[付録] ニュースと感想 (154)

[ 2011年 8月29日 〜 10月17日 ]   

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        8月29日 〜 10月17日







● ニュースと感想  (8月29日)

 ジョブズは凡人とはどこが違うか? 発想の仕方が異なる。凡人は「何ができるか?」を考えるが、ジョブズは「何をめざすか?」を考える。
  → Open ブログ: ジョブズの発想


● ニュースと感想  (8月30日)

 Web 2.0 というのは、ただの虚構にすぎなかった。しかし今や、まったく新しい時代に突入しつつある。それはパソコンとケータイが合体して無線を使う環境だ。それは Net 2.0 と呼べる。
  → Open ブログ: Net 2.0 の時代


● ニュースと感想  (8月30日b)

 「野田首相」について。
 民主党の代表が野田に決まった。
 次期首相は誰がいいか、という話題であれこれと語っていた人もいる。しかし私は無関心だった。誰になっても、菅直人よりは劣るからだ。
 で、結局、野田になったわけだが、それは私が8月15日に書いたとおりだから、下馬評の通りだ。大山鳴動ネズミ一匹。さんざん騒いでも、何も騒がなかったのと、同じ結果になった。 (^^);
 このあと、どうなるか? 前に書いたのと同じだ。誰になっても、菅直人よりは劣る。それが「野田首相」という形で決まったわけだ。(この点では、私の予想通り。)

 で、私は世間の人々に問いたい。
 「『菅直人は無能だ。誰が替わりになっても、菅直人よりもマシだ』と語っていたが、本当にそうか? 今度の方がもっと悪いのでは?」
 と。
 
 ま、私がたった一つ胸をなで下ろせると思うのは、原発事故の当時の首相が、菅直人であったことだ。それによって、「原発近隣の住民が放射能まみれ」になることもなかったし、「原発が途方もない大暴走を起こす」ということもなかった。あの状況においては、被害は最小化された。
  → 怒鳴った菅首相

 野田首相だったならば、そういうことはなく、被害はもっと多大だっただろう。その意味で、野田首相の時点で、今後は原発が大暴走しないということは、いくらかは救いだ。……というのは、菅直人がすでに「浜岡の停止」を決めているからだ。いくら何でも、野田がこれをひっくり返すことはないだろう。

 問題は、数年後だ。そのとき、海江田首相になっていたら、海江田のことだから、浜岡を動かしかねない。その意味では、今回、海江田首相にならなかったのは、不幸中の幸いだ。
 もし海江田首相のときに原発事故が起こったら? 彼はどうするか? 泣き出すだけでしょ。 (^^);
 いや、むしろ、小沢さんのところに行って、「どうしたらいいの?」と泣きすがるだけだろう。そして、小沢さんは、こう答える。
 「東京電力に政治献金をいくら払うか聞け。金次第だ」
 だから今回、海江田首相にならないで、本当に良かった。 (^^)v

 とはいえ、菅直人をつぶして、もともとつぶれた顔をしている人を首相にするとは。呆れた日本人だ。どじょうすくいでもやっているつもりかね。


● ニュースと感想  (8月31日)

 「野田首相に何を望むか?」について。
 野田首相に何を望むか? そんなことは、関係ない。別に彼が人々の意見を実現するわけじゃない。何を望もうと、意味はない。
 野田首相は、何を望まれているか? それは、意味がある。こうだ。
 「東電の電気料金を大幅値上げすること」
 「消費税を上げること」(≒ 法人税を下げること)
 「できれば浜岡原発を稼働させること」
 この三つである。この三つができれば、野田首相は右翼から褒められるので、自民党も攻撃しなくなる。自民党は「野田がやめて前原が出てくると、選挙で負けそうなのでやばい」と思って、野田の続投を期待しているし。
 というわけで、野田首相は、上記の三点を実行していくだろう。

 しかしそれは、国民にとっては、最悪だ。菅直人よりも、さらに悪い。菅直人は「東電の解体」をめざしたが、その道の途上で、つぶされてしまった。野田はたぶん、そういうことはしないだろう。そのせいで、右翼の覚えもめでたいだろう。
 消費税の値上げは……たぶん実現するだろう。民主党が実現させて、自民党が反対して、だけど最後には可決する……というシナリオだ。そのせいで、景気はいっそう悪化する。そして、自民党は支持率を上げ、民主党は支持率を下げて、次期選挙では、民主党が惨敗する。「野田支持」をした自民党の作戦勝ち。 (^^);

 ともあれ、野田首相は、自民党や右翼に望まれたことをする。国民に望まれたことはしない。国民が何を望もうが、関係ない。右翼と東電の意向に従って、彼らの操り人形となる。そして、そうすればそうするほど、「有能だ」と褒められて、彼はいい気になる。次の夏には、ふたたび「A級戦犯は犯罪者ではない!」と語るだろう。

 ま、彼自身、A級戦犯みたいなものだからかな。広島に原爆を落とすかわりに、似たようなことをするつもりなんだろう。

 [ 付記 ]
 最新のニュースによると、彼の最初の仕事は、輿石を幹事長に据えること。
 駄目だ、こりゃ。……思った以上にひどい首相だな。菅直人に戻したい。


● ニュースと感想  (8月31日b)

 (1)
 太陽光発電や風力発電のような自然エネルギー発電を推進するためには、スマートグリッドが必要だ、という発想がある。しかし、それは幻想だ。巨額の蓄電池を配備することは不可能だからだ。
 → Open ブログ: スマートグリッドという幻想

 (2)
 福島の土壌汚染の地図が公開された。
 → Open ブログ: 福島の土壌汚染の地図(8月)

 (3)
 フードプロセッサー(調理を楽にしてくれる機械)を紹介する。
 → 書評ブログ「フードプロセッサー」


● ニュースと感想  (9月01日)

 爪が割れたら、どうするべきか? 自分で補修してもいい。だが、ネイルサロンで直してもらうのもお勧めだ。1本 1000円程度。
  → Open ブログ: 爪が割れたら……


● ニュースと感想  (9月01日b)

 「野田と小沢」について。
 この二人は、顔の雰囲気が似ている。
  → 野田佳彦
  → 小沢一郎

 参考画像
  → 若き日の野田佳彦 (別人?)
  → どじょう


● ニュースと感想  (9月02日)

 (1)
 財政再建のために、増税が必要である。では、その条件は? インフレ状態である。その理由は、「増税できる環境」を用意しておくことだ。つまり……
  → nando ブログ :  増税の条件 3

 (2)
 財政改善と景気対策を兼ねて、「社会保障費を削減せよ」(老人を年金で優遇するな)という発想がある。それは妥当か? 
  → nando ブログ :  財政改善と景気対策


● ニュースと感想  (9月02日b)

 (1)
 地震・津波の警報をする機械がある。地震の発生後、地震の波動が到達する前に、地震の発生を知らせる。
  → Open ブログ: 地震・津波の警報器

 (2)
 9月1日は 関東大震災の日。そこで以前の地震関係の過去記事をまとめておく。 ( ※ 東日本大震災よりも前の分。地震一般についての記事。)
  → Open ブログ: 地震と対策の記事


● ニュースと感想  (9月03日)

 日本車は、韓国車に敗北しつつある。なぜか? 韓国車を作っているのはドイツ人だからだ。
  → Open ブログ: 日本車 vs 韓国車


● ニュースと感想  (9月03日b)

 「野田首相のリーダーシップ」について。
 野田首相は、どういう首相になるか? ひとことで言えば、「リーダーシップのない首相」だろう。
 これと反対なのが、菅直人みたいな「リーダーシップだけがある首相」だ。号令だけはするが、その先のことを考えないので、ろくに政策は実現しない。しかしそれでも、号令だけで済むような場合には、うまく行く。
 例。東電が原発現場から撤退するのを阻止した。
 例。浜岡原発を止めた。
 一方、野田首相みたいなタイプは、そういう号令を出せない。東電が何かを言い出したら、それを強引にねじ曲げることはできないし、浜岡原発をすぐさま止めることもできない。合意形成までに長い時間がかかる。その間に事態が急速に変化していく場合には、とんでもない大被害が発生する。その意味で、危機時の首相としては、最悪だ。
 ただし、事態が急激に変化しないときには、すべてを部下に丸投げしても、大丈夫だろう。首相一人の頭で考えるよりは、部下が「三人そろえば文殊の知恵」で頑張る方がマシだろう。
 とはいえ、凡人の官僚がいくらそろっても、そこからは定型化された発想しか出てこない。緊急時には役立たずのことが多い。たとえば、「震災から復興」というのは、前例がほとんどないことだから、官僚は何をするべきかもよくわからないだろう。その点では、菅直人の「復興会議」は正しい方向性を示した。一方、今の官僚は、「防潮堤を早く補修しよう」と述べている。1200億円をかけても簡単にぶっ壊れた防潮堤がある。こういう防潮堤を補修しよう、と予算を要求しようとしている。「大金を掛けても、ぶっ壊れるだけで、津波阻止には何の役にも立たなかった」という防潮堤を再構築しようとする。その一方で、「少額の費用で大きな効果があった」という内陸堤防については、国土省は無視している。(宮城県はそうではない。あそこの知事は頭がいいので、内陸堤防を重視している。)

 やはり、役人任せでは駄目で、まともなリーダーシップを取れる人(宮城県知事のような)が必要なのだろう。その意味では、「部下に丸投げ」という「調整型」の野田首相は、まったく適していない。震災のさなかではなく、震災の直後だとしても、菅直人よりも劣る。
 宮城県知事のようなタイプの方がずっといいのだが。……そういう政治家は、政府近辺には見当たりませんね。しいて言えば、河野太郎か。あれは自民だから仕方ないが。

 [ 付記 ]
 野田という人物は、これまでの経歴からしても、政策というのは「増税」と「A級戦犯の擁護」ぐらいしかない。政策面からすれば、「政治家」という言葉にはふさわしくない。「政治をやらない政治家」みたいなものだ。
 彼の頭にあるのは「権力を取ること」だけだ。ただ、その方法が、小沢のような「ゴリ押し」ではなくて、「低姿勢」であるという点で、小沢とは大きく異なる。従来の自民党の方に多く見出されるタイプだ。
 平時ならばそつなくやれるだろうが、今のような変動の時期には、あまりにも向いていない。野田首相に「復興や財政問題を解決してもらおう」と夢見ている連中は、あまりにも期待過剰だろう。白昼夢みたいなものだ。


● ニュースと感想  (9月04日)

 (1)
 地震速報をネット経由で受け取るには? 専用アプリが情報提供すればいい。
  → Open ブログ: 地震速報とネット 2

 (2)
 地震が発生した直後には、何をなすべきか? あわてふためく前に、なすべきことがある。それは「水の確保」だ。飲むためではなく、トイレのために。
  → Open ブログ: 地震と水

 (3)
 被災地で鉄道が損壊したが、再建に費用がかかるということで、難航している。そこで、路面電車を導入してはどうか? 
  → Open ブログ: 被災地に路面電車を


● ニュースと感想  (9月04日b)

 「紳助とカンボジア」について。
 紳助は引退したが、カンボジア小学校の帳尻はどうなったのだろうか? 
 調べてみたところ、小学校は1校建っただけで、1億円以上の金の大部分は使途不明になっているようだ。誰かが検証すればいいのだが、日本テレビは「問い合わせにはお答えしません」とのことだ。
 日本テレビも加担した紳助の詐欺……ではなくて、日本テレビそのものが詐欺の主犯だったことになるのかも。

  → 疑惑1
  → 疑惑2
  → 現地調査
  → 日本テレビの説明拒否


● ニュースと感想  (9月05日)

 (1)
 「節電を推進するにはスマートメーターが必要だ」という発想がある。しかし無意味だ。なぜならその意味のスマートメーターはすでに用意されているからだ。「深夜電力」という形で。
  → Open ブログ: スマートメーターと深夜電力

 (2)
 「財政赤字が拡大しているのを解決するために、増税するべきだ」という増税論がある。しかし増税すれば、経済が縮小するので、財政はかえって悪化する。このことは「貯蓄のパラドックス」で説明される。
  → nando ブログ:  財政再建と貯蓄のパラドックス


● ニュースと感想  (9月06日)

 (1)
 台風の影響で、和歌山・奈良に水害の被害が多大に発生した。  これへの対策は、東日本大震災への震災対策を援用するといい。
  → Open ブログ: 震災対策を水害に生かせ

 (2)
 人工細胞の増殖が実験的に成功した。これは「生命の起源」に結びつく。
  → Open ブログ: 人工細胞/生命の起源

 (3)
 「超球理論に数式はないのか?」という疑問に答える。
  → Open ブログ: 超球理論の数式 1


● ニュースと感想  (9月06日b)

 「床屋談義」について。
 野田首相が 1000円の床屋に行ったということを、池田信夫が何度もツイッターして、おまけに独自の記事まで書いた。物好きですねえ。
  → 野田首相がQBハウスに行ったわけ
 例によって我田引水みたいな話にして、「サービス業の生産性を上げろ」なんて結論している。
 馬鹿馬鹿しい。生産性を上げるのに一番簡単な方法は、料金を上げることだ。(生産性は時間あたりの金額で測定されるので。)で、料金を上げるには、客の所得を増やせばいい。要するに、みんなが高所得になれば、床屋も高所得になる。それだけのことだ。
 一方、10分間ぐらいであっというまに散髪を済ませる、ということは、生産性を上げるということじゃなくて、「安くて低品質」というサービスが生じる、というだけのことだ。
 ちなみに、 10分間で1人の床屋と、30分で1人の床屋は、どちらが生産性が高いか? 池田信夫ならば、「前者は3倍の生産性」と言うだろうが、実際は料金しだいだ。後者の料金が 3000円ならば、両者の生産性は等しい。これが正解。

 こういうことがわからない人は、過去記事を見るといいだろう。本サイトで「床屋」「ウェイトレス」を検索してみればいい。
  → サイト内検索「床屋|ウェイトレス」
 ( ※ このうち ニュースと感想 (143) の記述が重要。)


● ニュースと感想  (9月07日)

 本日はお休みです。
 ただし、既存の項目に加筆した箇所があります。下記項目の最後の部分。
  → 怒鳴った菅首相 【 後日記2 】

 ( ※ 原発事故のあと、東電が撤退しようとしたのを、菅首相が阻止した……という未確認報道について、朝日新聞が菅直人に直接インタビューして、確認を取った。)


● ニュースと感想  (9月08日)

 「デフレの意味」について。
 池田信夫がまたデタラメを書いているので指摘しておこう。
 日本で起こっている物価下落の大部分は、図のように相対価格の低下である。
  ( 図 )
 では、なぜ日本だけで物価下落が起こるのか。これについては諸説あるが、金融市場が流動性の罠に入って金融政策がきかないことが大きな要因だ。
 だからコアコアCPIがマイナスだからといって通貨供給を増やしたところで、何の意味もない。日本が直面している問題の本質は、貨幣的な「デフレ」ではないからである。
( → 池田信夫ブログ
 冒頭の
 「日本で起こっている物価下落の大部分は、図のように相対価格の低下である。」
 というのは、おおむね正しい。言葉の使い方は変だが、要するに、部門ごとにあガット足り下がったりしているので、一概には「価格下落だ」というふうには決めつけられない、という意味だ。
 そして、そこから、「物価上昇率がマイナスだ,というのはあまり意味がない」とわかる。1%程度の上下の変動は、背景にいろいろと事情があるから、細かな数値で「上がった、下がった」と騒ぐほどのことはないのだ。
 
 こうして、「何が無意味か」はわかった。では、「何が意味をもつ」と言えるのか? つまり、デフレの本質は何か? 
 本質そのものは、「生産量の縮小」である。これはマクロ的な現象だ。(池田信夫みたいなマクロ音痴には、「生産量」という言葉は理解しがたいのだろうが。)
 で、「生産量の縮小」は、どういうふうに示せるか? 名目GDPでそのまま知ることもできる。それが減っていれば、実質GDPが減っているか、物価上昇率が減っているか、あるいはその双方であるかだが、どっちみち、デフレと言える。その意味で名目GDPがマイナスであるという指標は、かなり生活実感に近い。
 物価上昇率の補正を経ると、こう語られることもある。
 「物価上昇率がひどいマイナスだから、名目GDPは減っていても、実質GDPが増えていることになり、日本経済は成長している。今はデフレじゃない」
 こういうキジがひところ出たことがあるか、生活実感にそぐわない。

 というわけで、名目GDPに着目すれば、デフレかどうかはかなり判定できる。では、その値は? 下記にある。
  → 国内総生産 - Wikipedia
 これを見ればわかるように、2007年をピークとして、ここ数年間はずっと下落の一方だ。このことからしても、「日本はデフレである」と言っていいことがわかる。

 さらに、別の指標もある。それは、金利だ。
 経済が拡大していれば、投資の必要があるので、投資のための資金需要が生じる。そのせいで、金利は0%よりも上がる。一方、経済が縮小していれば、等しないで貯蓄ばかりするようになるので、ゼロ金利となる。つまり、「流動性の罠」となる。……現状は、そうなっている。その意味からも、現状はデフレだ、とわかる。(金利を指標とした認識。)
 現状を見て、「デフレではない」なんて語るのは、池田信夫が経済学者として何も理解できていない、ということを示すだけだ。デマを賭場すべからず。

 [ 付記 ]
 なお、次の言葉もあった。
 だからコアコアCPIがマイナスだからといって通貨供給を増やしたところで、何の意味もない。日本が直面している問題の本質は、貨幣的な「デフレ」ではないからである。
 なるほど、「貨幣的なデフレ」というのを、「貨幣が絞られたせいで起こったデフレ」という意味に解釈するのならば、その通りだ。しかし、そんな解釈は、デタラメすぎる。池田信夫の言っているのは、「貨幣的なデフレ」ではなくて、「貨幣的な金融引き締め」のことであるにすぎない。たとえば、「金利を 8%ぐらいの高金利にして、景気を一気に冷やす」というふうな。(例。ドッジ・ライン。石油ショックのあとの福田政策。)
 池田信夫は、「デフレ」と「金融引き締め」とを区別できていない。両者を混同してしまっている。
 池田信夫は、「現在の経済状況は、金融引き締めではない。だから金融緩和をしても無効だ」と言いたいのだろう。その趣旨は正しい。しかし、経済用語の使い方が、滅茶苦茶すぎる。大学生にも劣る。ど素人。
 なるほど、現在の経済状況は、金融引き締めではない。しかし、現在の状況は、デフレなのだ。「デフレではない」などと言ってはいけない。
 デフレとは、(池田信夫が思っているような)「金融引き締めがなされている状況」ではない。「金融緩和が無効になっている状況」である。そして、その本質は、「生産量の縮小」である。
 マクロ経済学を正しく理解すれば、「デフレとは何か」もわかる。マクロ経済学をちっとも理解できなければ、「デフレとは何か」についても与太を飛ばすだけだ。


● ニュースと感想  (9月09日)

 「デフレの意味 2」について。
 またしても池田信夫がデタラメを書いているので、前項に引きつづき指摘しておこう。今回は、別の著者の話を引く形で、池田信夫はこう書く。
 小泉政権のもとで回復[B]する。
( → 池田信夫ブログ
 勘違いが大きすぎる。
 グラフを見て「小泉政権のもとで回復[B]する」というのは、我田引水過ぎる。ちょうど都合のいい範囲を取って、それをすべて小泉政権のおかげと見なすが、実際にはそうではない。
 小泉政権は、2001年4月26日から、2006年9月26日まで。その期間だけだ。そして、この期間をならして見れば、グラフ上では、プラスもマイナスもあり、全体平均では、ほぼゼロである。実際、GDPの値は、こうだ。( → Wikipedia
   2000年 …… 502,989.9
   2005年 …… 501,734.4
 小泉政権の前(2000年)と、小泉政権の終わった直前(2005年)とを比べれば、総額は減ってしまっている。しかも、これは円表示だ。ドル表示で一人あたりの国内総生産を見れば、こうだ。( → 一人あたりのGDP
   2000年 …… 36790
   2005年 …… 35675
 金額は減ってしまっている。その間に、他国は急上昇したので、日本のランキングは世界3位から世界 15位まで、一挙に落ち込んでしまった。奈落に落ちるように。……それが小泉時代の成果だ。つまり、日本が一挙に苦しくなったのは、小泉時代なのである。(それ以降、その状況が続く。)
 生活実感を見ても、小泉時代に一挙にリストラが進んで、それが現在まで継続している。だからこそ今でも多くの人々が「小泉改革は大失敗だった」と感じているのだ。小泉改革は、「企業業績の回復と、国民生活の悪化」という両面を意味する。簡単に言えば、「国民を犠牲にして企業業績を回復した」ということだ。そこに本質がある。
  小泉改革で不良債権の「手術」を行なって90年代の停滞の原因だった金融システムの機能不全を是正したことは大きな効果があったが、その後の「リハビリ」に失敗して、成長の回復が家計所得増に結びつかなかったため、持続的な回復軌道に乗りそこね、そこにアメリカ発の金融危機が直撃した。
 これも勘違いだ。
 金融システムの機能不全を是正したことは、まったく効果がなかった。不良債権処理の推進者の主張は、こうだった。
 「金融システムが不全であるせいで、金詰まりとなり、投資がなされないのだ。だから金融システムを改善すれば、金詰まりが解消して、投資がなされる。ゆえに景気が回復する」
 竹中大臣や小林慶一郎などがこう主張して、不良債権処理を進めた。そして、まさしく、不良債権処理は実現した。で、投資は増えたか? いや、ちっとも増えなかった。結果は思惑通りにはならなかった。
 なぜか? それはもともと私の主張したとおりだ。投資が増えないのは、資金に供給不足(高金利)があったのではなく、需要不足(低金利・流動性の罠)があったからだ。(資金の)需要不足のときに、「供給不足」だと感じて、供給を増やしても、何の効果もない。そういうことだ。
 つまり、「金融システムの機能不全を是正したことは大きな効果があった」ということは、まったく成立しない。

 もう一つ。「成長の回復が家計所得増に結びつなかったため、持続的な回復軌道に乗りそこね」というのも、認識が狂っているである。その趣旨自体は、間違いではないが、正しくは、こう表現するべきだ。
 「成長の回復が家計所得増に結びつなかったため、持続的な回復軌道に乗りそこね」
 つまり、「結びつかなかった」のではなく、「結びつけなかった」のである。それは自然発生現象ではなくて、人為的な意図的な現象である。そこで起こったことは、何か? こうだ。
 「企業業績は景気の好転によってどんどん改善していったのに、そこで得た利益を、労働者に配分しないで、企業の内部留保として退蔵した。そのせいで、景気回復のスパイラルに乗れなかった」
 このことは当時、私が何度も指摘したことだ。「企業が労働者への配分を絞れば、それによって景気回復の芽が摘まれて、自分で自分の首を絞めることになる」と。
 そしてまさしく、私の予言通りになった。なのに、上記の著者は、「企業が自分で自分の首を絞めている」と表現する替わりに、「企業の首が絞まってしまったから」というふうに他人事のように記している。自分で自分を絞めているのだから、自分でその手を正しく操作すればいいのに、あくまで他人事のように認識している。ひどい誤認だ。こんなことでは、不幸(不況)から逃れることはできない。
 要するに、上のように述べる人(本の著者と池田信夫)は、マクロ経済学というものを待った理解できていないのだ。
 「景気回復のためには、需要の増加が必要であり、そのためには所得の増加が必要だ。企業業績がいくら回復しても、そこで生じた所得を労働者に配分しなければ、景気回復の芽は摘まれてしまう」
 という真実を。そして、小泉政権は逆の方向を目指した。
 「企業業績を回復するには、企業を黒字化すればいい。そのためには、リストラをして、労働者の賃金をどんどん切り下げればいい」
 企業はまさしくそれを実行した。規制緩和のもとで、派遣労働者などを増やして、労働者の賃金をどんどん切り下げた。そのおかげで、企業の黒字幅は大幅に拡大した。不良債権処理も進んだ。しかし、賃下げにより、総需要の縮小が進んだから、GDPは縮小するばかりで、景気回復はますます遠のいた。
 こういうふうに知ることが、マクロ経済学的な理解だ。それを知らないのが、マクロ経済学音痴の古典派だ。上で紹介したすべての人々が、それに当てはまる。
 日本のデフレの大きな原因は、名目金利が世界の実質金利より低いことにある
 池田信夫は、こういうふうにも書く。しかし、これも誤認だ。それは「原因」ではなくて、「結果」なのである。
 日本のデフレの原因は、「需要不足」だ。それにともなって、投資が縮小するし、資金需要が縮小する。その結果として、名目金利が下落する。……これが真実だ。この真実を逆にとらえてはならない。「金利が低いからデフレになる」のではなく、「デフレになるから金利が低くなる」のである。
 こんなことは、経済学のイロハだ。このくらいのことも理解できないようでは、池田信夫の経済学理解はあまりにも浅すぎる。


● ニュースと感想  (9月09日b)

 量子論の項目を二つ。(承前)

 (1)
  → Open ブログ: 超球理論の数式 3 (エネルギー保存則)

 (2)
  → Open ブログ: 超球理論の数式 4 (場の理論)


● ニュースと感想  (9月09日c)

 「菅・前首相が東電撤退を阻止した」という話の続報。枝野・前官房長官へのインタビュー記事。読売新聞によるもの。
  → Open ブログ: 怒鳴った菅首相


● ニュースと感想  (9月10日)

 量子論の項目。シリーズ最終回。
  → Open ブログ: 超球理論の数式 5 (振動と確率)


● ニュースと感想  (9月10日b)

 「米国の景気対策」について。
 Q 「米国はいくら金融緩和しても景気があまり回復しません。その理由は?」

 A 日本と同じです。消費不足。
 お金はたっぷりあるが、富裕層がもっていて、一般市民には回らない。そのせいで国全体では消費不足となる。富裕層の金は貯金に回るだけ。
 ちなみに、米国では(レジなどの)アルバイトなどの時給は5ドルです。400円ですね。日本の約半分。それほどにも一般市民は恵まれない。その一方、大金持ちは、すごい金持ち。
 米国では食費が安いのが美点だが、食べる量はものすごいので、米国民にとって食費が(金額で)安上がりかどうかは、はっきりしない。量の割には安いんだろうが。
 ま、家賃だけは安いだろう。自動車も安い。日本車も米国で買うとずっと安い。
 それでも、時給 400円はしんどいですね。医療保険もないし。米国の方が日本よりは暮らしにくそうです。一般人には。
 ともあれ、米国の一般人は「金がない」んだから、消費をしようにも、消費ができない。
 日本も似た状況かな。若者が派遣社員になって、安い給料だから、結婚できないぐらい。これじゃ、消費を増やすどころじゃない。
 金がなければ、景気は回復しない。

 結論。
 米国も日本も景気回復をしないのは、一般国民に金がないから。そのせいで蟻地獄から脱せない。換言すれば、「大型減税」をしないから、いつまでたっても蟻地獄から脱せない。
 比喩的に言えば、「いつまでも病気が治らないのはなぜ?」の答が、「正しい治療薬を飲まないから」であるのと同じ。「治療薬の値段が高いから」と言って、薬代を1万円払わないから、所得の損失が延々と何十万円にもなる。
 簡単に言えば、理由は「南堂政策を取らないから(わからないから)」。もっと簡単に言えば、「馬鹿だから」。

 [ 付記 ]
 9日の夕刊の報道によると、米国は減税を実施するという予定。3年間で 35兆円。しかしこれは、すでにやった減税よりも小規模なので、効果はろくにない、という見通し。
 以上は報道だが、「効果なし」というのは、その通りだろう。
 日本で必要な大型減税は、25兆円程度。米国は人口が2.5倍だから、60〜70兆円程度が必要だ。それを一挙にやる必要がある。一方、3年で35兆円では、5分の1にしかならない。全然、不足する。「効果なし」とは言えないが、「不況脱出」という結果は得られまい。
 最低でも、「1年間で 50兆円」の減税が必要だ。それも、中低所得者を優遇する形で、「均等割」の減税にするべきだ。
 ひるがえって、オバマ政権の方針は、「減税」ではなくて、福祉や公共事業がいろいろと入り混じったものだ。効果が曖昧になる。これでは例によって例のごとく、効果は雲散霧消するだろう。せいぜい「悪化の程度を弱める」ぐらいだ。「正常状態に戻す」には、まったく不足する。


● ニュースと感想  (9月10日c)

 「菅直人の献金疑惑」について。
 菅直人に献金疑惑がある。過激派に資金が回ったらしい、という話。
 しかしまあ、民主党の代表になるような人物が過激派のシンパだった、というのは、考えにくい。そもそも、首相になっても、過激派みたいな行動は取っていない。
 わけがわからなかったのだが、唯一、合理的な理由が付くのは、次の仮説だ。
 「菅直人は恐喝されていた」
 これならば、不明朗な資金を出していたことにも、合理的な説明が付く。
 比喩的に言うと、次のような話。
 あなたが女性であって、夫の財布を監視する。すると、あるとき、夫の預金通帳に 200万円もの不明朗な支出が発見された。それを調べると、その支出先は暴力団だったと判明した。とすれば、夫は暴力団員だったのだろうか? 日ごろはエリート会社員として勤務していたのに、その実態は暴力団の隠れ団員だったのだろうか? 
 そこであなたは、どうするか? 夫を問い詰まるか? 「あなた本当は暴力団員なんでしょ。ちゃんと証拠は挙がっているわよ!」と。
 しかしあなたが賢明な女房ならば、そんな荒唐無稽なことを信じるまい。むしろ、こう考えるはずだ。
 「あなた、誰かに恐喝されたでしょ? それで 200万円払ったのね!」
 このあと、夫が「浮気をつかまれたので」というような弁解をするかもしれないが、それはまた別の話。
 ともあれ、このように「高額の金を悪党に奪い取られた」という例では、「弱みを握られて恐喝された」という事例が普通である。「あんたは過激派のシンパなのね!」みたいな詰問は、事態をかえって紛糾させる。見当違いであることが普通だ。

 なお、菅直人が退任間際に、朝鮮人学校の補助金について指示を出したことに、文句を言っている人が多い。(読売コラムなど。) しかしこれは、ゲスの勘ぐりだろう。
 そもそも、「朝鮮人学校への補助金を出さない」と決断を下したのが、菅直人であるはずだ。(たしかそうだったはずだ。)で、自分で「やめる」と決めたから、退任間際に、尻を拭おうとしただけだろう。尻が汚れっぱなしでは、礼節を欠くので。
 そもそも、朝鮮人学校への補助金と、北朝鮮とを絡める、という理屈が、筋が通らない。朝鮮人学校に通うのは、十代の子供だ。日本にいる十代の子供は、北朝鮮という悪党国家とは、直接の関係はない。別にその子供たちが、日本人を拉致したわけでもない。
 金正日が憎いというのはわかるが、だからといって「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」みたいな理屈で、日本にいる朝鮮系の子供たちをいじめるのは、理屈が通らない。日本がパールハーバーを爆撃したから、米国にいる日系人を収容所にぶち込む、というのと同様で、まったく筋が通らない。だいたい、その理屈が通るのなら、次のことまで成立しそうだ。
 「日本人は福島で大量の放射線を出した。ゆえに、わが国(米国や欧州各国)にいる日本人児童を刑務所にぶち込む」

( ※ なお、私は別に、北朝鮮を支持しているわけじゃないので、念のため。「爆撃せよ」という話なら、何度か書いた。一方、女子供をいじめてやろう、という意気地なしの態度には、本当に情けなく思う。「おまえたち、それでも日本男児か、ふんどし締めているのか」と問い詰めたい。)

 [ 付記 ]
 本項は、私の個人的感想なので、念のため。
 異論はあると思いますが、いちいち抗議をしないでください。
 ともあれ、私の基本方針は、「強きをくじき、弱気を助く」なので、たとえ朝鮮人であっても、日本人全体から迫害を受けるのは、見過ごせないんです。罪もない子供がいじめられるのを喜ぶというのは、私の生き方ではないので。


● ニュースと感想  (9月11日)

 (1)
 原発事故のときに、東電の撤退を菅直人が阻止した、という件。  このときの菅直人の発言(訓示)の全文が報道されたので、その報道内容を転載する。
  → Open ブログ: 怒鳴った菅首相 【 後日記4 】

 (2)
 宇宙の絶対的な真実は何か? エネルギー保存則だろう。
  → Open ブログ: 宇宙の真実:エネルギー保存則

 (3)
 「虚数次元」とは何か? 実数でなく虚数の次元とは何なのか? 
  → Open ブログ: 虚数次元とは?


● ニュースと感想  (9月11日b)

 「鉢呂経産相の失言」について。
 鉢呂経産相の失言が話題になっている。「死の町」発言と、「放射能を付けた」発言。
 まあ、下らないゴタゴタだ。こんなことは、あっさり回避できそうなものだ。しゃれた大臣なら、次のように弁解できる。
 「放射能をつけたぞ」は、「えんがちょ」でなく、自分の服に付けたのを見せびらかしただけです。「しのまち」は「詩の街」の意味です。
 というふうに弁解すればいい。政治家にはボケの才能が必要だろう。なければクビだ。 (^^);
 ま、この人をクビにするのは、世間感情から言って、妥当だと思う。
 ただし、である。マスコミが鬼の首を取ったかのごとく報道するのは、いただけない。特に、朝日だ。
 朝日はこの報道の直前に、危険厨ふうの記事を何度か掲載した。
 「福島は放射能があってすごく危険なんです。人々は恐怖におののいています。福島から逃げ出したいと思っている人々ばかりです」
 という趣旨で、「福島は死の町です」という趣旨の報道を何度も繰り返していた。言葉こそ「死の町」という言葉は使わなかったが、実質的にはそういうふうに恐怖をあおる記事を何度も掲載した。
 そして、そういうふうに危険性をことさら煽るから、京都の大文字焼きの薪の拒否とか、福岡の福島産品販売拒否とか、過剰な風評被害を招く一因となった。
 はっきり言えば、経産省のボケ発言なんかよりも、朝日の煽る風評被害の方が、圧倒的に影響がある。
  → 福島県民「移住したい」34%
  → 親子ストレス、低年齢ほど強く 原発事故の影響調査
  → 放射能不安9割超/世論調査
 ここに示したのはただの統計記事だが、これと合わせて、「怖い、怖い」と思って逃げ出した危険厨の人々をことさら大々的に報道するから、世間では「福島怖い」という風評がひろがっていく。そのせいで「福島県のトラックの通行はお断り」という福岡県のような例が出てくる。
 経産相のボケ発言を咎めて、首を取るのもいいが、それよりは、朝日を発行停止にする方が、よほど福島県民のためになるだろう。
 それにしても、朝日の危険厨ぶりには、うんざりだ。もうちょっと科学的な思考を取ってほしいものだ。

 【 追記 】
 以上を書いた直後に、辞任が発表された。ま、妥当であろう。予測通りではあるが、事態の推移があったので、ここで注記しておこう。
 

● ニュースと感想  (9月12日)

 (1)
 暑い! 11日は 9月なのに、すごく暑かった。「冷夏だ」という話もあったのに、どうしてこんなに暑いのか?
  → Open ブログ: 冷夏なのになぜ暑い

 (2)
 量子論における「量子化」という操作は、何を意味するか?
  → Open ブログ: 量子化とは?


● ニュースと感想  (9月13日)

 (1)
 電磁波による地震予知が、かなり確度が高くなっているそうだ。それによると、この1週間ぐらいの間に、関西で震度6クラスの地震が起こりそうだという。
  → Open ブログ: 地震の予知 2

 (2)
 夏の電力需要の内訳を、家庭や産業などの部門ごとに見る。(資料)
  → Open ブログ: 夏の電力需要の内訳


● ニュースと感想  (9月13日b)

 「生産性の向上」について。
 池田信夫とその仲間たちが、また変なことを言っているので、指摘しておこう。
 その主張はこうだ。
 「デフレを解決するには、生産性の向上をすればいい。特に、日本はサービス業の生産性が低いので、ここで生産性を向上させればいい」
 これは、インフレ期には有益だが、デフレ期には逆効果だ。なぜか? 次のことが背立するからだ。
 「デフレ期の総生産は、供給に制約されるのでなく、需要に制約される。需要が一定ならば、総生産も一定だ。その状況で生産性を向上させれば、必要な人員が減り、従業員は解雇される。つまり、リストラだ。そのせいで総所得が減る。そのせいで総需要も減る。結果的に、マクロ的な総生産はどんどん減って、デフレはいっそう悪化する」
 これは実際に小泉政権のもとで起こった。企業はどんどんリストラして、生産性を向上させて、赤字体質から黒字体質になった。その一方で、労働者はどんどん解雇され、あるいは派遣社員となり、総所得は低下した。そのせいで総生産も減ってしまった。
 これはつまり、「縮小均衡」という道である。その道がマクロ経済学からわかる。なのに、池田信夫は、いつまでたっても理解できない。
 では、デフレ期になすべきことは何か? 総需要の拡大だ。これによってこそ総生産を増やすことができて、インフレスパイラルに乗って、デフレを脱せる。正解はすでに判明しているのだ。

 [ 付記1 ]
 では、サービス業の生産性が低いことの問題は? 
 別に、たいして問題ではない。サービス業では、遊んでいる時間が多くて、のんびりと働いている。拘束時間は長いが、労働密度は低い。生産性が低くても、従業員は別に困っていない。
 ただ、サービス業の生産性を向上させたいのであれば、次のようにすればいい。
 「拘束時間を短くする。残業手当を割り増しにしたり、休日手当を割り増ししたりして、夜間や休日の営業をなるべくやめさせる」
 これによって開店時間が短くなるので、サービス業全体としては、売上げがほとんど変わらないまま、労働時間の短縮がなされる。そのことで、生産性は上がる。
( ※ 特定の一社だけが営業時間を短くすると、その一社だけが売上げを減らす。しかし前者がそろって営業時間を短くすれば、売上げ総額はほとんど変わらない。)

 [ 付記2 ]
 池田信夫の主張は、矛盾している。
  ・ サービス業の生産性を上げよ  → 賃金を上げる
  ・ 正社員よりも派遣社員を増やせ → 賃金を下げる
 この両者の道を主張している。方向が正反対だ。本当に生産性の向上を重視するのならば、派遣社員よりも正社員を増やして、「高賃金・高生産性」の道を選ぶべきなのだが、逆に、「派遣を増やせ」「企業は途上国に行け」というふうに、「低賃金・低生産性」の道を選ぼうとしている。自己矛盾。

 ま、彼の本心は、「高い生産性で、低い賃金」ということなのだろう。しかし、市場原理に従えば、「高い生産性」の労働者は、高い賃金を得るのが当然だ。さもなくば、ストライキなどで労働力の売り惜しみをするからだ。
 池田信夫みたいに、「高い生産性で、低い賃金」を夢見て、「企業の高収益」なんてことを信じているのは、現実無視の主張にすぎない。
 池田信夫の頭は、どこからどこまで経団連みたいになっていて、現実の経済からは遊離しすぎている。古典派経済学者の常ではあるが。(金儲けのことばかりを考えて射て、人間の幸福という最終目的を理解できない。ただの守銭奴。)


● ニュースと感想  (9月13日c)

 「野田内閣」について。
 経産相に枝野が就任した。この人事自体はいいと思う。
 ただ、それまでの「鉢呂吉雄」というのは、ひどすぎる。この人は農業の専門家だ。農水相ならばまだわかるが、農水相は別にもっと適任が射るということで、お鉢が回ってきたらしい。鉢呂にお鉢、というダジャレみたいな人事だ。 (^^);
 ついでに他の人事もひどかったな、と思って調べたら、これだ。
  → Wikipedia 野田内閣
 留任を除くと、まともなのは細野ぐらいか。あとはまあ、ひどい連中ばかりだ。よくもまあこれほどひどい顔ぶれを集めた、と思えるぐらいだ。玄葉と安住は、いくらかは能力はあるにしても、任務が不適切すぎる。適材適所の正反対だ。

 結論。
 野田内閣は、人事を見る限り、ひどすぎる。まるで自民党の末期(在庫一掃セール)みたいだ。 (^^);
 これに比べれば、鳩山内閣や菅直人内閣の方が、ずっとよかった。大臣を見る限りは。
 これほどひどい野田内閣を歓迎する人が多いというのは、まったく呆れるね。まるでトランプの 51 をやっていて、持ち札が気に入らないという理由で、全取っ替えをしたあげく、ブタになるようなものだ。
 ぶーぶー。豚なのだ


● ニュースと感想  (9月14日)

 「菅政権のエネルギー方針」について。
 枝野が就任したのを見て、批判する人がいる。
 「どうせ菅直人政権の方針の延長だろう。東電の破綻処理もしないし、発送電の分離もしないだろう」
 というふうに。(池田信夫がこれを RT して、支持している。)
 しかし、これは事実誤認だ。菅直人の方針は、「東電の破綻処理をするし、発送電の分離をする」だ。その方針を強固に実行していたわけではないが、少なくとも方針としては、その方針を示していた。
  → 首相、東電経営形態見直しの可能性に言及
  → 菅首相:「発送電分離」実現に意欲

 さらに、菅直人はこの方針を実現するために、枝野を経産省に推薦して、野田内閣に送り込もうとした。しかし電力改革は電力業界の反対が強いので、野田首相は菅直人の要望を拒否して、枝野を入閣させなかった。
 ところが鉢呂が失言で辞任したので、他にどうしようもなくて、枝野が経産相になった。その枝野が「電力改革」の路線(菅直人路線)を早速打ち出した。電力改革が進みそうだ。東電処理は国民負担を減らし、発送分離も実現しそうだ。そのせいで電力業界は「最悪だ」と嘆いているという。( → 朝日・朝刊・3面 2011-09-13 :紙の新聞)
 この枝野の方針を見て、自民党と公明は反発しているという。(上記、朝日。)
 実際、谷垣はもともと、及び腰だ。
  → 谷垣「国が東電の代わりに賠償金を支払うべき」
  → 「発送電分離は難しい問題」 谷垣
 また、やる気がないのが野田だ。
  → 野田佳彦:『中期的な検討課題』 (すぐにはやる気なし。)

 結局、実行こそしていなかった(志半ばで辞任に追い込まれた)ものの、「東電の破綻処理」「発送電の分離」という方針を最も鮮明に示したのが、菅直人だった。そして菅直人は野田政権のもとでも影響直を最大限に発揮して、自らの路線を(枝野を通じて)実現しようとしている。
 ところが、それを邪魔しようとしたのが、谷垣だ。やる気がない(できればやめたい)のが、野田だ。

 こういう事実を見ても、池田信夫やその仲間が、いかに支離滅裂で自己矛盾をやらかしているか、よくわかるだろう。口では「東電の破綻処理を、発送電の分離を」と唱えながら、それを実行しようとした菅直人を「無能だ」と批判して引きずり下ろそうとする。そのあとで、電力改革に反対 or 消極的な谷垣や野田を支持したがる。
 頭が二重人格になっているようだ。人格分裂気味。

 [ 余談 ]
 こういう連中は、どうするべきか? 自分が論理矛盾を起こしていることに気づいているならいい。だが、そうでなければ、精神病院に行った方がいいと思う。二重人格ですからね。頭のなかに二人の人間が住んでいるんじゃないの? 
  → 書籍「24人のビリー・ミリガン ( Amazon )


● ニュースと感想  (9月14日b)

 地震対策として、食糧や水の心配をする人が多い。しかし、ライフラインの寸断ということで考えれば、電力の寸断が問題となる。そこで、自家発電を推進するといい。自家発電は寸断されにくいからだ。
  → Open ブログ: 地震対策に自家発電を


● ニュースと感想  (9月15日)

 (1)
 地震対策や停電対策や節電のためには、蓄電池を使えばいいか? いや、もっといい案がある。「自家発電」と「蓄熱」だ。
  → Open ブログ: 蓄電池よりも良い案

 (2)
 風力発電の普及にともなって、風車に鳥が衝突死する「バードストライク」が問題となっている。その原因が判明したので、その対策も可能となる。
  → Open ブログ: バードストライクの防止

 (3)
  オタク向けのゲームであるラブプラスの新版が出るそうだ。  これをやるには、血液型性格判断を知るといいだろう。
  → Open ブログ: ラブプラスと血液型


● ニュースと感想  (9月15日b)

 「パナソニックの海外進出」について。
 パナソニックが本社機能の一部をシンガポールに移すという。
  → パナソニック:調達、物流の両本部 シンガポールに移転へ
 これを見て、「空洞化が進む!」と騒ぐ阿呆が出るだろうが、その認識は誤りだ。
 パナソニックは海外売上比率を大幅に増やす方針だ。
  → 同社 ページ
 ならば、本社機能のほんの一部を海外に置くのも不思議でない。さもなくば、日本集中を進めるばかりだからだ。で、それを緩和するぐらいの意味があるだけだ。
 「海外への移転が進む」のではなくて、「日本への集中が進むのを緩和する」だけだ。その違いがわからないようだと、経済音痴ですね。
 そもそも、「調達、物流」なんて、本社機能と呼ぶほどのものでもない。商社機能みたいなものだ。そんなものは出先に委託するのが、むしろ当然だろう。いちいち騒ぐようなことではない。馬鹿馬鹿しい。
 私としては、もっと外国人社員を増やしたり、開発拠点を海外に構築したりする……ということの方が大切だと思う。別にそれで日本が空洞化するわけでもない。ぐずぐずしていてシェアを落とすことの方が、よほど危険である。今の日本企業はもっとグローバル化を推進するべきだ。で、それを見て、「空洞化が進んでいる」なんて騒ぐのは、阿呆なエコノミストに任せておけばいい。


● ニュースと感想  (9月16日)

 「空洞化?」について。
 パナソニックの海外進出(前日分)に続いて、エルピーダが生産能力の4割を台湾に移転するという。これを見て、池田信夫が「空洞化だあ、大変だあ」と騒いでいる。
  → 池田信夫コラム
 馬鹿馬鹿しい。日本のうちのたった二つぐらいの会社が、競争力のない部門を海外に移転させるからといって、大騒ぎする必要は何もない。経済は変動するものであり、日本には適さない産業は海外に移転するのが当然だ。台湾や韓国でも十分に生産できるような産業は、もはや日本に置く必要はない。そのような産業はさっさと海外に委ねればいい。それだけのことだ。
 それで空洞化するか? まさか。日本にはたくさんの産業があるし、黒字額も大きい。ろくに輸出産業も育っていないギリシアとは天と地ぐらいの違いがある。また、台湾や韓国と比べても、日本の産業力は圧倒的に大きい。だからこそ、平均年収は台湾や韓国よりもずっと高いのだ。
 それが理解できないような池田信夫は、自分がさっさと台湾や韓国に移住すればいいのだ。「おれがいなくなると、日本は空洞化するぞ」と主張して、「後悔するぞ」と思わせるのだろうが、いーや、池田信夫がいなくなっても、日本は何も困ることはない。エルピーダだってパナソニックだって同様だ。何万社もある日本の会社のうち、ごく一部が海外に出たからといって、それで日本が空洞化するはずがない。また、仮に空洞化に市貝ことが起こったなら、その分、輸出力が減退して、円安になるから、他の産業が埋めてくれる。何も問題はない。
 仮に空洞化が起こるとしたら、日本に起こる現象は、「産業の崩壊」や「失業者の大量発生」なんかではなくて、「円安」(実質賃金の低下)であるにすぎないのだ。
 池田信夫は、為替レート論とか、皮革製さん秘説とか、そういう国際貿易の掲載額を、ちゃんと学んだ方がいい。やたらと「空洞化!」と騒ぐなんて、自分が経済学に無知であることをさらけだしているだけだ。
 

● ニュースと感想  (9月16日b)

 (1)
 電力の安定のためには、供給側よりも 需要側で調整するといい。  蓄電池によって供給を安定させる必要はない。 [ 発想の転換!]
  → Open ブログ: スマート家電 > 蓄電池

 (2)
 汚染土をどう処理するべきか? ……という話題が新聞をにぎわしています。  この件については
  → Open ブログ: 《 お知らせ 》(汚染土)


● ニュースと感想  (9月17日)

 (1)
 地球温暖化の原因は太陽の変動だ、という見解がある。  これをもう少し厳密にして、「太陽の変動により、地球への宇宙線が変動する」というふうに述べた説がある。(スベンスマルク効果)
  → Open ブログ: 地球温暖化と太陽・宇宙線

 (2)
 太陽光発電は地球に優しい、と言われる。しかし実はそうではない。  ソーラーパネルを緑地に置けば、緑地が減少する。太陽光発電は環境を破壊するのだ。
  → Open ブログ: 太陽光発電は環境破壊


● ニュースと感想  (9月18日)

 「ギリシアの経済危機」について。
 ギリシアが債務不履行になりそうだということで、ユーロ圏の各国が騒いでいる。
 財政赤字を削減しない場合には、罰金を科せ、という主張がある。
  → EU、財政規律違反に自動制裁 …… (1)
 いっそのことギリシアをユーロ圏から強制的に脱退させよ、という主張もある。
  → ユーロ脱退強制できる「財政規律担当委員」の新設 …… (2)
 
 私としては、後者 (2) の見解を取る。つまり、ギリシアは欧州共通通貨(ユーロ)という制度から脱退するべきだ。というのは、欧州共通通貨という制度そのものが根源的に狂っているからだ。
 ギリシアにおいて問題なのは、財政赤字が拡大したことではない。実を言うと、ギリシアの状況を解決するには、財政赤字をもっと拡大した方がいい。その点は、日本も同様だ。
   財政赤字の拡大 → 通貨価値の低下 → インフレ
 という形で景気を拡大する方がいいのだ。病気の治療には、財政赤字の拡大は必要なことであり、それを阻止するのは、治療をやめさせる効果があって逆効果なのだ。つまり、上記の (1) は駄目である。
 財政赤字の縮小というのは、「通貨価値を守る」ということのためには必要だ。しかし、「通貨価値を守る」ということ事態が必要ないのだ。むしろ有害ですらある。
 人々にとって大切なのは、通貨価値を守ることではなく、生活を守ることだ。日本のように通貨の価値を守っても、生活が守れないのでは、何の意味もない。むしろ、「通貨価値を変動させることで、生活を守る」という方針の方が大切だ。
 「通貨価値こそ大切だ」というのは、マネタリストの発想だ。守銭奴の発想と言ってもいい。
 「人々の生活( or 人命)こそ大切だ」というのは、マクロ経済学者の発想だ。そこでは金よりも人間を大切にする。

 通貨価値などを守る必要はない。むしろ通貨価値を変動させて、経済を正常化するべきだ。そして、そのために最も有効なのは、「通貨の切り下げ」である。(特にギリシアのように経済状況の悪い国では。)
 「通貨の切り下げ」とは、万能の薬ではない。その意味は、「国際的な労働賃金の引き下げ」である。そのことによって、人々の時間あたり賃金はいくらか低下するが、そのかわり、生産活動が活発化するので、労働時間が増えて、所得が増える。……ここで、労働時間が増えるというのは、残業が増えるという意味ではなくて、失業者が失業しなくなる(遊んでいた人が働くようになる)という意味だ。
 このような経済的な効果をもたらすには、「通貨の引き下げ」が必要だ。そして、それには、「欧州共通通貨」という「固定レート制」は、まったく正反対のものなのである。
 固定レート制が成立するのは、その圏内が一つの国として均等化していることが条件だ。ギリシアとドイツのように別個の国が同一の経済圏を取るということ自体がありえないことだ。どうしてもギリシアをユーロの圏内にとどめたいのであれば、ギリシアを救うために、ギリシア以外の各国がギリシアに莫大な金を援助するべきだ。と同時に、ギリシアは自らの施政権を、欧州全体に委ねるべきだ。つまり、ギリシアという一国を独立国とするのをやめて、「欧州国」の一部となる県の位置に格下げするべきだ。
 そして、それができないのであれば、「欧州共通通貨」という制度は、砂上の楼閣のようなものなのである。それが崩壊するのは、歴史的な必然だ。……というより、経済学的に当然のことだ。


● ニュースと感想  (9月18日b)

 心臓が止まった人を蘇生させるには AED を使えばいい……と言われる。だが、そんなこと言われても、使い方がわからないですよね? そこで参考になる動画。
  → Open ブログ: AED の使い方


● ニュースと感想  (9月19日)

 「F2戦闘機の補修」について。
 大地震で被災した F2戦闘機の補修に、800億円をかけるそうだ。
《 震災で水没のF2戦闘機6機、修理し継続使用 》
 防衛省は、東日本大震災による津波で水没した航空自衛隊松島基地(宮城県)のF2戦闘機全18機のうち、6機を修理して継続使用する方針を固めた。
 同省は18機について、修理して引き続き使えるかどうか、分解検査などの調査を行った。垂直尾翼やエンジンの一部などそのまま使える部品があったが、電子機器などは海水の塩分が入り込み、使えなくなっていることが分かった。
 F2は国内での生産が今年度中に終わる予定で、新規調達はできない。しかし、同基地のF2は空自のパイロット育成用として使用され、同省は一定の機数を確保しなければ、育成計画に支障が出ると判断。使用可能な部品を組み合わせるなどして6機を修理し、引き続き使うことにした。修理に必要な費用は約1150億円と見込まれる。
( → 読売新聞
 あまりにも馬鹿げたことなので、批判を浴びるかと思ったが、ちっとも話題になっていないので、指摘しておく。
 読売では、1150億円。朝日の記事では、6機の分が 800億円。どっちにしても巨額だ。
 ちなみに、F2の兄弟型で最新型の F16 C/D は、はるかに安価だ。Wikipedia によるドル価格を円で換算すると、たったの 15億円弱だ。ヘッドアップディスプレイのような最新型の装置を付けて、この価格だ。
 ちなみに、800億円あれば、15億円弱 を 55機も買える。6機の 10倍近い。これだけの戦闘機部隊があれば、次期戦闘機を F-35 やユーロファイターにするか、悩む必要もない。 F16 C/D が 55 機もあれば、それだけで日本の空軍戦力の大半をまかなえる。(現有戦力に比べて大幅な引き上げとなる。)

 まったく、政府は何を考えているのだろう? 三菱に 800億円の仕事を与えることだけが目的なのか? ま、そうかも。
 しかし、それを放置する日本人というのは、いったい何なんだ? 増税の金を出すだけの、おめでたい馬鹿なのだろうか? 
 野田政権がやることは、「増税と無駄遣い」だけだ。ちなみに、1150億円と言えば、国民一人あたり 1000円ぐらいだ。4人家族なら、4000円だ。
 一方、個人住民税の均等割の増税分は、年千円らしい。これじゃ、「被災者のために増税」といいながら、「被災した戦闘機のために増税」というようなものですね。愚劣。ペテン。
 菅直人がやめたあとで、次に登場したる首相は、正真正銘のペテン師だ。菅直人は鳩山由紀夫をだましたが、野田政権は国民をだましている。……で、だまされて野田政権を歓迎している阿呆が、あまりにも多すぎる。


● ニュースと感想  (9月19日b)

 (1)
 「バードストライク」の問題については前項でも言及したが、鳥の視覚についての特性を理解すると、うまい対策ができる。
  → Open ブログ: バードストライクの防止 2

 (2)
 福島の原発事故のあとで、「東日本は放射能で汚染されたので、西日本に移住しよう」という人々が増えた。しかし西日本もまた放射能でひどく汚染されている。その理由は、中国の黄砂だ。
  → Open ブログ: 西日本の放射能汚染


● ニュースと感想  (9月20日)

 (1)
 キャパシタ(コンデンサータイプの蓄電池)の開発が進んでいる。普通の化学的な蓄電池よりも有望だ。
  → Open ブログ: 蓄電池よりキャパシタ

 (2)
 スパイ・メール経由で、日本の軍事産業や政府にウイルスが侵入して、情報が抜き取られたそうだ。その対策はなされていない。どうするべきか?
  → Google and Me ブログ: スパイ・メール対策


● ニュースと感想  (9月21日)

 シリコン型の太陽電池ではなく、無機薄膜型の太陽電池もある。CIS太陽電池または CIGS太陽電池と言われるものだ。その最新情報。
  → Open ブログ: CIGS太陽電池


● ニュースと感想  (9月21日b)

 「首相の所信表明」について。
 首相の所信表明演説がなされた。1週間前のことだが。
  → 全文
 政策を見る限りは、たいしたことは言っていない。「増税をしっかりやります」というのが主眼だ。ついでに「EPAの締結をめざします」というのがちょっと目新しい程度だ。
 ただ、次の文章はとてもよい。
 この国難のただ中を生きる私たちが、決して、忘れてはならないものがあります。それは、大震災の絶望の中で示された日本人の気高き精神です。南三陸町の防災職員として、住民に高台への避難を呼び掛け続けた遠藤未希さん。防災庁舎の無線機から流れる彼女の声に、勇気づけられ、救われた命が数多くありました。恐怖に声を震わせながらも、最後まで呼び掛けをやめなかった彼女は、津波にのまれ、帰らぬ人となりました。生きておられれば、今月、結婚式を迎えるはずでした。被災地の至るところで、自らの命さえ顧みず、使命感を貫き、他者をいたわる人間同士の深い絆がありました。彼女たちが身をもって示した、危機の中で「公」に尽くす覚悟。そして、互いに助け合いながら、寡黙に困難を耐えた数多くの被災者の方々。日本人として生きていく「誇り」とあすへの「希望」が、ここに見いだせるのではないでしょうか。
 忘れてはならないものがあります。それは、原発事故や被災者支援の最前線で格闘する人々の姿です。先週、私は、原子力災害対策本部長として、福島第1原発の敷地内に入りました。2000人を超える方々が、マスクと防護服に身を包み、被ばくと熱中症の危険にさらされながら、事故収束のために黙々と作業を続けています。そして大震災や豪雨の被災地では、自らが被災者の立場にありながらも、人命救助や復旧、除染活動の先頭に立ち、住民に向き合い続ける自治体職員の方々がいます。ご家族を亡くされた痛みを抱きながら、豪雨対策の陣頭指揮を執り続ける那智勝浦町の寺本真一町長も、その一人です。
 今この瞬間にも、原発事故や災害との戦いは、続いています。さまざまな現場での献身的な作業の積み重ねによって、日本の「今」と「未来」は支えられています。私たちは、激励と感謝の念とともに、こうした人々にもっと思いを致す必要があるのではないでしょうか。
 いかにも「どじょう宰相」にふさわしい言葉だ。下々の人々の努力を称える。立派なものだ。(で、その間、自民党などの野党議員は、静かに傾聴していたかというと、……野次を飛ばしていたそうだ。 → Twitter )

 ま、自民党がそうなのは、そういう下品な連中なんだから、今さら言っても仕方ないかも。
 私なりに言えば、……野田首相は、下々の人々の努力を称えることはできるが、自分が率先垂範するタイプじゃないな、ということ。東電が「撤退したい」と言いだしたら、菅直人みたいに「ありえないだろ!」と怒鳴ることはせず、「部下に検討させます」と言うだろう。そして、その間に、原発は暴走して、取り返しの付かないことになる。
 野田首相は、人間としては善人だが、国のトップに立つ人間ではないな。菅直人は、「ペテン師」などと非難されて、人間としては狡猾だが、国のトップに立つ人間ではあるな。マキャベリみたいな人間だからこそ、国を救えた、とも言える。
 野田首相は、誰からも憎まれないタイプだし、敵を作らないタイプだが、こういう人間に国を預けたというのが、日本の悲劇だ。大災害が起こらないことを期待したいが……すでに日本は台風で、大震災に近い被害が起こりつつある。野田首相は何をするかというと……オタオタして、「神様、何とかしてください」と祈るだけだろう。AED の項目 のおっさんみたいに。
 野田首相のときに日本が大事故にあったら、日本は救われずに死ぬしかないね。


● ニュースと感想  (9月21日c)

 「復興庁」について。
 菅直人の復興が遅いのはけしからん、と批判した反・菅勢力(自民党など)の対案は、「復興庁の創設」だった。で、菅直人はやむなくその条件を受け入れて、復興庁の創設を受け入れた。
 で、その結果、どうなったか? 復興は急速に進んだか? 現状を調べてみると、次の通りだ。
 → 後藤副大臣に聞く
 → 復興庁の時期示さず不満
 → 被災地が待ち望む復興庁・特区、3次補正を急げ
 → 「郡山市に復興庁を」市長が要望
 要するに、年内に復興庁をスタートさせたいし、その場所をどこそにしてくれ、という要望があるが、現実には何もできていない。復興庁が何をするか、という問題ではなく、復興庁をいかにして創設するか、ということに何カ月もかかる。当然のことだが。
 復興庁の創設には、私はもともと批判的だった。(特に明白に論じることはなかったが、簡単に言及したことはある。)菅直人の主張は「二重行政になるから」という理由だったが、私の理由は「非効率だから」というものだった。(これは特に述べたことはなかった。漠然と感じていただけだ。)
 ただ、復興庁の創設にこれほどにも時間がかかる(これほどにもノロマだ)ということは、私にも想定外だった。今ごろはとっくに仕事を開始しているものだとばかり思っていた。
 反菅直人勢力の無能さは、私の想像を大きく上回っている。野田首相の無能さも、私の想像を大きく上回っている。増税政策以外、本当に何もしないとは、思わなかった。(いや、ちょっとは予想していたかな。 (^^); )
 ま、私が首相だったら、復興庁なんてものはさっさと廃止するか、実質的には先送りしてしまう。かわりに「復興担当チーム」を各省から選りすぐって集める。これが実質的に復興庁に相当する。ただし身分は元の省庁のままだ。だから手続き面では、何も滞ることはない。もちろん庁舎の確保なんかで悩むこともない。(適当に場所を決めればいい。なければ民間ビルの借り上げでもいい。どうせ短期間だけのチームにすぎない。恒久的な組織ではない。)
 即時性・即応性を重視するなら、きちんとした組織を位置から構築することなど、やってはいけないことだ。既存の組織をいかに柔軟に変形して使うか、ということの方が大切だ。比喩的に言うなら、大震災のときには、自衛隊の部隊をそのまま役割変更して投入すればいいのであって、自衛隊を災害救助隊に改組してから投入するのでは時間がかかりすぎて手遅れとなる。
 菅直人に比べると、反菅勢力というものが、いかに馬鹿ばかりであるか、現実が教えてくれる。
 仮に、今ここで原発事故が起こったら、日本はなすすべもなく、崩壊するだろう。「日本、オワタ」となるかもね。 (^^);

 [ 付記 ]
 関連する話。和歌山の台風被害もひどい。
  → 台風12号の動画
 福島の問題が片付かないうちに、同じような被害が和歌山でも起こってしまった。
 しかも 20日以降、名古屋を初めとする各地で台風被害が大きくなるらしい。まったく、困ったことだ。こうなると、顔文字も出せないな。


● ニュースと感想  (9月22日)

 台風で帰れない人々がたくさんいる。その声が twitter で流れている。その声を紹介する。
  → Open ブログ: 台風で帰れない


● ニュースと感想  (9月22日b)

 「ギリシャ危機」について。
 ギリシアの国債の金利が暴騰している(流通価格は低下)。
 これを「実質的な破綻(デフォルト)」と見なして、池田信夫が次のように論じている。
 ギリシャをユーロからたたき出したら、ただちに全面的なデフォルトになり、リーマン・ショック以上の大惨事になるだろう。他方、ドイツなどが金融支援をいやがってユーロから離脱したら、ユーロが暴落してマルクが暴騰し、ドイツの輸出産業は壊滅するだろう。ユーロの実験は失敗だったが、今やめることはできない。
( → 池田信夫 blog : 日本はギリシャになるのか
 こういうふうにやたらと不安を煽るのはやめてほしいものだ。経済学者の肩書きが泣く。

 (1) 大問題にはならない。
 「ギリシャをユーロからたたき出したら、ただちに全面的なデフォルトになり、リーマン・ショック以上の大惨事になるだろう」
 ということにはならない。ギリシアの経済規模はごく小さい。観光と農業があるぐらいで、まともな工業もない。「リーマン・ショック以上の大惨事になる」なんてことは、原則的にありえない。その影響はあくまでギリシア国内に留まる。ギリシア国債を買っていた金融機関はいくらか損をするだろうが、それはもともと含まれていた損が顕在化するだけだ。それを隠蔽することができなくなっただけだ。いずれにせよ、一時的なものだし、規模も小さい。将来に波及する問題でもない。傷が小さいうちに、きちんと手当てすればいいだけだ。

 (2) ドイツは問題ない  ドイツは現状ではユーロ安の恩恵を受けている。さて。もしドイツがユーロから離脱したら? その有利さは消える。だからといって、ドイツが劇的に不利になるわけではない。単に平常状態に戻るだけだ。
 「ドイツなどが金融支援をいやがってユーロから離脱したら、ユーロが暴落してマルクが暴騰し、ドイツの輸出産業は壊滅するだろう」
 ということはありえない。仮にあるとしたら、そうなりかけたところで、マルクは暴落する。そのせいで輸出は大幅に増える。だから結局、何も問題は起こらない。……それが変動相場制の便利なところだ。

 結論。
 池田信夫は「変動相場制」というものをまったく理解できていない。経済状況が改善したり悪化したりすれば、それにともなって通貨は強くなったり弱くなったりする(上がったり下がったりする)。しかしその変動は、通貨の強さ(経済状況の良さ)にともなうものだ。「経済が強くなったから通貨が上がる」というふうに自動調整するのが変動相場制だ。なのに池田信夫の発想は、「経済が強くなると、通貨レートが上がるから、経済は崩壊する」というものだ。あまりにもひどすぎる。論理になっていない。
 彼はこれほどにも経済に無知なのだから、経済学者の肩書きを返上した方がいいだろう。それがイヤなら、少なくとも、「変動相場制とは何か」をきちんと理解した方がいい。


● ニュースと感想  (9月23日)

 「ギリシャ危機と欧州」について。
 ギリシア危機の解決には、ギリシアが欧州共同通貨(ユーロ)から離脱するのが本筋だ。これについては、ユーロの発足時から何度も私が述べてきたとおり。(制度そのものが矛盾に充ちているのでいつかは崩壊せざるを得ない、ということ。無理に維持すれば今回のような問題が起こる、ということ。)
 ただし、それ以外の方策が全くないわけではない。本筋(抜本対策)ではないが、対症療法として、次の方策を採ることができる。
 「欧州全体でタンク法を実行する。つまり、現時点において、欧州全体で減税を実行する」
 減税の規模は、GDPに比例して、各国ごとに規模を決めるといいだろう。減税の額も、各人の所得に応じて減税することにするといいだろう。(減税という言葉の趣旨にも合う。)場合によっては、一時的に消費税を引き下げてもいい。(この場合は支出に比例した減税。ただし金持ち優遇の効果があるので、一律減税を組み合わせた方がいい。)
 これによって、何が起こるか? 特に誰も得しないが、「貨幣価値の低下」が起こる。そのことで、物価上昇と金利上昇が起こる。物価上昇を止めるには、増税するしかない。増税の規模を減らすには、金利低下を併用する必要がある。その「金利低下」は、タンク法を実施した状況では可能である。金利上昇が起こっているからだ。(タンク法を実施しない状況では、金利上昇が起こらないので、金利の引き下げには限界がある。)
 つまり、タンク法を実施したあとでは、
   物価上昇 + 金利上昇  …… (1)
 が起こるので、その状況下で、
    増税 + 利下げ  …… (2)
 が可能となる。
 この (1) と (2) を同時に実施したら、景気はたいして変動しないが、(1) と (2) の時期をずらすことが可能だ。通常は、1〜3年ぐらいずらす。その間に、
  「不況 → インフレ・好況」
 というふうに経済状況が変動する。これが最終的な狙いだ。
 しかも、(2) を実施することで、各国とも増税が可能となる。特にギリシアでは、増税幅を増やして、利下げ幅を増やすことで、増税幅を高めることができる。……といっても、ここでも「共通通貨」を使っていると、独自の利下げは困難だろう。というわけで、(2) の時点までに、ギリシアは共通通貨を離脱しておくことが好ましい。

 ともあれ、増税をするには利下げの併用が必要である。そうしない場合には、経済は不況へと突っ込むので、政府の財政はかえって悪化する。それは、日本がこれからたどろうとしている道でもあるが。
( ※ ただ、復興事業のための増税ならば、消費が減って公共投資が増えるから、差し引きすれば、大差はないかもしれない。土木産業が繁栄して、自動車産業や電器産業が衰退する、という形になるので、産業間の格差は生じるが。……とはいえ、自動車産業や電器産業は、前にエコポイントで恩恵を受けたから、とんとんかな。となると、それ以外の普通の産業[サービス業やら何やら]ばかりが割を食うことになるのかな。そこには情報産業も含まれるが。)

 まとめ。
 ギリシア危機を解決するのは、ギリシアのユーロ離脱が本筋である。
 しかしながら欧州各国も多かれ少なかれ、不況気味である。そこで、これらの諸国を一挙に正常化するために、経済政策を使う余地がある。それはタンク法の形での「巨額減税」だ。
 これによって経済をインフレ気味にしたあとは、将来的に、増税(と利下げ)で相殺することができる。(中和政策。)


● ニュースと感想  (9月23日b)

 「光吸収率がシリコン製の 100倍以上の太陽電池」というのが、またしても報道された。不思議な報道なので、とりあえずまとめてみる。
  → Open ブログ: グリーンフェライト(池田直)


● ニュースと感想  (9月24日)

 「中国の空洞化?」について。
 円高にともなって、日本の自動車産業などがどんどん中国などに進出している。これを見て、「日本の空洞化!」と騒ぎ立てる人もいる。(池田信夫など。)
 しかし、次の記事がある。
  → 日本企業が中国での生産から相次いで撤退する動き
 記事によると、「現在、青山商事の中国生産比率は75%、良品計画は60%で、2社とも3年後には50%まで下げる予定だという。青山商事はすでにベトナム、ミャンマー、カンボジアでの拠点を確立、今年中にインドネシアでも委託生産を開始予定で、生地はこれまでどおりイタリアと中国で生産するが、縫製は東南アジアに移す予定だ」とのことだ。
 これを見ると、池田信夫は「中国の空洞化!」と騒ぎそうだ。 (^^)
 
 もちろん、空洞化なんて、ありえない。上記の企業は、中国から出て行くが、その理由は、中国の人件費が高くなったからで、その理由は、中国の産業が発展したからだ。
 要するに、「中国は高くなりすぎたから、この山にはもう登れない」というわけで、周辺に出ていくわけだ。その現象は、「平準化」というにふさわしい。一箇所ばかりに集まるわけには行かないから、そのまわりに行くわけだ。
 で、その現象を見て、粗忽者は、「この山の高まる度合いが下がった! このままだと、この山は大きな穴になってしまうに違いない!」と思い込む。愚の骨頂。

 簡単に言えば、経済で起こる現象は、「水は高きから低きに流れる」というのと同じだ。中国は高くなりすぎたから、もっと低いベトナムなどに出て行く企業増える。だkららといって、中国が低くなるわけじゃない。単に平準化の現象が起こっているだけだ。

 というわけで、「日本の空洞化!」と騒ぐ人がいたら、それはその人の愚かさを示すだけだ。「空洞化」という言葉は、バカと利口とを区別するための、リトマス試験紙になるだろう。

 [ 付記 ]
 私とだいたい同趣旨のことを述べている人もいる。次の記事。
  → 「海外移転=空洞化」と考えるのは誤りだ
 誰が書いたのかと思ったら、英語雑誌の編集長(外国人)だ。まともな見解をもてるのは、外国人だけか。


● ニュースと感想  (9月24日b)

 「被災地の法人税をゼロに?」について。
 「被災地の法人税をゼロにせよ」という案を池田信夫が主張している。「これで被災地の復興ができるし、国内の空洞化を避けられる」という趣旨。
 これによって一時的には税収が減るだろうが、製造業を国内に引き留めることによって雇用は守れ、長期的には労働者の所得税収や消費税収も増える。復興対策としても、被災地に補助金をばらまくより製造業が立地することによって自律的に成長することが望ましいと思うのだが、どうだろうか。
 呆れた。ほとんど「トンデモ」と言ってもいい。
 仮にそれによって産業流出が起こらないとしたら、その分、日本の貿易黒字は増える。としたら、その分、円高が増す。製造業を優遇すればするほど、どんどん円高が進行する。……だから結局、そんなことをしても、何の意味もない。
 池田信夫は、変動相場制という概念を、まったく理解できていない。呆れるほかない。単に「企業を優遇すればそれで解決する」というサプライサイドを主張しているだけだ。レーガンやブッシュと同じぐらい、頭が悪い。(小泉や竹中と同様だ。)
 
 だいたい、法人税を免税にすれば、その分、財政赤字は増える。池田信夫は日ごろ、「日本の財政赤字は危機的水準にある」と述べているのだから、税制赤字を減らす必要があると感じているはずだ。その持論に反する。
 持論を守るんであれば、「消費税増税」を主張するのだろうが、「消費税増税と法人税の減税」を組み合わせれば、結果として、「労働者から資本家へ」という富の移転が起こるだけだから、「消費が減って貯蓄が増える」という結果となり、デフレはいっそう悪化する。
 つまり、池田信夫が述べているのは、「デフレ脱出策」では泣く「デフレ増進策」である。馬鹿馬鹿しいにもほどがある。病人を治療するのが医者だとすれば、池田信夫は病人を殺すことを目的としているドクターキリコだ。経済を改善しようとするのが経済学者だとすれば、池田信夫は経済を破壊しようという経済テロリストだ。何もしないより、もっとタチが悪い。いない方がマシ。

 [ 付記 ]
 池田信夫のツイート
1ユーロ≒100円か。計算しやすいな。ところで1ユーロ=150円のとき買った私のユーロ建て投信は・・・忘れよう
 こんなふうに大損するほど、池田信夫は先見の明がない。損をするのは自分だけにしてほしい。日本国民を巻き込むのはやめてほしい。


● ニュースと感想  (9月24日c)

 (1)
 iPhone を au でも販売する(ソフトバンク独占でなくなる)という話題についての感想。
  → Open ブログ: iPhone を au で

 (2)
 光速よりも速い粒子が見つかったので、相対論が崩壊した……というふうな論議が起こっているが、さて。
  → Open ブログ: 光速よりも速い粒子?


● ニュースと感想  (9月25日)

 「ギリシアとユーロの危機の原因」について。
 池田信夫がクルーグマンのブログにある、別人の説を紹介している。(孫引き。私は、ひ孫引き。)
 現在のユーロ危機の原因は財政赤字だといわれているが、スペインもアイルランドも最近まで図のように財政黒字だった。
 問題は財政収支ではなく、経常収支(CA)の大幅な赤字である。
 今回の危機はユーロという固定相場制の本質的な欠陥が顕在化したにすぎない。
( → 池田信夫ブログ
 ようやく池田信夫も正解にたどり着いたようだ。私が何度も指摘した正解に。
 ただ、クルーグマンや池田信夫は、今になってようやく正解にたどり着いたが、私は、ユーロ(欧州共通通貨)という制度の発足時(ちょうどこのサイトを始めたばかりのころ)に、すでにこの問題を指摘していた。本サイトで何度も指摘したことは、サイト内検索をすればわかる。
 一番古い言及はこれだ。  → 2002年1月02日c
 ちゃんとした指摘はこれだ。 → 2002年9月23日b
 このころは「通貨統合」という用語で述べていた。


● ニュースと感想  (9月25日b)

 「古賀茂明の辞任」について。
 経産相の古賀茂明が辞任を決めた。枝野経産相が「人事は事務次官に任せる」と述べて介入をしないことを決めたあとの方針。
 私としては枝野が古賀をきちんと処遇することを希望したが、無理だと思う。枝野が無能だからではなく、野田が無能だからだ。仮に菅直人政権が続いていれば、古賀が事務次官になる可能性もなくはなかったが、野田政権のもとでは無理だろう。野田首相は保守派だから、改革派の官僚が実現するはずがない。仮に枝野が野田を事務次官か何かに処遇したら、枝野自身が野田から首を切られる。これを阻止するには国民が野田をクビにするしかないが、国民は菅直人ではなく野田を選んだのだから、この結果はやむを得ない。
 なお、野田や枝野が古賀をうまく処遇できないことには、理由がある。経産相の事務次官以下の主流派がそろって保守派であることだ。すべてが東電の息がかかっている。「東電優遇」をやめるとしたら、経産相の主流派をこぞって敵に回す必要がある。それほどのことができるのは、菅直人ぐらいしかいない。しかし菅直人は、東電の息のかかった人々を敵に回したあげく、総攻撃を受けて、敗れてしまった。となると、「改革派の敗北」を認めるしかない。あるいは、「国民は反・改革派に洗脳された」(菅直人は無能だというキャンペーンに洗脳された)という事実を認めるしかない。
 以上が事実だ。この事実に従うなら、古賀茂明は「東電派の勝利」という事実を認識して、経産省を去る以外にはない。
 したがって、この期に及んで、「古賀茂明をうまく処遇できない枝野は駄目だ」なんて言っている人々は、トンチンカンすぎる。駄目なのは、枝野ではない。野田であり、また、野田を選んだ国民だ。勘違いしないように。

 [ 付記 ]
 古賀茂明は、どうするか? 私の予想では、大阪府知事選に立候補して、大阪府知事になるだろう。橋下の「維新の会」は、現時点では、候補者を決めていない。古賀茂明を意中の候補として、無決定の状態が続いているだけだ。おそらく近日中に、古賀茂明が候補者となるだろう。また、そういう状況があるからこそ、古賀茂明は今この時点で辞任を決めたのだろう。(これ以上遅れると、知事選に立候補できなくなる。タイミング的には、今がギリギリだ。)
 なお、維新の会には、他には候補者はいないと思われる。新聞情報を四打限りでは、そう思える。


● ニュースと感想  (9月25日c)

 次の機能をもつアドオン。
  ・ 自動的にページの先読みをする
  ・ そのページのリンクを取得する
  → Open ブログ: ブラウザ用のアドオン


● ニュースと感想  (9月26日)

 (1)
 被災地の復興が進まない。どうすればいいか? 役所任せでなく民間人が復興の計画を練ればいい。IT技術で。……それは「ただ待つこと」とは違う。
  → Open ブログ: 被災地復興の計画立案

 (2)
 東日本大震災の前には、貞観地震(869年)のほかに、慶長三陸地震(1611年)と寛政地震(1793年)があった。
  → Open ブログ: 慶長三陸地震と寛政地震


● ニュースと感想  (9月27日)

 「ギリシアとユーロの参考記事」について。
 ギリシアとユーロについて、参考記事がある。
  → 英エコノミスト誌 2011年9月17日号 (翻訳)
 ギリシアのユーロ離脱は途方もない混乱をもたらす、という悲観的な予想をする人が多いが、短期的にはひどくとも、中期的には(アルゼンチンのように)通貨切り下げにともなう経済成長が起こるだろう、という分析。
 
 なお、私としては、どうするべきかという判断を1年半前に記した。
  → 2010年5月09日 〜 5月18日b
 特に、5月18日b の項目では、次のように記している。
 ここで、世間より先を行く私は、新たなテーマを出そう。こうだ。
 「ギリシアがユーロを離脱するには、どういる手順で離脱するべきか?」
 この問題が生じる。そこで、私は世間よりも一足先に、以下のように答えよう。
 具体的な話は、該当の 5月18日b を参照。

 [ 付記 ]
 それ以外にも、たくさんの項目があるが、それらをまとめて列挙した項目もある。
  → nando ブログ 「欧州共通通貨 (まとめ)」 (2010年11月24日)


● ニュースと感想  (9月27日b)

 (1)
 津波は防潮堤を破壊する。その教訓を得たのに、陸前高田では防潮堤を構築する予定だ。教訓から何も学んでいない。
  → Open ブログ: 防潮堤と二線堤

 (2)
 マラソンの訓練には水泳をするといい。心肺機能を向上させるためだが、特に体格改造の効果がある。
  → Open ブログ: マラソンの訓練には水泳を


● ニュースと感想  (9月27日c)

  福島原発の周辺では、放射線の分布はどうなったか? 9月現在の最新データを示す。  (この件に関して、池田信夫の主張は嘘ばかりである。)
  → Open ブログ: 放射線の分布地図(9月)


● ニュースと感想  (9月28日)

 (1)
 震災復興のために、政府は 16兆円をかける予定。そのために 11兆円の増税をする予定。  それだけの大金をかけて、何をやるか? 巨額の無駄遣いだ。実例を示す。
  → Open ブログ: 震災復興の無駄遣い

 (2)
 震災対策のため、戸籍などの公的データをバックアップするシステムを、新たに整備するという。  「何を今さら」と呆れるほかはない。
  → Open ブログ: 公的データのバックアップ

 (3)
 iPS 細胞の話題をいくつか示す。
  → Open ブログ: iPS 細胞の話題

 (4)
 AED(心臓の救命器具)は、国内価格がすごく高いが、国外価格は安い。そこで、海外から安く買う方法を示す。
  → Open ブログ: AED の価格(安く買う)


● ニュースと感想  (9月29日)

 「増税幅の圧縮」について。
 野田政権は、復興の費用の財源としての増税の幅を、11.2兆円から9.2兆円に圧縮した。その財源は、政府保有の日本たばこ産業(JT)株の全株売却など。
  → 東京新聞
 呆れた。手持ちの株を売却しても、財源を得たことにはならない。貯金を取り崩しているだけだ。タコが自分の足を食っているのと同じだ。
 それだけならまだしも、株価が最低水準にまで下がっているときに株を振るというのは、二重の意味で悪い。
  ・ 株価が低いときに株を売るので、大損だ。
  ・ 株式市場で2兆円ぐらいが吸い取られるので、株価全般が下がる。
 特に後者の影響は深刻で、下手をすると、大不況に落ち込みかねない。「株価暴落 → 消費縮減 → 景気悪化」という順序だ。
 
 要するに、野田政権は「借金がいや」で、「増税」を狙ったのだが、それが不評で、「株の売却」に走ったわけだが、それは増税よりもさらに悪い最悪の道だ、ということになる。(増税は特に損得がないが、不況時の株式売却は損をするし、景気を悪化させる。)
 馬鹿丸出し。菅直人政権よりもずっと悪い。菅直人の一番悪かったところは、初期に「消費税増税」を口に出した点だが、それは口先だけだった。ところが野田は増税を実行するだけでなく、株式売却までやる。首相としては最悪だろう。菅直人を「無能」と呼ぶなら、野田は経済的な「破壊者」(テロリスト)だ。
 こんなのを歓迎する連中が多いのだから、日本はどうしようもないな。批判する人さえ、ろくにいない。気違いばかり、という状況だ。裸の王様ふう。
( ※ まともなのは、本サイトを呼んでいる人ぐらいか。本サイトを読んでいれば、「王様は裸だ」という真実がわかる。……ただし、一人だけ真実がわかっていると、まわりの阿呆たちから「トンデモだ!」と非難されるかも。 (^^); )

 [ 付記 ]
 「増税規模が9・2兆円となったのは、民主党の前原政調会長が強く主張したためだ」( → 読売新聞 )
 とのことだから、張本人は、野田でなくて前原なのかもしれない。馬鹿は前原か。……が、だとしても、責任者は野田だ。というか、そもそもの増税論者が野田なんですよね。
 野田は大馬鹿で、前原は輪をかけた超大馬鹿ということかな。馬淵澄夫の方がずっとマシだったようだ。(あれも人望のない馬鹿ゴリラだけど。少なくとも経済政策については。)

 【 追記 】
 その後、また11兆円に戻った、という報道がある。2011-09-29。
 何だかわけがわからんような、迷走状態にあるようだ。


● ニュースと感想  (9月29日b)

 (1)
 福島県では高濃度の汚染が確認されているが、それより低い数値ながらも、群馬・栃木で放射線汚染がある。広域の土壌汚染データが新たに得られた。
  → Open ブログ: 放射線の分布地図(群馬・栃木の土壌)

 (2)
 AED (心臓救命器具)の全国配備の地図。AED の訓練をしている学校。AED で助かった例。  そのような各種情報をいくつか。
  → Open ブログ: AED の情報・各種


● ニュースと感想  (9月30日)

 「キンドル・ファイア」について。
 アマゾンのキンドル・ファイアが出た。199ドル。1万5000円。
  → ibtimes
 私が前に述べた iPud というのに似ている。電話機能はないし、メールもできないらしいが、ガラケーと併用する形でなら、問題ないようだ。何より価格が安い。また、ホームページの閲覧は可能だ。( → 日経
 ただし日本での利用は無理。コンテンツをダウンロードするためのネット基盤がない。
 そこで、ソフトバンクが Amazonと提携して日本に参入する……ということは、十分に考えられる。iPad についてはソフトバンクの独占が崩れたから、キンドルの独占を狙うかもしれない。
 孫正義は、太陽光なんかやってないで、こっちをやった方がいいですね。

 参考サイト。
  → 「Kindle Fire」の強烈な破壊力


● ニュースと感想  (9月30日b)

 (1)
 「フライト・シュミレーター」の無料版が、Google で楽しめる。  ( ※ 暇人以外は読む必要がありません。)
  → Open ブログ: 無料フライト・シュミレーター

 (2)
 軍事マニア向けには、面白い戦争ゲームがある。  ( ※ 特に読む必要はありません。)
  → Open ブログ: 戦争ゲーム


● ニュースと感想  (9月30日c)

 「株式投資のチャンス」について。
 池田信夫などが「日本は空洞化する! 日本の製造業は駄目になる!」なんて騒いでいるが、そういう見解を取る人が多いときこそ、金儲けのチャンスだ。
 ちょっと気になって、日産自動車の株価を調べたら、米国金融危機で暴落したあと、元の水準には戻っていない。ずっと安くなっている。
 また、最近もユーロの暴落のあとで、欧州輸出が不利になると見込まれて、一時的に暴落した。
  → 日産自動車の株価(10年間)
 しかし、この株価はおかしい。日産は利益率が非常に高く、利益の安定度という点から見れば、以前よりも株価は高くなっていいはずだ。また、たとえ空洞化が進むにしても、それは、会社としては別に損になるわけではない。
 ではなぜ、株価が低いか? 日産だけの事情ではなくて、どの会社もみんな株価が下がっているからだ。端的に言えば、東証の株価が全般的に暴落しているからだ。
 ここまで見れば、明らかだろう。株価が暴落している今こそ、金儲けのチャンスである。
 ちなみに、米国金融危機の直後には、株価はとてつもなく暴落した。そしてその後に、急上昇した。
 これは3カ月ぐらいの短期的な現象だ。もうちょっと中期的に見るなら、ここ3年ぐらいは株価が低迷している状況だと言える。これが上昇に転じるのがいつになるのかはわからないが、5年か10年もすれば、かなり株価は上昇するだろう。特に、国債の引き受け手がいなくなれば、円の信用が落ちて、円安局面になりそうだし、そうなったら、物価上昇が起こって、株価も上昇しそうだ。また、ひょっとしたら、インフレにともなって好況に転じるかもしれない。
 というわけで、世の中が悲観的になっている今こそ、株価を底値で拾う時期だ。「すぐに金儲け」というわけではないのだが、長期的には、財産形成のためには、株は買っておいて損はないだろう。
 ただし、である。株式投資には、鉄則がある。
  ・ 大金を投資するならば、リスクの分散をすること。
  ・ なくしてもいい金ならば、一点集中でもいい。
 世の中には何があるかもわからない。安全株と思われた東電の株が紙屑みたいになることさえある。一点集中は危険なので、それに全財産をかけるようなことは、やってはいけない。

 【 追記 】
 長期的(10年後以上)には株は買って損はないだろうが、短期的・中期的には損をする可能性はある。10月5日に記述の「中国バブルの破裂」が起こるかもしれないからだ。これが起こると、3年ぐらいは悪影響が続くかもしれない。


● ニュースと感想  (10月01日)

 (1)
 脳の活動を fMRI によってスキャンして、コンピュータ上で画像化する、というシステムが開発された。これによって、夢を画像化することもできるか?
  → Open ブログ: 脳の視覚を画像化する

 (2)
 HTML 文書を縦書き変換するサービスがある。これを使うと、文書の公開を少しだけ制限することができる。 ( ※ トリビアな話題なので、読まなくてもよい。)
  → Open ブログ: HTML の 縦書き変換


● ニュースと感想  (10月01日b)

 他サイトの紹介。二件。

 (1)
 話題になった2チャンネルのページ。
  → ひきこもりのくせに被災地へボランティアにいってきた
 引きこもりだったオタク男が、東日本大震災で、一念発起して、ボランティア活動を始めた。初めは世間の人に声をかけられただけでびびっていた内気な男が、ボランティアの場で人付き合いをしていくうちに、少しずつ人付き合いができるようになり、5カ月も立つと、人々から頼られる立派な男に変貌した、という話。
 自称「糞クズニート」。最初から最後まで謙虚に自分を卑下する、というまともな文章。「おれは正しい、他人は間違っている」というふうに、偉ぶって他人を攻撃するトンデモマニアとは正反対だ。

 (2)
 他サイトのブログ記事。(この記事は iPhone では読めないらしいが。)
  → できない理由を指摘する人よりできる方法を考える人が成功する理由
 標題通りの内容だ。事実はその通り。
 ただし分析は、ちょっとポンボケだ。
 私なりに分析するなら、事実は次の通りだろう。
 「ネガティブな見解はいくら正しくても非生産的。ポジティブな見解は百に1つでも当たればいい。それだけのことだ」
 これもまた、他人を否定して得意になっているトンデモマニアには、決してわからないことだが。


● ニュースと感想  (10月03日)

 「日本の空洞化? 日産ノートは?」について。
 「日本の産業が空洞化する」という見解がしばしば聞かれるが、私は否定的だった。実際、空洞化の実例とされる日産マーチは、国産のフィットやヴィッツに比べて、まったく競争力がない。価格は低いのだが、品質が非常に悪いからだ。軽自動車よりも品質は悪いかもしれない。(排気量だけは大きいが。)
 それを教訓とした成果、日産は新たに、次の方針を取った。
  ・ ブラジルではマーチを生産する
  ・ 日本ではノートを生産する (九州工場で)

 これは理に適っている。途上国向けに「安かろう悪かろう」の粗悪なマーチを提供して、日本のような先進国には高品質のノートを国内生産する、というわけだ。
 要するに、「何もかもが国外に出て行く」ということにはならない。やたらと出ていけば、低品質の製品しか生産できずに、シェアを失う。その例が、マーチだ。タイ製にしたら、低品質のせいで、日本ではろくに売れなくなった。(ただし東日本大震災で、国内生産がストップしたときに限っては、よく売れた。……しかしもはや、ろくに売れないようだ。)
  → 8月の販売データ
 国産のフィットやヴィッツに比べて、タイ製のマーチがいかに惨憺たるありさまか、よくわかる。「空洞化」するつもりで国外に出したら、実際には「全部消滅」というふうになってしまったようなものだ。「国産維持」をしているホンダやトヨタは、馬鹿売れなのに。


● ニュースと感想  (10月03日b)

 (1)
 地熱発電はコスト的には火力発電と競争可能な範囲になっている。しかし普及しない。その理由は何か? 技術的な理由ではなく、経営的な理由だ。
  → Open ブログ: 地熱発電の可能性と課題

 (2)
 発送分離と電力安定化とは、密接な関係がある。送電部門を東日本・西日本ごとに統合するべきだが、そのことで、自然エネルギーの不安定さを吸収する効果も生じる。
  → Open ブログ: 発送分離と電力安定化

 (3)
 韓国で大停電が起こった。これを他山の石として、日本の状況を考える。
  → Open ブログ: 韓国の大停電と電力安定化


● ニュースと感想  (10月04日)

 (1)
 電力の周波数は 50Hz / 60Hz に分かれているが、統一した方がいい。しかし、実現は困難だ。そこで、うまく実現するプランを示す。
  → Open ブログ: 周波数統一のプラン

 (2)
 防衛省が無人戦闘機を配備するという。13億円。しかしラジコン機の方がずっと低価格で済むし、性能もいい。(嘘みたいだが。)
  → Open ブログ: 無人飛行機(偵察機)


● ニュースと感想  (10月05日)

 「中国のバブル崩壊」について。
 中国のバブル崩壊が、ほとんど現実化しつつあるようだ。
  → Financial Times の翻訳(jbpress)
 全国規模でいっせいに崩壊したわけではないが、一部ではバブル破裂ふうの現象が見られる。そもそもバブル破裂は一瞬にして起こるわけではないから、大規模なバブル破裂が徐々に起こりつつあると見なしてもいいかもしれない。
 米国の金融危機もバブル破裂だったが、それと似た現象がいくらか起こりつつあるのかもしれない。もしそうだったら、手持ちの株はさっさと売った方がいい、ということになる。また、空売りしておけば、ボロ儲けできるかもしれない。
 ただ、現在は、ユーロ安・円高の影響で、株価がかなり低くなっているから、日本の株はこのあとでは上昇する可能性もかなりある。日本の個別事情(上昇要因)と、中国の個別事情(下落要因)とが、絡み合うので、株価の予測はかなり難しい。「こうすればいい」という推奨策は見当たらない。
 強いて言えば、「株価暴落の可能性があるので、手持ちの株はすべて売り払って、損も得もしない状態」にいるのが、一番の安全策かも。そうすれば、得はしないが、損もしないで済む。
 ちなみに、今は FX なんかやるべき時期ではない。急変動が起こりうるからだ。先のユーロ安の局面では、スイス通貨で FX をやっていた人が、ものすごい損失を出して、人生破綻の憂き目に遭った。一生かかっても返せないほどの借金を負ったニートたちが、いったいどういう人生を歩むことになるのか。
  → Google 検索 「スイス FX」


● ニュースと感想  (10月05日b)

 「朝霞の公務員宿舎」について。
 朝霞の公務員宿舎を建設延期することで、違約金が発生することになった。
 野田佳彦首相が凍結を指示した埼玉県朝霞市の国家公務員宿舎の建設事業(建設費 105億円)を中止した場合、政府が関係業者に支払う損害賠償金が最大40億円規模に上る見通しである ( → 時事通信
 愚の骨頂。105億円の建物に 40億円の違約金を払ったら、違約金だけで巨額になる。これは丸損だ。野田首相というのは、これほどにも馬鹿なのか? 
 どうせだったら、そのまま 105億円をかけて建設してから、マンションとして売却してしまえばいい。そうすれば、うまく行けば120億円で売れて、利益が 15億円入る。それほどうまく行かなくても、だいたいトントンにはなるだろう。なのに、40億円の丸損とは! 
 菅直人は、最後の半年間に、原発事故を処理したり、浜岡を止めたり、補正予算を通したり、再生エネ法案を通したりした。しかるに野田首相は、1カ月かかって、増税と、40億円の丸損とを、決めただけだ。
 これほどの愚劣な首相を歓迎するのだから、日本国民やマスコミは、どうしようもないな。

 [ 付記 ]
 参考記事。
  → 建設現場を視察する野田首相
 菅直人を「最低の首相」と批判して、首相交代を促したフジが、野田首相をけなすというのも、わけがわからんが。


● ニュースと感想  (10月05日c)

 被災地の復興の過程で、被災者の情報リストが必要とされている。しかし自治体は「個人情報の保護」を理由に、情報提供を拒んでいる。この問題をどう解決するか?
  → Open ブログ: 被災者情報の共有


● ニュースと感想  (10月06日)

 「婚外子差別」について。
 婚外子の相続の差別に、違憲判決が出た。これを見て、「国会は法改正をせよ」という声が出るかと思ったが、毎日新聞だけだった。
  → 検索
 違憲判決の扱いがこうなのだから、マスコミというのは、けっこう感覚が鈍い。憲法や遵法精神なんかどうでもいい、と思っているのかな。

 ただ、それはそれとして、私としては、もっと注目してもらいたい問題がある。
  → 離婚後300日問題 - Wikipedia
 離婚後に再婚した女性が、300日以内に子供を産むと、その子供は前夫の子供として扱われるが、それを避けようとすると、子供は無戸籍で無国籍になってしまう、という問題。
 DNAで確認すれば、前夫でなく現在の夫の子供であると判明するのに、昔の「日にちで推定」という法律を持ち込むことが、時代とズレてしまっている。
 こういう時代遅れの法律をちゃんと直すべきなのだが……放射能問題で馬鹿騒ぎしている日本では無理なのかも。


● ニュースと感想  (10月06日b)

 生命の起源について、興味深い研究が得られた。海中ではなく、海底の地中において、タンパク質が蓄積した、という研究だ。
  → Open ブログ: 生命の起源は地中で?


● ニュースと感想  (10月07日)

 (1)
 ジョブズが死去した。この天才は一生を疾走したと言える。
  → Open ブログ: 疾走したジョブズ

 (2)
 ノーベル化学賞のダニエル・シェヒトマンは、学界からはトンデモ扱いされた異端児だった。(当時は)
  → Open ブログ: ノーベル賞学者はトンデモだった


● ニュースと感想  (10月08日)

 ジョブズが優れていたのは、どんな能力か? すぐれた技術か? 優れた芸術性か? いや、それらの個別性ではなく、全体を統合する力だ。それはシステムデザインと呼んでもいい。
  → Open ブログ: ジョブズとシステムデザイン


● ニュースと感想  (10月08日b)

 「俺ゆとりだから」について。
 2ちゃんねるに「俺ゆとりだからわからないんだよ」という言葉を見て、何だかわからなかったが、「俺、ゆとり世代だから(馬鹿だから)、わからない」という意味なのだと気づいた。
 どうもフレーズ化しているような気がしたので、Google でフレーズ検索してみたら。
 検索結果は 64,300 件 だった! こんなにも多用されているわけだ。
 これに続く言葉は、「わからないんだよ」のほか、「知らないんだよ」が多い。

 なお、ゆとり教育の成果(というか悪影響)は、下記に記してある。
  → 2ちゃんねる


● ニュースと感想  (10月09日)

 (1)
 「ジョブズはイノベーションをもたらした」という認識がある。これについて論じる。(経済学とイノベーションに関する話題。)
  → Open ブログ: ジョブズとイノベーション

 (2)
 下村治という経済学者がいる。常識に反して、「経済成長率は 11%にできる」という数値を唱えて、学界からは大反発を食らった。  だが、現実にはその数値が達成された。かつての日本の「高度成長」時代を主導したのは、異端のトンデモ学者だったのだ。
  → Open ブログ: 最大のトンデモ経済学者(下村治)


● ニュースと感想  (10月10日)

 (1)
 The Economist のサイトが「ジョブズの死 スティーブジョブズ&アメリカの衰退」と題した記事を書いている。とても興味深いので、紹介する。
  → Open ブログ: ジョブズの死とアメリカの衰退

 (2)
 米国と日本の経済成長率を比較する。そしてまた、経済成長率をどう見ればいいかを、説明する。
  → nando ブログ: 米国と日本の経済成長率


● ニュースと感想  (10月10日b)

 歴代ではなく現存(現代)の、最高の画家は誰か? 次の名が上がる。  ルシアン・フロイド。
  → Open ブログ: 現代最高の画家


● ニュースと感想  (10月10日c)

 「iPhone 馬鹿売れ」について。
 新型の iPhone が馬鹿売れしているそうだ。初期提供の 150万台が売り切れて、店頭では空っぽだとか。(米国の報道。)
 日本ではソフトバンクが「旧型機種の持主にも 6000円のキャッシュバック」なんていう新方針を打ち出したので、(旧型ユーザーが一挙に無料で交換しようとして)馬鹿売れしそうだし、タマがなくなるのでは、と心配したのだが、どうやらその心配は不要だったらしい。もともと大量生産は計画に入っているようだ。
 アップルは台湾メーカーにすでに 1500万台を発注している、という報道もある。
 
 アップルはボロ儲けしそうだ。ジョブズは死んだが、虎は死して皮を残す。
 (池田信夫は「外貨投信でボロ儲け」なんてツイートしているが、こちらは「捕らぬ狸の皮算用」だ。何という違いか!)


● ニュースと感想  (10月11日)

 「外国人の無料旅行・招待」について。
 外国人を無料で旅行に招待西用、という政府の方針。
 《 外国人1万人、旅費無料で日本招待…観光庁方針 》  観光庁は、東日本大震災後に激減している外国人観光客の回復を狙い、2012年度に全世界から、旅費無料で1万人の一般観光客を日本に招待する方針を固めた。
 日本国内の滞在が安全・安心であることを口コミで世界的に広げる効果を見込んでいる。事業費として、観光庁は12年度予算の概算要求に11億円を盛り込んだ。
( → 読売新聞 2011-10-10
 呆れた。1万人に11億円。一人11万円。これだけ金をかければ、欧州や米国から招いても、まだお釣りが来る。金のかけ過ぎ。
 しかも、高価は逆効果だ。当たった人はいいが、ハズレた人が、「日本に行くのは馬鹿らしい」と思って、日本以外に旅行をするだろう。「11万円をもらわなくちゃ行く気になれないような危険な土地に、誰が行くものか」と思うはずだ。少なくとも私だったら、ハズレた時点で、その場所を候補地から外す。(ハズレたのが癪だから。 (^^); )

 要するに、政府は11億円をかけて、「11万円をもらわなくては誰も来たがらないような危険な土地ですよ」と宣伝するわけだ。やればやるほど、観光客が減る。招いた1万人は増えるだろうが、一方で数十万人が減る。
 どうせ金を掛けるのなら、「危険じゃありません」と宣伝した方がいい。「福島以外はまったく問題がありません。ほら、NYやベルリンやロンドンやパリよりも安全ですよ」というふうに数値を示せばいい。(本当にそうかどうかは不明だが、少なくともNYのあたりは、ラドンの放射線がとても高いので、東京よりはひどい。)
 政府は金の掛け方を間違えている。浪費。震災対策のどさくさにまぎれて、ひどい浪費をやり過ぎる。
( ※ 真相は……11億円のうちの2億円は、傘下の天下り企業へ。そこで公務員OBがたっぷりと甘い蜜を吸う。それが本当の狙い。あと、1億円は、旅行業者から袖の下で、民主党へ。特に、小沢へ。もらった小沢は「記憶にありません」で知らんぷり。まずくなったら、病院にしけ込む。)


● ニュースと感想  (10月11日b)

 (1)
 ジョブズがスピーチで語った「 Stay hungry,Stay foolish 」とは、どういう意味か? 「飢えて馬鹿になれ」ということか? 違う。「若さを失うな」ということだ。
  → Open ブログ: Stay hungry,Stay foolish とは?

 (2)
 イノベーションの本質は何か? 凡人はそれを「組み合わせる能力」だと思い込む。しかし天才の思考過程を見れば、真実がわかる。
  → Open ブログ: イノベーションの本質(天才の思考過程)


● ニュースと感想  (10月12日)

 (1) 《 問題編 》
 現代はイノベーションとグローバル化の時代だ。この時代に世界は激変した。  では、その結果、何がもたらされたか? 世界の進歩か? 経済の低迷か?
  → Open ブログ: イノベーションとグローバル化

 (2) 《 解答編 》
 IT化の時代には、経済は激変する。問題も噴出する。では、対策は、どうすればいいか?
  → nando ブログ : IT化時代の経済政策


● ニュースと感想  (10月13日)

 (1)
 ジョブズは独創的なものを多大に創造した。では、その創造性の根源は、何だったろうか? 金儲けの欲望か? 美的感覚か? 人々への愛情か? いや、究極のものを求める情熱だ。
  → Open ブログ: ジョブズが求めたものは?

 (2)
 ジョブズの開発した NeXT コンピュータは、商業的には失敗した。そのことでこれを彼の「失敗」と見なす見解がある。しかし NeXT コンピュータは、実は広範な影響を残している。
  → Open ブログ: NeXT の影響


● ニュースと感想  (10月13日b)

 「次期戦闘機」について。
 次期戦闘機は F-35か? 
 これについては、私は前に論じたことがある。その結論は、こうだった。
 「ユーロファイターにする。その機体を日本が改造して、ステルス機にする」

 さて。それは別として、次の情報がある。( Wikipedia 英語版)
 「F-35 はもはや調達価格が 1400万ドルとなり、F-22 の 1300万ドルをも上回ってしまった」
 これじゃとても購入対象とはならないだろう。

 だが、日米連携を考えると、ユーロファイターにするというのも、米国の怒りが怖い。軍事的でなく政治的な問題。
 そこで私としては、うまい案を考えた。こうだ。
 「どうせ今すぐには F-35 は量産されないし、配備も不可能だ。そこで当面はユーロファイターを少し輸入する。その後は国産でライセンス生産する。これを2020年ぐらいまで。そして、2020年ごろになったら、F-35 の完全ライセンス生産を要望する」
 これだったら米国も認める可能性がある。十年後ですからね。(今は無理。)
 もし断られたら? その場合は、ユーロファイターを基盤にして、国産にすればいい。2020年ぐらいまでには、ステルスの機体ぐらいは設計できるだろう。
 だから、決断するのは 2020年にすることにして、そのときはでは当分の間、航空自衛隊の戦闘機の半分をユーロファイターにすればいい。残りの半分については、2020年に決める。


● ニュースと感想  (10月14日)

 計量経済学とは何か? マクロ的な経済学の統計分析において、経済モデルの正確さを高めるための理論だ、と言えるだろう。
  → nando ブログ :  計量経済学とは


● ニュースと感想  (10月14日b)

 ジョブズのついでに、ビル・ゲイツの仕事を顧みよう。ゲイツがジョブズと決定的に異なる点は、リアリストであったということだ。ジョブズは夢を求めたが、ゲイツは現実を見つめた。そこに彼の功績がある。
  → Open ブログ: ビル・ゲイツの功績


● ニュースと感想  (10月15日)

 (1)
 ジョブズの生涯を記す伝記ふうの記事がある。興味深いので、一読をお勧めする。
  → Open ブログ: ジョブズの伝記

 (2)
 詩人のランボーの書いた詩のなかで「天才」という一編がある。それを紹介する。  これはまるでジョブズのことを語っているようだ。
  → 書評ブログ: ランボーの詩「天才」


● ニュースと感想  (10月15日b)

 次の記事が面白いので、紹介する。大差が付いている。

 → ソフトバンクとauでネットワーク速度対決!! (ギズモ)

 ※ 前から「つながらない」という評判が有名だから、不思議ではないが。
 ※ ついでですが、値段だけなら、ソフトバンクの方がいくらか安い。

 《 教訓 》
 本業を忘れて、太陽光なんかで騒いでいると、肝心の本業が傾いてしまう。
 輝かしいのは、業績ではなく、社長の頭ばかり。そこがジョブズと全然違う点。

 【 追記 】
 上は渋谷だけだが、もっとあちこちで比較した詳しいデータもある。au の圧勝というほどではないようだ。  → 比較テスト(各地)


● ニュースと感想  (10月15日c)

 「広島の原爆の記事」について。
 朝日新聞・夕刊・1面 2011-10-14 のコラムで、次の証言が紹介されていた。
 「内臓が剥き出しになった状態で人がさまよっていた。手当てをしてあげたかったが、それもできなかった」
 証言者は広島の爆心地から2キロの地点で被曝した人。


● ニュースと感想  (10月15日d)

 「世田谷の放射線」について。
 世田谷で高い放射線が計測されたことで、「すわ、都内でもホットスポットが!」と騒ぐ人が出た。私はこれに対して、はてブで「すみません。そこに私が蛍光塗料(放射線)をこぼしました」と冗談を書いた。すると嘘から出たまことで、その嘘がほとんど現実化してしまった。(蛍光塗料らしいラジウムのせいだ、と判明した。各紙報道。)
 だったら、問題はない、と思ったのだが、世田谷区長が、へっぴり腰だ。
 記者会見はただ今終了した。記者からは、床下から見つかった箱の中の瓶の形状や中身などについて質問が相次いだが、高い線量を発している危険物に区職員、検査会社検査員も近寄ることは出来ず、今後の解明を待つことにしたい。
( → 保坂展人・世田谷区長
 しかし、「近寄ることは出来ず」なんて、おおげさだ。夜光塗料に手を付けられないということはない。ちなみに、ラジウム温泉・ラドン温泉だって、高い放射線を発しているが、人はどんどん近づいている。
   → ラジウム温泉 ラドン温泉の紹介 効能
   → ラジウム・ラドン温泉は通常の40,000倍の放射線
 こういうところに人は近づいているのだから、「近づけない」なんてことはない。一生そこに住み続けるのならともかく、年に数日間ぐらいそこにいたからといって、特に大きな影響はないだろう。(特に、老人ならば。 → 微量放射線の影響
 ま、今回の事件は、「大山鳴動、ネズミ一匹」だったが、それでもいまだに、ネズミを怖がっている区長もいる。少しは反省して、ネズミぐらいで大騒ぎしないようにしてほしいものだ。

 [ 付記 ]
 武田邦彦が大騒ぎしたことを、池田信夫が批判している。
  → 池田信夫 blog : 武田邦彦氏の哀しいウソ
 悪口を書くのが本当に好きな人だ。 (^^);

( ※ 「そういうおまえは?」と言うなかれ。 (^^); )


● ニュースと感想  (10月16日)

 iPhone4S の人工知能 Siri は、IBM の人工知能 Watson と、よく似ている。
 iPhone4S の音声認識秘書 Siri というのは、予想以上に優れた人工知能であるようだ。実例がすごいので、話題になっている。
 → Open ブログ: 人工知能 Siri と Watson


● ニュースと感想  (10月16日b)

 iPhoneの接続速度。かなり詳しい調査。
  → auとsoftbankのiPhone4Sをもって山手線ほぼ1周回線チェックの旅
 やはり au の方がずっといいようだ。


● ニュースと感想  (10月17日)

 「イノベーションとグローバル化の時代には、先進国の労働者が失業に苦しむ。それは当然のことか?」という話題。
  → nando ブログ: 続・IT化時代の経済政策


● ニュースと感想  (10月17日b)

 「プロ野球の不人気ぶり」について。
 プロ野球が不人気ぶりがひどい。
 《 プロ野球は人気な〜い!人気スポーツ選手ランクから完全消滅 》
 2008年の調査開始以来初めて、日本のプロ野球関係者が「総合ランキング・トップ10」から消えた。
 プロ野球は斜陽ムードだ。08年の総合ランクでは星野仙一(楽天監督)とダルビッシュ有(日本ハム)、09年は王貞治(ソフトバンク球団会長)、昨年はプロ入りが確実視されていた斎藤佑樹(当時早大)と誰かがトップ10に入っていた。それが、今年は最高位が 12位のダルビッシュ、プロ 1年目の斎藤も28位に後退。
 なぜ不人気か? みんながナイターを見なくなったからだ。なぜナイターを見なくなったか? この件について、私は前に述べたことがある。
 最近、プロ野球の視聴率が下がっている。なぜか? 私の想像では、それは、テレビ局のせいだ。
 私がプロ野球を見なくなった最大の理由は、次のことである。
 「生中継と、直前のビデオ画像とが、切り替わる際に、切れ目に変なワッペンのような画像がデカデカと挿入されること」
 このワッペンのような画像が、目にチカチカして、不快で仕方ない。そもそも、プロ野球というのは、のんびりといい加減に見ているところがいい。ずっと興奮しっぱなしではなく、のんべんだらりと神経を休めているのがいい。若い人ならば娯楽が第一だろうが、大人ならば仕事が第一で娯楽は気休めだ。とすれば、気休めになるように、刺激は少ない方がいい。
 なのに、ワッペンのような画像が出るので、神経が刺激される。誠に腹立たしい。で、最初はNTVがこれをやったので、私はNTVを見なくなった。やがて、他社も同様のことをやるので、他社のも見なくなった。ついでに言えば、今回はテレビ朝日が日本シリーズ第一戦を放送しているが、ここでも同様のワッペンのような画像がチカチカして、気を刺激するので、五分間だけ見て、テレビから離れた。

 要するに、テレビ局自体が、「この番組を見ないでください」というふうな番組にしているわけだ。「見るな」と押しつけてくるのだから、たとえ見たくても見るわけには行かない。かくて、視聴率が急激に下がる。
 実際、プロ野球の視聴率が急激に低下した時期と、ワッペンのような画像が挟まれるようになった時期とは、ほぼ一致するのだ。
 私はこのワッペンみたいな画像が不快なので、ナイターを見るのをやめた。他の人も同様だろう。
 要するに、ナイターが不人気なのは、人々がプロ野球を嫌ったからじゃない。テレビ局が「ナイターを見るな」と仕向けたからだ。そして、いったん離れた人々は、もう戻ってこない。それだけのことだろう。

 [ 付記 ]
 それとは別に、「テレビを見ないでネットばかり見ている人が多い」ということもあるだろう。ま、それはそれ。とはいえ、お年寄りなら、ナイターを見てもいいはずだ。そのお年寄りが、ワッペン画像で拒否された。……やはりテレビ局の自業自得。





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「泉の波立ち」
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