、それぞれの地方の「票の重み」は、地方区と比例区の合算では適切になる。

 [ 付記 ]
 前には、別の案も示した。議員が投票するときの1票の価値を可変的にする、という案。たとえば、議員1人の(国会での議決の際の)票に、「半票」とか、「0.357 票」とかの端数票とかを認める。端数票の場合、合算は電子投票で自動計算される。半票の場合は、半票の札(ふだ)を配る。


● ニュースと感想  (12月24日)

 「参院選挙制度の改革案:修正」について。
 前項で述べたことは間違いだったので、修正する。
 参院選挙制度の改革案で、民主党の案はブロック制だが、「大選挙区」ではなくて、「非拘束名簿式の比例区」だという。その旨、修正する。
 新たに論評を加えるなら、こうだ。
 「あまりにもの馬鹿馬鹿しさに、口あんぐり。絶対に実現しない方式を提案するなんて、イカレているとしか思えない」
 「非拘束名簿式の比例区」を部分的に採用するなら、わかる。衆院はそうだ。しかし全部をそれにしたら、大政党は大損だ。群小政党ばかりが得をする。そんな選挙制度が成立するはずがない。
 絶対に実現しない方式を提案するというのは、選挙制度改革をつぶそうという魂胆か? あるいは、ただの時間稼ぎで、現制度を維持したいのか? しかし、それなら、民主党があえて損をする制度というのも馬鹿げている。
  → 選挙制度改革:参院「比例9ブロック」議長案 難航必至 (毎日新聞)
 首をひねったところ、ようやくわかった。提案者が、ネズミ男だ。こいつはいつも馬鹿げたことばかりを主張する。今回もまた、その一例だろう。国会を混乱させて、滅茶苦茶にしたいだけだ。「うる星やつら」の最後と同じで、ドタバタ劇をやりたいだけだろう。おちゃらけ。

 [ 付記 ]
 読売の社説は、この西岡案を歓迎している。
  → 読売の社説
 しかし、こんな小党乱立の選挙制度が実現したら、日本は滅茶苦茶になる。社民党みたいなのがキャスティング・ボートを握って、のさばることになる。最悪。
 どうしても比例区を原則とするのであれば、安定化のための方策を、別途、取る必要がある。たとえば、「首相指名議員」という制度だ。
 詳しくは下記。
  → 南堂私案
 簡単な解説は、下記。
  → 紹介ブログ
 このブログでは、小党乱立のあげく、政治が破滅したいった、イスラエルの例が紹介されている。日本もそうなるのかな?


● ニュースと感想  (12月24日b)

 デニソワ人( Denisova hominin )について、続報が出た。DNA の全情報を解析した結果、デニソワ人は、ネアンデルタール人に近い姉妹グループと判明したそうだ。
  → Open ブログ 「デニソワ人・続報」


● ニュースと感想  (12月25日)

 「小沢はまた壊すか?」について。
 次の記事がある。
  → 連合会長 党分裂の事態避けて
 しかし、「党分裂の事態避けて」と言っても、小沢のことだから、またやるかもしれない。これまで彼は何度も壊してきた。特に記憶に起こるのは細川政権をたったの半年で壊したことだ。それに比べれば、今回は1年は持っている。とはいえ、そろそろまた彼の性癖が出てもおかしくない。
 今のところは分裂は起こりそうにないが、1年前には「分裂」なんてまったく予想できない状態だったのだ。それが今では十分に予想される状態になっている。
 とすれば、このあと党分裂の事態になっても、ちっともおかしくない。私としては、一応、そういう予想が立つということを示しておこう。

 ちなみに、同様のことは、前にも述べた。
 「小沢は壊し屋だから、民主党は分裂する」( → 2009年9月04日b


● ニュースと感想  (12月25日b)

 「円高の意味」について。
 「円高は日本経済にとって不利だ、だから円安に誘導せよ」
 という見解をしばしば見る。しかし、その本質を理解していない人が多いようだ。
 なるほど、円高は輸出産業に不利だし、円安は輸出産業に有利だ。それは事実だ。では、なぜそうなのか? ただの通貨レートの変更が富を生み出すのか? まさか。
 円安が輸出産業に有利になっても、輸入原材料の国際価格(鉄鉱石や石油などの国際価格)は、何も変わらない。円表示で高くなろうが低くなろうが、実際のコストは何も変わらない。では何が変わるか? 賃金コストだ。たとえば、10%の円安になれば、賃金コストが 10%下がることになる。(国際価格表示で変わる。ただし円表示では変わらない。)
 だから、「円安にせよ」というのは、「日本人全体の賃金コストを下げよ」というのと同じである。そうすれば、日本企業の賃金コストは下がり、日本企業にとっては賃金コストの低い途上国に移転したのと似た効果が生じる。
 これが「円安は輸出企業にとって有利」ということの意味だ。

 だったら、いちいち「円安にせよ」と言わなくても、「国民の賃金をいっせいに 10%引き下げよ」(賃下げせよ)と主張すればいいのだ。もう少し正確に言えば、「輸出企業の労働者に限って 10%の賃下げをせよ」と唱えればいいのだ。そうすれば、円安にしたのと、同様の効果が生じる。たとえば、トヨタや日産やキヤノンやソニーの労働者に対して、「それらの輸出企業では賃金をいっせいに 10%引き下げよ。そうすれば輸出企業にとって有利だ」と言えばいいのだ。

 馬鹿げているか? もちろん、馬鹿げている。しかし、「円安にすれば日本企業にとって有利だ」というのは、そういう馬鹿げた説と等価なのだ。「賃金を下げれば輸出企業にとって有利だ」というのは事実だが、だからといって「そのために賃金を下げよ」というのでは、経済というものを本質的に誤認していることになる。なぜなら、経済活動というのは、高い所得(賃金)を得るためになすものだからだ。
 「円安にすれば輸出企業にとって有利だ」
 という主張は、
 「賃金をゼロにして奴隷労働にすれば輸出企業にとって有利だ」
 というのと同じ発想だ。しかしそれは、経済活動というものの本質を見誤っている。経済活動とは、輸出企業を活発にするためになすものではない。人間が幸福になるためにある。その本質を見失って、「賃下げをすれば輸出企業にとって有利だ」と思うのは、本末転倒というものだ。

 [ 付記 ]
 「賃下げをすればいい」という発想を取ると、どうなるか? 待遇に不満を覚えた優秀な人々が、外国貴重に逃げ出してしまう。たとえば、次の記事がある。
 「ソニーの優秀な日本人技術者がチームごと、ごっそりサムスンに引き抜かれました」
( → サーチナ
 待遇のよくないソニーから、待遇のいいサムスンへと、優秀な技術者が流れてしまう。(ま、技術を横流しさせるのが、サムスンの狙いだろうが。それにしてもね。……ソニーの場合は、賃金が低いからというよりは、サムスンの待遇が良すぎたのだろうが。)


● ニュースと感想  (12月26日)

 (1)
 Yahoo の検索エンジンが Google と共通化されたあと、本サイトに検索でやってくる来訪者が倍増した。(どうでもいい話だが。)
  → Open ブログ 「Google と Yahoo」

 (2)
 LED 交通信号は、点々状の光となっている。蜂の巣のように。これは気持ち悪い。改めてほしい。
  → Open ブログ 「LED 交通信号の点々」


● ニュースと感想  (12月27日)

 (1)
 昨年話題になった富士通のスパコンが輸出されるそうだ。
  → Open ブログ 「スパコン輸出」

 (2)
 ウサギ年が近いが、詐欺に注意。  インフルエンザ以上に猛威をふるって流行っているのが、(前にも示した)詐欺ソフトだ。
  → Open ブログ 「ウサギ と サギ」

 (3)
 ブラウザの Google Chrome で Adblock Plus が使えるようになったそうだ。
  → Open ブログ 「Chrome で Adblock Plus」


● ニュースと感想  (12月28日)

 (1)
 虹の画像を一つ紹介する。(それだけ。)
  → 虹の画像

 (2)
 能率的な学習の方法。他のサイトの紹介。
  → nando ブログ 「学習の方法」


● ニュースと感想  (12月28日b)

 「太宰府の事故」について。
 太宰府で7名死亡の事故があったが、ニュースでは、原因は解明されていないようだ。しかし2ちゃんねるでは、昨日のかなり早い段階から、原因はこうらしいと解明されている。
マーチが横から出てきただけではワゴンの右後方タイヤ部には衝突しないからね。 マーチが右の側道から出てきた。 ワゴンがそれをよけようとブレーキを踏みながらハンドルを左に切った。 ワゴンは当然、テールスライドする。 この条件を満たすのが ワゴンの速度超過、定員オーバー(重量過多) そしてどちらかの信号無視(しかしマーチは地元でしかも信号は半感応式だから マーチは青だった可能性が高い) それを裏付けるのがそのまんま池まで飛んでいって 歩行者用ガードレールを10メートルもなぎ倒して落ちた状況かな。 その手前には段差がある植え込みまであるのに止まってない。 つまり、マーチは事故に巻き込まれた被害者。
( → 2ちゃんねる
 つまり、こうだ。
 定員超過で9名を乗せたオデッセイが直進していた。農業高校の若い女性がはしゃぎまくっていた。前方で赤信号になったが、それに気づかなかったか、無視した。
 横からマーチが青信号で発進して、赤信号無視のオデッセイと、交差点で衝突。マーチの前部が、オデッセイの右側面にぶつかった。マーチはあまりスピードを出していないので、破壊の程度は低かった。そのまま後ろの駐車場に戻り、そこに駐車したあと、運転手は外に出た。
 オデッセイは右から衝撃を受けて、左の池に沈没している。マーチの運転手は「大変だ!」と思って池に飛び込むが、氷が水のように冷たいので、体が動かなくなり、水死。彼は婚約者のところに行く途中だったのに、人助けをしようと思ったばかりに、26歳の若さで死亡。
 ……以上が合理的な推察。私もだいたいこのような線だろうと推察していたので、推理はだいたい一致するようだ。


● ニュースと感想  (12月29日)

 (1)
 Amazon では本を割引してくれる。ベストセラーが対象で、ポイント 10% 還元。つまり、1割引。 (期間限定)
  → Open ブログ 「Amazon で本の割引」

 (2)
 「これを読んで成功する」という趣旨の自己啓発本は、いろいろあるが、けっこう有益な本もときどき見つかる。評判のいいものを、いくつか紹介する。
  → 書評 ブログ 「自己啓発本」


● ニュースと感想  (12月29日b)

 人気の液晶テレビを激安価格(千円以下)で落札できる……という触れ込みの詐欺。そんなのに引っかかる方がどうかしていると思うが、被害が続出。
  → Open ブログ 「オークション詐欺(ペニーオークション)」


● ニュースと感想  (12月31日)

 中国がステルス機を開発中。殲20 という名称で、米軍の F-22 に似たデザイン。相当に先進的なデザインだ。日本の心神なんかより、はるかに優れているかも。
  → Open ブログ 「中国のステルス機 殲20」





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