[付録] ニュースと感想 (153)

[ 2011.6.30 〜 2010.8.28 ]   

  《 ※ これ以前の分は、下記のページで 》


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      12月11日 〜 12月27日
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       4月19日 〜 6月29日
         6月30日 〜 8月28日







● ニュースと感想  (6月30日)

 (1)
 太陽光発電は、今はともかく、長期的にはどうか? 普及するだろうか?  私の考えでは、シリコン型では無理だろう。普及のためには、「シリコン型以外で、大幅な技術革新があれば」という条件が必要だろう。
  → Open ブログ: 太陽光発電は長期的には?

 (2)
 太陽光発電は増やすべきでないのだが、風力発電は増やせる。  自然エネルギー発電をめざすなら、風力がお勧めだ。
  → Open ブログ: 風力発電は増やせる

 (3)
 前項 の 補説となる話。朝日新聞と池田信夫の悪口。(特に読まなくてもよい。)
  → Open ブログ: 前項の補説


● ニュースと感想  (6月30日b)

 「国旗・国歌への起立」について。
 橋下府知事は「起立」を要望しているようだが、こんなことで騒ぎ立てるのは馬鹿馬鹿しい。次のようにすれば簡単に解決が付く。
  ・ 国歌斉唱については、口パクを認める。
  ・ 起立については、退席を認める。

 特に、退席が重要だ。というのは、「起立しない」というのは、不敬罪みたいに見えるから、許しがたく見えるからだ。その場合、「着席」のかわりに「退席」を認めれば、何も問題はない。まさか「首に縄をつけて強制的に引っ張り出す」ということはするまい。(そこまでやれば横暴だ。)
 下らないことで対立するより、上手に妥協点を見つけることが賢明だ。その意味で、橋下府知事は、まだ青臭い政治家だ。(過去の経歴がゼロ同然だから仕方ないかも。……ただ、本人に自覚がないのが、致命的。)


● ニュースと感想  (6月30日c)

 「夏バテ対策」について。
 29日は、くそ暑かった。そこで、夏バテ対策を……と思ったが、すでに Open ブログに書いてあったはずなので、そこを検索するだけで、簡単に見つかった。下記だ。
 → Open ブログ: 夏バテ防止法2
 → Open ブログ: 猛暑対策
 → Open ブログ: 水割りジュース
 → Open ブログ: 夏バテ防止法

 さっそく 29日の夜に実行したところ、バテバテでだるかったのが、頭すっきりとなって、体に力がみなぎった。効果抜群。

 [ 付記 ]
 だるいのは、水分不足で血圧が低くなっているから。水を飲んだ直後には無効だが、しばらくして、水分が体内に取り込まれると、体調が良くなる。
 クーラーを効かせているならともかく、クーラーを効かせていないなら、水分がどんどん蒸発しているので、それを補給すればいい。……そういう原理。
 そのあとで、クーラーの効いた部屋に入ると、血圧が急上昇して、頭すっきりとなる。そこで仕事でも何でもできる。


● ニュースと感想  (6月30日d)

 「パンの値上げ」について。
 7月1日から、パンが平均5% 値上げされる。
  → パンなど来月に数百品目値上げ
 その前に、買いだめしておくといいですよ。冷蔵庫に入れておけば、日持ちします。
 急いでお店に Go! (スパゲッティやラーメン類も買いだめするといい。)


● ニュースと感想  (7月01日)

 (1)
 大停電を防ぐには、どうすればいいか? 電力の消費量を下げるために節電すればいいか? いや、電力消費の消費の急変動を防げばいい。(微分値が大事。)
  → Open ブログ: 橋下府知事の錯覚(エアコン節電論)

 (2)
 橋下府知事の「エアコンを切って節電を」という方針は、錯覚にもとづく。  その錯覚を示す。
  → Open ブログ: 大停電を防ぐには


● ニュースと感想  (7月06日)

 「平野復興相」について。
 さんざん話題になった松本復興相の後任に、平野達男が就いた。どんな人物かと思って経歴や主張を調べた。
  → 公式サイト
 なかなか優れた人物だ。傑出しているというわけではないが、政治家としての水準を楽々とクリアしている。東大農学部出身の官僚で、農業政策の専門家らしいが、一般問題についてもよく勉強している。特に「マクロ経済」という用語が出てくるのには、びっくりした。経済学を語るときに「マクロ経済」という用語を使う政治家には、ほとんどお目にかかったことはない。小泉ふうに「市場原理」というふうに語る政治家が大半だからだ。(池田信夫もその仲間か。)
 一般的に「市場原理」を語る人は経済学音痴で、「マクロ経済学」を語る人は経済に精通している。その意味では、この平野という人は、政治家のなかでは珍しく経済学を理解している。
 彼の政策を見てみたが、特に難点というようなものは見つからなかった。たいていの政治家の主張が難点だらけなのに比べると、とても良い。
 学歴の点でも、菅直人が東工大、小沢一郎が慶應大、前原が京都大(京都教育大附属高等学校)なのに比べて、東大農学部・理科二類(岩手県立水上高校)というのは、異彩を放っている。京都教育大附属高等学校の出身というのは、傑出した天才タイプか、早熟タイプの頭打ちタイプかのどちらかが多いが、前原は後者かもしれない。悪くはないが、顔に比べると頭は追いついていない。
 それに比べると、岩手県立水上高校というのは、ど田舎の高校だ。東大合格者が出るのが話題になる田舎の秀才高校。こういうところから東大に入学するのはとても大変だと言うことはわかる。その意味では、地頭が優れている、と評価して良さそうだ。
 ずっと官僚で、年を食ってから政治家に転身したので、政治家としての経歴は浅い。しかし、なかなか見所のある政治家だと思う。就任に当たっても、こう語った。
 菅首相からの就任要請を受け入れた直後、平野副大臣は「自分なりに、これから何をやらなくてはいけないかについては見えていますので、被災者の、被災地域のご意見も聞きながら、関係者の意見も聞きながら、一日も早い復興に取り組めるような環境作りを急ぎたいと思う」と述べ、今後の復興政策では、被災地の意見を重視する考えを強調した。
( → 日テレ
 なかなか良い抱負だと思う。やるべきことがわかっていない前大臣に比べて、かなり有能そうだ。
 この人がこれまで要職に就けなかったのは、政治経歴が浅いせいだろう。能力的には、かなり優秀だと思える。普通ならば、こんな政治家2年生の新人みたいな議員が、大臣になることはありえないのだが、異例の状況において、新人みたいな状態でありながら、副大臣から一挙に昇格した。これは結構、好ましいことだ。
 この人が獅子奮迅の働きを見せれば、菅直人も生き延びるかも。……というのは、期待のしすぎか。それでも、この人は次期内閣でも、続投して、結構頑張りそうな気がする。
 意外なところに、意外な人材がいたものだ。民主党という枠内では、今回の人選はベストに近いかもしれない。(少なくとも前原や仙谷や亀井よりは適任だろう。)

 私の評価としては、「災い転じて福となす」「雨降って地固まる」というところか。松本という最悪の人選を取ったことで、防災相と復興相という二つを一挙に最善の人物に交換できた。すべての黒が一挙に白になるオセロみたいだ。  (^^); 

 [ 余談 ]
 ま、最善の人選は、を復興相に任命することだが。  (^^);
 それはありえないので、現実には、今回の人選がベストに近いようだ。
 実を言うと、私は、「民間人から選べばいいのに」と思っていたのだが、それはさすがに無理そうだから、新人から選んだのだろう。その意味では、ベストではなくても次善に近い。常識的な範囲内では、ベストとも言える。
 野田財務相や前原だったら、こういう人選は無理だったかも。

 [ 付記 ]
 ただ、実際にどうなるかは、未来のことなので、正確には予測が付かない。私は少ない情報から「ベスト」「次善」というふうに表現したが、実際にどうなるかは、神のみぞ知る。このあとについては、注意深く見守っておこう。
 とりあえず、今回の人選については、私としては好もしく評価しておく。(知りうる範囲内の情報からは。)

 [ 参考 ]
 辞任した松本復興相は、すごい利権政治家だ、という情報。
  → 2ちゃんねる の複写


● ニュースと感想  (7月07日)

 「夏の電力不足は起こらない」と私は前から述べていた。それはもはや確定したと言えるだろう。(東電管内で。)
  → Open ブログ 「電力不足は起こらない」


● ニュースと感想  (7月08日)

 (1)
 電力使用制限令は馬鹿げている。なぜなら、そこには「ピーク電力」という概念がないからだ。
  → Open ブログ: 電力使用制限令は見当違い

 (2)
 法人税減税(などの大企業優遇税制)について、クルーグマンが語っている。それを紹介しよう。
  → nando ブログ 「法人税減税とクルーグマン」


● ニュースと感想  (7月09日)

 (1)
 原発の再稼働を巡って、菅直人が迷走している。(ストレステストなど)  これをもって「無能だ!」と批判する声がある。しかしよく見ると、そう批判している人自身もまた無能である。誰もが正解を得ていないのだ。
  → Open ブログ: 菅直人は無能か 2(原発再稼働)

 (2)
 菅直人は無能か? ある意味では、「無能だ」と言える。それは、「マネジメント」の面だ。
  → Open ブログ: もし菅直人がドラッカーの「マネジメント」を読んだら

 (3)
 菅直人がことさら無能に見えるとしたら、それは、菅直人がことさら馬鹿だからではなくて、菅直人は歴史上かつてない大災害に直面したからだ。
  → Open ブログ: 菅直人は無能か 3(補足)


● ニュースと感想  (7月10日)

 菅直人首相が退陣の条件としている 再生エネ法案(再生可能エネルギー特別措置法案) が、成立の芽が出てきた。これをどう評価するべきか? 
  → Open ブログ: 再生エネ法案の是非


● ニュースと感想  (7月11日)

 (1)
 微量放射線は、たいして騒ぐほどのことはない、とわかっている。なのにことさら騒ぎ立てる新聞がある。朝日新聞( 2011-07-10 )がそうだ。だまされてはいけない。
  → Open ブログ: 微量放射線と過剰報道

 (2)
 ( 前項の続き ) 微量放射線は乳幼児に対して、どれだけの影響があるだろうか?  「少しであれ、危険なものは危険だから、放射線の影響をできるだけ減らすべきだ」  という見解もあるが。
  → Open ブログ: 微量放射線と乳幼児

 (3)
 橋下府知事の核心は何か? 数字のつじつま合わせだ。財政の数字でも、節電の数字でも、それは当てはまる。
  → Open ブログ: 橋下府知事の功罪


● ニュースと感想  (7月12日)

 (1)
 7月11日は、今夏の電力需要が最大になった。(東電管内で)  これをもって「今後は予断がならない」と危険視する声もあるが、実は電力はたっぷりと余っている。
  → Open ブログ: 電力不足は起こらない 2

 (2)
 洗濯しても変な臭いが出るときにはどうするか? うまい解決策がなかったらしいが、解決する洗剤が新発売される。
  → Open ブログ: 洗濯が臭わない洗剤


● ニュースと感想  (7月12日b)

 「英語版アンサイクロペディア」について。
 英語版アンサイクロペディアの「Japan」の項目が面白い。
  → Japan - Uncyclopedia

 一部は2ちゃんねるで話題になった。
  → 英語版アンサイクロペディアの「Japan」の記事ワロスw


● ニュースと感想  (7月13日)

 6月25日に、復興会議の提言がなされた。遅ればせではあるが、評価しよう。  「思ったよりもずっと良くできました。90点」という高評価になる。
  → Open ブログ: 復興会議の提言(その核心)


● ニュースと感想  (7月13日)

 「ダ・ビンチの新作品」について。
 ダ・ビンチの未知の作品が現れたという。どうも報道が錯綜しているのだが、次のページに探究した人のまとめがある。
  → Salvator Mundi (世の救い主)

 三つの画像があるが、私としては、どれも認めることができない。
 1番目は平凡すぎて、特に価値はない。
 2番目は構図も何も滅茶苦茶で、絵画になっていない。何らかの合成画像だろう。
 3番目は、ダ・ビンチだと言われればそんな気もするが、ダ・ビンチの癖はあっても、独特の芸術性は認められない。右手と左手は素晴らしいが、顔の部分は元の絵画がすっかり損なわれてしまった、としか思えない。要するに、修復しても、再現がまともにできていない。ただの退色ならば、元の作品がすっかり損なわれるということはないが、今回の絵画では、元の作品がすっかり損なわれていると思った方がいい。ダ・ビンチの水準には達しておらず、修復者の水準にしかなっていない。
 価値としては、芸術的な価値はなく、骨董品としての価値しかない。5億円がせいぜいだろう。私だったら、金を払ってまで買う価値はない、と思う。絵画としてなら、モナリザの複写を 1000円ぐらいで買う方がマシだ。
 結局、今回の絵画は、「名前だけのダ・ビンチ」であるにすぎない。絵画としての価値はゼロ同然。似たように発見された絵画は別にある(プリンセス)が、そっちの方がずっといい。
 → プリンセス


● ニュースと感想  (7月14日)

 「菅首相の記者会見」について。
 菅首相が「脱・原発依存」の方針を記者会見で語った。(各紙報道)
 これに関して、「無内容だ、曖昧だ」というような批判もネットでは見られる。
 ただ、それはただの「批判のための批判」にしかなっていない。例によって菅直人批判に共通するが、「これは駄目だ」と悪口を言うだけで、その代案を出していない。
 なるほど、菅首相の原発方針は、ろくな案ではない、と私も思う。しかし、その代わりにどうすればいいかを、他の人は示していないのだ。その意味では、五十歩百歩である。目くそ耳くそのたぐいだ。

 かろうじて、朝日が 別記項目 のような方針を出したが、そこには「ストレステスト」というような原発の方針は示していない。
 また、私のように、「原発の安全検査の国際機関」とか、「安全措置としての水棺」とか、「各電力会社の原発をすべて統合して、新会社(日本全国原子力発電)にまとめる」というような方針を示した人もいない。
 
 要するに、誰もが、「菅直人じゃ駄目だ」と批判するだけで、まともな代案を出していない。「ここが駄目だからこうするべきだ」と提案するべきなのに、単に悪口を言うだけだ。そして、とりあえず代案を出した朝日と来たら、菅直人よりももっと悪いとさえ言えるくらいだ。(いや、同じぐらいかな。菅直人は朝日に洗脳されつつある。だから今になって、朝日の後追いみたいなことを書くのだろう。)

 菅直人に罪があるとしたら、無能であることではなくて、朝日の後追いをすることだ。また、「自分は有能だ」と見せかけるために、やたらと思いつきの方針を出すことだ。
 何もしないのが罪なのではなくて、やるべきではない余計なことをやり過ぎる。無能というよりは、暴走気味だ。
 さすがに浜岡の原発停止だけは、やって良かったが、それで増長して、太陽光だのストレステストだの、余計なことをやり過ぎる。
 人々が「無能だ、無能だ」と言うから、菅直人は張り切りすぎている。むしろ「余計なことをやるな」と告げるべきなのだが。……アホなのは、菅直人よりも、マスコミや世論だろう。
 そして、無能なのは、まともな代案を示せない野党やマスコミだろう。

 なお、その無能な連中には、池田信夫を含む学者たちもいる。
  → 原発事故の損害賠償に関する公正な処理を求める緊急提言
 この提言は、たったの4項目で、字数は 295字。あまりにも貧弱だ。ひるがえって、私の提言は、長文だ。
  → 東京電力の処理案
 野党であれ、マスコミであれ、学者であれ、まともな代案を出していない。こういうふうに代案を出せずに悪口ばかり言っている連中が、何よりも無能なのである。換言すれば、「無能だ」と言っている連中こそ、無能なのだ。
 そして、その代表が、トンチンカンな提言を出した朝日だろうか。


● ニュースと感想  (7月14日b)

 朝日新聞が特集で、「脱原発」「自然エネルギーへの転換」を提言している。  提言すること自体は悪くないが、あまりにも一面的で偏向しているのが問題だ。
  → Open ブログ: 朝日の「脱原発」提案


● ニュースと感想  (7月14日c)

 地震・津波のあとに残った大量のガレキを処分するには、どうすればいいか?  内陸堤防を築くときの材料にしてしまえばいい。  ( ※ たいした話題ではないので、読まなくても構いません。)
  → Open ブログ: ガレキの処分


● ニュースと感想  (7月15日)

 (1)
 自家発電の電力は、どのくらい利用可能だろうか?   よく考えると、使い方しだいでは、十分すぎるほどの電力がある、とわかる。
  → Open ブログ: 自家発電の電力

 (2)
 放射線や原発について、人々は大騒ぎしている。それは「パニック」という言葉で説明できるだろう。ちょうど「豚インフルエンザ・パニック」があったように。
  → Open ブログ: 放射線パニック


● ニュースと感想  (7月16日)

 (1)
  東大が秋入学を検討しているという。その是非を考える。
  → Open ブログ: 東京大学の秋入学

 (2)
 電力をめぐる小話。3件。
  ・ 節電馬鹿
  ・ エコポイントの復活
  ・ 太陽光発電の買い取り価格
  → Open ブログ: 電力 3題


● ニュースと感想  (7月16日b)

 「橋下府知事の独裁」について。
 橋下府知事がツイッターで、次のように語った。
 政治家の仕事の半分は大号令をかけること、進むべき方向性を示すこと。これは行政マンではできない。首相となれば霞が関の巨大組織だけでなく、日本全体に進むべき方向性を示さなければならない。とんでもない強烈な大号令が必要。その大号令をかけるのに初めから詳細な工程表など用意できるわけがない
 しかし、間違った大号令・間違った方向性は、どうするんですかね? これじゃ、ただの独裁でしょ。「政治家の仕事の半分は、他の人の声を聞くこと」というのを見失っている。


● ニュースと感想  (7月17日)

 (1)
 橋下府知事が独裁主義を取ることを、自ら表明した。その言葉を集めて、講評を加える。
  → 橋下府知事「大号令をかけることが政治家の使命」 ( togetter )

 (2)
 被災地の鉄道を復旧するには、どうすればいいか? 現在地で復旧するか? 移転して復旧するか? 巨額の費用はどうするか? 
  → Open ブログ: 鉄道の復旧(被災地)

 (3)
 関西では、現状では電力危機ではない。しかし、原発の1機がトラブルで停止し、2機が定期点検で停止する。さらには 20日以降は、学校の夏休みで電力需要が増える。
  → Open ブログ: 関西の電力危機

 (4)
 福島市の放射線汚染への対策が、二つ報道された。  西部への移転と、高圧洗浄だ。
  → Open ブログ: 福島市の放射線汚染対策

 (5)
 アホウドリの名前を、沖の太夫(おきのたゆう)に変えよう、という見解がある。  しかしどうせなら、「亜鳳鳥」という名前の方がいい。
  → Open ブログ: アホウドリ(亜鳳鳥)


● ニュースと感想  (7月18日)

 (1)
  産業用スマートメーターは、電力需給の調整のために、二つの効果がある。
 (*) 企業の休業の増加 (需要減)
 (*) 自家発電設備の稼働(供給増)
  → Open ブログ: 産業用スマートメーター

 (2)
 再生エネルギー(自然エネルギー)を促進する目的は何か? そこが混同されているので、整理してみる。
  → Open ブログ: 再生エネ法案の目的

 (3)
  今夏の気候は、例年とはかなり違う。気温は高めだが、暑苦しくないのだ。  ( ※ 東京近辺を対象とした話題。)
  → Open ブログ: 今夏の気候(2011年)


● ニュースと感想  (7月19日)

 (1)
 日本は今、「原発」という問題にとらわれすぎている。ほとんどパニックというありさまだ。その異常性を指摘する。
  → Open ブログ: 原発パニック

 (2)
 原発の監視体制を新たに構築する案が出た。保安院と安全委を統合して独立させる、というものだ。しかしこれでは不十分だ、と私は考える。
  → Open ブログ: 原発の監視体制

 (3)
 女子サッカーのなでしこ(日本代表)チームの選手名簿。
  → Open ブログ: なでしこ選手名簿


● ニュースと感想  (7月20日)

 (1)
 「食品に放は射性物質が含まれているので、大変だあ」と騒ぐ人が多くいる。  しかし、放射性物質よりもはるかに危険なものが、食品中には含まれている。
  → Open ブログ: 放射能よりも危険な有毒物

 (2)
 台風が来て、各地で豪雨が起こっている。(まだら状だが。)  この影響で、放射性物質がかなり洗い落とされそうだ。
  → Open ブログ: 台風と放射線

 (3)
 シリコン系の太陽電池とは別に、有機系の太陽電池もある。その一種で、「塗る太陽電池」というものが開発され、いよいよ実用段階にあるそうだ。
  → Open ブログ: 塗る太陽電池


● ニュースと感想  (7月21日)

 (1)
 台風が来たおかげで、かなり涼しくなった。
  → Open ブログ: 台風の置き土産

 (2)
 児童相談所が忙しすぎる(問題を処理しきれない)、ということだ。  これについては、前にホメオパシーと関連して、述べたことがある。
 ( ※ たいした話題ではない。)
  → Open ブログ: 児童相談所とホメオパシー


● ニュースと感想  (7月22日)

 (1)
 西日本に 10% の節電要請がなされた。しかし、こんなものは不要だ。大切なのは、全般的な引き下げではなく、ピーク時の抑制だ。
  → Open ブログ: 西日本の節電要請は不要

 (2)
 7月24日、アナログ放送が終了する。その後、どうするべきか? 「NHKと民放1社だけで放送すればいい」というのが、私の提案だ。
  → Open ブログ: アナログ放送終了


● ニュースと感想  (7月23日)

 (1)
 自動車会社のホンダの「自主独立路線」というものが、新聞に紹介されている。  いかにも立派そうに書かれているが、私はこれを「唯我独尊」の失敗と見なす。
  → Open ブログ: ホンダの自主独立

 (2)
 浜岡の防潮堤の改良案が出た。以前の案と比べて、かなり改良されている。  中電はこの防潮堤を構築したあとで、浜岡原発を再稼働する予定。
  → Open ブログ: 浜岡の防潮堤(改良案)


● ニュースと感想  (7月24日)

 (1)
 科学と技術は、どう違うか?  身も蓋もない言い方をすれば、「金を儲けるか否か」だ。
  → Open ブログ: 科学と技術の違い

 (2)
 IT技術、太陽電池、リチウム電池などの先端技術では、韓国や中国に技術流出が続いている。この問題を解決するには?
  → Open ブログ: 先端技術の国外流出

 (3)
 放射性物質のセシウムで汚染された牛肉を、どうするべきか? 国や東電が買い上げて補償する、という案もあるが。
  → Open ブログ: 汚染牛をどうするべきか? 

 (4)
 東電処理については、「東電存続」の従来方針から、新たに逆の方針への転換がなされつつあるようだ。与野党の合意。最新情勢は、おもしろくなっている。
  → Open ブログ: 東電処理の最新情勢


● ニュースと感想  (7月25日)

 (1)
 気候工学(気象工学・地球工学・ジオエンジニアリング)という手法がある。温暖化対策として、工学的な方法によって地球冷却化の方法を取る、というもの。一種の環境改造である。
  → Open ブログ: 気候工学(気象工学・地球工学)

 (2)
 中国の新幹線で事故が起こった。これを見て、「中国は技術が低いからだな」と思うのは、早計だ。事故の本質は、別のところにある。
( ※ 安全性についての話題。)
  → Open ブログ: 中国の新幹線事故

 (3)
 菅直人が政権を維持できる、起死回生の一発をお勧めする。  それは「東電の処理」として「破綻処理をする」と発表することだ。
  → Open ブログ: 菅直人へのお勧め(東電処理)


● ニュースと感想  (7月26日)

 原発をやめると、火力発電による大気汚染で死者数が増加する、という見解がある。それは妥当か? いや、そこには数字を使ったペテンがある。
  → Open ブログ: 火力発電による死者数


● ニュースと感想  (7月26日b)

 小さな話題を三つ。ニュースの紹介と、その感想。

 (1) 永久機関
  → 永久磁石を熱源に給湯器
 永久機関みたいなものができた、というトンデモ記事。正しくはこちら。
  → モーターで永久磁石を回転させる方式のIH給湯器
  → 消費電力は 9kW

 (2) 押し売り
  → 太陽光発電、押し売り続出
 悪いやつがいるものだ。しかし、孫正義だって、同様のことを国民に対してやろうとしている。高値で強引に押し売りする。
 チャップリンの名文句。「一人を殺せば殺人犯だが、百万人を殺せば英雄だ」
 孫正義の迷文句(?)。高値で無理やり売りつけることは、「一人売れば押し売りだが、1億人に売れば英雄だ」

 (3) 国民栄誉賞
  → 「なでしこ」に国民栄誉賞授与へ
 釈然としない思いがある。たしかに感動を与えてくれたが、彼女たちはあまりにも若く、経験も浅い。「この道 20年」というような努力をしたわけでもないし、引退間際でもない。どちらかといえば、谷亮子(田村亮子)の方がずっとふさわしいが、彼女はもらっていない。
 こういう思いをうまく表現している人がいる。紹介しよう。
  → 高橋尚子の引退は遅すぎた?妥当?
 若くして国民栄誉賞をもらった高橋尚子は、それでよかったということにはならない。若すぎる受賞は、本人のためにもならない。
 私が思うに、そもそも名誉的な賞というものは、老人に与えられるものだ。勲章と同様。若い人は、実力でもぎとる「W杯」のようなものだけあればいい。そして、もはや実力ではもぎとれなくなって引退するときに、「ごくろうさまでした」と勲章のようなものをもらえばいい。
 イチローは国民栄誉賞を打診されたが、「まだ引退していないから」と断ったそうだ。闘争心あるスポーツマンというのはそういうものだ。


● ニュースと感想  (7月27日)

 (1)
 復興は早期に実現できるはずだ、と思っている人々が多い。しかしそれは幻想だ。復興は早期にはできない。その現実を直視するべきだ。
  → Open ブログ: 復興の幻想を捨てよ

 (2)
 中国の新幹線の事故と、福島の原発の事故は、よく似ている。どちらも政治的な「腐敗」が根本原因だ。
  → Open ブログ: 中国と福島(事故の共通性)


● ニュースと感想  (7月27日b)

 「菅直人の支持率」について。
 菅直人の支持率について、面白い数字が出た。 ( → 産経
 菅直人の支持率は 16.3%。民主党は 14.1。自民党は 18.9。党内の対抗馬は、前原が 9.5で最高。自民党では石破茂が 9.0で最高。
 その意味は? 菅直人の支持率は低いが、他の誰もが菅直人よりもずっと低い。民主党は全体でも菅直人よりも低い。自民党も菅直人と同程度だ。
 つまり、菅直人の人気は低いが、その他の誰もが、同程度にすら達していない。菅直人よりも、なお低い。  (^^); 
 前に麻生や安倍が支持率を下げたが、その時点では、民主党の支持率がとても高くなっていた。ところが今や、自民党の支持率は、菅直人並みに低い。
 この数字の意味を、よく考えてみるといいでしょう。


● ニュースと感想  (7月28日)

 「政治の混乱」について。
 円高が急速に進んでいる。その理由は、米国の政治の混乱だ。与野党が対立しているので、米国の国債がデフォルトになりそうで、そのせいでドル安になっている。(各紙報道。)
 その一方で、ベルギーでは、正式な政権が不在で、なかば無政府状態になっているそうだ。
  → Wikipedia
  → The Economist の翻訳
 これほどひどい状態に比べれば、日本の方がまだマシだ。菅直人がそこそこ仕事をしているからだ。
 で、その邪魔をしているのが、自民党だ。「菅直人はやめろ」と主張しながら、「菅直人をやめさせまい」として必死に努力している。(もしやめたら自民党は選挙で不利になるから。)
  → 実は「菅続投」を望む自民党
 日本の状況は、混乱や対立というよりは、茶番だろう。それにだまされている国民が多すぎる。騒ぐのをやめればいいのに。
 上の記事にもあるが、ちゃんと働くべきは、菅直人じゃなくて、それ以外の国会議員だ。特に、自民党は邪魔ばかりをするのを、いい加減にやめるべきだ。そうすれば菅直人がやめるための3条件が成立する。……しかし、菅直人がやめる条件を必死に妨害しているのが、自民党なんですよね。(やめさせたくないから。)

 [ 付記 ]
 参考記事。
  → 深刻な麻痺状態に陥ったワシントン


● ニュースと感想  (7月28日b)

 復興会議は復興の提言を出した。それとは別に、私も対案を提出する。私案として。
  → Open ブログ: 復興会議の提言への対案


● ニュースと感想  (7月29日)

 (1)
 将来のエネルギー政策をどうするべきか? それについて私なりに提言する。  ( ※ 電力不足、原発、再生エネルギー、東電処理 などの話題。)
  → Open ブログ: エネルギー政策の提言

 (2)
 朝日新聞社「ニッポン前へ」への提言募集についての話。
  → Open ブログ: 朝日新聞社「ニッポン前へ」

 (3)
  扇風機は売り切れ続出だったが、ここ1週間ぐらい冷夏が続いたせいで、ぽつぽつと品物が出てきた。
  → Open ブログ: 扇風機( Amazon )


● ニュースと感想  (7月30日)

 中国では、民主化は起こるだろうか? 高速鉄道の事故のあとでは、民衆の不満が噴出しているが。
  → nandoブログ 「中国の民主化」


● ニュースと感想  (7月30日b)

 Google はネット企業だと思えたし、せいぜいソフト開発をするだけかと思えたが、ハードウェアにも進出するらしい。
  → Open ブログ: Google がハードに進出?


● ニュースと感想  (7月30日c)

 「海江田が号泣」について。
 海江田が泣き出してしまった。自民党議員に「いつ辞めるのか」と問い詰められた。小一時間も問い詰められたのかと思ったが、20分ぐらい問い詰められただけだ。
 で、そのあと、読売によれば「涙ぐんだ」そうで、日経によれば「涙声になった」とのことだ。
 しかし、テレビ朝日の動画を見ると、明らかに号泣している。NHK の動画でも同様だ。
 海江田は首相候補にもなっているのだが、こんなことでいいんですかね。かつてマクガバンは、泣き出したことで、大統領候補失格となった。「こんな情緒不安定な男に核ミサイルのボタンを任せられない」と。
 海江田も同様かな。よほど辛い思いをしているらしいし、それをうまく言い当てられたせいだろうが、そのくらいで泣き出すとはね。呆れた。
 精神的には女性みたいなものなのかも。
( ※ 別に私は女性差別主義じゃないですけど。……女はとにかく、泣き出しやすいものです。リア充の皆さんは知っていますね?)


● ニュースと感想  (7月31日)

 (1)
 朝日新聞が孫正義の記事を書いている。まるで馴れ合いだ。
  → Open ブログ: 朝日新聞と孫正義

 (2)
 菅首相に東電の処理案を提案した人がいるそうだ。しかし、悪くはないが、欠点だらけだ。
  → Open ブログ: 菅首相と東電処理案

 (3)
 次の項目に、新たな記述を大幅に加筆しました。
  → 人の鼻はなぜ高い?(何のため?)
 「人の鼻は高い。それは、鼻の穴を下に向けるため。つまり泳ぐときに、鼻の穴に水が入らないため」
 という説です。これを項目前半に加筆しました。


● ニュースと感想  (7月31日b)

 「円高阻止の方法」について。
 円高が進んでいる。あまりにも異常な状況だ。これを解決する方法はあるか?
 まず、問題の本質を見る。問題は、あくまで米国の与野党の対立による、一時的なボトルネックだ。米国そのものが倒産状態になったわけではない。その点では、ギリシアなどとは異なる。
 だから、問題を解決するには、このボトルネックとなった部分を一時的に緩和すればいい。では、どうやって? 
 すぐに思いつくのは、国債のかわりに「政府短期証券」を発行することだ。ただ、ちょっと調べると、日本にはそれがあるが、米国にはないらしい。(見当たらない。)
 ま、それならそれでいい。別のてがある。これだ。
  → 米国政府、中国証券1020億ドル以上を保有
 米国は外国証券をたっぷりと持っている。それを売却すればいい。そうすれば、中国の元や日本の円が売られて、ドルが買われるから、ドル安は是正される。
 ただ、一時的に大規模にやると、問題が起こるかも。そこで、その取引は、政府間でお粉ればいい。つまり、米国のもつ外国証券を、日本画購入すればいい。日本からすれば、(結果を見れば)ドル建ての米国債を買うかわりに、中国や欧州などの国債を買うだけのことだ。
 こうして、米国は一時的に多額の金を入手するから、それで利払いができる。これで問題なし。(そもそも外貨準備というものは、そういうときのためにある。)
 
 結論。
 米国は外貨準備を取り崩せばいい。それだけだ。日本はそのとき、(外貨の)買い手となって支えればいい。それによって日本も円高是正の利益を得る。
 将来、米国が健全化したら、外貨を米国に戻せばいい。結果的には、外貨を安く買って高く売ることができるはずだから、日本としても為替差益を得るはずだ。
 一般に、急変動する為替の安定化のために資金を投入すれば、その行為は利益をもたらす。逆に、為替を変動させるために資金を投入すれば、その行為は不利益をもたらす。(……簡単に言えば、相場が急変動しているときには、安いときには買えばいいし、高いときには売ればいい。)


● ニュースと感想  (8月02日)

 「続・円高阻止の方法」について。
 引きつづき、円高・ドル安の問題を扱う。
 今回のドル安は、「米国国債の格下げ」が理由となった。だが、それは、「米国国債がデフォルトになるかもしれないから」という単純な理由ではない。
 もし「米国国債がデフォルトになるかもしれない」という理由であれば、米国国債は売れなくなり、価格が暴落する(金利は上昇する)はずだ。しかしげんじつには、そうなっていない。つまり、米国国債は暴落していないし、どんどん売れている。
 これはどういうことかというと、実際の米国国債の売れ行きには関係なく、為替市場だけで、投機筋が勝手に投機マネーを動かしている、ということだ。つまり、ただの投機的な現象である。(実態を反映していない。)
 実際、米国の国債がデフォルトになると本気で信じている人はいない(だから価格も暴落しない)。また、あとで判明したように、与野党の合意が成立したので、デフォルトになることは避けられた(予想通り)。
 結局、すべては投機筋の投機マネーが大量に動いて、為替相場が変動しただけだ。
 
 こういう場合には、どうすればいいか? 介入するのががベストだろう。各国でドル買いをすればいい。それによって、相場は安定するか? たぶん、安定しない。各国の介入額よりも、投機マネーの方が大きい。
 それでも、介入の効果は、いくらかある。また、もっと大切なことは、この介入によって、確実に為替差益を得ることができる、ということだ。たとえば、76円で買って、80円で売れば、5%の利益だ。1週間ぐらいで5%の利益を得るとしたら、万歳だ。ここで 20兆円を投じれば、1兆円の利益を得る。こんなに儲かる投機は、めったにない。
 一般に、相場が変動するときに、相場を安定させる方向に投棄をすれば、各自鬱に儲かる。問題は、相場が「一時的に上げ下げの急変動しているか」あるいは「棒線グラフ状に変動をどんどん拡大するか」という見極めだ。それさえ見極めることができれば、必ず大儲けできる。(今回はそれに相当する。)

 ただし……
 国が投機をやるというのは、それ自体を目的としては、好ましくない。そこで「為替の安定」というのを名分として、「金儲け」は二の次にするといいだろう。   (^^);

 [ 付記1 ]
 単に為替の安定だけを目的とするなら、別の方法もある。こうだ。
 「日本では、生保がやたらと国債ばかりを買っている()。だから、生保が国債を買うかわりに、外債・外国株を買えばいい。つまり、円を売ればいい」
  この話の根拠は、次のことだ。
   → 国債に依存する生保、リスクは増大する一方だ
 ま、問題は、外債・外国株を買うためのノウハウの不足だ。そして、それがないせいで、円高圧力となる。とはいえ、解決策もある。外国の会社に教えを請うことだ。
   → 日本生命:独大手アリアンツと提携

 [ 付記2 ]
 読者からの質問。
> 円高は実体経済を反映したものなら、「強い円」という事で好ましいものなの
> でしょうが、そうでない現状では是正した方が良いということでしょうか?

 返答は「イエス」です。投機マネーの流入による一時的な変動は、経済を混乱させます。輸出にプラス、輸入にマイナスであり、国民全体の損得はあまりありませんが、歪みが生じるのが問題。比喩的に言うなら、肉体の一部が肥大して、他の一部が縮小したようなもの。体重は変わらないが、歪みが生じる。健全な状態から離れる。


● ニュースと感想  (8月02日b)

 「電子書籍」について。
 次のニュースがある。
  → 国会図書館に全文テキスト化システムのプロトタイプを提供 日本IBM

 これは電子テキストの一種。一方、標準的な規格として EPUB というものがあるが、まだまだ規格の形成途上だ。( Wikipedia を見ればわかる。)
 Amazon のキンドルを日本で使いたいと思っても、日本語書籍で使える現状には、ほど遠い。あと1年で済むということはない。まだ何年もかかりそうだ。5年はかからないだろうけど。
 IBM の協力もあるといいかも。いっそのこと、IBM が自社で規格を作って、それを標準化してしまえばいいのに。それならすぐにもできるかも。
( ※ 無責任な発言です。 (^^); )


● ニュースと感想  (8月03日)

 「菅直人の罪」について。
 菅直人は遠からず辞任することになりそうだ。で、菅直人が辞任するとして、その最大の罪は何だったか? 
 人々は「復興や原発で無能であった」と批判するが、私はそれは特に問題視することはないと思う。その点では、次期首相にも、まったく期待できない。たぶん、次期首相は、菅直人よりも悪いだろう。
 菅直人に特有の大失敗と言える点が、一つある。それは、就任直後に「消費税増税」を打ち出したことだ。これによって参院選で惨敗を招いた。そのせいで民主党の安定政権は崩れてしまった。あげく、自民党の妨害政策に出会って、立ち往生するハメになった。
 実は、参院選で負けたあとにも、回復策はあった。それは「公明党との連立」である。これを最優先にするように、私は唱えたことがある。
  → 2010年7月12日c2010年9月18日c
 しかるに、菅直人は、そうできなかった。つまり、失敗をしたし、失敗の尻ぬぐいもできなかった。……ここに政治家としての、未熟さないし大失敗がある。

 いろいろと評価してみると、菅直人は善人ではあるが、あまりにも青臭かった、と言えるだろう。悪人だらけの政治家のなかでは、珍しく善人だったが、そのせいで、裏工作などがまったくできなかった。政治資金でも最も貧しいというところは、いかに人間関係作りが下手であったかを示す。……ま、そういう人の方が、政治家としては大成することも多いが、それにしても、度がひどすぎる。
 菅直人とか、橋下とかは、市長か知事ぐらいになるのがベストだと言えるだろう。国を動かすには、器量が小さすぎる。換言すれば、ワンマンすぎる。もうちょっと部下を上手に使える人でないと、国を動かすだけの器量を持てないようだ。
( ※ 慎太郎も似ている。都知事ぐらいがお似合いであり、首相には全然向いていない。三人とも、似た者同士だ。)


● ニュースと感想  (8月04日)

 「菅直人と自民党」について。
 菅直人への批判がかなり強いが、私としては現行政権が続く方がいいと思う。少なくとも自民党よりは圧倒的にいい。
 自民党が今やっていることは何かと言えば、「特例公債法案を通さずに、民主党政権をつぶすこと」だけだ。それがすべて。
 で、そのとばっちりを受けるのが、被災者や国民だ。自民党の妨害行為のせいで、国政が停滞する。で、それを見たバカな人々が、「自民党の妨害のせいだ」と思わずに、「菅直人が無能なせいだ」と思い込む。
 菅直人がたとえ零点であっても、自民党よりはマシだ。何一つやらないとしても、自民党よりはマシだ。なぜなら自民党は、マイナスばかりをやるからだ。国を良くするための行動は一つもやらず、国を悪くするための行動ばかりをやる。……その典型が、「利権政治」だ。国の金を勝手に食いつぶして、自分たちの票を増やすために金を使おうとする。たいていは「この金を上げますよ」という形で、国民の金を勝手にばらまこうとする。金で票を買おうとする。……で、そういうところから、原発事故が起こったわけだ。(東電に買収されたから。)
 国民は忘れているようだが、原発事故が起こったわけは、自民党が東電に買収されたからだ。そいつを忘れて、「自民党政権の方がよかった」と思う人が2ちゃんねるなどにあふれているようだ。だったら自民党に「また原発を暴走させてください」と頼めばいい。そして、「是非とも浜岡を再稼働させてください。今度はセシウムを首都圏全体にばらまいてください」と頼めばいい。
 ま、そういうこともわからないで、東電に買収された自民党を支持するんだから、呆れるほかはない。そんなに放射性物質を浴びたいのなら、自民党を支持するより、福島の第一原発の配管内に入ればいいんだよ。たっぷり浴びることができる。どうせ自殺したいのなら、その方が手っ取り早いよ。

 結論。
 何もしない寝たきり老人は、家に火を付ける DQN よりは、マシである。
  → 自宅に放火して家族を死亡させた次男:「声優になりたい」


● ニュースと感想  (8月04日b)

 「原子力安全庁」について。
 原発行政について、保安院と安全委を統合して、環境省のもとに「原子力安全庁」を設置する、という案が出ている。
  → 環境省に「原子力安全庁」…保安院と安全委統合
 ネットにはないが、読売新聞・夕刊によると、これはドイツの方式を真似たものだという。米国の委員会方式だと、行政の系統からハズレるが、ドイツの環境省方式だと、行政の指揮下にあるので、うまく行政措置が進むから、という理由らしい。細野原発相が中心となってまとめた試案。
 これは、そう悪くないと思う。私が前に述べたのは、「保安院と安全委を統合するだけじゃ駄目だ」ということ。
  → 原発の監視体制
 ここで述べたように、他の省庁と一体化して、安全を目的とする必要がある。そこで、「環境省の下で」という案になったのだろう。

 しかしこの案には、難点もある。環境省の他の部門と、連携が取れていない。結果的に、原子力安全庁は、環境省からはほとんど独立した存在となる。人材の交流もないはずだ。(緑の自然保護と、工業の安全では、畑が違いすぎる。人間だって、生物科と原子力工学科では、全然違う。学部からして違う。)

 だから、私としては、やはり「安全省」というものを設置した方がいい、と思う。そこでは、他のさまざまな分野の安全関係の部門が統合され、そこでは人員の交流もある、というふうにするべきだ。(上記項目で述べたとおり。)

 環境省のもとに「原子力安全庁」を設置する、というのは、形だけを見れば優れているようだが、実際には、両者があまりにも水と油なので、「原子力安全庁」は環境省からは事実上独立することになりそうだ。「仏作って魂入れず」だろう。
 悪くはないが、実効性は薄い……という評価になる。

 [ 付記 ]
 ただし、いきなり「安全省」というものを設置するのが困難であるなら、環境省を改組すればいい。つまり、前出項目で述べた各部門を全部集めたあとで、それを「安全省」にするのではなく、「仮想安全省」とする。その「仮想安全省」を「環境省」と合体して、「環境安全省」にまとめる。
 要するに、環境省が他の安全部門を全部吸収した上で、名称を変えて、「環境省」から「環境安全省」に衣替えするわけだ。
 環境省というのは、もともと役所としては小さすぎるから、こういうふうにして巨大化した方がいいだろう。(そうすれば、「消費者庁」「気象庁」なんていう中途半端な部門も吸収されるから、組織論として合理的だ。)


● ニュースと感想  (8月04日c)

 サウジアラビアの超高層ビル。Kingdom Tower という。高さ 1000メートルを超え、世界一に。
  → Open ブログ: サウジアラビアの超高層ビル


● ニュースと感想  (8月05日)

  生命の本質についての解答を、要約ふうにまとめる。
  → Open ブログ: 生命の本質(総集編)


● ニュースと感想  (8月05日b)

 「朝日の社説と、再生エネ法案」について。
 朝日の社説 2011-08-04 が、再生エネ法案の補助金の額について論じている。「補助金の総額に上限を嵌めるのはけしからん。原発にはもっと多額の補助金がかかっているぞ」という趣旨。
 新制度による買い取り金額は電力代に上乗せされる。この上乗せ分を1キロワット時あたり0.5円を超えさせないとする案が有力になっている。標準家庭だと月額150円にあたる。電気代の急激な上昇を避けるためという言い分だ。
 経産省の試算では、これだと総発電量に占める自然エネルギーの割合は2020年までに4〜5%しか増えそうにない。
 普及をめざす自治体やNPOは落胆している。滋賀県の嘉田由紀子知事は「今の審議のままでは、普及法ではなく阻害法になる」と語り、関西の他の知事とともに批判声明を出した。
 明細書に記されていないが、電気代には原発の電源立地交付金などの消費者負担が、1世帯あたり月額300円ほど含まれているとの試算がある。つまり原発のためには、自然エネルギー買い取りに制限を求める人たちがいう負担増上限の、2倍の額がすでに課されている。
 電気代は今年に入って上昇している。石油、液化天然ガスなどの化石燃料の値上がりによって、東京電力管内の標準家庭では9月の電気代が2月に比べて月額500円以上高くなる。原発停止によって化石燃料の輸入が増えるので、今後さらに値上がりは避けられまい。
 化石燃料の輸入や原発にかかわる負担増には歯止めがなく、自然エネルギーの上乗せにだけ先に上限をつけるのか。国民の理解を得られるだろうか。
( → 朝日の社説 2011-08-04
 一見、もっともな理屈だが、これは論理のペテンだ。なぜか? 次の点が見失われているからだ。
 「原発の補助金が 月額300円だとしても、それで日本の電力の3〜4割をまかなっている。一方、太陽光発電は、優遇されたドイツでさえ2%に満たない。(自然エネルギーの大半は風力だ。)」
 「原発には補助金がかかっているとしても、その一方で、火力よりも低い電気料金となって、部分的に相殺されている。自然エネルギーでは火力よりも価格が低いということは絶対にありえない(だからその分が補助金となる)」

 後者の点は、大きな話題ではないので、無視する。
 前者の点が、重要だ。たしかに、額だけ見れば、原発には2倍の補助金がかかっている。(後者の点を見れば、2倍よりも低いが、それでも結構補助金がかかっている。)
 しかし、その補助金は、「日本の電力の3〜4割をまかなう」ことに対する補助金だ。簡単に言えば、いっぱい仕事をした人に対する、余分のご褒美だ。これがないと電力不足になって停電する危険もあったから、そのご褒美にはそれなりに名分がある。
 一方、自然エネルギーは、現状でも2%に満たない。将来的に自然エネルギーが非常に多くなったとしても、その大部分は風力であり、太陽光は2%にも届かない。なのに、ろくに仕事をしない太陽光ばかりが、莫大な補助金を得る。……これは、どう考えても、理屈にならない。
 比喩的に言えば、こうだ。
 「トヨタの社員は総額で2兆円ぐらいの給料をもらっている。一方、朝日の社員は総額で 20億円ぐらいの給料しかもらっていない。千分の一でしかない。これは不公平だ。ゆえに、朝日新聞社は、国から補助金をいっぱいもらいたい。朝日新聞社に補助金を莫大に寄越せ」
 こんな理屈は成立しない。トヨタの社員は全体として巨大な売上げ高があるから、全体として巨大な給与を受け取る。それだけのことだ。不思議でも何でもない。なのに、比べものにならないものを比べても、意味がない。
 電力も同様だ。原発は日本全体で巨大な発電量があるが、太陽光発電の発電量は微々たるものだ。なのに、補助金の総額を両者で比べても、まったく意味がない。
 むしろ、ほとんど発電量のない太陽光発電が、原発の半分もの補助金をもらうことの方が、よほど問題だ。朝日なら、次のように主張するかもしれない。
 「日本全体で農業に対する補助金は巨大だ。数百万人が兆円規模の補助金をもらっている。けしからん。朝日新聞社も、たったの千人ぐらいで、兆円規模の補助金をもらいたい」
 こんな屁理屈は通らない。数百万人がもらう補助金を、千人ぐらいがもらえるはずがない。……なのに、そういう屁理屈を通そうとするのが、朝日の社説だ。
 頭がイカレている。物事の計算すらもできないようだ。ガキの屁理屈。

 [ 付記 ]
 ついでだが、この日の朝刊には、「円レートの変遷」というグラフがあった。「1ドル=360円」のころから、現在までを、グラフにして示している。
 当然だが、円高が進むにつれて、グラフは頭打ちになる。「1ドル=0円」が上限であり、上限に近づくにつれて、グラフは頭打ちになる。これを見た人は、「なるほど。円高はだんだん頭打ちになってきているな」と感じるかもしれない。
 しかし、このグラフは、間違いだ。「円レートの変遷」ならば、頭打ちにならないグラフが必要だ。それはつまり「半対数のグラフ」だ。 (下図で上下反転する。)
  → 片対数方眼紙の使い方
 こんな基礎的な常識すらもわからないのが、朝日という会社だ。数字に弱すぎる。理想や夢ばかりを語って、最低限の数学的(科学的)知識すらない。バカは高校に入って、勉強をやり直しなさい。


● ニュースと感想  (8月05日c)

 「日立と三菱」について。
 日立と三菱の経営統合という、中途半端なニュースが流れた。話は進みつつあるようだが、実るかどうかは不明、という状況らしい。それを先走って日経が報道したが、確定していないので、何も正式は発表はなし、ということらしい。
 このことで、池田信夫が騒いだあげく、珍妙な見解を出した。
 900社以上の連結子会社と膨大な余剰人員を抱えた日立が、三菱重工のような「総合重機メーカー」と丸ごと合併しても、何のメリットもない。原発関連の事業再構築が協議されているようだが、それなら一方が他方に原子力部門を売却すればよい。対等出資の合弁会社では何も決まらない。むしろいま必要なのは、日立が先日も発表したように、テレビなどの不採算事業から撤退する勇気だ。
 今回の幻のスクープでわかったのは、いまだに資本の論理に徹することができず、20世紀的なコングロマリット(多角化企業)にこだわる経営者と、そのいい加減な情報を受け売りするメディアのお粗末な実態である。
( → 池田信夫の見解
 メディアが先走って裏の取れない「スクープ」(誤報)を報じることは、しばしばあるから、いちいちめくじらを立てることはない。よくある騒動の一つにすぎない。今回は、日立側がリークしたあとで、三菱側がヘソを曲げたということらしい。
 今回の経営統合ないし合併の本質は、何か? 株式の時価総額や売上高を見るとわかるが、日立は三菱の3倍ぐらいの規模だ。ということは、この経営統合の実態は、「日立による三菱の吸収合併」である。それが本質だ。
 だからこそ、日立は「三菱を飲み込もう」とやっきになるし、三菱は「日立に飲み込まれまい」とやっきになる。
 で、こういう場合、アメリカ的な例だと、「一方的な買収」となる。その場合、株式交換の形を取るが、買収数側は、買収される側に、時価よりも3割ぐらい高値を付けるのが普通だ。
 逆に言えば、日立としては、その「3割に当たる金額」を節約したい。1.1兆円の時価総額の三菱を、1.4兆円で買う場合の、3000億円を節約したい。……それがつまり、「経営統合」の真の意味だ。(敵対的買収に比べて安上がり。換言すれば、三菱重工の株主は、「濡れ手で粟」という形のタナボタ利益を得られない。その分が 3000億円。)
 ま、これが、本当の事情だ。ここをめぐって、両社が駆け引きをしているわけだ。

 で、それを見て、池田信夫が「多角経営なんてやめて、さっさと事業撤退しろ」なんて言い出す。バカみたい。日立がテレビ部門から撤退しようがしまいが、その部門は、あまりにも微小であり、日立本体には影響しない。今はそんな重箱の隅の問題を扱っているのではない。日立や三菱の巨大な本体部門をどうするか、という問題を扱っている。
 池田信夫は、物事の本質をあまりにも見失っている。……ついでだが、彼みたいに「不採算部門を売却すればいい」というのは、たいていの MBA の経営コンサルタントの処方箋だ。そうやって、物事を帳簿だけで解決しようとする。そのあげく、たいていの場合、あらゆる部門を売却して、会社を清算するハメになる。
 一方、「ハゲタカ」と呼ばれる事業再生会社の場合には、外部から優秀な経営者を連れてきて、不採算会社を抜本的に建て直す。(例示的には、ちょっと違うが、日産自動車の例を思い浮かべるといい。ここでは自主的に、外部からカルロス・ゴーンという優秀な経営者を連れてきて、不採算会社を抜本的に建て直した。同様のことをやるのが、「ハゲタカ」と呼ばれる事業再生会社だ。)
 この二通りがある。一方は物事を帳簿だけで片付けて、「不採算ならば売却しろ」と思う。一方は、物事の本質を探って、「不採算ならば抜本的に経営改革しよう」と思う。
 日立や三菱にとって、社長が MBA タイプでなかったことは、とても幸いだった。もし日立や三菱が、米国系の会社だったら、今ごろはすべて切り売りされて、日立や三菱という会社は消滅していただろう。そして、切り売りされた各部門を買い取った中国や韓国の会社が、かわりに大きく発展しただろう。

 [ 付記 ]
 参考記事。
  → レノボ・NECがパソコン事業で合弁 世界シェア3位に
 レノボは日本IBMを買収したが、今や、NECもレノボの軍門に下ったようだ。
 池田信夫ならば、「NECはパソコン部門をレノボに売却して、さっさと撤退しろ」と言うだろう。おかげでレノボはどんどん大きくなり……
 中国や韓国の繁栄を願う会社は、池田信夫の指導に従いましょう。  (^^);


● ニュースと感想  (8月05日d)

 「GMの業績回復」について。
 池田信夫は、「GMなんかぶっつぶしてしまえ」と主張していた。
  → 池田信夫の破壊主義
 そのGMが、今やすっかり回復して、世界一になったそうだ。
   → 時事通信
 池田信夫は「政府資金の投入によるGM救済」にさんざん反対したが、現実には、その政府資金はすっかり回収されたし、GMは見事に回復した。
 仮に池田信夫の言うように、GMを倒産させていたら、どれほどひどい弊害が生じたことやら。


● ニュースと感想  (8月06日)

 「紀香の彼氏」について。
 記事から引用。
紀香の新しい相手は、外資系金融UBS証券のアナリスト・乾牧夫氏(43)。
 そんな乾氏にも最近はちょっとした“逆風”が吹いていた。日本市場でのiPhoneの失敗を予想していたほか、Androidスマートフォンは「絶対に売れない」とも断言。これが見事に大ハズレで、評判を下げていたのだ。
( → 産経
 勘は鈍るし、バツ2だし。紀香はまたも貧乏くじを引くか。かわいそうに。


( ※ だから紀香さん、かわりにを選びなさい。……だけど、それも貧乏くじか。 (^^); )


● ニュースと感想  (8月06日b)

 福島の土壌に放射性物質が溜まっている。これを除去して、何らかの仕方で処理するべきだが、どうするべきか? 間違った考え方がひろがっている。
  → Open ブログ: 放射性物質の除染


● ニュースと感想  (8月06日c)

 孫正義と堀義人が、原発・太陽光をめぐって論争した。
 このうち、堀義人の分について、講評する。
  → Open ブログ: 孫正義 v.s. 堀義人(1)


● ニュースと感想  (8月07日)

 《 前日分の続編 》
 孫正義と堀義人が、原発・太陽光をめぐって論争した。
 このうち、孫正義の分について、講評する。
  → Open ブログ: 孫正義 v.s. 堀義人(2)


● ニュースと感想  (8月07日b)

 「政治の見通し」について。
 新聞報道によると、民主党と野党がせめぎあったすえ、だいたい落ち着きどころが見えてきたようだ。
 自民党は、特例公債法案に賛成する条件として、「バラマキ4Kの撤回」を掲げたが、たとえ民主党がそれを呑んでも、自民党は特例公債法案に反対する方針だそうだ。民主党が譲歩すれば、その分、ハードルをどんどん高く上げるだけらしい。とにかく政権打倒・解散が目的で、それ以外は受け入れない方針らしい。つまり、特例公債法案を通すつもりはないらしい。
 しかしそれでは、国民生活に支障をきたす。すると野党が批判される。それでは困るというのが、公明党の立場だ。そこで、公明党は、「子ども手当・児童手当が解決したので、特例公債法案に賛成する」という方針を取りたがっているようだ。あとは自民党党の付き合いの問題があるだけで、どうやら民主党と公明党では話がまとまるらしい。
 で、その見込みが立ったので、菅直人は近く辞任する方針のようだ。
 というわけで、いろいろと、話は煮詰まってきたようだ。

 ……なお、以上は、報道された推測記事なので、私としては、何とも言いようがない。ただ、以上の推測記事を知らない人も多いようなので、いちおう、ここで紹介しておいた。


● ニュースと感想  (8月08日)

 「次期首相」について。
 菅直人は8月末までに、やめそうだ。では、そのあと、誰が首相になればいいか?
 「誰にしても、帯に短し、ドングリの背比べ」という気がしてきたが、最近の言動を見ると、枝野が適任だと思う。
 原発廃止について、首相の言葉を訂正して、穏健路線に修正したのは好ましい。また、やたらと倒閣運動に邁進する原発擁護派よりも、好ましい。また、権力争いをする連中(前原を含む)よりも好ましい。また、自分の言動が何を意味するかもわからない馬鹿な(低脳な)安住や玄葉よりも好ましい。
 枝野は、これまでは「菅直人よりも小粒だ」という気がしてきたのだが、よく考えると、菅直人はもはや老人性のボケにかかってきている。若いころの菅直人はシャープだったが、今ではシャープさがない。頭の切れがない。大昔の学生時代にまで退化してしまったようだ。
 その点、枝野はいまだに元気がある。頭もシャープだ。瞬発力もある。一番いいのは、穏健であり、やたらと暴走しないことだ。この点、首相には適任だ。また、官房長官をやっていて、実務能力もある。(菅直人はこの実務能力・マネジメント能力がない。)
 枝野は決して(かつての菅直人のような)スーパーマンではないが、すべての点で 80点をクリアしており、最も無難であり、最も適任だと思える。彼が首相になったとして、現状より悪くなることはないだろう。
 というわけで、「後任が枝野ならば」という条件で、菅直人の退陣を推奨したい。……ただし、後任が他の人ならば、いっそう悪くなる可能性が高い。特に、鳩山や小沢だと、地獄になる。
 自民政権なら? やはり、地獄だろう。

 [ 付記1 ]
 馬淵はどうか? ま、そんなに悪くはないんだが、中途半端に経済学を学んでいるところが困る。単純に言えば、リフレ派なんだが、リフレ派という変な経済学派を盲目的に信じているのが難だ。どうせ自説に凝り固まって、聞く耳をもつまい。下手をすると、馬鹿げた量的緩和ばかりをやろうとして、とんでもないバブルが膨張が起こるかもしれない。いったんバブル経済で破滅した日本経済を、ふたたびバブルで破滅させるかもしれない。……そうなったら、最悪だ。地獄の使者。
 私が思うに、この人は自惚れが強すぎる。その点では、前原と同様だ。前原のミニ版・劣化版みたいなものかも。横浜国立大学工学部土木学科卒というのも、バカっぽいし。前に耐震偽装問題では、とんでもないヘマをやらかしたし。(ただし、その時点では、ヘマとバレずに、名前を売った。)
 ま、鳩山と同類だと思えばいいかも。いや、あれほどひどくはないな。

 [ 付記2 ]
 前原はどうか? この人も、自惚れが強すぎるのだが、少しは経験を積んで、温和なったようにも見える。その意味では、本来ならば最有力だ。ただし外国人献金疑惑があり、公民権資格を喪失しかねない。首相になれば、自民党の総攻撃を受けて、国政が完全ストップするだろう。今の日本は、そんなことをやっている暇はない。その意味では、前原だったら、菅直人の方がまだマシだ。政治は少しは進んでいるからだ。
 前原が最前線に復帰するには、数年間の時間が必要だろう。今は謹慎中。

 [ 付記3 ]
 なお、私の予想では、誰が首相になっても、結果は、菅直人政権と大差ないと思う。
 そこでまた野党(自民・公明)が、民主党政権の妨害に繰り出す結果、国会は迷走状態となる。そして、その責任は野党側にあるのだが、「民主党の新しい首相は無能だ」と非難する。「この首相は無能だから辞任させよ」と言い張り、世間も同調する。
 以下、無限ループ。時間ばかりが浪費される。 (^^);


● ニュースと感想  (8月08日b)

 「原発労働者のピンハネ」について。
 原発労働者のピンハネがひどいそうだ。
 東電が払うのは 1日 10万円。ところが「下請けの下請け」というふうに、5次下請けまでを経由する間に、次々とピンハネされて、労働者には7千円しか渡らない。ピンハネ率93%。
 労働者が文句を言ったりすると、東電が「明日から来ないでいいです」と言ってクビにするらしい。ピンハネ自体を、東電が容認する。というか、積極的に肯定する。
 記事のタイトルは「核燃料プールに潜る外国人労働者-重層的下請構造で使い捨てられる福島原発労働者」
  → ブロゴス
  → その元ネタ

 ひどいものだ。ではどうして、こうなるのか? 東電の保身だろう。何か問題があったときには、自分に火の粉が降りかからないように、間に5重の仲介者を入れる。問題があったら、その5重の仲介者のどれかに責任を取ってもらう。たいていは、うやむやになる。(そのころには仲介者は蒸発している。契約書類さえも残っていないらしい。すべては隠蔽体質。)
 普通だったら、こんなことをやれば、コストばかりが無駄にかかって、事業としては成立しない。たとえば、自動車産業だったら、実際に払う給料の 15倍を仲介者に渡す、なんてことはしない。(もしやれば、人件費だけで倒産する。)
 しかし、東電だけは、別である。なぜなら、東電は、その経費をすべて、ユーザーに転嫁するからだ。「かかったコストはみんなユーザーに転嫁します」という仕組みがある。
 ま、そういうインチキな制度を利用しようとしている点では、孫正義と同じ穴の狢かもね。すべてを利用者にツケ回しする、という発想。孫正義とそっくり。


● ニュースと感想  (8月08日c)

 堀義人のちょっとしたミスを指摘する。(原発に関する彼の認識は、あまりにも甘すぎる。)
  → 孫正義 v.s. 堀義人 (3)


● ニュースと感想  (8月08日d)

 孫正義は自然エネルギーに傾注している。それなら、太陽光発電ではなく、風力発電を取るべきだ。
  → 孫正義 v.s. 堀義人 (4)


● ニュースと感想  (8月09日)

 孫正義は、頭が優れているのに、なぜ間違うのか? 善人すぎるせいで、エコ教に洗脳されてしまったからだろう。
  → Open ブログ: 孫正義の錯覚


● ニュースと感想  (8月09日b)

 震災の被災地で、被災した人々が高台へ移転しようとしているが、難航しているという。理由は二つ。
  ・ 移転先の高台で、遺跡が見つかり、調査に時間がかかる。
  ・ 土地所有権が複雑で、被災地の買収も、移転先の買収も、進まない。
  → Open ブログ: 内陸部への移転


● ニュースと感想  (8月10日)

 (1)
 太陽光発電について、高額買い取りをするドイツに学べ、という声がある。しかし、ドイツに学ぶならば、その失敗に学ぶべきだ。
  → Open ブログ: 太陽光はドイツの例に学べ

 (2)
 東北地方で電力不足が起こっている。この問題を解決する方法はあるか? 論理的には、簡単に解決ができる。発電するか発電しないか、好きな方を選べばいい。ただし、「発電しないで電力を得る」ということは不可能だ。(現実はこれを選ぶ愚。)
  → Open ブログ: 東北地方の電力不足

 (3)
 家庭用や小企業向けの蓄電池を、積水ハウスとソニーが発売するという。メーカーは素晴らしい節電商品だと宣伝しているようだが、詐欺商品みたいなものだ。だまされて数百万円を払うべからず。
  → Open ブログ: 家庭用の蓄電池


● ニュースと感想  (8月10日b)

 「公平な課税」について。
 nando ブログで、「公平な課税をするにはどうすればいいか? 間接税よりも直接税の方がいいのでは?」という質問があった。それに私が「直接税は脱税が多いので、間接税の重視も仕方がない」と答えると、次の感想が来た。
 管理人様らしくないあまりに平凡な回答ですね。いつものスーパーマンらしく、目の覚めるようなアイデアを期待します。
 相続を含めた不労所得に対する課税の強化と、所得税の累進性強化は、日本が日本らしく発展する為には、どうしても必要なことのように思うのですが。
 ま、言っていることはわかります。「所得税の累進性強化」という話なら、私も前に述べたことがある。ただ、問題は、それではサラリーマン課税になるだけで、商工業者の脱税を防げないこと。(他に、バイオリニストの脱税も。 (^^); )

 そこで、「目の覚めるようなアイデアを期待」ということなので、お答えすると、……
 脱税をなくすには、国民の所得を完全把握することが必要だ。で、そのためには?
 IDカードによる所得の完全記録を使えばいいだろう。同時に、現金を廃止して、すべてを電子マネーで処理する。
 ここまでやれば、脱税を咎めることができるので、あとは、累進制でも何でも、好き勝手に課税ができる。(海外のバイオリニストの分までは無理だが。 (^^); )

 [ 付記 ]
 電子マネーの普及については、下記の記事がある。
  → 読売新聞

 [ 余談 ]
 「目の覚めるようなアイデア」よりも、ギャグの方が優先されているだろ、と言われそうだが。 (^^);


● ニュースと感想  (8月11日)

 (1)
 「原発の補助金は、太陽光発電の補助金よりも、高額だ」という主張がある。だが、原発の補助金は、コストではない。誰かが払った分、誰かが受け取るからだ。それは所得の移転にすぎない。
  → Open ブログ: 原発の補助金はコストではない

 (2)
 海水と淡水の浸透圧差で発電する、という発電方式がある。発電コストは1キロワット時 18.2円だというから、太陽光発電よりも有望だろう。
  → Open ブログ: 浸透圧発電


● ニュースと感想  (8月11日b)

 「菅首相の退陣後」について。
 菅首相の退陣後は、どうなるか? 状況は改善するか? いや、混迷の度を、いっそう深めるだけだろう。
 現状では、首相府支持派が圧倒的だ。ただし、その共通点は、「反・菅直人」ということだけだ。それ以外ではすべて、同床異夢である。特に、次の点だ。
  ・ 原発抑制の、賛成/反対
  ・ 増税の、賛成/反対
 この二点が最大の対立点だ。それに比べれば、子ども手当や高速道路なんて、問題としては小さすぎる。
 増税については、与野党を超えて経済方針の問題となるので、なかなか解決が付かないだろう。ただ、この点は、菅直人が何かを実行しようとしていたわけではないから、菅直人の退陣とはあまり関係ない。もともと根強くある路線対立にすぎない。主義の違いはあるが、選択の問題なので、目の色を変えるほどの対立は起こらないだろう。
 目の色を変えるほどの対立が起こるのは、原発の可否だ。これが次期首相の下でも、大きな問題となる。
 現状では、菅直人以外の政治家の大半は「反原発」ではない。「反原発」を唱えるのは、河野太郎みたいな小物だけで、大物はみんな「親原発」だ。それというのも、東電の影響が強いからだ。
 マスコミも同様だ。読売と産経は、東電の傘下にあるといってもいいくらいだ。読売は社説でも早速、菅直人の「もんじゅ廃止」に噛みついた。
 《 核燃サイクル 無責任な首相の政策見直し論 》
 トラブル続きで運転停止中の高速増殖炉「もんじゅ」について、菅首相が衆院予算委員会で、廃炉を含めて検討する、との意向を示した。
 原子力発電所から出る使用済み核燃料の再処理を含め、日本がエネルギー政策の柱と位置づけてきた「核燃料サイクル」路線も、根本から見直すという。  自ら主張する「脱原発依存」の延長にあるとの認識だろうが、退陣を表明した首相が、場当たり的に口にしていい問題だろうか。
 核燃料サイクルは、ウラン資源の有効活用を目指している。使用済み核燃料は再処理し、燃え残りのウランや燃料に使えるプルトニウムを回収する。高速増殖炉では、燃えないウランをプルトニウムに変換して使う。新たな核燃料を生産でき、長期的に「準国産エネルギー源」を得るのに等しい、とされてきた。これを放棄して他に本格エネルギー源を見つけるのは困難だろう。
 もんじゅも、1995年のナトリウム漏れ事故以来ほとんど運転できていない。それぞれ2兆円、1兆円の巨費が投じられていることにも批判がある。
 しかし、短絡的な廃止では、この投資が全て無駄になる。
( → 8月10日付・読売社説
 というふうに、「もんじゅ」廃止に大反対している。ま、当然だろう。読売も、自民党も、民主党の大半も、原発村の一員だからだ。これまでもたっぷりと東電から金をもらっている。もらっていないのは、菅直人ぐらいだ。
 というわけで、次期首相が誰になろうと、その人は菅直人ではないから、「脱原発」路線を取らず、「原発維持」の方針が取られる。たぶん浜岡も再稼働するだろう。限界の古い危険な原発も再稼働するだろう。ここまでは、与野党が一致するので、政権運営に支障起こらない。(その点では脱原発路線の菅直人とは正反対だ。)
 ただし、政権運営に支障起こらないとしても、国民との対立が起こる。与野党は「原発維持」で一致しても、国民は「脱原発」(原発縮小)路線を取る。浜岡も停止したままにして起きたがる。……すると、政府と国民との間で、対立が起こる。
 つまり、これまでは「菅直人 対 原発維持派」という対立だったが、今度は、「原発維持派(与野党) 対 国民」という対立が起こる。
 すると、どうなるか? さあ、どうなるんでしょうねえ。自民党政治の再来になるのかも。つまり、国民の嫌がることばかりを、政府がやる、というわけ。
 となると、次のようになるのかな。
  ・ 原発は維持。浜岡も再稼働。
  ・ 東電の責任は免除。原発事故の処理は、国民負担。
  ・ 東電は、生きながらえたお礼に、与野党議員にたっぷり献金する。
  ・ 電力会社は、原発他作をおろそかにして原発をどんどん再稼働する。
  ・ その後に、大地震が起こって、ふたたび原発大事故が起こる。

 つまり、同じことの繰り返しだ。自民党政権のもとで、東電がわがままのし放題になって、あげく、原発事故が起こった。その構図を止めようとした菅直人は、逆に、東電支持派の返り討ちに遭ってしまった。となると、あとはまた、東電支配の政治が続くことになるし、結果的には原発はふたたび大事故を起こす。
 ま、国民がそれを望んでいるのだから、仕方ない。残念なのは、国民が自ら原発大事故に至る道を選んでおきながら、その道を原発回避の道だと錯覚していることだ。原発事故の張本人は、自民党なのに、その最大の犯人に、政権参加をさせようとしていることだ。次期首相との馴れ合いの形で。
 菅直人が退陣したあとで、与野党の政治家も、国民も、大喜びするだろう。しかし一番高笑いをしているのは、東電だろう。菅直人首相の退陣において、最大の勝者は、与党でも野党でも国民でもなく、東電だ。


● ニュースと感想  (8月11日c)

 「東電の買収費」について。
 東電の広告費や政治献金など(つまり買収費)については、前に述べたことがある。自民党に流れているとか、マスコミに流れているとか。
 マスコミについては、前に、産経と読売の分を指摘した。
  → 前出項目(Openブログ)
 ここでリンクが示してある。
  → 週刊誌、新聞の「東電広告」出稿頻度ワーストランキング
 
 一方、朝日についても、報道があった。週刊現代最新号を見ると、朝日新聞を買収する実態が示されている。東電は、必要もない不要不急の広告を、朝日に大量に出向している。こうやって、朝日を買収しているわけだ。

 ただ、週刊現代は気づいていないようだが、東電の買収費は、朝日よりも、産経と読売の分の方が圧倒的に多い。特に、経営規模を考えると、産経の分が圧倒的に多い。産経はほとんど東電の傘下に入っていると言ってもいいくらいだ。それほど多額の金を東電から受け取っている。
 そして、だからこそ、産経は菅直人を徹底的に攻撃するわけだ。

 ──
 
 実は、新聞社だけではない。ネットやテレビでも、東電の買収活動は、広く知られている。東電のコマーシャルには、次のような人々が採用された。
  弘兼憲史、茂木健一郎、勝間和代

 具体的な話は、下記を参照。(主に、弘兼憲史の分。)
  → 弘兼憲史、茂木健一郎、勝間和代… 原発PR協力
  → 弘兼憲史 東田研に聞け!
  → 弘兼憲史 TEPCO東田研に聞け!
  → 東田研 - Google 画像検索

 ──

 さて。根源的に考えよう。
 そもそも、広告費は何のためか? 商品をたくさん売るためだ。しかし、電力不足のときには、むしろ電気をたくさん売らずに、節電するべきだろう。逆だ。
 また、今でなくて普段でも、エネルギーを浪費させる必要がない。無駄な電力消費を避けることが大事だ。節電することが大事だ。つまり、広告費は、電力会社にとっては矛盾する存在だ。
 しかも、原価に対して自動的に値上げがなされるから、無駄な広告費をかければかけるほど、その無駄の負担をすることとなり、料金値上げとなる。
 このことは、株式総会で「広告費の理由は何か」と質問されたが、社長はうやむやの返事をするだけだった。(当然ですね。広告の必然性はないからだ。)
 電力会社が広告費を使うのは、商品を売るためではない。では何のためか? 国民を洗脳するためだ。
 たとえば、「原子力は安全です、必要です」と宣伝する。(例は上記の東田研だ。)
 もう一つ。「でんこちゃん」というのもある。
  → でんこちゃん - Google 検索
 こちらは、(浪費でなく)電気の節約を訴える。一見、良心的だ。しかし、企業の経営方針とは矛盾する。それは、利益を減らすための広告だかだ。
 ではなぜ、東電は「電気の節約」という広告を出すか? ここまで来て、本質がわかる。それは、マスコミの買収のためだ。しかも、かわいいアニメキャラで、人々の反発を抑制する。「でんこちゃんってかわいいなあ」と思わせて、「東電ってエコなんだなあ、立派だなあ」と思わせる。

 結論。
 電力会社の広告というのは、それ自体が、反社会的だ。それは本質的には、マスコミの買収のためにあるからだ。(ついでに、オタクを有名漫画家のキャラによって洗脳する。)
 このような広告費(つまり買収費)は、禁止する必要がある。なぜか? さもないと、マスコミが洗脳記事を垂れ流すからだ。
 その例の一つが、産経の「反・菅直人キャンペーン」だ。それは成功して、反・原発派の旗手たるたる菅直人は、退陣させられてしまった。
 もう一つは、読売の「原発推進キャンペーン」だ。「浜岡を止めるな」と言っただけでなく、凝りもせずに、「もんじゅを推進せよ」と言っている。( → 8月10日付・読売社説

 東電の買収費は、これほどまでに、強い力を持つ。特に、ネットでは「紙の新聞を購読しない」というオタクが多いが、そういう人々は、ネットで最も多くの情報を無料で出す産経に洗脳されてしまっている。東電の買収費は、産経を経由して、まさしく、ネットの人々を洗脳することに成功している。
 そして、そういう「広告費」(買収費)を制限せよ、という主張は、大手新聞社のような大手マスコミには決して掲載されない。

 [ 付記 ]
 漫画の「東田研に聞け」は、私は前に「無料漫画」というつもりで、じっくり見てしまった。さすがに弘兼憲史だけあって、最後まで読ませる内容になっていた。オマケに、スポンサーの意見に従って、「原発讃歌」の内容がたっぷりだった。……私はひねくれているので、そんなのは素直には信じなかったが、それでも「良くできた原発PRだな」と思ったものだった。
 ただし、原発事故のあとは、この漫画はお蔵入りになった。 (^^);


● ニュースと感想  (8月12日)

 「再生エネ法案の行方」について。
 再生エネ法案は成立する見込みらしい。論点は「負担額が月150円か、はるかに高額か」という点かと思えたが、朝日流の「高額買い取り」という路線はつぶれたようだ。というのは、「高額買い取りでも月150円で済む」という、孫正義や河野太郎の主張はデマカセだ、と判明したからだ。(私が指摘したので。)
 結果的に、「負担額が月150円ぐらい」つまり「買い取り価格はせいぜい 20円ぐらい」という線で落ち着くらしい。で、何が問題となっているかというと、「高額買い取り派」のメンツを立てるために、「価格決定は政府でなく第三者機関で」というふうに修正する、というのが、自民党案だ。
  → 時事通信
 しかし、これはまずい。責任の丸投げだ。というか、責任をカモフラージュして、第三者に責任転嫁して、その陰でこっそり方向を操作する……という審議会方式(隠れミノ方式)にすぎないからだ。単に責任を転嫁しているだけ。
 それなら、裏からこっそり根回しをするようなこそくな手段ではなく、正々堂々と自説を主張して、自説について自分で責任を取ればいい。
 「第三者機関で」という方式は、ろくなことがない。それは「増税の税率を第三者機関で決める」というのと同じだ。もともと公正な値などはなくて、すべては政治判断で決めるしかないことを、「第三者任せ」という形にして、責任転嫁するだけのことだ。そして、その増税の税率がどうなるかは、委員を決めた段階で、首相の胸先三寸となる。あとは好き勝手に首相が決めるだけだ。たとえば、首相が「消費税 15%」と決めて、それに合致する委員を選任して、それに沿った方向で委員会が答申を出す、……というふうな。馬鹿げている。それなら最初から最後まで、首相が責任を取った方がいい。
 買い取り価格をいくらにするかというのは、公正な金額などは存在しない。すべては政治家の政策しだいだ。そして、どんな政策を取るにせよ、その政策を取った人が責任を取るべきだ。責任転嫁するだけの「第三者」方式なんて、最低である。
 これを「素晴らしい意見集約」と(ツイッターで)称賛する河野太郎は、頭がイカレている。「自民党は、自分たちでは意見集約できなかったので、意見集約を第三者に委ねるというふうに意見集約しました」と言っているだけだ。つまり、「自民党は自分たちでは意見集約しないと意見集約しました」と言っているだけだ。最低である。

( ※ だから自民党ってのはイヤなんだよ。責任を取らずに、ゴマ化すだけなんだから。最低。……民主党は善良なバカかもしれないが、少なくとも詐欺師ではない。自民党は徹底的に詐欺師だ。それも、利口な詐欺師ならまだしも、バカな詐欺師だ。国民を損させて、自分だけは儲けようとするが、結果的には、国民を大損させて、自分も損する。見ていられないね。自民党が自滅するときは、国民もさらに大被害だ。それは何年後に起こることか。)


● ニュースと感想  (8月12日b)

 「次期政権への期待と、読売の提言」について。
 次期政権には期待できるか? また、読売が次期政権に「こうするべきだ」と提言しているが、それをどう評価するべきか? この二つを順に論じる。

 (1) 次期政権には期待できるか?
 菅直人が退陣することで、「これで最悪の政権は脱した」と思っている人が多い。「最悪ではなくなったから、次期政権には期待できる」と思っている人が多い。(池田信夫やその仲間もそうだ。読売社説 もそうだ。)
 しかし、それは単細胞すぎる発想だ。どうせあとで、その期待は裏切られるハメになる。
 これは、未来への予測だ。だから、特に良し悪しなどを示さず、「私の予想」という形で、将来を予想しておこう。こうなるはずだ。

  ・ 当初は、次期首相への期待感が高まる。「誰かがきっとうまくやってくれる」
  ・ しかし、現実に次期首相が決まると、激しい失望が生じる。「何だ、こいつか」
  ・ 世論調査が実施される。「××首相に期待するか?」。大半は「期待しない」と 答える。
  ・ 数カ月が経過して、世論調査がなされる。「何も変わっていない」と激しく失望。
  ・ 「首相交代はすべきだったか?」という世論調査がなされる。「ノー。菅直人の方がマシだった」という意見が大半となる。
 
 以上が、私の予想だ。当たるかどうかは、保証の限りではないが。……ともあれ、世論のような「期待過剰」は、私ははっきりと戒めておく。

 (2) 読売の提言
 「駄目な菅直人が退陣したので、次期政権は素晴らしいことをやってくれるはずだ」と思った読売が、5項目の提言を示した。
  ・ ポスト菅で迅速な政策決定 (行政組織を活用せよ)
  ・ 消費税率上げで財源確保 (増収分を被災地に集中投下)
  ・ 暮らしの再建が最優先だ (特区で雇用作り出せ)
  ・ 放射能に苦しむ福島を救え (計画的な除染で人々に安心を)
  ・ 電力危機を直視すべきだ (国の責任で原発再開せよ)
( → 読売新聞社緊急提言
 馬鹿馬鹿しい。無効であるか、逆効果であるかだ。理由は次の通り。

・ ポスト菅で迅速な政策決定 (行政組織を活用せよ)
 ……たしかに菅直人は行政組織の活用が下手だったが、別に、政治と官僚が対決していたわけではない。むしろ次の政権では、行政に飲み込まれる危険がある。たとえば、読売は、「釜石の防潮堤を復活するために千億円規模の金を出せ」という自治体や官僚の方針を示している。これは私の言った「津波には巨大防潮堤は無効」という認識とは正反対だ。ふたたび自民党流の「無駄な公共事業の山」という方針に戻ることになる。その点、菅直人は、復興会議では素人を採用することで、正しい方針を示した。「巨大防潮堤よりも内陸堤防を」という方針を。これを逆行させる読売の保守主義は、最悪だ。

・ 消費税率上げで財源確保 (増収分を被災地に集中投下)
 ……最悪。増税すれば、景気は一挙に悪化する。国債を使うのが正解。

・ 暮らしの再建が最優先だ (特区で雇用作り出せ)
 ……復興は一朝一夕にはできない。産業も何も一から作り直さなければいけないのに、あわてるだけでは失敗する。あわてて走れば、こけるだけだ。無駄な投資が莫大になる。ここはひとまず腰を落ち着けて、グランドデザインを立てるべきだ。十年計画の都市計画を。今なすべきことは、あわてて走ることではなく、都市計画だ。さもなくば、無秩序な乱雑な建設による混乱が起こりやすい。
 なお、「特区」なんて、ほとんど意味がない。効果も少ない。それよりは被災地全般で少しずつ復興するべきだし、また、復興が済むまでは、各地で被災者の受け入れを勧めることの方が大切だ。「特区」を作れば、その周辺が逆に衰退する、という逆効果さえある。特区なんて、有害無益だ。

・ 放射能に苦しむ福島を救え (計画的な除染で人々に安心を)
 ……だったら、「放射性物質の除染」で私が述べたことを実施すればいい。それだけだ。その具体策も示さずに、「何とかやれ」という口先だけの掛け声なんて、何の意味もない。「こうやれ」なら意味もあるが、「何とかしろ」では提言にすらなっていない。言うだけ無駄。紙面の無駄。正しい情報を示さないという点では、有害ですらある。
 その点では、復興会議の方が、はるかにマシだ。

teibou.gif    teibou2.gif
 → 復興会議の提言(その核心)


 復興会議は、この図のような提言をした。左の図は内陸堤防で、右の図はガレキの処理だ。右の図で示したように、ガレキは防潮堤の地下に埋めてしまうことができる。……こういう復興会議の方針を伝えることが大事だ。なのに、それを伝えないで、菅直人政権を批判するだけの読売は、自己の無知をさらけだしているだけだ。「私は無知です」と反省すればいいものを、「菅直人は何もできない」と批判する。これじゃまるで、テストで零点を取った落第生が、「先生の教え方が下手だ。先生を交替すれば、僕は一挙に秀才になれる」と思うのと同じだ。最悪のバカ。

・ 電力危機を直視すべきだ (国の責任で原発再開せよ)
 …… 原発再稼働という方針は、6月までならば意味があった。「夏の間の3カ月間だけの稼働」という方針だ。しかしながら、次期首相の就任は9月だ。どんなに急いでも、9月中旬からしか、原発は再稼働可能にならない。そのころにはもはや電力不足は起こらなくなっている。(エアコン需要がなくなっている。)
 原発再稼働は、あわててやる必要はないし、むしろ、逆に9月からは原発を次々と止めていい。というか、古いものから止めるべきだ。そして、「水棺」などの安全工事を進めるべきだ。なぜか? 秋のうちに原発を止めて、工事しておけば、次の夏には、原発を安全に再稼働できるからだ。
 なのに、「とにかく原発を再稼働させよ。安全性なんかどうでもいい」という読売の主張は、この新聞社がいかに原発まみれになっているか、よくわかる。読売の頭は、放射能に汚染されているのだ。そのことは、池田信夫や自民党などと同様だ。

 ──

 結論。
 読売の方針は、ただの原発擁護派による、菅直人批判にすぎない。それは「菅直人が辞めれば現状よりも良くなる」と主張するが、現実には、「菅直人が辞めれば原発が再稼働される」ということを意味するだけにすぎない。そのせいで、状況は何も改善されず、原発再稼働の分だけ悪化する。
 とすれば、今なすべきことは、浜岡原発が再稼働して、そこへ地震が起こった場合への、対策だろう。被災地の対策もいいが、首都圏が放射性物質まみれになったときの対策の方が、ずっと大切だ。なぜならそれは、ほとんど不可避なのだから。(あえて浜岡を再稼働させるのだから。)

 [ 付記 ]
 ……どうすればいいか、という話は、本日別項で。
  → 浜岡原発の爆発への対処
  → ガレキの処分

 [ 余談 ]
 次期首相は、野田佳彦が最有力らしい。しかし現在、「野田」でググると、野田佳彦よりは、野田聖子の方が先に出てくる。存在感の薄い人だ。期待薄である。

 自民党の谷垣総裁は、次期首相候補の本命とされる野田を褒めている。野田になることを期待しているようだ。その意味は? 野田がすぐれていることか? まさか。その逆だ。「くみやすし」と思っているのだろう。「あんなに強情っ張りの菅直人にはほとほと手を焼いたが、野田ならばうまく扱えるぞ」と手ぐすねしているわけだ。つまり、なめているわけだ。
 野党になめられているのを、野党に褒められていると、勘違いするバカもいる。(1字違いだが。)


● ニュースと感想  (8月12日c)

 (1)
 菅直人の退陣後に、浜岡原発が再稼働すると、いつか爆発が起こるだろう。そのときのための対処法を示す。それは「人工降雨」だ。これによって、放射性物質を一箇所に落下させればいい。
  → Open ブログ: 浜岡原発の爆発への対処

 (2)
 集団移転がなかなか進まない、と報道されている。しかし、集団移転は特に必要ない。津波に埋没した地域に住みたい人は、そのまま住んでいい。どうせ次の津波までは、数十年あるからだ。
  → Open ブログ: 集団移転は必要ない


● ニュースと感想  (8月12日d)

 「11日の気温」について。
 11日は各所で35度を超えた猛暑日。
  → 各地の気温
 この夏一番の暑さだったようだ。北海道でも網走が 33.5度など、軒並み 30度を大幅に突破。北海道も涼しくない。そこそこ涼しいのは沖縄ぐらいか。 (^^);
 ただ、この暑さは、過ごしやすい。湿度はあまり高くないし、午後には曇りが多かった。シャワーを浴びても、まだ水が冷たい。つまり、大地が冷えている。あと 10日間ぐらいは、昨年の暑さには及ばないだろう。(昨年は地面がものすごく熱くなっていた。)

 なお、電力需要は、余裕たっぷりだ。
  → 東京電力関西電力中部電力
 トヨタは 11日から、日産は9日から、夏休み。昨日はともかく、11日には、産業用の電力需要がかなり減っているようだ。だから、暑さがひどくても、全体としては電力需要は少なめだ。夏休みは、19日頃まで続く企業が多い。
 20日以降は? 今日ぐらいの猛暑日になると、限度いっぱいになることもありそうだ。ただしその場合でも、需給調整契約と揚水発電の分があるので、余裕はたっぷり。(東電・中電は。)
 余裕がきついのは、東北電力と関西電力だけだ。


● ニュースと感想  (8月13日)

 「12日の気温」について。
 12日も、前日に続いて、各所で35度を超えた猛暑日。東京近辺では、この夏一番の暑さ。初めて猛暑と感じられる。それでも、シャワーの水はまだ冷たいし、地面も冷えている。昨年の猛暑とは全然違う。空気が暑いだけだ。
 
 東京電力の電力消費はものすごく増えた……かと思ったら、激減している。もはやたいていの企業が夏休みに入ったようだ。11日は少しの企業でも、12日にはたいていの大手企業が休みになったのだろう。
 
 気象予報によると、お盆の後半からは気温が下がりそう……という予報もあるという。ちょうど、暑いときとお盆とが重なるので、電力の面では安心できる。
 17日はまだ休みの企業が多いだろう。18、19日は、自動車会社が休み。となると、22日以降が問題ですね。そこはお天気しだいだが……「猛暑日には休業」という制度さえあれば済む問題。そこを何とかするべき何だが。


● ニュースと感想  (8月13日b)

  (1)
 「節電のためには、白熱電球を LED に置き換えればいい。そのためには、エコポイントを利用すればいい」という主張がある。本当にそうか? 
  → Open ブログ: 白熱電球をどうするべきか?

 (2)
 野球の天才と言われた長嶋茂雄が「天才になる方法」を語っている。
  → Open ブログ: 天才になる方法(長嶋茂雄)

 (3)
 猛暑のなかでどうすれば過ごしやすいか? 過去記事があるので、新たなカテゴリを作成して、そこに過去記事をまとめました。
  → Open ブログ: 健康・寒暖対策 (カテゴリ)
 

● ニュースと感想  (8月14日)

  (1)
 再生エネ法案には、難点がある。電力の買い入れ価格は一律になっていることだ。しかし、電力の安定性と価格とをリンクさせるべきだ。
  → Open ブログ: 再生エネ法案と電力安定性

 (2)
  ・ 放射線はものすごく怖いんだ、という過剰意識。
  ・ 節電は是非ともするべきだ、という過剰意識。
 この両者は似ている。
  → Open ブログ: 節電と放射線(その過剰意識)

 (3)
 ケータイ電話に防犯ブザーの機能を付けるといい。このことで暴行や誘拐などから、身を守ることができる。特に、若い女性向け。
  → Open ブログ: 防犯ケータイ電話
 

● ニュースと感想  (8月14日b)

 「菅直人の評価」について。
 菅直人が辞任する見込み。そこで、菅直人政権の評価をしてみる。

 駄目な点:
 駄目な点は、経営能力(指揮能力)が足りなかったことだ。ただ、それによって具体的に何が悪かったかというと、特に見当たらない。「復興が遅れた」という批判もあるが、これは別に菅直人のせいではなく、地震が大規模だったせいだ。また、やたらと拙速になるのは、かえってまずい。強いてまずかった点を上げれば、仮設住宅をいっぱい建設したことだ。どうせなら「みなし仮設」という賃貸方式にすれば良かった。(自民党の提案でなされたらしい。)……とはいえ、これを当初から主張していたのは、私ぐらいだろう。マスコミはたいてい「仮設住宅をどんどん建設しろ」と言うばかり。特に菅直人だけがまずかったわけではない。マスコミも同罪だ。とすると、まずかった点は、あまりない。
 ただ、実行したのではなくプランで言うならば、「増税」を最初に掲げたのは、非常にまずかった。そのせいで民主党は参院で過半数割れとなった。これがすべての根源だ。とはいえ、実際に増税をしたわけでもないし、被害は民主党だけだったとも言えるから、特に批判するには当たらない。

 良かった点:
 良かった点は、いろいろとある。浜岡原発の停止や、原子力安全委と保安院の独立など。再生エネ法案もそうだ。負担が少額であれば、これは評価していいだろう。
 最も評価できる点は、原発事故の直後に、避難命令を出したことだ。そのおかげで半径 20キロの人々は、放射性物質の直撃を避けることができた。これは特筆できる成果だと言える。仮に、鳩山とか麻生とかだったら、決断までにもたついていただろうし、もしかしたら決断できずにいたかもしれない。菅直人の政治姿勢を「相談せずに何でも思いつきで決めてしまう」と批判する人がいるが、そのおかげで、即断即決ができて、人的な大被害を避けることができたのだ。もしそれがなかったら、半径 20キロの人々は、放射性物質を吸い込んで、内部被曝がかなりひどくなっていたはずだ。そう思うと、菅直人の決断力は、特筆するべきに値する。
 あと、復興会議の提言も良かった。自治体や国土省などは、「釜石に防波堤を作るために千億円を出せ」と要求しているようだし、各地でも同様の要求が続々と出てくるだろうが、復興会議の提言があるがゆえに、その馬鹿馬鹿しさは認識されていくだろう。素人文化人を集めた菅直人の方針は、ここでも大きな成果を出した。

 総評
 菅直人は、近来の無能な総理大臣たちに比べて、傑出した業績を上げたと言える。ただし、たった一つ、欠点があった。それは、敵を多く作りすぎたことだ。換言すれば、仲間作りが下手だった。酒を飲む仲間もろくにいなかったようだ。ひとりぼっち。
 そのせいで、徒党を組む政治家連中の総攻撃を受けたし、ありもしない「無能」「思いつき政治」という批判を浴びた。なるほど、それまでの政治は、「仲間同士の談合政治」だったから、それに慣れた人々からは、総スカンを食ったのだろう。
 比喩的に言えば、「有能な社長が、ワンマン経営で孤立したあと、無能な部下の反発を食って、部下の連立によるクーデターで失脚した」ということか。これを見た平社員は「ワンマンがいなくなった」と言って喜ぶが、そのあとでいっそうひどいバカ経営者が登場したことに気づかないでいる。
 日本株式会社は、このあとは没落することになりそうだ。哀れ。……というか、自業自得か。自滅。……最後には、ふりかけをもらうのだろう。浜岡から。

 [ 付記 ]
 新聞報道によると、前原は出馬せず。枝野などの菅直人周辺の人は、野田支持らしい。となると、次は野田首相か。
 自民党との談合政治。最悪。……ま、ひどくなるだろうとは、もともと予想していたが。
 下手をすると、増税路線で、一挙に奈落の底へ。


● ニュースと感想  (8月15日)

 「野田首相(?)の基本方針」について。
 次期首相は野田佳彦になりそうだ。で、菅直人時代に比べて、どう変わるか? 
 彼の基本方針が表明された。こうだ。
  → 野田氏「各党の玄関、コツコツとノックする」
 ペコペコと頭を下げることが、彼の方針。なるほど、自分が非力であることを自覚しているから、ペコペコと頭を下げたがるのだろう。
 しかし、日本で一番権力を持っている人の方針が、他人にペコペコと頭を下げることだとは。……これは、橋下流の独裁とは正反対の意味で、信頼できない。指導力が不足しすぎている。
 ま、ペコペコと頭を下げながら、寝首を掻いてやる、というのなら、褒めてあげるが。……それほどのマキャベリズムだとは思えない。頭を下げるだけで一年が過ぎてしまうだろう。
 こんなのが次期首相になるとしたら、実現できるのは、増税だけか。 (^^);


● ニュースと感想  (8月15日b)

 (1)
 原発事故に投入するロボットを、ホンダが開発しているという。アシモを原型として改造するらしいが、二足歩行よりは四足歩行の方がいい。つまり、ケンタウルス型だ。
  → Open ブログ: ケンタウルス型のロボット

 (2)
 前項 の続き。災害処理のロボットは、どうすればいいか? ガンダム型と鉄人28号との折衷型にすることが好ましい。
  →Open ブログ: ロボットの操縦法

 (3)
 需給調整契約を拡大するといい。「前日の通知によって、翌日の需要を抑制してもらう」制度を導入するべきだ。
  → Open ブログ: 需給調整契約を拡大せよ
 
 (4)
 津波(大震災)の被災者は、何をしてもらう権利があるか? 「あれもこれもしてもらう権利がある」と主張する被災 市長がいる。しかし、私はそうは思わない。被災者には、何かをしてもらう権利などはない。
  → Open ブログ: 津波被災者の権利(陸前高田)
 

● ニュースと感想  (8月16日)

 「野田首相の増税」について。
 野田首相(?)が、次期政権の政策として、経済財政諮問会議を復活させる構想を示した。増税のため。
 → 復興増税、来年度実施=諮問会議の復活検討
 経済財政諮問会議と言えば、「構造改革」を唱えて、「日本経済の抜本改革」を示して、大喝采を受けたが、小泉時代(2001〜2006年)には、日本経済は奈落の底に落ちるがごとく、急激に悪化していった。史上最悪の時代だった。
  → 一人あたりGDP
 それというのも、竹中という最悪の経済学者をトップに据えたからだ。そして今度は、野田が増税派をトップに据えて、同じく日本経済を奈落の底に落とそうとしている。
 笑い出したくもなるが、泣きたくもなる。これですね。 →   (^^);

 [ 付記 ]
 国民がいくら泣いても、読売と産経は大喜び。「東電さまの広告収入をいただいて、反・菅直人キャンペーンした甲斐があった」と。
 結局、洗脳された国民は自業自得ということか。頭に死の灰のふりかけでもいただいておしまいかな。


● ニュースと感想  (8月16日b)

 (1)
 前日分 の続き。 陸前高田では、多大な被害が起こった。その状況を動画で見せる。
  → Open ブログ: 陸前高田の津波動画

 (2)
 次にまたいつか地震が来る。その対処として、防災庁を設置するべきだ。なぜなら、自治体の防災レベルは低すぎるからだ。自治体任せでは不足だ。
  → Open ブログ: 防災庁を設置せよ

 (3)
 太陽光発電とホメオパシーは、どちらもいかがわしいが、意外なところで、共通点がある。
  → Open ブログ: 太陽光発電とホメオパシー
 
 (4)
 ホメオパシーは、薬事法で規制されるようになったが、その後、どうなったか? 現状では、ことさら目くじらを立てるほどのことは、なくなったようだ。
  → Open ブログ: ホメオパシーの現在
 
 (5)
 市場原理の本質は何か? 経済を「損得」で見ることだ。
 マクロ経済学の本質は何か? 経済を「生産活動」として見ることだ。
  → nando ブログ : 市場原理の限界(ミクロとマクロ)


● ニュースと感想  (8月16日c)

 Google が Android の製造に乗り出した。
  → Open ブログ: Google が Android 製造


● ニュースと感想  (8月17日)

 (1)
 被災地では仮設住宅などの土地が不足している。その一方で、田畑は大量に余っている。これらの田畑を住居用に土地転用することを推進するべきだ。
  → Open ブログ: 被災地の土地転用を進めよ

 (2)
 太陽光発電の休耕田には、雑草が生えやすい。それへの対策としては、雑草を除去するための農薬を使うことになるだろう。枯れ葉剤など。そのあとでは、休耕田はもはや農地には戻るまい。死の土地となるだろう。
  → Open ブログ: 太陽光発電と休耕田

 (3)
 地デジはすっかり普及した。では、そもそもなぜ、地デジを導入したのか? そこには意外な真相がある……と思える。
  → なぜ地デジか?
 
 (4)
 過剰な節電は不要だ(この夏は電力不足は起こらない)、ということは、本サイトでは何度も述べてきた。そのことはもはや絶対確実になった、と言えるだろう。[ただし東電管内。]
  → Open ブログ: 節電の不要性は確定した
 
 (5)
 空中の電波を使って発電する、という方法がある。これを使えば、うまく節電できるか? 
  → Open ブログ: 空中の電波で発電


● ニュースと感想  (8月17日b)

 「国債の日銀引き受け」について。
 池田信夫がまた半可通のデタラメを書いているので、指摘しておこう。次のページだ。
  → 意味不明な「国債の日銀引き受け」
  → 「通貨の信認を毀損しよう」と呼びかける民主党議員

 池田信夫は文中で次のように書く。
 市場で国債が消化されていれば、中銀が市場から買うのも政府から買うのも同じことです。
 これは市場から国債を買っているので、日銀が国債を引き受けるのと同じです。
 これは正しい。しかしそう理解したあとで、彼は「日銀が国債を引き受ける」ということを否定する。理由は「通貨への信認が失われるから」だそうだ。しかしこれは話が矛盾している。
 正しくは? 彼が最初に書いたとおり、「どちらも同じこと」である。だから、日銀引き受けにしても、日銀が市場から買うにしても、どっちでもいいのだ。
 池田信夫が「日銀引き受けでは駄目だ」という理由は、「通貨の信認がなくなるから」という心理的なものだけだ。しかし、心理的なものは、たいして影響をもたらさない。あるとすれば、せいぜい、彼の指摘した次の点だ。
 「通貨が信認を失うと実物資産や外貨への資産逃避が起こり、インフレと円安が起こります」
 この程度のことならば、現在の円高状況では、かえって好ましいくらいだ。デフレ・円高のときに、若干のインフレと円安の心理的効果が出るのであれば、それは好ましいことだ。
 にもかかわらず、彼がそれを否定するのは、「インフレがハイパーインフレになること」を恐れているからだ。
 このとき「2%のインフレで止めればいい」という人がいるが、通常の金融政策でインフレを止める手段は金利の引き上げしかない。財政インフレの場合は長期金利が暴騰するので、金利の引き上げでインフレを止めることはできません。
 政府がデフォルトを宣言しないかぎり通貨供給を止めることはできないので、インフレ・スパイラルは止まらない。財政破綻でハイパーインフレになるのは途上国ではありふれた事件ですが、ラインハート=ロゴフも指摘するように、このタイプのインフレはデフォルト宣言で政権が倒れるまで止まらない。インフレの原因が金融市場ではなく、政権の信頼喪失にあるからです。
 実は、ここが話のキモだ。そして、このことは、成立しない。
 彼は、バーナンキの背理法(流動性の罠批判)を、きちんと理解できていないようだ。ハイパーインフレが起こるのは、日銀が無制限の( or 莫大な)通貨供給をした場合だけだ。
 一方、今回の財源論議では、池田信夫も言うように、「20兆円ともいわれる復興財源」であるから、20兆円程度にすぎない。4年間で 20兆円なら、年間5兆円だ。これは年間 500兆円にも上る GDP のたった1%にすぎない。この程度の通貨供給の増加があったからといって、ハイパーインフレが起こるはずはありえない。
 つまり、「政府がデフォルトを宣言しないかぎり通貨供給を止めることはできないので、インフレ・スパイラルは止まらない」ということは、まったくありえない。こんな少額の日銀引き受けがあったからといって、通貨の信認が失墜するぐらいなら、とっくに失墜が起こっている。あまりにも馬鹿馬鹿しい。

 池田信夫の述べていることは、完全な間違いと言うほどではない。仮に、規模が十倍になっていたら、その危険性はある。つまり、年5兆円でなく年 50兆円の日銀引き受けが4年間も続いたら、ハイパーインフレ気味になるかもしれない。……が、その場合も、せいぜい年率10%ぐらいの物価上昇だろう。その程度ならば、金融政策で十分に制御可能だ。
 ただ、規模が百倍になると、金融政策で制御可能とは言いがたくなる。とはいえ、それは、百倍(つまり 年 500兆円)の日銀引き受けがある場合だ。
 一方、今回は、年5兆円(総額 20兆円)程度の日銀引き受けだ。この程度で「制御不能なインフレになる」と騒ぐなんて、あまりにも騒ぎすぎだ。それはいわば、「1ミリシーベルトの放射線で、誰もがみんな癌で死ぬ」という馬鹿騒ぎのようなものだ。
 池田信夫は、放射線では騒ぎすぎを(過剰なほどにも)鎮静化しようとしている。そのくせ、肝心の経済学では、「大変だあ」と大騒ぎを引き起こそうとしている。肝心の経済学の分野で、素人丸出しだ。
 
 正解を教えておこう。正解は、池田信夫が最初に述べたとおりだ。つまり、「日銀引き受けも、市場からの買いオペも、どちらも同じことだ」となる。特に、20兆円程度の規模では、そう言える。
 年 500兆円の日銀引き受けがあるならともかく、年5兆円程度の日銀引き受けがあるからといって、「大変だあ」と馬鹿騒ぎをするなんて、ナンセンスそのものだ。だまされてはいけない。


● ニュースと感想  (8月18日)

 「池田信夫の修正」について。
 前項を池田信夫も読んだらしくて、見解を修正して、新たな見解を出している。
  → 財政政策で円安にできるか
 論点のわかりにくい話だが、いちいちその整理をここでは述べない。ただ、簡単に言えば、こうだ。
 「数百兆円の国債発行ではハイパーインフレになる。数兆円の国債発行では無効。その中間ではどうか? 財政破綻によるハイパーインフレは、金融政策では止められない」
 自分で出した問題に、自分で答えていない。そこで私がいきなり正解を出せば、こうだ。
 国債発行の規模は、30〜40兆円として、その全額を減税に振り向ける。ただし今回は例外的に、10兆〜20兆円を復興資金に回してよい。(震災の特別事情で。)そして、景気回復が起こったあとは、金融政策にはよらず、増税によって資金を回収する。

 池田信夫は「金融政策ではインフレ抑制は無理」と述べたが、金融政策ではなく増税によればいいのだ。それが「中和政策」の教えることだ。
 デフレの脱却には、金融政策は無効である。池田信夫が何度も述べたとおり。そして、インフレの抑制にも、金融政策には限度がある。だから、いずれも、財政政策に頼ればいい。デフレ期には減税をすればよく、インフレ期には増税をすればいい。
 池田信夫は、金融政策の信奉者をさんざん批判しているが、その自分自身が、金融政策に凝り固まっている。世の中には「減税・増税」という経済政策があるのだが、そのことをちっとも理解できていない。そこで私が、本項で教えてあげるわけだ。


● ニュースと感想  (8月18日b)

 (1)
 防衛省は日本独自の無人機開発を本格化する方針を固めたという。飛行するロボットみたいなもの。
  → Open ブログ: 国産無人機の開発

 (2)
 今後、電気料金の大幅な引き上げが見込まれている。どうせなら、家庭用でなく産業用の電力を値上げするべきだ。これと「需給調整契約」の組み合わせにより、企業側は特に負担なく、値上げを受け入れることができる。
  → Open ブログ: 産業用電力の価格を上げよ

 (3)
 ソフトバンクは太陽光発電の買い取り価格を 40円/kWh にすることを主張している。そうはならないだろうが、もしそうなれば、ソフトバンクは倒産しそうだ。
  → Open ブログ: ソフトバンクは倒産するか?
 
 (4)
 今回の大地震の前に、地震学者は何をしていたか? 「大地震は起こらない」と予測していた。その過小な予測が、かえって被害を深めた。むしろ「わからない」と語るべきだったのだが。
  → Open ブログ: 科学の限界(その認識)
 

● ニュースと感想  (8月19日)

 (1)
 天竜川で転覆事故で水死者が出た。これを受けて、救命胴衣をほぼ義務化しようという動きがある。しかし、救命胴衣なんか、不要だ。もっと頭のいい方法がある。
  → Open ブログ: 天竜川で救命胴衣は不要

 (2)
 8月18日の猛暑と電力については、下記コメント欄に書いたので、そちらをご覧ください。
  → http://openblog.meblog.biz/article/5471056.html#comment

 (3)
 血液型と性格は、関係があるか? その本質を考える。
  → Open ブログ: 血液型と性格
 
 (4)
 恋と愛の違いは何か? 哲学的にな問題に思えるが、私なりに答えるなら、それは「関係性の有無」だ。
  → Open ブログ: 恋と愛の違いは?


● ニュースと感想  (8月20日)

 Google がモトローラを買収した。これによって Google は何をめざすか? パテントの獲得か? 違う。その先には、はるか先の狙いがある。それは「究極のもの」だ。
  → Open ブログ: Google は買収で何をめざすか?


● ニュースと感想  (8月20日b)

 「加藤茶の若奥さんの元画像」について。
 加藤茶の若奥さんは、加藤茶が自分で公開した。
  → http://ameblo.jp/katochanpe-blog/entry-10990294311.html
 プリクラで加工されているので、デカ目である。

 そのデカ目を修正した、元の顔の写真。
  → http://openblog.meblog.biz/image/ayana.jpg
     (推定版。誰が加工したのかは内緒。)


● ニュースと感想  (8月21日)

 (1)
 これまでの気候を見ると、今年は冷夏だと評価していいだろう。  なお、さらに私の予想を言うと、9月はたぶん涼しい。
  → Open ブログ: 今年は冷夏だね!(2011年)

 (2)
 孫正義は太陽光エネルギーを推進していたが、どうやら方向転換するつもりのようだ。というのは、スウェーデンの方式を見習うことにしたらしいからだ。
  → Open ブログ: 孫正義の方向転換(脱・太陽光)


● ニュースと感想  (8月21日b)

 「円高・ドル安」について。
 円高ドル安が進んでいる。この問題をどう扱うか? 

   ※ 本項を書いたのは 8月8日ごろ。最後のあたりが未完成のまま 放置して
     いるうちに、10日以上が過ぎてしまった。証文の出し遅れ。 (^^);

 円高ドル安について、いろいろ考えたが、熟慮の末の結論は、こうだ。
 「ある程度の為替介入はした方がいいが、効果は限定されている。基本としては、何もしないでいい。なぜなら、今回は別に円高という現象は起こっていないからだ」

 解説しよう。
 人々は「円高という現象が起こっている」と思い込んでいる。それは正しくない。実際に起こっているのは、「円高」ではなく、「ドル安」である。ドルが一方的に下がっているだけであって、円が高くなっているのではない。そのことは、次のページのグラフからもわかる。
  → http://www.hamacho.net/column/archives/2765
 このページの中ほどに「そもそも円高なのか」という項目があり、グラフが示されている。これを見ると、名目レート(円・ドル)では 2007年以降、急激に円高が進行しているが、実質実効レートでは、2008年から2011年春までほぼ安定している。

 同様のことは、次の記事でも示されている。
  → 実はまだ円安? 実質実効レートでは最高値の7割 (東京新聞)
( ※ 本項を書いたのは 8月8日ごろ。そのあとで気づいたのだが、池田信夫も同じようなことを何度か述べている。)

 要するに、米国以外の世界中の通貨をすべて見ながら、物価上昇の分も補正すれば、特に円高になっているわけではない。
 では、何が起こっているか? ただのドル安である。ドルだけは世界各国に対して一方的に下がっている。

 ではなぜ、ドル安か? それは特に不自然ではない。米国は消費過剰で、生産する以上に消費している。やたらと借金して。それは不健全な経済状況だ。当然、贅沢を辞めて、もっと倹しくして、勤勉に働くべきだ。やたらと輸入ばかりせず、きちんと働いて、借金を返す。それには、「ドル安」が妥当だ。
 この意味で、ドル安になるのは、きわめて自然である。というか、これまでの「米国の過剰消費に頼って、各国が輸出を増やす」という状況の方が、よほど不自然だった。それが是正されるのは、当然である。その意味で、ドル安が進むのは、当然のことだ。

 ──

 では、このあと、どう判断すればいいか? 

 (1) 基本は放置

 ドル安を進めていい。対米輸出は減るが、当然だ。今までが多すぎた、と認識するべきだ。
 「円高円高だ」と人々は騒ぐが、実は、対米以外は円高ではない。中国やアジアに対しては円高ではない。だから、これらは特に問題ない。(「円高だから大変だあ」と騒ぐのは、騒ぎすぎだ。)
 なお、中国や韓国や香港や台湾などは、対米輸出をする。これらの国の対米輸出が減ると、日本の輸出も減る。だが、それも当然だろう。米国は輸入過剰なのだから、その是正をすればいい。この点でも、放置でいい。
 対ユーロはどうか? この点では、円高があるように見えるが、実はこれも、ユーロ安である。金融や財政面からの不安が原因となったユーロ安だ。……とはいえ、対ユーロはもともと大きな貿易量ではない。また、円高より問題なのは、欧州の対日輸入規制だ。関税がかかっている。韓国は免税で、日本は5%課税、など。日本ばかりが損をする。これはずっと問題となっている。こっちの方が問題だ。こっちを対処するべきだろう。(FTA など。)

 (2) 為替介入は?

 為替介入は、何とも言えない。はっきりとした正解はないと思う。
 為替介入をしても意味がない、という見方は、成立する。日銀の介入額は限度があるようだし、限度がある限りは、いくらか介入しても、結局は同じことになるだろう。やってもやらなくても、あまり意味はない。実際、76円割れを阻止するために、6兆円規模の介入をしたようだが、すでに75円台になっている。先の介入はまったく意味がなかったことになる。
 しかし、為替介入がまったく意味がないかというと、そうでもない。相場というものは常に急変動を繰り返すものだ。今年の4月に85円で、今は75円だというのは、明らかに変動が大きすぎる。こういう急変動は阻止できれば阻止した方がいい。
 そして、過去において、実際に阻止が成功したことがある。2004年に、投機筋が円相場に莫大な投機資金を投じて、市場を操作しようとした。これに対して、小泉内閣の財務大臣だった谷垣(現・自民党総裁)が、徹底的な介入をして、円高を阻止した。そのときに投じた資金は 30兆円(当時)であり、これまでの介入では空前絶後と言えるほどの大規模資金だった。……この勝負では、日本政府が勝ち、投機筋は負けて大損した。破産した投機筋も多かったらしい。この為替介入は、歴史的な事件として、今日でもしばしば話題になる。
 以上のことからすると、今回の為替相場でも、40〜50兆円の資金を用意して、78円ぐらいまで戻すのなら、それは意味があることだと思う。ただし、それなりの覚悟が必要だ。ひるがえって、10兆円ぐらいの資金を用意するだけでは、すぐに弾切れになるので、そんなことはやってもやらなくても、どっちでも同じことだろう。

 (3) 為替介入のあと

 日本の為替介入の規模が小さくなりがちであることには、理由がある。それは、「円売りはやるが、円買いはやらない」ということだ。どうせなら「高いときに売って、安いときに買う」というふうにすれば、問題はない。それならば会計は黒字になる。なのに、「売るのはいいが、買うのは駄目」というのでは、どうしても「売り」の規模は小さくならざるを得ない。
 だから、介入をするならば、まずは基本方針を転換するべきだろう。「今後は円買いもやります」というふうに。たとえば、「81円よりも円安になったら円を買います」というふうに。……こういう方針を立てておけば、現段階で 40〜50兆円の円売り・ドル買いができるだろう。一方、こういう方針を立てておかなければ、現段階での介入は小規模にならざるを得ないので、やってもやらなくても、結果はほとんど変わらないだろう。

 (4) 空洞化は起こっていない

 「産業の空洞化が心配だ」という声もある。しかしそれは、杞憂にすぎない。円高はどんどん進んでいるが、日本の貿易黒字は縮小していない。それどころか拡大気味だ。
 たとえば、トヨタも日産も、世界規模で大幅増産をする見込みだとアナウンスしたばかりだ。
  → トヨタ 世界生産890万台計画
  → 日産、販売1000万台計画
  → 日産アセアン中期計画 販売台数を5年で3倍に…50万台
  → 日産の中国生産台数、2015年までに倍増へ

 産業の空洞化どころではない。世界規模でものすごい拡大をしようとしている。当然、部品輸出も多額になる。つまり、空洞化とは逆の「大幅な輸出増」が起こりそうだ。
 ま、日産は、海外製のマーチを輸入しているが、そういうことが少しぐらいあるからといって、自動車会社の莫大な輸出増加が消えてなくなるわけではない。大幅な輸出増加に対する相殺要因がいくらかある、という程度のことだろう。
 「空洞化が起こる」というよりは、「大幅な輸出増加にいくらか冷や水が浴びせられる」というぐらいのことだ。

 (5) 内需増加

 そもそも、景気対策で言うなら、輸出に依存する発想そのものが根本的におかしい。日本のGDPにおける輸出の占める割合は小さい。大部分は内需だ。景気対策が問題なら、輸出がどうのこうのなんて騒ぐよりは、まずは内需拡大をするべきだ。空洞化の死パイをするのは、てんで見当違いだ。比喩的に言うなら、緊急手術が必要な大ケガをした病人が、風邪にかかるのを心配するようなものだ。今はそんなことで騒ぐときじゃないんだが。


● ニュースと感想  (8月22日b)

 「円高・ドル安」について。
 円高・ドル安が進んでいるので大変だ、という記事があふれている。
  → とどめ刺された・壊滅だ…超円高に町工場悲鳴
 しかしよく読むと、自分の製品が売れなくなるというよりは、「自動車会社からの注文が来なくなる」という心配。
 しかし現実には、自動車会社は世界における総生産台数を増やしつつある。(前日分で記したとおり。)
 だから、上記のような「空洞化の心配」は、当てはまらない。
 
 そもそも、今回の現象は、特に「円高」というほどではない。なぜなら、海外では物価上昇があるので、物価上昇のない日本と比べると、時間がたつにつれて少しずつ円高になるのは当然だからだ。(物価上昇があると、貨幣価値が低下するので、その国の通貨は価値が低下する。)
 この点を補正すると、「購買力平価」というものが出るが、この値を見ると、現時点では特に円高になっていないことがわかる。

 購買力平価の一種として、「ビッグマック指数」というものがある。
  → 購買力平価説 - Wikipedia
  → ビッグマック指数 - Wikipedia

 この数字に着目すると、現状は別に円高というほどではない、とわかる。そういう報道がある。
  → ビッグマック指数だと…極端な円高ではない?
  → 2011年エコノミスト誌のビックマック指数(表) - Bloomberg.co.jp

 結論。
 「円高だ、円高だ」と大騒ぎしている人が多いが、現状は「ほんのちょっとの円高」というにすぎない。本当は、今までは円安だったのが、いくらか補正されたという程度のことだ。
 また、対ドルでは円高になっているが、他の国との比較では特に円高というほどでもない。
 要するに、たいして騒ぐほどのことじゃない。一時的な変動を是正するために、いくらか介入するのは構わないが、大幅にレートを変動させることはできないし、そうしようとめざすべきでもない。適正レートは 78円ぐらいだろう。現状(75円)は、あえて大幅介入するほどのレートではない。放置しても、特に問題はない。

 [ 付記1 ]
 ビッグマックは、いくらか? 上記記事では、米国で 4.07ドルということだが、念のために調べてみると、次の記事があった。
  → The Big Mac retail price at McDonald's, in New York City is $3.95.
 また、米国では消費税が9%が別途かかる。合計すると、 4.07ドルでいいのかもしれない。なお、米国では別途、チップがかかることがある。特に高級レストランではそうだ。それが消費税の倍ぐらいかかる。

 [ 付記2 ]
 ドル安については、それで当然だ、と前日分で示した。そもそも、ドルは乱発されているので、ドル安になるのは当然のことだ、と。
 本来ならば、米国では通貨乱発にともなって、インフレになるのが当然なのだが、米校でも流動性の罠になって、物価が上昇しない。……となると、ドル安を通じて、輸入物価が上昇するのが、当然だろう。
 今後、ドル安とともに、輸入物価が上昇すると、国全体の物価が上昇して、貨幣価値の低下が起こる。それにともなって、さらにドル安が進行しそうだ。ドルは長期的には、どんどん下がっていくだろう。この点では、円売り介入というのは、あまり賢明ではない。円売り・ドル買いをしても、どっちみちドルは低下するに決まっているからだ。

 [ 付記3 ]
 ドルの通貨乱発については、クルーグマンが言及している。この件について、池田信夫も言及している。割とまともな話。
  → 池田信夫ブログ

 通貨レートについては、為替トレーダーの面白い話がある。
  → 20代で12億稼いだ俺が伝授します
 これを読むとわかるが、「一攫千金」を狙って外貨投機にはまり込む素人たちは、プロからは「バカ」と見なされている。つまり、「カモ」だ。彼のように大儲けするプロが出現するのは、「一攫千金」を狙って外貨投機にはまり込む素人(カモ)がいっぱいいるからだ、とわかる。
  → 1千万円損した西原理恵子の自己体験記


● ニュースと感想  (8月22日b)

 「池田信夫のデマ」について。
 池田信夫がまたデマを飛ばした。
 福島瑞穂の内縁の夫について、「夫の海渡雄一氏は元中核派」と述べている。これはデマ。「元中核派の幹部と関係がある」だけ。
 池田信夫流の表現だと、暴力団と関係のある相撲取りは、暴力団員だということになる。そんなはずはないでしょ。デマはやめましょう。告訴されても知らないよ。

 教訓。
 人の悪口を言うときには、きちんと調べましょう。


● ニュースと感想  (8月23日)

 「池田信夫の誤認」について。
 池田信夫が勘違いをしているので、指摘しておこう。良くあるか? 違いなので、特に彼がバカだということではないのだが。
  → 今は「円高」ではない (池田信夫ブログ)

 まず、「今は円高ではない」という認識はおおむね正しい。
 また、「相対的に強い経済の国の通貨が高くなるのは当たり前」という主張を否定しているのも正しい。この主張は、レーガノミックスの「強いドル」を信じた素人認識だろうが、それは経済学的には成立しない。レーガンは政治的信条で「金利を上げて、ドル高をもたらす」というマンデル・フレミングモデルに従った政治方針を取ったが、それはあまり意味がない。とにかく、通貨レートは、貨幣価値によって決まる。貨幣価値は、貿易競争力と物価上昇率で決まる。最近では後者の影響が強くなっている。
 ま、これは、二の次だ。

 肝心なのは、池田信夫の次の話だ。
 もともと変動相場制は、フリードマンなどが経常収支の不均衡を是正するメカニズムとして提案したものだが、実際にはそうならなかった。
 その原因は、貿易の決済のための実需は外為市場のごく一部しかなく、為替取引(5兆ドル/日)の99% は投機的取引だからである。ここでは通貨は株式や債券と同じ金融資産だから、経常収支なんか関係なく、重視されるのはそのインカムゲイン(金利)とキャピタルゲイン(値上がり益)だ。
 1日に5兆ドルが動く外為市場の動きを数千億ドルの為替介入で阻止することはできない。
 これは正しくない。99% は投機的取引だとしても、そのほとんどは買ったり売ったりであり、単に市場のなかで金がグルグル回っているだけだ。
 比喩的に言うと、新車の売上げが1万台であるときに、中古車を書類上で売買する人がたくさんいるせいで、中古車が1000万台の取引があるようなものだ。ここで、「中古車は新車の 1000倍もある」と思うのは間違いだ。実際には 1000台の中古車があり、それが 1万回の売買を繰り返しているだけかもしれない。取引の量が多いということは、中古車の台数が多いということを意味しない。
 それと同様だ。投機的な売買がいくら多くても、それは貨幣の実需を反映しない。だからこそ、実質的な介入は、純粋に「買い」または「売り」であるがゆえに、取引における割合は小さくても、多大な影響を及ぼす。
 前日の項目の最後のあたりで示したリンク先でトレーダーが述べているように、「国には勝てんよ」というのが、トレーダーの正直な感想だ。数兆円程度の介入は効果がないが、国が本気を入れれば(数十兆円を投入すれば)、介入の効果は出る。その実例が、2004年の円取引だ。ここでは、国際投機資金と日本政府とが、全面的な争いをした。そのすえに、日本政府が勝ち、国際投機資金は負けて大損をした。日本政府はいくらでも円をすれるのだから、国際投機資金が実需に反した投機戦を仕掛けても、勝てるはずがないのだ。

 ま、簡単にまとめれば、「正義は勝つ」というのが正しい。つまり、実需にふさわしい相場が正しい。投機資金が実需から乖離したレートに持ち込もうとして為替を操作しても、日本政府が介入することで、是正できる。
 逆に、現在のレートがほぼ適正であるからには、日本政府が「現在の 75円は超円高だ」と見なして、「85円にしよう」としても、それは実需を離れた不適正な価格であるから、巨額の投機資金には対抗できず、負けてしまう。一方、投機資金が 65円ぐらいをめざして相場を操作しようとすれば、日本政府が介入することで 75円ぐらいまでは戻せる。……いずれにしても、適正価格に落ち着く。それが「正義は勝つ」ということだ。
 そして、正義がどのくらいであるかは、「購買力平価」や「経常収支」によって決まる。その意味で、「経常収支なんか関係なく、重視されるのはそのインカムゲイン(金利)とキャピタルゲイン(値上がり益)だ」という池田信夫の認識は間違いだ。なるほど、1日か1時間ぐらいを単位とする投機的な価格変動ならば、池田信夫の認識でいい。しかし、中期的にどの価格が適正であるかについては、経常収支が非常に大きな比重を占める。たとえば、ギリシアの経常収支が大幅黒字であれば、ギリシアの危機やユーロの危機はあっという間に解消しているはずだ。……こういう点について、池田信夫は正しく理解できていない。投機相場のエコノミスト的な表層ばかりを理解しており、物事の本質を理解できていない。……そこがまあ、クルーグマンと違って、浅い理解しか得られない池田信夫の限界なのだが。
 ただ、これと同じ限界は、たいていの経済学者やエコノミストに当てはまる。特に池田信夫だけが間違っているわけではない。正しく理解できているのは、私とクルーグマンぐらいだろう。……あと、前項で述べた「大成功した為替トレーダー」も、正しく理解できている。
 その意味では、池田信夫が FX 取引なんかをやったら、ものすごい大損をするに決まっている。彼が自分の間違いを理解するには、 FX 取引をやって大損するといいかもしれない。そのとき初めて、彼は「自分は為替のことを半分しか理解していなかった」と気づくはずだ。


● ニュースと感想  (8月23日b)

 太陽光発電の発電量は、時間ごとに山形を描く。正午にピークが来る。つまり、午後は時間とともに急減する。
  → Open ブログ: 太陽光発電の時変化


● ニュースと感想  (8月24日)

 (1)
 太陽光発電は、今すぐには普及しないだろうが、10年後には普及する可能性が高い。では、10年後の普及を実現するには、どうすればいいか? 何もしないことがベストだ。
  → Open ブログ: 10年後の太陽光発電

 (2)
 浦安市では地表に噴き出した土砂がある。だが、その処分に困っているという。  それならば、近く来る関東大震災に備えて、防潮堤を作ればいい。
  → Open ブログ: 浦安の土砂で防潮堤を


● ニュースと感想  (8月24日b)

 「原発事故の教訓」について。
 原発事故から、教訓を学ぶことができる。次の各項が参考になる。今見直しても、興味深い話があるので、読んでみるといいだろう。
  → 失敗しない方法
  → 災害とエラー回避
  → 津波と原発(どちらも慢心)


● ニュースと感想  (8月25日)

 (1)
 リビアの内戦は、独裁者の追放という形で集結した。このような形の「戦争」をどう評価するか?
  → Open ブログ: リビアと戦争の原理

 (2)
 スズメとオウムの進化的な近縁性が、遺伝子の解析でわかった、という報告がある。これは何を意味するか? 
  → Open ブログ: スズメとオウムの近縁性


● ニュースと感想  (8月26日)

 「リビアの戦争の仕方」について。
 リビアの戦争は、たいした先頭もなく、首都制圧が終わった。これはどうしてか?
 23日の朝日と読売の朝刊に、説明がある。それを読んで思ったのは、「私ならばこうする」というのと、同じ戦略を取ったからだ。つまり、「戦わずして勝つ」という方法だ。具体的には、次の二点。
  ・ 空爆
  ・ 補給路の遮断(兵糧攻め)
 空爆によって戦車や陣地などを破壊する。その一方で、補給路を断ち、物資の不足に追い込む。首都圏ではガソリンなどの物資が極端に欠乏していたというが、それからしても、政府軍側の兵站は欠乏に陥っていたはずだ。タマ不足や燃料不足に陥れば、軍というものはまともに機能しなくなる。そういうことだ。
 戦車にしても、あっさりと空爆で標的にされたのは、戦車を動かす燃料も不足していて、もはや「動かぬ鉄塊」と化していたからだろう。そんなものは、もはや攻撃力もろくにないが、そのあとでただの「誘導弾の標的」と化したわけだ。
 ともあれ、「私ならばこうやる」と思ったのと、同じことを、NATO 軍と反政府軍の側は実行した。作戦を立てたのは NATO 軍だろう。反政府軍はやたらと突っ込みたがったのだろうが、NATO 軍が「待て待て。われわれが空爆をするから、そのあとで周囲を制圧して、補給路を断て。戦うばかりが能じゃない」とたしなめたのだろう。
 かくて「戦わずして勝つ」という、被害が最も少ない方法で、勝利を得たわけだ。
( ※ 2ちゃんねるに多い軍事オタクには、あまり好まれない方法だとは思うが。彼らは戦車でドンパチやるのが面白いだけ。ただの素人のお遊びの戦争ごっこ。小学生ぐらいのガキと同じですね。「降参しろ。僕が勝つぞー。バババ バーン」なんてね。)


● ニュースと感想  (8月26日b)

 (1)
 鳥と恐竜は、進化的にどういう関係にあるか? 私の説を述べるかわりに、通説を紹介し、同時に、その矛盾を示そう。
  → Open ブログ: 鳥と恐竜(通説の矛盾)

 (2)
 ジョブズの退任について、NY times が良い記事を掲載している。
  → NY times の記事 (英文)
 ※ 開発計画は軌道に乗っているので、あと1,2年ぐらいは大丈夫だが、そのあとは、カリスマがいなくなるので、前途不明という話。カリスマの偉大さがしのばれる。
 次の話も、ちょっとはおもしろい。(はてなブックマークで話題。)
  → スティーブ・ジョブズ―ひとつの時代が終わった

 池田信夫の話もある。
  → 民主党がスティーブ・ジョブズに学ぶべきこと
 呆れた。自分の悪口を言うために、ジョブズを引き合いに出している。自分勝手な手前ミソ。こんなことのために利用されたら、ジョブズがかわいそうだ。
 ジョブズという人物を見て、何か有益な立派なことを感じ取る人もいるし、悪口を言うために見当違いな利用をするだけの人もいる。人間の器がわかるというものだ。


● ニュースと感想  (8月27日)

 (1)
 瀬戸内海の塩田跡地にメガソーラーを設置しよう、という動きがある。使わなくなった塩田跡地を有効利用しよう、というわけ。しかし、自然保護を優先するべきだ。
  → Open ブログ: メガソーラーの自然破壊

 (2)
  古着(タオルや布団なども)を、バイオエタノールにして、燃料に利用する、という技術が開発されている。うまい方法のようだが、まずい。直接燃やす方がいい。
  → Open ブログ: 古着をエネルギー源に


● ニュースと感想  (8月27日b)

   「クルーグマンの皮肉」について。
 バーナンキはかつて日銀のことを無策だと述べて、われわれならばこんな愚劣なことをしないと批判した。(日銀がもっと迅速に量的緩和をやれば、日本経済はこんなにひどくはならなかったはずだ、と述べた。)
 だが、それと同じことが今の米国では起こっている。かつて日銀を批判したことが、そっくりそのまま起こっている。
 私は当時、これを聞いて呆れていた(量的緩和で済むはずがないから)。それゆえ、今回の米国の状況で、これを思い出して、両者を対比していた。
 ところが、クルーグマンも早速、同じことをはっきりと皮肉った。
 Meanwhile, for background reading, here’s Bernanke’s 2000 critique of the Bank of Japan (pdf) for its failure to take strong action in the face of an economy that was actually in much better shape than the US economy right now. ( → NYtimes
 これを見て、クルーグマンを「意地悪だよなあ」と批判した人がいる( → ツイッター)。池田信夫もリツイートした。
 だが、意地悪という問題じゃないでしょう。自分があれだけ他人の悪口を言ったなら、それが自分に降りかかるのは当然だ。昔の言葉を教えてあげるだけ、親切だとも言える。
 私だって、孫正義の悪口をいっぱい書くのは、孫正義に意地悪しているからじゃなくて、孫正義が道を踏みはずさないように、親切に言ってあげているだけだ。……まったく。凡人はそれを理解できないのだから、困るね。
 意地悪なのは、「意地悪だなあ」と感想を書く人や、それをリツイートする人だ。それこそ純粋な悪口。イヤミなやつ。

 [ 余談 ]
 「そう言うおまえこそ……」とは、言いっこなし。 (^^);


● ニュースと感想  (8月28日)

 (1)
 Google でワイルドカード検索や数値検索などの特殊な検索法を紹介する。
  → Open ブログ: Google検索テクニック

 (2)
 ゴーヤをおいしく食べる方法。キュウリと合わせてサラダにしてから、焼き鳥に添えて食べる。
  → Open ブログ: ゴーヤとキュウリのサラダ






「泉の波立ち」
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