[付録] ニュースと感想 (156)

[ 2011年 11月23日 〜 12月31日 ]   

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        11月23日 〜 12月31日







● ニュースと感想  (11月23日)

  歴史学者のポール・ケネディが、大局的な視点から、現在という時点を「歴史的な分水嶺」と見なして評論している。これについて私なりに見解を示す。
  → nando ブログ : 歴史的な分水嶺


● ニュースと感想  (11月23日b)

 「サリン事件の真相」について。
 サリン事件の裁判がすべて終わったことで、特集記事が出ている。そのうち、面白い記事が見つかった。実はサリン事件は予防が可能だったという。しかし検察がそれを拒否したのだ。
 読売新聞・朝刊・2面 2011-11-22 に、特集記事がある。それによると、坂本弁護士一家殺害事件で、犯人の岡崎(のちに死刑)が、神奈川県警に司法取引を申し出た。「自分の刑を軽くしてくれるなら、すべてを白状します」と。(1990年)
 しかし、日本には司法取引制度がない。そこで検察側は拒否した。「こいつをどうしても死刑にしてやる」と。そして実際、岡崎は死刑になった。しかし岡崎は、自分の罪を増やさないために、なるべく黙秘した。そのせいで、背後の首謀者に当たる麻原(松本)は逮捕を免れた。そして、その5年後(1995年)、サリン事件が起こった。
 つまり、検察側は、岡崎を死刑にすることにこだわった結果、莫大な被害者を出すサリン事件を予防できなかった。それというのも、日本には「司法取引」の制度がなかったからだ。

 一方、その後、林というサリン事件の実行犯(オウムの幹部)は、司法取引がなかったにもかかわらず、自発的にサリン事件を告白した。警察側はまったく寝耳に水で、「本当かよ」と疑ったらしいが、詳細を聞いて、実行犯だと確信して、一挙にオウムを逮捕することができた。その結果、林だけは、無期懲役を求刑されて、死刑を免れた。(司法取引の考え方を入れたそうだ。一方、裁判官は、「死刑相当なのだから、検察が死刑を要求しなくても、死刑にするべきではないか」とさんざん悩んだという。アホくさ。)

 サリン事件を解決したのは日本の警察力が優秀だったからだと思っている人が多いだろうが、そうではない。日本の警察はまったく解決できなかった。手がかりさえもつかめなかった。どちらかと言えば、警察庁長官の狙撃犯を逮捕することばかり考えていた。そこへ青天の霹靂で、サリン事件の実行犯が告白した。それで日本史上最大の大量テロ事件が解決した。それだけのことだ。

 日本の警察・検察は、予防する機会をあえて捨てた。そして犯人のおかげで、サリン事件を解決した。サリン事件の解決の最大の功労者は、サリン事件の犯人だったのだ。彼がいなければ、いまだにその後にさらに広大なテロが起こるはずだった。(ヘリコプターによる散布などで、地下鉄をはるかに上回る大量殺害事件が起こるはずだった。読売新聞による。)
 この事件に反省したら、日本でもさっさと「司法取引」制度を導入するべきだろう。それができないとしたら、ふたたび巨大な被害が発生するかも知れない。

 [ 付記 ]
 司法取引制度が機能するためには、刑罰に「死刑」があることが必要だ。この場合に限り、「死刑を免れたい」と思う犯人が、犯行を告白する強い動機が生じる。
 「死刑なんか廃止するべきだ」と思う人もいるだろうが、司法取引制度と組み合わせれば、「死刑を実行せず、かつ、将来の犯行を防ぐ」という効果が生じる。この効果を否定するとしたら、その人は、オウムの犯人と同じように、将来の大量殺害事件をあえて招こうとしていることになる。

 ま、死刑廃止論者というのは、麻原事件みたいなことが起こったときだけ、「死刑廃止論」を言わずに口をつぐむ。彼らはどうして黙っているのか? 「サリン殺人犯の命を救え。殺された百人の命はどうでもいいが、百人を殺した人の命は是非救うべきだ」と、なぜ語らないのか? まったく奇妙なことだ。
 ま、その理由はわかるが。……「自分の手を汚したくない」と思うからだ。 → 死刑と大量殺人 の [ 付記3 ] ( ※ 要するに、「無垢な人々の命を守るように、悪を減らそうとして、自分があえて汚い水をかぶる」という辛い行動を取る勇気がない。幼い子供が川に流されているときに、その命を救うために自分が泥水のなかに飛び込むことができるか、という問題に似ている。あるいは、愛する人の命を守るために、襲いかかる殺人犯を自分で殺せるか、という問題に似ている。……いずれにしても、草食男性には、まず無理。ウサギは狼を殺せません。)


● ニュースと感想  (11月23日c)

 「カジノと都知事」について。
 カジノ2題。

 (1) 石原都知事のカジノ誘致の発言
「(カジノについて) 陰惨であるとか、パチンコですってんてんになる、そういうイメージはもうなくなってますよ。だから、僕はやっぱりカジノを造りたい。私はあんまりそういうことは好きじゃないんだけど。得意じゃないんだけどね。それでやっぱりそれはね。それこそ、目的税みたいな形、その収益は福祉に使いますと。そういうつもりでやろうと思っているんですけど。」
「近代国家・先進国の中でカジノがない首都というのは東京ぐらいでしょ。」
 (2) 大王製紙の横領事件
 大王製紙(東証1部上場)の井川意高(もとたか)・前会長(47)による巨額借り入れ問題で22日、東京地検特捜部が強制捜査に乗り出した。わずか1年半の間に連結子会社7社から引き出された資金は、106億8千万円にのぼった。特捜部はカジノ賭博に使われたとみて、解明を進める。
( → 朝日新聞
 同じようなカジノ犯罪を何度も引き起こしたい、というのが、石原都知事の願いなのだろう。大王製紙よりも小規模な形では、……コソ泥がギャンブル資金を盗みに空き巣に入るとか。空き巣に入った家で見つかって逃げようとして殺人をするとか。借金まみれになった亭主が娘を売春宿に売りつけるとか。その娘が言うことを聞かなかったから暴力団が手込めにするとか。……いやはや。東京も犯罪都市になるのかな。

 そう言えば、石原慎太郎の小説の主人公というのは、ひどい犯罪者がやたらと多かったな。
  → コミック石原慎太郎「完全な遊戯」ほか。
 こういう風潮をはやらせたいんですね。わかります。


● ニュースと感想  (11月23日d)

 欧州にある物理学の国際研究所が、地球温暖化について重要な報告をしていた。「炭酸ガス原因説」を否定している。
 → http://openblog.meblog.biz/article/6027142.html#comment
   ※ コメント欄に情報を追加している。


● ニュースと感想  (11月24日)

 (1)
 地震対策として、食糧の備蓄が必要だ、と言われている。しかし、食糧は特に不足していない。不足しているのは、熱源だ。ならば、カセットコンロを備蓄するといい。
  → Open ブログ: ガスコンロの備蓄(地震)

 (2)
 ロボットには、アシモのような人形(ひとがた)ロボットではなくて、実用的なロボットもある。掃除用ロボットなどだ。
  → Open ブログ: お掃除ロボット


● ニュースと感想  (11月24日b)

 「大王製紙の特別背任の根源」について。
 大王製紙の特別背任では、社長の犯罪ばかりが注目されているが、まわりの人々の責任はどうなるんでしょうね。子会社の社長など。「ワンマン経営者に逆らえなかった」ということだが、帳簿にきちんと記入して、監査を受けていれば、「個人への巨額の支出」は監査人に指摘されていたはずだ。
 とすれば、ここでは、ライブドア事件と同様に、監査の問題が出てくる。きちんと監査しておけば、この犯罪は未然に防げたのだ。
 オリンパスであれ、大王製紙であれ、ライブドア事件以来の監査の不全性が解決されていない。ここに大きな問題があることは、当時も私は指摘したのだが、依然として、同じ状況が続いている。
 「ホリエモンのせいだ」
 なんて人々が浮かれていて、社会そのものの構造的な欠陥に目を向けなかったから、こういう問題が起こった。
 とすれば、最大の責任者は、社会そのものだ。人々はホリエモンに罪を着せることにばかり熱中していた結果、自分たちの罪を見失ってしまったのである。そして、「過ちを改めず、これを過ちという」という状況になった。
 そして、その結果として、大王製紙やオリンパスの犯罪が起こったのだ。当然、今後もまた、同様のことは起こるだろう。人々は問題の所在点を理解していないからだ。

 [ 付記 ]
 あとで見たら、読売の社説も、同様なことを述べていた。(監査人の問題。ただし、ライブドア事件への言及はない。)


● ニュースと感想  (11月24日c)

 「ISD条項の改定案」について。
 TPPの問題では、ISD条項が問題となっている。そこで、次のような改定案を提出したい。
 「紛争処理はするが、損害賠償は決めない」


 たとえば、上記の (1)(2) の例では、「巨額の賠償金」を国家が企業に支払った。このような「巨額の賠償金」をやめるといい。せいぜい「訴訟費用と慰謝料」ぐらいとして、支払い上限を3億円程度にする。
 一方、現在の措置を是正することは、可能であるようにする。
 要するに、過去分については扱わず、将来の状況についてのみ扱うようにする。

 これだったら、特に問題はないだろう。妥協点として、十分に成立する案だと思う。いかが?


● ニュースと感想  (11月25日)

 (1)
 先の大震災のとき、Google は大活躍した。ここから、大きな教訓を得る。それは、前項との比較からわかる。
  → Open ブログ: Google と役所[地震]

 (2)
 東京都と大阪を結ぶリニア新幹線の駅を、JR東海が全額出資することにした。それはいいが、神奈川県の駅を 2200億円で建設するというのは馬鹿げている。
  → Open ブログ: リニア新駅(神奈川)の愚


● ニュースと感想  (11月25日b)

 「TPP と失業」について。
 「 TPPのせいで失業が増える」という見解がある。たとえば、農産物の輸入自由化で農家の失業が増える、というふうに。しかし、これに対しては、「農家で失業が増えても、その分、他の産業で雇用が増える」と先に述べた。
 では、厳密には、どっちが多いか? そのことは、下記を読み直せばわかるはずだ。
  → 11月21日c
 ここで示したように、TPP で輸入農産物の価格が下がることで、貨幣価値が上昇する。そのことで、実質GDPが増える。(他の産業で雇用された場合。)
 結局、「失業者が他の産業で雇用される」ことを前提とすれば、GDP は増える。(生産性の向上があるので。というのは、非能率な農業をやめるので。)
 そして、GDP が増えるならば、雇用は増える。(というのは、所得増加の効果があるから、物がたくさん売れるからだ。所得増加のおかげで、パソコンや食品やサービスなどがたくさん売れるようになる。)
 というわけで、「TPPによって失業が増えるどころか、逆に、雇用状況は改善する」と言える。失業者がどこかで滞留するような不具合さえなければ、失業の問題はかえって小さくなるわけだ。つまり、TPP反対論者が懸念している状況とは逆のように現実は進むはずなのだ。

 [ 付記 ]
 以上のことを理解するには、逆の場合を考えるといい。
 「関税を上げると、どうなるか? さまざまな産業を保護するために、さまざまな産業で輸入関税を高めると、どうなるか?」
 TPP 反対論者ならば、こう思うだろう。
 「関税によって輸入品が阻害され、その分、自給率が高まるので、雇用は高まる」
 しかしながら、これはマクロ経済学を理解できない発想だ。国全体の経済状況は、個別部門の総和とは異なる。ミクロの総和とは異なる。なぜか? 所得が影響するからだ。
 関税で輸入品価格が上昇し、それにともなって、国産品価格も上昇する。そのことで全般的に価格が上昇するから、実質所得は低下する。実質所得が低下すれば、購買力は減る。そのせいで、GDP が縮小する。
 具体的に言おう。関税が上がると、輸入食品やパソコン部品などの価格が上昇する。それに金を払うので、他の商品を買う金がなくなる。国内の食品産業やパソコン部品産業は、「高コストで競争力のなかった製品が売れるようになった」と喜ぶだろうが、競争力のない商品を無理やり買わされた一般国民は、他の商品を買う金がなくなる。そのせいで、国内産業全般が低迷する。こうして、「物価上昇と GDP の縮小」という状況が発生する。ここでは、物価が上がるのに、失業は増える。つまり、スタグフレーションだ。状況としては最悪と言える。(デフレよりももっと悪い。)

 そして、それと逆の状況が、「関税の引き下げ」のあとの状況だ。その場合には、「物価は下がるが、雇用は増える(失業は改善する)」という結果になる。スタグフレーションとは反対の状況だ。
( ※ なお、ここを混同しているのが、中野剛志だ。「物価が下がるから、デフレがひどくなる」と思い込んでいる。しかし、デフレではない。正しくは、「物価は下がるが、失業は改善する」である。その状況では、物価は下がっても、景気は改善しているのである。)


● ニュースと感想  (11月25日c)

 「ユーロ統合の強化」について。
 ユーロの債務危機の解決のため、ユーロ統合をさらに強化しようという動きがある。
 《 ユーロ圏、共同債の導入提案 》
 欧州連合(EU)の政策を実行する欧州委員会は23日、各国が借金のために発行している国債に代わり、欧州通貨「ユーロ」圏でまとまって発行する「ユーロ圏共同債」(安定債)の導入を提案した。ユーロ圏全体の信用で各国が必要なお金を得られるようにして、政府債務(借金)危機の拡大を防ぐねらいだ。
 第1案は、ユーロ圏の国が発行する国債を共同債に切り替え、各国が連帯して返済の責任を負う。第2案は、国債の発行の一部を共同債に切り替えて連帯責任を負うが、独自の国債発行も続ける。第3案も共同債への切り替えは一部だが、各国は共同債発行で自らが受け取る借金の分だけの返済責任を負う。
( → 朝日新聞
 詳しくは新聞を読んでもらうとして、私が評価すれば、こうだ。
 「全然狂っている。ユーロの危機を解消するには、共通通貨を解消する必要があるのに、それとは正反対の方向を進んでいる。これでは状況はかえって悪化する」
 ユーロ危機の根本原因は、「ユーロ統合」という不可能なことをめざしていることだ。なのに、「不完全な統合は危機をもたらす」という理由で、「いっそう統合しよう」というのでは、「いっそう危機が拡大する」という結果になるだろう。
 具体的に言おう。この案では「ドイツが駄目国家の面倒を見る」という形になるが、ドイツには欧州全体の面倒を見る能力はない。とすれば、ドイツもまた破綻国家に飲み込まれてしまうことになる。(比喩的に言えば、日本が中国の面倒を見ようとすれば、中国が日本になるのではなく、日本が中国になってしまう。それは中国の声調を意味するのではなく、日本の破綻を意味する。)
 そもそも、ドイツが駄目国家のために自己犠牲するはずがない。必死に働いた金をみんな駄目国家に奪われるようなことをするはずがない。もしそうするとしたら、そのための理由はただ一つ。欧州統合を完全に実施することだ。(単一国家として苦しみを分かち合う覚悟をすることだ。)そして、そのための前提は「精神的統一」であり、その前提は「言語の統一」だ。
 では、言語の統一をするとしたら、どの言語にするか? それは、英語以外、ありえない。
  ・ 英語はすでに世界的に優勢である
  ・ ドイツ語とフランス語の中間的な構造をもつ
  ・ 格変化や、名詞の性がなく、習得が容易である
 この三点により、英語以外にはありえない。だから、欧州が完全に統合するなら、まずはドイツ語やフランス語やイタリア語やスペイン語などをすべて捨てて、英語に統一するべきだ。そして、そのあとでようやく、欧州統合(財政的な統合)が実現する。つまり、教育予算や福祉予算の統合が。
 現実には、そういう道を取らず、単に「財政方針だけを部分的に統合する」という、中途半端なことで済ませようとする。そんなことでは、破綻するしかない。
 欧州は、今下院方針で、債務破綻を回避するのではなく、先延ばしするにすぎない。そして、先延ばしの結果は、債務や破綻のいっそうの巨大化だ。つまり、今現在では破綻を回避できるが、将来的にはいっそう巨大化した破綻が押し寄せるだろう。
 欧州の今回の方針は、解決を遠ざけるだけで、方針としてはまったく間違っている。比喩的に言えば、「医者に行くのが怖い」と恐れている結果、病気をいっそう悪化させてしまうようなものだ。最初のころなら虫歯の治療で済んだのに、治療を拒むから歯を抜く必要が出てくる。下手をすれば、歯の病気で死ぬ。


● ニュースと感想  (11月25日d)

 「国債危機がドイツに波及」について。
 欧州の国債危機がドイツに波及した。ドイツの国債に買い手が付かなくなり、ドイツ銀行が買っているという。
 ドイツ国債の入札で調達予定額に届かない「札割れ」は珍しいことではないが、市場関係者にとって想定外だったのは未達額の大きさ。60億ユーロ(約6200億円)の募集に対し、落札されたのは約36億ユーロのみ。バークレイズ・キャピタル証券の高橋祥夫チーフ外債ストラテジストは「未達額がここまで大きいのは異例」と指摘する。 札割れは、安全とみられていたドイツ国債でさえ、買い手がつきにくいことを示している。 ( → 毎日新聞

 財政が健全で最も安全な資産の一つとされてきたドイツ国債に買いが入らなかった背景には、市場がユーロ圏の危機対応能力に不安を抱き始めたことがある。
( → 日経
 この「札割れ」は、当然のことだ。前項(11月25日c)で示したように、「ユーロ圏、共同債の導入提案」という事実があったからだ。前項では、次のように書いた。
 この案では「ドイツが駄目国家の面倒を見る」という形になるが、ドイツには欧州全体の面倒を見る能力はない。とすれば、ドイツもまた破綻国家に飲み込まれてしまうことになる。
 これは私の見方だが、市場もまた同様の見方をしていることになる。当然、ドイツが信用をなくす。
 私が書いてまもなく、その危惧が現実となったわけだ。

 [ 付記 ]
 じゃ、どうすればいいか、……という問題は、前項で示したとおり。そちらを読んでほしい。本項ではとりあえず、最新の現象を紹介している。


● ニュースと感想  (11月26日)

 (1)
 スマートグリッドを都市全体で実行しようという発想で、「スマートシティ」という構想がある。しかしこれは、馬鹿げている。
  → Open ブログ: スマートシティの愚

 (2)
PDF 用の Adobe Acrobat Reader の、かわりとなるソフト。高速かつ無償。
  → Open ブログ: Foxit 5.0

 (3)
 iPhone を NTTで使う方法がある。価格は少し高いが、テザリングも使えるそうだ。ことさらお勧めするほどではないが、テザリングをしたい人には選択肢に入るだろう。一応、紹介しておこう。
  → http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/066/66818/


● ニュースと感想  (11月26日b)

 「オリンパスとカジノ論議」について。
 オリンパス事件でカジノを許容せよ、という主張は、すっかりなりをひそめたようだ。
 この件については、つい先日は慎太郎を皮肉ったが、もう一人、皮肉る相手がいる。例によって池田信夫だ。 (^^);
  → パチンコもカジノも解禁しよう(池田信夫)
 まったく、この人は、間違った主張をオンパレードのごとく主張するな。前は「スパコンをつぶせ」と語っていたし。  (^^);
 それにしても、池田信夫が「スパコン廃止論」や「カジノ解禁論」を今は言わなくなったのが、すこぶる残念だ。言えばいいのに。 ( 私もイヤミな性格をしているな。 (^^); )

 お口直しは → 堀北真希ちゃんのニュース


● ニュースと感想  (11月26日c)

 「TPPと公的医療保険」について。
 TPPと公的医療保険について、私の見解をまとめると、次の通り。

   ̄ ̄ ̄ ̄
 混合診療の是非は、メリット・デメリットがあり、どちらがいいとも言えない。しかし、混合診療を認めること( or TPP への参加)ぐらいで、公的保険が崩壊することはない。なのに、崩壊すると語るのは、デマにすぎない。
 仮に崩壊することがあるとしたら、日本人が自らの意思で「公的保険を崩壊させよう」と思った場合だけだ。そして、それは、ありえない。
 医療の崩壊を心配するなら、むしろ、医療費の増加を考える方がいい。医療費高騰と医師不足(支払い給与不足)のせいで、医療の崩壊は現実になりかねない。こちらの心配をするべきだ。
 そして、医療費の高騰を防ぐには、薬剤費の引き下げが必要だ。日本の医薬品は、ガラパゴス基準なので、世界水準よりもずっと高い。ざっと見て、1.5〜2倍ぐらいの価格だ。そのせいで、武田薬品などの製薬会社は、暴利をむさぼっている。国民の健康を食い物にして、製薬会社ばかりが儲けている。そして、その利権を、役所や政治家が分かち合っている。
 現状は利権関係者が国民の医療費を食い物にしているだけだ。そういう状況を改めるには、日本の医療を世界水準にそろえて、大幅にコストダウンする必要がある。そのためには TPP が有益だ。
 現状の TPP 反対論者は、利権業者のデマにだまされて、いいように利用されているだけだ。自分が食い物にされているのに気がつかない。
 そして、こういう愚か者たちをだますためのスローガンが、「公的医療の崩壊」という恐怖のデマだ。恐怖のデマを告げれば、無知な人々はあっさりだまされるからだ。


● ニュースと感想  (11月27日)

 (1)
 TPP でコメはどうなるか? たとえ関税率をゼロにしても、日本のコメは輸入品と十分に競争力をもつ。最新のデータによると、そうわかる。
  → nando ブログ :  TPP とコメ

 (2)
 スマートグリッドないしスマートシティと同様で、スマートハウスというものもある。しかしこれもやはり、愚劣である。
  → Open ブログ: スマートハウスの愚

 (3)
 太陽光発電の不安定さを解決するために、蓄電池と組み合わせよう、という方針がある。(スマートグリッドなど。) しかし、蓄電池よりは、燃料電池の方がマシだ。
  → Open ブログ: 蓄電池と燃料電池


● ニュースと感想  (11月27日b)

 「欧州金融危機」について。
 池田信夫がこうツイートした。
今の欧州でもわかるように、財政が破綻すると最大の問題は財政危機ではなく金融危機。今は序の口で、そのうちECBが国債を引き受けるとインフレが起こり、あとは・・・『もしフリ』をどうぞ。
 金融危機を利用して、自著の宣伝をしている。商売上手というか、がめついというか。  (^^); ま、それはさておき。
 「ECBが国債を引き受けるとインフレが起こり」
 というのは、本当だろうか? 本当にインフレになるのならば、長らく続いた失業だらけの状況が一挙に解決することになる。戦後ずっと続いた失業問題が一挙に解決するのだから、これほど素晴らしいことはない。物価上昇率が 10%ぐらいのインフレになったとしても、失業解決ができるなら、お釣りが来る。だったら、さっさとそういう方針を取ればいい。つまり、ECBが国債を引き受ければいい。……しかし、そんなにうまく行くだろうか? とてもそうは思えない。
 では、現実には、どうなるか? ここで頭をひねって、じっくり考えた。(いや、30秒間だけ考えた。 (^^);
 結論は簡単だ。こうだ。
 「物事の本質を考えよ。そうすると、大切なことは、物価上昇率ではなくて、経済の規模(GDP)だとわかる。物価上昇率が上がろうが下がろうが、そんなことは二の次だ。一国の多大な労働力が眠っている状況(GDPが縮小している状況)こそが問題だ。ここを解決することが大切だ。では、ECBが国債を引き受けることは、その問題を解決できるか?」
 この質問に対する回答は、「ノー」である。「貨幣量を増やせば経済が成長する」というのは、池田信夫の大好きなフリードマンの主張(Xパーセントルール)だが、そんなものは成立しない。そのことは、「流動性の罠」という原理が説明している。実際、どこの先進国でも、それは成立していない。(金融政策が無効になりつつある。失業を解消できない。)

 金融政策は経済成長をもたらさない。では、経済が成長しないまま、物価が上昇するとしたら? その場合は、「インフレ」が起こるのではなく、「スタグフレーション」が起こるのだ。
 ここに至って、池田信夫の説明のどこが間違っているかがわかる。、ECBが国債を引き受けることで、貨幣量を増やせば、物価上昇が起こる可能性は高い。が、だからといって、生産量も増えるインフレになるとは言えない。むしろ、同時に増税がなされることで、生産量は縮小するだろう。つまり、スタグフレーションになるだろう。……これが私の見解だ。
 しかも、これは、他人事ではない。日本もまた、野田政権が「増税と量的緩和」という形で、スタグフレーションを起こそうとしている。ひょっとしたら日本の方が先にひどいことになるかも。

 では、どうすればいいか? 正解は、何度も言ったとおりだ。貨幣量を増やすよりは、生産量を増やそうとすればいい。そのためには、需要不足という状況を解決すればいい。そのためには、所得を増やせばいい。そのためには、(一時的な)減税をすればいい。そして、いったん景気が回復したら、増税によって資金を回収すればいい。
 とにかく、着目すべきは、「物価上昇率」ではなくて、「経済成長率」つまり、「生産量の増え方」なのだ。これに対する解決策は? 金融政策はすべて無効である。また、増税も減税も最適解ではない。「減税のあとの増税」だけが正解だ。(中和政策)

 とはいえ、「アクセルを踏んだあとでブレーキをかける」というような複雑な操作をするほどには、人類は頭が進化していない。経済学者の頭は、「増税」か「減税」か、二者択一だ。猿と同じ単細胞なのだ。
 「アクセルを踏んだあとでブレーキをかける」というような複雑な操作を、人類がなし遂げるには、あと数万年の進化が必要かもしれない。(今の人類は、猿と同程度の知性しかないからだ。  (^^); )


● ニュースと感想  (11月28日)

 アルチュール・ランボーは、文学史における詩の天才として知られるが、サヴァン症候群(高度自閉症のひとつ)であったようだ。
  → Open ブログ: ランボーはサバン症候群?


● ニュースと感想  (11月28日b)

 「外国人の技能労働者の自由化」について。
 日本は少子・高齢化社会となり、労働人口が減少している。このままでは労働人口を十分に維持できなくなり、高齢者を養うだけの生産力が維持できなくなりそうだ。そこで、「外国人労働者を流入させて、日本の生産力を維持せよ」という見解がある。それは妥当か? 

 一件、妥当に思える。しかし、である。単純労働者については、次のポイントを指摘したい。
 (1) 単純労働者はそもそも、社会の負担になっている。十分な生産力もつのではなく、それ以外の高度な生産力をもつ人々のおかげで、高い賃金を得られるだけだ。(労働内容そのものは、途上国の労働者と同じである。それなのに途上国の労働者よりも圧倒的に高い賃金を得ている。その意味で、社会に寄与している貢献者ではなく、社会のおかげで福祉的に高賃金をもらっている享受者だ。)
 (2) 単純労働自体は、工場の海外移転によって、外国で生産力を維持できる。日本に工場を設置する必要はない。

 以上の二点から、次のように結論する。
 (i)社会にとって必要なのは、貢献を受ける単純労働者ではなく、貢献する技能労働者である。ゆえに、単純労働者の入国は拒否して、技能労働者の入国を推進するべきだ。特に、知能レベルの高い留学生を多数招くべきだ。これらの人々が次世代の日本を高度化させる。(そのうまい例がアメリカだ。日本やインドや中国から優秀な人材を招いて、自国を高度化させる。Windows95,98でも、日本人の開発者が中心者として大きな貢献をなした。)
 (ii)単純労働の部分については、国内生産をするよりは、工場を海外移転するべきだ。つまり、空洞化を推進するべきだ。その方が、コスト的にも圧倒的に有利だ。国内生産も必要だが、それは、国内の単純労働者を維持するために、やむなく高賃金を払うだけのことだ。そのような高賃金の単純労働者を維持するために、外国から単純労働者を招くのでは、本末転倒である。(まるで病院を維持するために、外国からどんどん病人を招くようなものだ。コストがかさむだけで、馬鹿げている。)

 まとめ。
 外国人労働者の流入は、なすべきか? 技能労働者については、イエス。単純労働者については、ノー。単純労働者は、国内でなく国外で雇用すればいい。日本に必要なのは、生産力の量を高めることではなく、生産力の質を高めることだ。量だけを拡大しようとすれば、質はかえって低下する。高齢者を養うかわりに、外国の貧民ばかりを養うことになる。それでは逆効果だ。

 [ 付記 ]
 池田信夫は前は「空洞化に反対」と言っていたが、今では「空洞化に賛成」と言っている。
 空洞化の場合は本社が残るが、グローバル競争に負けると企業がまるごとなくなってしまう。……生産拠点がグローバル化しても、本社部門が国内にあれば利潤が還流してGDPは上がる。
( → 池田信夫ブログ 2011年11月06日
 これは話がおかしい。「本社部門だけ残して、工場部門を海外に移す」と述べているが、日本人の労働構成は同じだから、「知的労働者だけを日本に残す」というようなことは不可能だ。米国のアップルは知的労働者ばかりで構成されているが、日本人全体を知的労働者にすることは不可能だ。何でもかんでも「アップルの真似をすればいい」というものではない。
 私の場合は本項で、「外国の優秀な人材を招け」と述べた。この場合は、人口構成が変化する。知的労働者が外国から招かれる。これならば可能だ。
 日本人の単純労働者は、日本国内で(福祉的に高賃金で)維持するしかない。国民を海外に追い出すことはできないからだ。
 池田信夫は、「グローバル競争に負けると企業がまるごとなくなってしまう」というような脅迫をしばしば語る。だが、「グローバル競争に負けると企業がまるごとなくなってしまう」ということはありえない。正しくは、「企業がグローバル競争に負けると、円安になる。そのせいで低賃金労働が維持される」のである。これが変動相場制の意味だ。
 職がなくなる(企業がなくなる)というようなことは、池田信夫の好きな古典派経済学では、ありえないことだ。単に「通貨レートが低くなる」(円安になる)だけのことだ。池田信夫はもうちょっと変動相場制というものを理解した方がいい。彼は開放経済系についてまったく理解ができていない。


● ニュースと感想  (11月28日c)

 「外国人の単純労働者の自由化」について。
 TPP反対論者は、「TPP のせいで、外国人労働者が大量に流入して、日本の雇用が無くなる」と言っているが。

 デマです。「外国人労働者の自由な流入」を実施している国は世界には一つもないからです。

 もし「外国人労働者の自由な流入」を実施したら、どうなる? 

 もし実施した場合、中国から10億人ぐらいが流れ込んできて、みんなが労働市場を奪うので、日本人の単純労働者はみんな中国人の生活レベルに落ち込んでしまいます。さらにはアフリカやフィリピンからも 50億人ぐらいが来るし、日本語は消滅して、日本人は日本から追い出されてしまうでしょう。多数決原理を取る限り、仕方ないですね。

 昔々、金持ちのボンボンは、自分では働かないで、親からお金をもらうだけでした。自分だけが贅沢をするのが後ろめたくて、その金をみんなに少しずつ与えました。これが善行だと信じて。
 で、結局、全財産を貧乏人に与えて、スッカラカンになってしまいました。一方、貧乏人はその金で酒を飲んだので、ちっとも仕事をしなくなり、かえって状況は悪化してしまいましたとさ。
 ボンボンは破産したあと、「お金を上げた俺を仲間にしてくれ」と貧乏人にすりよったら、「おまえのせいでおれたちは酒飲みになってしまった」と詰られて、殴られて、死んでしまいました。

 教訓。
 金を恵んでやろうという思い上がりが、世界のすべてを不幸にする。大切なのは、各人が自立できるように、手助けすることだ。


● ニュースと感想  (11月28日d)

 「朝日新聞の虚構記事」について。
 朝日新聞が、次のタイトルの記事を書いた。
  → 月面着陸地点は「米の財産」 NASAが立ち入り禁止案
 これは虚構記事である。というか、記事の本文は正しいが、記事タイトルが虚構である。本文に書いてあるのは、次の趣旨。
  ・ 月面着陸地点を立ち入り禁止にする。
  ・ 探査機器や国旗などの人造物は、「米の財産」である。
 この二点をキメラ状に組み合わせて、次のタイトルができた。
  「月面着陸地点は米の財産」
 で、このタイトルを真に受けた人々が、はてなブックマークで、大騒ぎしている。「月面を所有するなんて、とんでもないことだ! 米国はけしからん!」なんて。
  → はてなブックマーク
 朝日という名前の虚構新聞に引っかかって、怒り狂う人々。あわれなものだ。

 そもそも、はてなブックマークには、次のコメントを残してある。
 “ 記事タイトルは虚構です。「米国の財産」は、場所ではなくて、国旗などの人造物。場所を立ち入り禁止にすることは、場所を米国財産とすることではない。→ 壮大な釣り記事。みんな釣られている。やーい引っかかった”
 こう記してあるコメントを読んでも理解できないまま、「米国はけしからん!」と怒り狂うのだから、大方の人々(はてなブックマークの人々)は、ネットリテラシーがどのくらいか、わかるというものだ。
 こうしてデマは拡散されていくのですね。修正が利かないまま。


● ニュースと感想  (11月29日)

 (1)
 Kindle Fire と iPad3 の最新情報。
  → Open ブログ: Kindle Fire と iPad3

 (2)
 福島の原発事故では、死者は一人も生じなかった。ゆえに放射線は危険ではない……という説がある。しかし、誤りだ。健康被害は、死だけとは限らないからだ。
  → Open ブログ: 放射線による死亡率


● ニュースと感想  (11月29日b)

 「橋下の勝利」について。
 大阪府知事・市長の選挙で、橋下たちが勝利した。このあと、彼の「大阪都構想」について、民主と自民が早速、ひよっている。
  → 大阪ダブル選:民・自が一転、「維新」を評価
 コロリと変わる人たちですね。 (^^);
 読者としては、私の見解を聞きたい人が多いだろうから、私の見解を示す。

 「大阪都構想」というのは、それはそれで、別に構わないと思う。私としては「どっちだっていい」というスタンスだ。また、住民がそれを「是」としたのであれば、それはそれで尊重したい。
 ただ、こんなことをやってもやらなくても、たいした問題ではない、と思う。これまでは「大阪市と大阪府との対立」が会って、作業が進まない、というのが、橋下の主張だった。で、「その解決には大阪都構想を実現して、行政の一元化を」という提案だった。
 しかしながら、今回のダブル選挙で、大阪市と大阪府の一元化は達成された。どちらも独裁的な橋下の一存で決まる。とすれば、もはや「大阪都構想」の必要性はなくなったのである。それが実現しようがしまいが、とにかく一元化した「橋下閣下」のもとで、勝手にどんどん行政を進めればいいのだ。大阪都構想は、特に必要ない。いちいち制度改革なんかしていないで、さっさと行政を推進すればいいのだ。
 というわけで、橋下たちが勝利したことには意味があるが、相賀かと構想は、会ってもなくてもどっちでも同じだ、という評価になる。

 [ 付記 ]
 ただし、長期的には、大阪都構想は意味を持つ。橋下の時代にはどっちでも同じだろうが、その次の時代には意味を持つ。その意味は、「次の時代も橋下みたいな一元的な独裁が可能だ」ということだ。
 で、それはいいことか? 別に、たいして違いはない、というのが私の感想だ。同じようにやっているのは、東京都と横浜市があるが、別に、素晴らしい行政をやっているわけじゃない。大阪が東京都や横浜市みたいになったからといって、たいして良くなるとは思えない。
 いくらか良くなるとすれば、例の平松という威張りたがり屋が消え失せる、という点だろう。こいつは自分が威張ることばかりに熱中して、橋下と喧嘩することを自分の仕事だと思い込んでいた。そういう馬鹿がいなくなることには、一定の意味がある。
 とはいえ、この馬鹿を退去させるためには、大阪都構想は必要なく、単に大阪市長選で平松が負ければ済む問題だ。意味があるとすれば、橋下が勝ったということより、平松が負けていなくなったということだろう。敗北の弁からして、「大阪府民が馬鹿だからオレは負けた」という趣旨だったが、こういう馬鹿は、さっさと退去した方がいい。そこだけは意味がある。

 【 関連サイト 】
 → 選挙:大阪ダブル選 記者座談会
 → これから先、知事が誰かに頭を下げる機会はますます増える


● ニュースと感想  (11月30日)

 「橋下勝利への感想」について。
 大阪都構想については前項(前日)で述べたが、それとは別に橋下と対立した平松について考える。
 平松は自分が負けたのを他人(大阪市民)のせいにしていたが、とんでもないことだ。そんなことを主張するのは民主主義の否定だ。
 橋下が支持されたのは、独裁者みたいな危うい点があったにもかかわらず、大本では市民から方針を支持されたからだ。つまり、「大阪都構想」を。
 本当ならば、こんな構想はあってもなくても大差ないのだが、この構想が争点となったのは、平松が徹底的に橋下と抗争したからだ。最初から抗争しないで協調していれば、平松は選挙で負けることはなかっただろう。かわりに、橋下の軍門に降っていただろう。
 実は、それが平松の取るべき道だった、と思える。橋下はもともと独裁的な傾向があるが、「そいつのいうことを聞くのがいやだ」なんていうのは、ただの駄々っ子の発想にすぎない。そんなことよりは「行政の効率化」の方が優先される。だから、平松が最初から橋下と協調して、言うことを聞いていたら、彼は今ごろは橋下の右腕として大きな権力を握っていたはずだ。橋下が国政に出たあとでは、大阪府知事になっていたかもしれない。
 なのに平松は、「橋下なんていう年下のガキの言うことを聞けるか」と抵抗した。あくまで御山の大将でいたがった。その結果、喧嘩慣れした橋下と正面衝突して、最終的には敗北して、野垂れ死にした。……馬鹿ですね。

 平松に一言いうなら、こうだ。
 「勝ち目のない戦いはやるな」
 勝てない戦いは、やらないのに越したことはない。相手が何を言っても、「ハイハイ」と言うことを聞いて、軍門に降ればいい。それ以外にはない。

 では、橋下には何が何でも屈服するべきか? いや、そうではない。橋下だって、間違ったことを言うことはある。そういうときには、正々堂々と正面突破すればいい。それはつまり、「橋下を上回る道理や論拠を示す」ということだ。
 具体的には、私が前に何度も述べたように、次の二点だ。
  ・ 今年の夏の「家庭のクーラーオフで省エネ」という方針
  ・ 2009年の春の「一斉休校」という方針
 これらの方針は間違いだったのだから、橋下の方針を、正々堂々と正面突破すればいい。正しい論理を述べて、橋下を論破すれば、世論は味方に付く。
 あるいは、「大阪にカジノを誘致する」なんて暴力団みたいな発想を取ったら、大王製紙前会長みたいな例を掲げて、その犯罪誘引について論じればいい。他にも、あれやこれやと、胡散臭い点はいろいろとある。
 一方、「大阪都構想」自体は、賛否両論があるだろうが、特に悪いことではない。ただ一つ悪いのは、そのネーミングだ。首都でもないのに「都」を名乗るという、ネーミングのいかがわしさだ。……ま、それだけですね。
 
 結局、平松は、橋下とは正面からは争わず、「独裁か否か」なんてことばかり論じていた。呆れた話だ。そういう平松自身が、独裁的な傾向をもつからこそ、別の独裁者と抗っているだけのことだ。平松が独裁的でなければ、さっさと橋下の軍門に降ったはずだし、それだったら、大阪の政治が停滞することもなかったはずだ。……「独裁」を批判する平松自身が独裁的だったからこそ、問題が生じていたわけだ。

 というわけで、今回の争いは、独裁者届く最初による争いであり、一種の茶番劇である。大阪にふさわしいお笑いみたいなものだ。そのピエロは平松だった。
 一幕劇が終わったあとは、まともな政治がなされることを期待する。……とはいえ、橋下劇場は、まだ続くんでしょうかねえ? 彼は今度は、民主と自民を相手に喧嘩するつもりだろうか? 喧嘩の好きな人だ。……ただ、橋下の喧嘩の強さに恐れをなして、民主も自民も白旗を揚げかかっている。おかしなことになっていますね。
 
 [ 付記 ]
 北海道土産の「白い恋人」を真似た、吉本の「面白い恋人」というパクリ商品が話題になっている。
 私の感想は、こうだ。
 吉本なら「灰色の恋人」と「黒い恋人」を出すべし。図柄は紳助で。……これなら「面白いやん」と褒められるはずだ。  (^^);


● ニュースと感想  (11月30日b)

 「吉田昌郎・福島第1原発所長の病気退任の真相」について。
 吉田昌郎・福島第1原発所長が病気退任した。
  → 福島第1原発の吉田所長が病気のため退任へ

 一方、次のニュースも出た。
  → 吉田所長はヒーローではない。2008年想定以上の津波の可能性を「ありえない」と判断した責任者だった
  → 福島第1原発:08年に津波可能性 本店は対策指示せず(毎日新聞)

 この二つのニュースをとらえると、病気退任は「仮病」の疑いがもたれる。後者のニュースがバレたから、報道人をシャットアウトするため、「仮病」で入院したものと推定される。
 本当はどうかわからないが、怪しい。二つのニュースが同じ非に起こるという偶然は、とても考えられないからだ。「バレちゃったから、隠れるため、あわてて入院」というストーリーが一番自然だ。


● ニュースと感想  (11月30日c)

 進化論についての、ちょっとした話題。
 生命の本質は「数の増加」か? いや、違う。……という話。
  → Open ブログ: 数の増加(生命の本質)


● ニュースと感想  (12月01日)

 (1)
 ITの公的調達には、すごく無駄が多い。多額の税金が無駄になっている。ここを何とか解決してもらいたいものだ。
  → Open ブログ: ITの公的調達

 (2)
 太陽光発電で、「中国がダンピングした」と米国が言い張って、争いになっている。中国が安値で売るとなると、この産業にはもはや将来がないだろう。
  → Open ブログ: 太陽電池と中国製品


● ニュースと感想  (12月02日)

 (1)
 iPhone の料金は、他社製品の料金より、低めに設定されている。これはアップルが強要したからだが、独禁法違反という犯罪に相当する。
  → Open ブログ: iPhone 料金の犯罪性

 (2)
 電波オークションの導入が紆余曲折の末、「導入せず」と決まった。そこで、是非を考えてみる。私としては、電波オークションには賛成しがたい。
  → Open ブログ: 電波オークションの是非


● ニュースと感想  (12月02日b)

 「ドイツ国債の売れ残り」について。
 ドイツ国債が売れ残ったことについて、「大変だあ」と騒ぐ人が出ている。「こんなことでは日本も大変なことになる」と。
日本の大手金融機関が保有する欧州重債務国5カ国の国債残高は1兆円超で、欧米の金融機関に比べれば少ない。ただ欧州の優等生だったドイツの国債にまで債務危機の影響が及び始めたことは、今後うまい着地に導かない限り、悪影響が世界に波及すると覚悟をせざるを得ない。日本にとっても決して対岸の火事ではない。しかもそのタイムリミットはかなり近づいている。
( → 日経 2011-12-01
 「国債破綻の危機で日本は大変だあ」というのは、池田信夫が漫画本を売ろうとしているときのストーリーだが、こういうふうに「狼が来た」と叫びたい人が、上記のように大慌てする。
 とはいえ、ドイツの問題は、日本には波及しない。そのことは、現在の通貨レベルを見ればわかる。ユーロ安・円高になっている。つまり、大方の人々は、「世界中で一番安全なのは円だ(日本だ)」と思っているのだ。その一方で、欧州や韓国やブラジルなどの通貨はどんどん売られていて、ほとんど危機的な水準にある。
 結局、「日本は大変だあ」と騒ぐ必要はない。ドイツ国債が売れ残るのは、ドイツに固有の理由があるからだ。(欧州危機のさなかにあるドイツ、という意味。)……このことは日本にはまったく影響しない。それゆえ、上記記事のような騒ぎは、とんでもないデタラメ or 過剰だと言える。
 第1に、欧州の債務危機の問題は、日本にはまったく影響しない。(日本はギリシャの赤字を負担しない。)
 第2に、世界経済の影響ということなら、たかが輸出減ぐらいのことだ。しかるに、日本にとって、ユーロの市場はあまり大きくない。米国や中国やアジアが主な市場であって、ユーロとの貿易規模はあまり大きくない。……その意味で、影響はあるとしても、大騒ぎするほどのことではないのだ。
 欧州がどうなるかは、欧州が自分で考えればいい。別にその悪影響が日本が及んで、日本もドイツみたいに大変なことになる、ということはない。なるほど、ドイツはギリシャの損失の一部を負担するハメになるだろう。しかし日本は、そういうハメにはならないのだ。その違いを理解することが大切だ。「ドイツがこうだから、日本もこうなる」という発想は、経済学者の言うことではなく、素人のデタラメとしての流言飛語にすぎない。

 [ 付記 ]
 ドイツの国債の売れ残りの問題については、11月25日d で論じた。そちらを参照。


● ニュースと感想  (12月03日)

 (1)
 「放射線が怖い!」と叫んでいる人が多いが、パソコンで使う無線の電波の方が怖いかもしれない。そういう調査がある。 
  → Open ブログ: 放射線より無線電波が危険?

 (2)
 デジタル時代では、映画の画像合成がうまくできるようになっている。それを紹介する。
  → Open ブログ: クロマキー(映画の合成画像)

 (3)
 振り込め詐欺の画像が公開された。IT時代にもかかわらず、不鮮明なので呆れる。  銀行には金があるのだから、せめてケータイ・カメラ程度の鮮明な画像にするべきだ。
  → Open ブログ: 振り込め詐欺の画像


● ニュースと感想  (12月04日)

 (1)
 iPhone や Android などのスマホ(スマートフォン)が流行している。しかし、これは素晴らしい機器ではなくて、詐欺師の商品であるようだ。「だまされて高額の金を請求された」という声が相次いでいる。しかも、解約できない。
  → Open ブログ: マートフォンのトラブル

 (2)
 EV(電気自動車)は災害に強い、と言われる。しかしこれは嘘である。  なるほど、停電のときには、バッテリの電力を家庭に給電できる。だが、自動車そのものが動けなくなる。
  → Open ブログ: EVは災害に強い = 嘘

 (3)
 ジャガイモ・小麦・大豆などは、高い関税で守られている。これらの農産物は、TPP でどうなるか? どうするべきか? 
  → nando ブログ :  TPP とジャガイモ(北海道)


● ニュースと感想  (12月05日)

 (1)
 医療でケアレスミスによる死亡事故が発生した。こういう問題は、ヒューマンエラーゆえに、ときどき発生する。「失敗学」のデータベースに登録するべきだ。
  → Open ブログ: 医療と失敗学

 (2)
 東京モーターショーでは、「エコ」をテーマに、バッテリを停電対策に使えることなどを目玉にしている。しかしこれは根本的な見当違いだ。
  → Open ブログ: モーターショーの倒錯

 (3)
 ペットボトルのリサイクルについて、環境省が「再資源化」を推進しようとしている。しかしこれは省エネに反する。
  → Open ブログ: ペットボトル・リサイクルの愚
 

● ニュースと感想  (12月06日)

 (1)
 温暖化論者は、「このままでは地球温暖化が進んで、大変なことになる」と警告している。しかしそれは、自己矛盾を含む二枚舌だ。
  → Open ブログ: 温暖化説の二枚舌

 (2)
 大震災・原発の被災地では、さまざまな問題が持ち上がっている。これらについての解決策を考える。
  → Open ブログ: 被災地の問題


● ニュースと感想  (12月07日)

 「ユーロ危機のわかりにくさ」について。
 ユーロ危機がわかりにくい、と池澤夏樹が書いている。以下の趣旨。(朝日・夕刊・コラム 2011-12-06)
 2008年の米国金融危機はわかりやすかった。「金融工学」でゴマ化した末に破綻した。
 今回の欧州危機の問題はよくわからない。
 “ 誰が悪いというのではなく全体がずるずると地盤沈下して、にっちもさっちも行かなくなったように見える。そこで、「あいつのせいだ」と言われているのがギリシャだ。豊かな国からの投資……を、正しく運用しないで右から左へ使ってしまった。……(貧しさ)を承知で融資を続けたEUの北の国々にはそれなりの責任がありはしないか。”
     ※ 引用符 “  ”の内部は丸ごと引用。
 この話はちょっと面白いので、考えてみた。そこで、以下は私の考察。

 「誰が悪いというのではなく」という認識は興味深い。ただし、「誰が悪いとも言えないから、全員が悪い」という認識は、妥当でない。正しくは、こうだ。
 「誰が悪いとも言えないのは、誰も悪くないという意味ではなく、誰が悪いかが判明していないからだ」
 では、誰が悪いか? それは、何度も述べたとおり。根源的な問題は、ユーロという制度自体にある。バラバラな国家が共通の単一制度を取るということ自体にある。とすれば、悪いのは、ユーロという制度を取った人々(国々)自体だ。
 
 こうして、「誰が悪いか」はわかった。(すでに何度も述べたことだが。)そして、そう理解すれば、池澤夏樹の言う「わかりにくさ」の理由もわかる。
 それは、「誰が悪いか」「何が悪いか」を、人々が認識できていないことだ。
 米国の金融危機のときには、それはわかっていた。米国で「金融工学」を駆使した金融機関である。こいつらが犯人だった。だから、「こいつらが悪い」と指摘すれば済んだ。
 しかし、今回は違う。誰が悪いかと言えば、自分たち自身なのだ。推理小説で言えば、「名探偵が犯人を指摘します」という最終場面で、名探偵は登場人物全員に向かって、「あなたたちが犯人だ」と指摘するようなものだ。こんなふうに。
 「では皆さん、いよいよ真犯人を告げましょう。この被害者は、雪に埋もれて死にました。被害者を雪で埋めたのは、誰か? それが謎でした。どの一人にもアリバイがあったからです。誰もが山頂の山荘にいました。しかし、山頂の家で人々が馬鹿騒ぎをしたせいで、雪が崩れて、なだれが起きたのです。ですから、なだれを起こした人々が犯人です。それは、そのとき山荘にいた全員、つまり、あなた方全員です。あなた方が真犯人なのです。あなた方は、自分ではそれと気づかないうちに、殺人を犯していたのです。」
 欧州金融危機も、これと同様だ。犯人は、欧州各国の全員なのである。そして、問題の本質がわかりにくいということは、人々が犯人が誰かを理解していないということだ。つまり、「自分たちが犯人だ」と理解していないということだ。
 ここに、問題の本質がある。池澤夏樹が、「問題がわかりにくい」と語ったのは、まさしく妥当である。それは、「犯人が、自分が犯人だと気づかないまま、探偵気取りで、犯人を捜している」ということを意味する。

 このように理解すると、欧州の状況のひどさがわかる。米国の金融危機では、「誰が悪いか」はわかっていた。だから、対処のしようもあった。実際、倒産したGMを救済して建て直す、という正解を取ることもできた。
 一方、今回の欧州危機では、事情は異なる。犯人が誰であるかを理解できていない。「自分たちが犯人だ」と理解できていない。そのせいで、犯人を野放しにしたまま、状況の悪化を継続し続けている。犯人が誰であるかを理解すれば、対処のしようもあるのだが、犯人が誰であるかを理解していないから、対処ができていない。かわりに、「財政基準を厳格にする」なんていう、見当違いの方針を取っている。ギリシャのような国は、「いっぱい働く」ということが解決の道なのに、財政ばかりを気にするから、「縮小均衡」という「あまり働かないで節約ばかりに熱中する」という凶器の方針に向かっていく。こんな方針を取ると、下手をすると、世界恐慌になりかねない。そうなったら、第三次世界大戦になりかねない。
 真犯人を理解できていない、という欧州の状況のひどさが、池澤夏樹の発言から見て取れる。


● ニュースと感想  (12月07日b)

 「欧州国債の格下げ」について。
 S&Pが欧州国債の格下げをしようとして、ユーロが値下がりしているそうだ。
  → ユーロ15カ国格下げも 国債 独仏含め検討
 その本質は何か? 実は、こういうことが起こるだろうということは、私が前に述べておいた。
 ギリシャ債務の 50%減免が決まった。しかしこれは問題の解決を意味しない。赤字をなくすのではなく、赤字を拡散させるだけだ。
 赤字を単に拡散しただけであり、根源的には何ら解決策にはなっていない。
( → 2011年10月27日
 というわけで、予測したとおりの現象が、現実に起こっただけだ。当然の帰結。予告した日から、40日たって、現実化していくらしい。


● ニュースと感想  (12月08日)

 「フェラーリ事故の費用負担」について。
 フェラーリの多重事故が起こった。世界的に報道された。
  → 世界で最も高額な自動車事故…“日本のうぬぼれ屋”世界的に報道
 「目撃者はTBSネットワークに対し、これらの車は時速140〜160kmでしていたと話している」
 とのことだから、まったくお馬鹿な事故である。世界的に恥さらしだ。
 で、このお馬鹿な自己の費用負担は、誰がするか? それは、あなたたちだ。つまり、国民全員だ。(ただし自動車保有者のみ。)
 具体的に言えば、保険金から全額が支払われる。お馬鹿な事故を起こした本人の負担は、ゼロ同然である。馬鹿の尻ぬぐいを、国民全員がする。
 どうしてか? 実は、次の原則がある。
 「犯罪に帰因する保険金は、保険会社は支払わなくていい」
  → 保険金をお支払いできない主な場合
 しかしながら、「スピード違反」は、この原則に当てはまらないようだ。
  → 知恵袋
 どうしてかというと、「保険金を払わない」と言い出すと、保険に加入したがらなくなる人が多くて、保険の売上げに響くからだ。「そんなのには加入しないよ」というふうに。
 で、そのせいで、こういうお馬鹿のために、人々は金を払うことになる。馬鹿を支えるために金を出す、まわりにいる馬鹿。

 [ 付記 ]
 じゃ、どうすればいいか? 大幅なスピード違反に対しては、半額ぐらいは負担を要求するべきだろう。特に、フェラーリみたいなスポーツカーについては、料金を高額に設定するべきだ。危ないですからね。
 ちなみに、米国では、スポーツカーの保険金がすごく高いので、スポーツカーの売上げが減っているそうだ。「それが残念」というスポーツカーマニアの声もあるが、そのおかげで今回みたいな馬鹿の事故が減れば、別に問題ない。
 「スポーツカーは素晴らしいから増やせ」なんて言っている人が、スポーツカーにぶつけられて死んでしまったら、皮肉になるね。
 それにしても、世の中には、お馬鹿な制度がいっぱいある。今回の事故でも、馬鹿な事故をした馬鹿者よりは、こういう馬鹿をのさばらせている馬鹿な制度の方が、よほど馬鹿だ。(なまむぎ・なまごめ・なまたまご。となりのかきはよくきゃくくうかきだ。あれ?)


● ニュースと感想  (12月08日b)

 (1)
 放射線の除染は、どのくらいの規模が必要だろうか? 福島県で放射線のやや高い領域は広範だが、農地を除外すれば、除染するべき領域はたいしたことはない。
  → Open ブログ: 放射線の除染は大変?

 (2)
 東京電力が自分自身の解体・売却案を出した。ひどい案だ。これを批判する声もあるが、批判する人々の方がもっとひどい。
  → Open ブログ: 東京電力の自己解体

 (3)
 気仙沼のような被災地で、鉄道のかわりに高速バスを走らせよう、という報道を紹介する。(「線路を埋めて、道路にして、そこにバスを通すのだ。そして、浮いた費用で、バスの補助金にする」という私の提案の実現。)
  → この項目のコメント欄


● ニュースと感想  (12月09日)

  ヒッグス粒子を「質量の起源」と見なす見解があるが、正しくない。正しくは、「質量の起源」ではなくて、「質量が発現する起源」である。
  → Open ブログ: ヒッグス粒子と質量


● ニュースと感想  (12月10日)

 (1)
 重力質量と慣性質量は、等価である。なぜか? ヒッグス粒子と超球理論から、その理由がわかる。
  → Open ブログ: 重力質量と慣性質量(重力・ヒッグス粒子)

 (2)
 早川由紀夫が不適切な言動をして、大学から処分された。これ以上の問題を起こすようであれば、精神病院に収容した方がいいかもしれない。 
  → Open ブログ: 早川由紀夫の精神障害


● ニュースと感想  (12月11日)

 「次期主力戦闘機」について。
 次期主力戦闘機について、朝日社説が論じている。
 《 次期戦闘機―選定理由を明確にせよ 》
 航空自衛隊の次期戦闘機(FX)の選定作業が、大詰めを迎えている。
 米空軍の次の主力戦闘機となるF35、米海軍が空母艦載機に使っているFA18、欧州4カ国が共同開発したユーロファイターの3機種から、来週中にも防衛相が最終決定する。
 維持費を含めると、約40機で1兆円規模の大型調達である。約30年ぶりの主力戦闘機選びであり、政府が国民に対して、きちんと選定理由を説明するのは当たり前のことだ。
 省内で露骨なまでに下馬評が高かったF35については、数々の疑問にほとんど答えてきていない。
 まだ開発段階にあるF35は、今年に入ってからも多数の不具合が見つかり、運用開始が18年ごろにずれ込むとされる。納入期限の16年度末に間に合うのかが危ぶまれている。
 そもそも、開発中の機体を導入した前例もない。
 米国防予算の大幅削減のあおりで、価格がつり上がる恐れはないのか。他機種より秘匿度の高い軍用技術が多用されているため、国内の航空機産業は生産や修理が制約されるが、その打撃はどうするのか。
 防衛省にとって不都合な情報を、「営業秘密」を理由に伏せることがあってはならない。
( → 朝日新聞・社説 2011-12-10
 論点がきちんとまとめられてある。私がいちいち書くまでもないので、引用した。

 で、私の見解を示すと、こうだ。
 「 F4 の後継機としてはユーロファイターを選択し、F15 の後継機としては(約10年後に)F35 を選択する」
 これ以外にはあるまい。

 [ 付記 ]
 ただし、防衛省のことだから、ユーロファイターでなく F18 を選択する可能性もある。軍事的な意味よりも、政治的な意味を優先すれば、そうなる。「性能は低くてもアメリカのご機嫌を取りたい」という意思が働いた場合。つまり「日本国民の生命よりは、アメリカの財布が大切」という意思。……十分、あり得る。民主党も、しょせんは売国奴になりそうだ。
( ※ ただし現状では、詳細不明なので、予測は付きがたい。)


● ニュースと感想  (12月12日)

 「冬の月はなぜ高い?」について。
 皆既月食を見たとき、その月がほとんど天頂に位置していたことに気づいただろう。月の位置が非常に高い。冬の太陽は低いのに、冬の月はなぜ高いのだろうか? 
 考えてみてください。

 正解は……ここには書きません。図を書けば、わかります。「夏の太陽はなぜ高い?」というのを説明する図と同様です。小学高学年レベル。
 ここで図を示さないので、自分で考えましょう。

 それでもわからない人は……ググりましょう。


● ニュースと感想  (12月13日)

 「野田内閣の支持率」について。
 野田内閣の支持率(3カ月目)は、35%と判明した。
  → 内閣支持率 35.6%に急落
 
 菅直人はどうだったか? 3カ月目に当たる昨年9月は、民主党代表選で小沢に勝利した直後とあって、人気を挽回して、何と 65%前後の値を獲得していた。(新聞社ごとに異なる数値だが。)
  → 菅直人の支持率(3カ月目:9月)

 菅直人の内閣がうまく行かなかったのは、自民党と公明党が徹底的に妨害していたからだ。おまけに産経と読売は悪口で総攻撃していた。
 野田内閣の場合には、そうでもないのに、勝手にどんどん自滅していく。

 「菅内閣は史上最悪だ」
 なんて言っていた連中は、無能(そのかわり無害?)な野田内閣を見て、どういうつもりなんだ? 「何にもしないからいいや」と見過ごすつもりなのか? あきれるね。
 それにしても、かつては「菅内閣は無能だ」というキャンペーンを張っていた連中は、まったくひどいデマゴークだ。事実は逆でしょう。無能じゃないから、徹底的に妨害して、無能に見せかけた。その一方で、野田内閣は本当に無能だから、相手にしないで掘ったらしておくわけだ。
 保守系マスコミもひどいが、ネットの右翼(ネトウヨ)もひどい。まったく、今の日本はひどいものだ。早川由起夫とは逆方向で、似たような連中が日本を牛耳っている。

 [ 付記 ]
 Google で「菅直人」を検索すると、「菅直人 無能」が出てきたと話題になったが、野田内閣の場合は「野田」を検索すると、「野田聖子」の方が先に出てくる。 (^^);
 相手にもされずに無視されている状況だ。


● ニュースと感想  (12月13日b)

 「Google でグラフ表示」について。
 Google で、関数をグラフで表示する機能がある。
 たとえば、 放物線なら
      x^2
 と入力すると、検索結果の最初のところで、このグラフが表示される。試しにやってみてください。
 複雑な数式ならば? と考えて、次の数式を考えた。その結果は? お楽しみ。
     ln(exp(x)*sin(x))


● ニュースと感想  (12月14日)

 「F35に決定」について。
 次期戦闘機は、F35 に決まった。これについて考えてみる。

 (1) 理由
 なぜ F35 に決まったか? その理由は? 「米国に配慮して」という推定が多いが、よく考えてみると、それならば防衛省が反対するはずだ。むしろ防衛省が F35 に乗り気だったと思える。では、なぜ? 次のことだろう。
 「これを次期主力戦闘機だと思い込んだから」
 このことが最大の理由だろう。実際、報道では「次期主力戦闘機」というふうに称されている。しかし本当はそうではない。
 なぜか? 現在の主力戦闘機は、F15 だが、F35 は F15 の後継機ではなく、F4 の後継機である。これは主力ではなく、傍系だ。( F4 の先代は、しょぼい F86 だ。F15 の先代は、栄光の F104 だ。)
 今回の選定対象は、F86 から F4 という傍系の後継機であり、数もたったの 40機にすぎない。一方、何年か後には F15 の寿命が来るが、そのときには 200機 以上の数になるはずだ。こちらが主力である。
 だから、まともに考えれば、傍系の F4 の後継機はユーロファイターで十分であり、やがてくる F15 という主力戦闘機の後継を F35 にすればよかった。それがまともな判断であろう。
 ところが、今回の FX を「次期主力戦闘機」というふうに呼ぶものだから、防衛省はこれを本当に次期主力戦闘機だと思い込んだ。つまり、F15 の後継機だと思い込んだ。今回、ユーロファイターを採用したら、F15 の後継機も ユーロファイターになって、F35 の入手は永遠に不可能だと思い込んだ。
 こういう錯覚が、今回の選定理由だろう。まず間違いないと思える。
 要するに、防衛省は完全に勘違いしたのである。だからこそ「最高の性能のものではなくてはいけない。今回、それにしなかったら、永遠に入手することが不可能になる」と思い込んだ。そこで、焦って、F35 にしたのだ。  というわけで、「妄想と錯覚」が、選定の理由である。

 (2) 予想
 では、今後は、どうなるか? 防衛省は「これで次期戦闘機は F35 を導入できる」と思い込んでいる。しかし、そううまく行くはずがない。
  ・ F35 の開発は遅れに遅れている。何度も何度も延期だ。
  ・ 現時点では、「2年後」だが、実際には「5年後」ぐらいになりそうだ。
  ・ その間に、F4 の寿命が来て、運行停止となる。
  ・ F15 で交替しようにも、F15 もポンコツで、利用時間制限がある。
  ・ かくて日本の防空状態は、ほとんど空っぽに近くなる。
  ・ それを見て中国軍が襲来する……となれば面白いが、そうはならない。(^^);
  ・ 財務省は、F35 が飛ばないので、予算を大幅に削減する。
  ・ 防衛省は F35 も何も得られない。(ポンコツ F4,F15 も飛べない。)
  ・ アメリカが F35 を 6000万ドル程度で売却すると言う。
   ただし、日本はライセンス生産にこだわるので拒否する。
  ・ アメリカがライセンス料として1機2億ドルぐらいを要求する。
   日本は仕方なく、渋々、支払う。「 F22よりもずっと高いよ」と嘆く。
  ・ 財務省が「そんな金は払えない」とはねつける。
   すると民主党は「じゃ、宇宙や科学の予算を削ります」と言い出す。
  ・ 新薬開発はやぶさスパコンなどの予算をバッサリ削る。
  ・ 米国に大金を払ったので、世界最先端の技術を導入できると、三菱重工は大喜び。
  ・ 実際には、最先端の技術はブラックボックス。日本は組み立てだけ。
   三菱は、ぬか喜びだと知って、地団駄を踏む。「金だけ取られて、だまされた!」
  ・ 米国は大喜び。「大金を取ったし、肝心の技術は教えない。オマケに日本は
   最先端の技術開発をやめてしまった。自滅した。ははははは!」

  あはは。 (泣き笑い。)

 [ 付記 ]
 次の報道がある。
 開発の遅れに業を煮やしたゲーツ前国防長官は昨年、国防総省の F35開発担当責任者を更迭。後任のパイロット出身のベンレット海軍中将はこのほど軍事専門紙で、必要な各種試験が全体の 18%しか実施されていない実態を明らかにした。
 同中将によると、金属疲労試験の結果、機体の部品の強度が 8000時間の飛行時間に耐える基準を満たさず、亀裂が発生する可能性が高いことも判明。これまでに実施した金属疲労試験は空軍仕様機で目標の 20%、海兵隊仕様では6%にとどまるという。
( → 朝日新聞・時事通信
 先に、「5年後」と述べたが、ひょっとすると、正式生産は永遠にないかもしれないね。 (^^);
 その理由:ボディ設計に根本的なミスがあり、加速に対してボディが耐えられない。このまま飛行すると、短時間でボディが壊れてしまう。やむなく期待を全面的に再設計することとなり、それが完成するのは 10年後。そのころにはもはや時代遅れとなっており、新しい型番の F38 が設計されている。 (^^);
 どうせなら、フェラーリの F40 でも買う方がマシかな。……だけど、それも東名で多重事故を起こすかも。

 [ 余談 ]
 F35 も、F22 も、どちらも冴えない戦闘機だが、F22 のライバルだった試作機 YF23 はすばらしい戦闘機だった。カッコからして、はるかに先進的だ。カッコいい! 
  → YF23
  → F22 が勝利したわけ
 日本も米国も、政治の都合で、駄目な戦闘機が選定される。


● ニュースと感想  (12月14日b)

 「皆既月食の写真」について。
 不鮮明な動画はあったが、かなり鮮明な写真・動画がある。
  → 冬の皆既月食
 といっても、NHK のリアルタイム・ハイビジョン放送には負ける。

 [ 余談 ]
 NHKには期待していたが、1分間ぐらいしか放送しなかったので、腹が立つ。ずっと放送していればよかったのに。
 撮影はしていたらしくて、不鮮明な動画を公開している。
  → 該当ページ


● ニュースと感想  (12月16日)

 「足温器が売り切れ」について。
 足温器が2週間ぐらい前から全国的に、売り切れ or 品薄状態になって、今も続いている。売り切れているので、なかなか売っていないし、たまに売っていても、いくらか高めだ。それでも、いくらか高めで買えるなら、まだ運がいい。5割増しぐらいの価格で売っているところも多い。
 これはどうも、震災のせいで、東北地方で足温器の需要が急増しているからだろう。暖房機がすべて津波で流されてしまったあとで、手っ取り早く足温器を購入している人が多いのだろう。たぶん。

 このあと、生産が続くので、1月ごろにはかろうじて入手可能になるかもしれない。しかし2月以降は、また厳しくなりそうだ。例年、2月下旬頃になると、「在庫品限りの販売」となる。(売れ残りが怖いのですでに生産中止となる。)このころに買おうと思っても、ほとんど無理です。ただし、ネットではともかく、店頭在庫では、「店頭品処分」がされることもある。
(そんなのに期待しても仕方ないが、ラッキーならば安値で買える……こともある。宝くじみたいなものか。……実は私は、それで一つ余計に勝手おいた。ほしくもなかったが、半額で売っていたので、とりあえず買っておいた。あとでそれが役立った。)

 [ 付記 ]
 関連項目
   → Open ブログ: 足温器のお勧め
   → 足温器の紹介 (私のお薦め商品:現在は売り切れが多いが)


● ニュースと感想  (12月16日b)

 「泣ける話」について。
 2ちゃんねるで集めていた「泣ける話」
  → ガチで泣いてしまったコピペ【号泣】

 この手のまとめページは、たいしたことはないのが普通だが、今回のはすごい話がたくさんあった。


● ニュースと感想  (12月16日b)

 「ジョブズの言葉」について。
 Stay hungry,Stay foolish という言葉については、2カ月ほど前に、次の項目を書いた。
  「Stay hungry,Stay foolish とは?」

 この項目の最後のあたり、新たに加筆したことがある。次の一文で始まる文章。
 「言うまでもないことだが、 Stay hungry,Stay foolish というのは、心構えを述べたことである。文字通りの意味で、 hungry で foolish であることを示しているのではない。」

 この文章を、ここに転載しようかと思ったが、かなり長いので、収まりきらない。リンクだけ示すので、下記ページを読んでほしい。 [ 付記1 ] の箇所だ。
  → Stay hungry,Stay foolish とは?  [ 付記1 ]
    ※ ちょっと ためになる話。


● ニュースと感想  (12月17日)

 (1)
 放射能(放射性物質)が危険だ、と騒ぐ人が多い。しかし、それよりも糖質の方がもっと危険だ、とも言えるだろう。どうせ「危険だ!」と騒ぐなら、放射線よりも、糖質について騒ぐといい。
  → Open ブログ: 放射能よりも糖質が危険?

 (2)
 放射線の分布の地図が公開された。12月11日現在のデータ。現在値と積算値の双方がある。
  → Open ブログ: 放射線の分布地図(12月)


● ニュースと感想  (12月18日)

 燃料電池車の実用化が遠くないらしい。しかし燃料電池車を推進するべきではない。なぜなら、熱効率がひどく悪くて、地球温暖化が進むからだ。
  → Open ブログ: 燃料電池車を推進するな


● ニュースと感想  (12月18日b)

 「放射線はわずかであっても有害だ。ゆえに放射線ゼロをめざすべきだ」と主張する人がいる。これはホメオパシーと同様だ。(似たり寄ったり。そっくり。)
  → Open ブログ: 放射線とホメオパシー


● ニュースと感想  (12月19日)

 スマートグリッドと家電を高度に結びつけるための規格として、「HEMS」という統一規格が定まりつつある。これは、素晴らしく頭のいい方に見えるが、発想に穴があいている。
  → Open ブログ: スマートグリッドと家電(HEMS)


● ニュースと感想  (12月19日b)

 「慰安婦問題の解決策」について。
 慰安婦問題について、韓国大統領が問題を蒸し返した。「日本政府は解決済みとの立場」という主張を、韓国大統領はわかっていて、それでいて問題を蒸し返している。
 これに対して、池田信夫は、「すべては朝日新聞が悪い」と述べている。
  → 朝日新聞の偽造した「慰安婦問題」
 まったく、喧嘩の好きな人だ。目の前に肉を放られた犬のように、キャンキャン喜んでさっそく噛みつく。しかし、政治家のやるべきことは、喧嘩じゃない。問題の解決だ。では、どう解決するか? 
 私の方針は、下記の原則に従う。
  → 議論に勝つ方法
 つまり、「肉を斬らせて骨を切る」だ。そこには、こうある。
 相手が喧嘩をふっかけたら、それにまともに応えて、防御ばかりしていても、何にもならない。それでは勝つことはできない。せいぜい軽蔑されるだけだ。
 むしろ、相手に少しだけ切られながら、相手の力を逆に利用して、相手を切ってしまえばいい。これが達人のやることだ。
 この場合、相手は、反論できない。なぜなら、自分自身の論理が、自分に返ってくるからだ。仮に、反論したとしたら、自分の論理が最初から崩壊してしまうことになるからだ。
 これに従って、具体的には、こうすればいい。
  ・ 日本の賠償責任を認める。
  ・ 日本が慰安婦に賠償金を支払う。
 その上で、次のように原理を指摘する。
 「この問題は、すでに戦後の条約で問題は解決済みである。また、韓国の裁判所も、法的には韓国政府に賠償責任があると認めている。なのに、それをひっくり返すということは、過去の条約をひっくり返すということだ。したがって、過去に払った賠償金を、返還してもらいたい。といっても、金はすでに消えてしまっているから、賠償金によって構築したもの(浦項製鉄所 = ポスコ ,高速道路 ,港湾 など)を、返還してもらいたい。これらと引き替えに、賠償金を支払う」
 さらには、次のことも要求するべきだ。
 「韓国の慰安婦が誰であるかを調べるために、韓国政府の慰安婦関係の全情報を調査する調査権限を与えてもらう。韓国政府の庁舎内の書類を、日本政府がすべて自由に閲覧する権限を得る」
 これは別に、過剰な要求ではない。そもそもこれは韓国政府がやるべきことであり、それを日本は韓国政府に委ねた。なのに、それが気に食わないということなのだから、日本が自分でやるしかない。当然、日本が韓国政府を管理下に置くことになる。(この問題については。)
 要するに、自分の行政責任を放棄して、「このことはあんたがやれ」と言い出したのだから、どんどんやってやればいいのだ。それで日本が困ることは何もない。どんどんやってやれ。賠償責任でも何でも、全部、日本がやってやればいい。……これが「肉を斬らせて骨を切る」という戦法だ。

 [ 付記 ]
 実は、韓国は「慰安婦問題を蒸し返せば、新たに賠償金を得ることができる」と錯覚している。そして日本もまた、その錯覚を信じている。ここに問題の根源がある。
 だから、その錯覚を否定すればいい。「過去の条約で賠償額は決定済み」と。そして、その条約を否定するのであれば、条約のないゼロベースに戻る。当然、払った金は返してもらう。金がなければ、物で返してもらう。
 一般に、賠償金をもらった人が「金をもっと寄越せ」と言い出したら、「金をもっとやればいい」というのではなく、「すでに渡した金を全部返還してもらう」というふうにすればいのだ。相手が金を使ってしまったのなら、金ではなく物で返してもらう。実際、製鉄所や高速道路など、物は残っているのだから、その物を取り上げてしまえばいいのだ。……そしてかわりに、相手の欲しがっている、小額の金を与えればいい。
 韓国が金を欲しがるなら、金を与えてやればいい。かわりに莫大な物を召し上げてしまえばいいのだ。……「条約の否定」が相手の望みなのだから、相手の望みに乗じて、条約を否定することで、財産を取り上げてしまえばいいのだ。
 これぞ、「肉を聞かせて骨を切る」戦法。

 [ 付記 ]
 実際には、それを実行するのではなく、「実行しますよ。それでいいの?」と語るだけだ。それで「議論に勝つ」ことができる。かくて議論は終止符を打つ。いつまでも喧嘩しているのは、馬鹿らしい。よほど喧嘩好きの犬なら、キャンキャン喜ぶだろうが、まともな人間は、喧嘩なんかをするほど暇じゃない。


● ニュースと感想  (12月20日)

 (1)
 子供をケータイから遠ざけるには、どうすればいいか? パソコンを与えればいい、という方法がある。
  → Open ブログ: 子供とケータイ

 (2)
 ドコモの基盤を利用した格安のスマホ で、b-mobile というものがある。速度の制限はあるが、格安で、どこでもつながる。iPhone もOK。
  → Open ブログ: 格安のスマホ b-mobile


● ニュースと感想  (12月21日)

 「ホークスの杉内と小林至」について。
 ホークスの杉内が巨人入りした。理由は? お金ではなく、感情のもつれから。これはどういうことか? 
 巨人は4年20億円。ホークスはそれより低い額だったが、あとで上回る額(22億円)を出した。それでも杉内は、長年親しんだ自チームを離れ、巨人を選んだ。背番号が良かったから、という説もあるが、背番号なんてたいして意味はない。感情のもつれが理由であるようだ。昨年の契約更改で、「FAしても取る球団は他にないよ」と言われて、プライドを傷つけられたことが主な理由。そう語ったのは、ホークスの小林至という取締役。
 この人は誰か? 「東大卒の投手」ということで、前に話題になった人だ。私もずっと気にかけていた。「東大卒の投手は、プロとしては失格だったが、将来どれほどの貢献をするか?」と思って、大いに期待していたものだ。そして、長い時間を経て、その結果が出た。
 その結果とは? こうだ。
 「選手としての実績は皆無だが、東大卒というプライドばかりが高い。自分は利口だと自惚れたあげく、優秀な選手を馬鹿にして、選手に怒られ、年俸や契約金を馬鹿高い額に引き上げざるを得なくなるほど、球団に損失を及ぼす。それでも契約できればまだいいが、契約してもらえず、選手が逃げ出し、球団崩壊の危機をもたらす」
 一言でいえば、「学歴とプライドばかりがあって、実力が皆無の、最悪の東大卒」である。ときどきいますね、こういう奴が。
 こういう阿呆は、さっさと見抜いて、解雇するのが当然なのだが、どういうわけか、とびきりの阿呆を、ホークスは取締役に据えてしまった。こうなると、ホークスという球団は、そのうち自滅するだろう。「金ばかりかけて、補強ができない」という球団。東京にもありますが。……でも、その球団は、KYな重役(GM)を解雇したので、今後は是正されそうだ。一方、ホークスはどんどん悪化していきそうだ。日本一は、今年限りか。
 ホークスは、FAでエリートがどんどん逃げ出してしまった。杉内、和田、川崎。この先もどんどん逃げ出しそうだ。取締役の責任は非常に重い。なのに球団は、優秀な選手を放出して、お馬鹿な取締役ばかりを優遇する。どうしようもないね。

 小林至とはどういう人物か? まるきりの馬鹿ではない。かなり頭がいい。次の文書は、読む価値がある。「米国はバラ色ではなく、上下格差や人種差別がものすごくひどい」というレポート。
  → 米国フロリダ州 The Golf Channel社 勤務:小林至
 しかし、これによって自社の人種差別を暴露したために、会社から解雇されてしまった。(Wikipedia による。)
 この人は、同じ内容の話を、著作にも書いて、結構売れたようだ。「自分は優秀だ」と宣伝したいのだろう。「面白い話を書いた」と思いたいのだろう。
 しかし、人種差別は、ものすごい犯罪というわけではなく、米国のどの世界にもあることだし、会社の犯罪というよりは個人的な性癖の問題だ。こんなことを特別大騒ぎする必要はない。
 なのに、自社の悪口(汚点)を大々的に宣伝するなんて、会社に損失をもたらす行為だし、解雇されて当然だ。KY点では、常識が欠落している。
 私なりに人物評をすれば、こうだ。
 「さすがに東大卒とあって、なかなか頭がいい。地頭はいい。しかし、専門分野における実績も能力もないくせに、自分は頭がいいとばかり自惚れていて、他人を馬鹿にするばかり。他人への敬意がまったく欠落している。周囲との協調性が皆無。個人的な能力はあるが、組織にとっては有害なだけ」
 こういう傾向が、今回の契約更改で現れた、と言えるだろう。球団の経営者は、選手に対しては「敬意をもって契約更改をお願いする」という立場であるのに、「俺は金を払う立場だから俺の方が偉いんだ」と勘違いしているようだ。別に小林至が金を払うわけじゃなく、ホークスが金を払うのだが、そこを勘違いして、「俺が金を払うから、俺は選手よりも偉いんだ」と思い込む。学歴を鼻にかけたあげく、重役という肩書きでかさにかかる。威張りたがるばかりで、頭を下げることができない。
 こういう人物を取締役に据えると、組織がガタガタになる。その見本だろう。こいつがいる限り、ホークスは自滅の一途だろう。
 私としては、彼に次の言葉を贈りたい。
 「実るほど 頭を垂れる 稲穂かな」
 もじって、
 「無能ほど ふんぞりかえる おデブかな」

 [ 付記 ]
 彼はリンク先の記事で、自分勝手なことをする上役を批判したが、自分自身がそれと同じような上役になってしまっている。人のアラ探しばかりをするような人間は、自分自身のアラが見えないものだ。
 せっかく米国に留学したら、米国から何かを学べば良かったのに、米国の悪いところばかり見ていたのでは、留学の意味がない。プライドの高い人間というのは、どうしようもないね。……で、同じようにプライドが高い(しかし実力のある)杉内と喧嘩したあげく、逃げられてしまった。ひどいものだ。

 [ 余談 ]
 杉内の不満は、わからなくもない。彼が言いたいのは、(2010年のオフで)「同僚の和田と比べて、年俸が同程度なのは納得できない。ここ1年の実績は同等でも、積年の実績は自分の方がずっと上なのに」ということ。
 ま、ごもっとも。杉内の年俸自体は妥当だとしても、和田と比べると和田が(実績は低いのに)優遇されすぎているので、自分が馬鹿にされていると感じて、腹が立つのだろう。ホークスの査定基準がおかしいのが理由かな。
( ※ 阪神なんか、実績ばかり重視して、すでにロートルになったゴミ選手に高給を払っている。阪神に行けば、杉内は実力以上の超高給になりそうだ。)

 [ オマケ ]
 以上のことを書いたあとで、孫正義が次のツイートをした。
厳しく処置したく思います。 RT @doctorGOTOyo: エースの杉内投手が巨人に移籍決まりましたね。球団幹部のコメントに反発している模様です。孫会長はその部下に対してどのような対処をされる予定でしょうか?
( → twitter
 ありゃりゃ。クビかな。孫正義も、結構さえているみたい。

 《 追記 》
 と書いたあとで、すでに「辞任」というニュースが流れた。オーナーのツイートが流れて、首を切られる前に辞任したらしい。
  → SBホークス、エース流出で東大OB役員が辞任
 なお、twitter の件は、別にも報じられている。
  → 孫正義氏の Twitter 発言(記事)
 これを見ると、読者は事情を理解していない人が多いようだ。そこで、どうして小林取締役が辞めなければならないか、本項を見ればわかるだろう。
 しかし、こう書いた直後にやめることになるとは、思ってもいなかった。びっくり。


● ニュースと感想  (12月21日b)

 「北朝鮮の将来」について。
 北朝鮮は、金正日の死去のあとで、どうなるか? 大胆に予測するなら、「クーデター」だ。理由は、下記の通り。
 独裁者が世襲をするには、後継者が独裁体質をもつことが不可欠だ。1代目の金日成の死去のあと、2代目の金正日は独裁体質をもっていた。しかし3代目の金正恩はそうではない。ディズニーランドやパソコンが好きだというから、オタク体質と言える。ありふれた凡人だ。狂気的な独裁欲をもたない。つまり、本人自身がことさら独裁したがっていない。
 そして、独裁を維持するには、独裁欲が必要不可欠だ。というのは、部下となる人々を心理的にコントロールする必要があるからだ。それができなくなれば、部下はコントロールを離れて、勝手に動き出す。そのなかには、独裁欲や権力欲が強い人もいる。その人がクーデターを起こす。(韓国に例あり。)
 というわけで、ボンクラ息子である三代目は、二代目が受けたような権力委譲の経過段階を経ることもなく、いきなり政権の場に投げ出された。後ろ盾もなく。……となると、虎のなかに放り込まれて羊のようなものである。当初は様子見をされるだろうが、そのうち、虎に食い殺される可能性が高い。つまり、放逐される。
 その後は、別の独裁者が生じるだろう。韓国の故・朴正煕 大統領みたいな独裁者が。
( ※ ただし、その独裁者が、以外にも民主的な人物であったせいで、北朝鮮が私大に民主化の道をたどる……という可能性も、なきにしもあらず。これは、ビルマ・ミャンマーの路線だ。とはいえ、その場合も、一時的には、新たな独裁者が現れそうだ。)
( ※ で、北朝鮮が今後どうなるかは、その新たな独裁者の気質しだい、となる。それがどういう気質かは、まったく予想ができない。言えるのは、「新たな独裁者が生じるだろう」ということだけだ。その新たな独裁者は、金正恩ではない。そのあとの人物だ。)

 [ 付記 ]
 参考記事。
 1994年7月に金日成主席が死去した時は、金総書記がすでに朝鮮人民軍最高司令官、国防委員会委員長、党書記として権力を固めていたのに比べ、正恩氏はいまだに党中央軍事委員会副委員長(委員長は金総書記)の肩書を持つだけで、権力継承作業の途上にあったことも不安定要因だ。
( → 読売新聞 2011-12-20


● ニュースと感想  (12月22日)

 「無料シャーロックホームズ」について。
 シャーロックホームズの著作の和訳が、新訳で、無償公開されている。
  → コンプリート・シャーロック・ホームズ
 ざっと見たが、とても優れた翻訳だ。
 なお、縦書き表示で見るには、Google Chrome 上で、次のソフト(アドオン)を使うといい。
  → http://bit.ly/lII7C1
 これで縦書き表示にできる。ただ、リンクがちょっと面倒だ。(ページ最後のリンクが無効になり、ページ冒頭のリンクをクリックする必要がある。)


● ニュースと感想  (12月22日b)

 「F35 の予算」について。
 政府は次期戦闘機を F35 に決めた。国産化率も低く、ただの組み立てしかできないので、これでは日本の航空機産業がガタガタになってしまう。なのに、なぜ、F35 に決まったか? 
 いろいろと考えると、理由は次のことだ。
 「機数だけが決まっているので、高価な機種にすればするほど、総額が増えて、防衛省は大喜び」
 子供と同じで、「オモチャはこれだけ」と個数だけを決めるから、子供は「なるべく高いものを」と要求する。
 本当ならば、「金額はこれだけ」と示して、「高価になれば個数は減らす」というふうにすればいいのだが、そうしない。……ここが根本的な理由だろう。

 というわけで、F35 がいくらになるかも、国産化率がどうなるかも、相手のカタログを見ないで、さっさと機種を決めてしまった。このあと、価格がいくらになるかもわからないし、国産化率がどのくらいになるかもわからない。どのくらいになるかは、交渉で決めるそうだ。呆れたね。先に「買う」と決めたら、徹底的に足元を見られるのに。
 決める前ならば、こうあった。
  → 日本向け価格は1機50億円
 ところが、防衛省は、こうしている。
  → 2012年度予算に4機分(1機99億円)を計上
 これによると、「2012年度予算に4機分(1機99億円)を計上したうえで、将来的に整備費など含め1.6兆円をかけ、42機の配備を目指す」とのこと。1機あたり 400億円になる!
 もう、滅茶苦茶ですね。ガキに買物をさせると、こういう馬鹿げた浪費をするようになる。徹底的に金額を削るべきだろう。


● ニュースと感想  (12月22日c)

 Winny について、最高裁判決が出た。「無罪」。
 これについての私の見解を述べる。
  → Winny 最高裁判決


● ニュースと感想  (12月22日d)

 (前項の続き)
 Winny はどのくらいの悪だろうか? 殺人ほどひどくはないが、レイプと同じぐらいひどい、というのが私の判断だ。
 → Winny とレイプ


● ニュースと感想  (12月23日)

 twitter などで本人を示すアイコン(アバター)を作成できるネット・サービスがある。無償。
  → Open ブログ: アバターの作成


● ニュースと感想  (12月24日)

 自炊代行の是非を論じる。ネット界に出回っている見解はあまりにも偏っているので、それを是正しよう。
 → 自炊代行の是非
 ※ 例によって、世間とは正反対の意見です。 (^^);


● ニュースと感想  (12月24日b)

 「F35 の記事」について。
 英フィナンシャル・タイムズ紙の記事があるので、紹介する。
  → F35は国内防衛産業の崩壊を招くか
 私も同意見です。
( ※ ま、平凡な意見ではあるが、こういう意見の記事は少ない。日本の新聞は駄目ですね。)


● ニュースと感想  (12月24日c)

 「放射線で数千人の死者」について。
 福島原発の自己で、放射線が漏れたが、これによって数千人の死者が出た……という旨の発言を、池田信夫がしている。菅直人について、次のように述べている。
彼があのとき首相だったばかりに失われた命は、たぶん数千人にはなると思う RT @sankeishimbun: 「怒鳴り声ばかり」震災直後の菅前首相の言動とは:.. bit.ly/tgNy3x
( → twitter
 ここで、「数千人の死者」とは、津波の死者のことかな? と思ったが、津波の死者は、地震直後(発生後 30分〜1時間)だから、菅直人は何も関係ない。この時点では、津波被害がどうのこうのということも、ろくにわかっていなかった。単に「津波が来るので避難してください」というNHK放送が流れていただけだ。首相は何ら影響力がなかった。
 とすれば、津波による死者は除いていい。残るは、放射線による被害だ。で、放射線による被害が、死者数千人になるそうだ。
 へえ。びっくり。早川由紀夫や武田邦彦よりもすごい数字で、被害を示している。広島原発にかなり近い値ですね。


● ニュースと感想  (12月25日)

 「池田信夫の原発発言」について。
 池田信夫の原発発言を、また紹介しよう。
今年最大のグッド・ニュースは、OECD諸国で最大の原発事故でも人的被害がゼロだったということ。これを無視して恐怖をあおるマスコミもネットメディアも「危険神話」に呪縛されている。
( → twitter
 まったく、懲りない人ですね。彼はこれで、「最悪でもこの程度だ」というつもりなのだろうが、別に、今回の事件が最悪というわけじゃない。今回はたまたま、菅直人が首相だったから、ひどい被害にならなかっただけだ。野田首相だったら、もっと致命的な自体になった恐れもある。
 また、4号炉では偶然のおかげで最悪の事態にならなかった、という事情もある。
 → http://openblog.meblog.biz/article/4542364.html の 【 追記 】

 池田信夫の言うように、「今回はたいしたことはなかったから、原発は安全だ」というような理屈は、東電がこれまでも何度も繰り返した理屈である。たとえば、新潟での原発事故のとき。
  → 2007年07月20日の記事
 このように、 2007年07月の原発事故のとき、私は原発の危険性を指摘して、「フェイルセーフ」の対処を取る必要性を指摘した。仮に、政府がこの指摘を受け入れていたら、「今回は大丈夫だったが、将来は大事故になる恐れがあるから、対処しよう」と思ったはずだ。そうすれば、今回の福島原発尾事故も起こらなかったはずだ。
 なのに池田信夫は、その正反対だ。これほど大規模の事故を起こしても、反省するどころか、「たったのこれっぽっちしか事故の被害は起こらなかったから、何も反省することはない」と言い張っている。
 そんなことだと、今度こそ、ものすごい大被害に遭うかもしれないのだ。

 ちなみに、それと同様のことは、現実に起こった。それが「東日本大震災」の被害だ。「これまではチリ地震でも何でも、津波はたいしたことはなかったから、今回もだ丈夫さ」と思った人々が、海岸でののほほんとして津波見物をしていた。そこへ大津波が襲って、人々は水没してしまった。
 池田信夫みたいに、「これまでは大丈夫だったから、今度も大丈夫さ」という楽観主義をすると、どうなるか……ということは、津波の水没者が教えてくれる。
 何事であれ、小さな事故からきちんと学ぶ人もいれば、大きな事故から何も学ばない人もいる。
 傲慢な人間はどれほど愚かになれるかを、池田信夫という実例が教えてくれる。

 [ 余談 ]
 彼はこの愚劣さを書籍にして公刊するそうだ。
 原子力とメディアについての本を書いてるのだが、朝日新聞や山本太郎がおもしろい材料を次々に提供してくれるので、原稿が終わらない・・・

 最初は「原発のリスクは石炭火力やタバコより小さい」という本を書く予定だったが、よく考えるとそんな当たり前のことを書いてもしょうがない。それより、なぜそのリスクが数百倍に過大評価されてパニックになっているのか・・・という別の本を書くはめになりそう。
( → twitter
 確かに、数百倍に過大評価してパニックになる人もいるが、一方で、数百分の1に過小評価して平然としている人もいる。
 どっちが人の命を奪うか、よく考えた方がいい。前者は多大な金を失わせるだけだが、後者は多大な人命を奪う。


● ニュースと感想  (12月25日b)

 (1)
 変な誤変換をして、自分でも修復できなくなったときは、どうすればいいか? たとえば、次のような誤変換。  「そういう胸のは黄柳野を」
  → Open ブログ: 誤変換の修復
 (2)
 放射線は、その量が少ないときには、有害だろうか? 「有害だ」と見なすのが LNT 仮説だ。その是非を論じる。
  → Open ブログ: 放射線と LNT 仮説


● ニュースと感想  (12月25日c)

 「孫正義のメガソーラー」について。
 孫正義がメガソーラーについて、ツイッターで発言している。( → twitter
大規模な太陽光発電建設の為の各電力会社への送電線接続申請も十数カ所既に進んでいます。メーカー選択の為の帯広実験設備が完成。私は公約を果たします。 http://bit.ly/rBDCOD
 しかし現実は、そうなっていない。
  → http://www.j-cast.com/2011/09/17107089.html?p=all
 嘘をつくから、詐欺師と言われる。


● ニュースと感想  (12月26日)

 (1)
 年賀状のための画像。龍の画像。ネット上で採集したもの。
 → Open ブログ: 年賀状の画像(龍)

 (2)
 2009年、豚インフルエンザをめぐるパニック騒動があった。これは 2011年現在の、放射線をめぐるパニック騒動に似ている。
  → Open ブログ: 豚インフル・パニックと放射線

 (3)
 外環道は 1兆3000億円もかかる。それほどの価値があるとは思えない。では、どうするべきか?
  → Open ブログ: 外環道のコスト問題


● ニュースと感想  (12月26日b)

 「野田政権の業績」について。
 野田政権がやったことは? 
 整備新幹線3区間が約2兆7500億円、外環道が約1兆3000億円、八ツ場ダムが約4600億円。
( → http://www.sankeibiz.jp/macro/news/111221/mca1112210500003-n1.htm

 さらには、F35 に 1.6兆円の浪費もある。他にもいっぱい浪費がある。
 これほどの浪費をしているせいで、国庫は破綻寸前だ。
  → 破綻寸前
 仕方がないから、増税するつもりらしいが、増税すれば、経済はますます縮小する。人々の財布に金がないせいで、自動車も家電も、どんどん売れなくなるからだ。恐慌に突入する。
 まったく、日本破滅のテロリストだと言える。北朝鮮の金正日よりもひどい。金正日は日本を破滅させたわけじゃないからだ。一方、野田は、上記のように無駄な浪費をさんざんやって、その一方で増税をするから、最悪だと言える。
 「菅直人は最悪の無能だから、クビにしろ」
 と言ったあげくが、このざまだ。無能は、善をやらないだけだが、テロリストは、悪をどんどんなす。それが野田だ。それを歓迎したのが、日本国民だ。
 だから言わんこっちゃない。……私の予言したとおりになる。

 [ 付記 ]
 外環道が駄目だ、という点は、本日別項で示した。
 八ツ場ダムが駄目だ、という点は、明日か明後日の項目で示す予定。


● ニュースと感想  (12月27日)

 面白い発言が見つかったので、引用しておく。池田信夫はこう書いた。
 Winnyはクラウド・コンピューティングの先駆だった。
( → BLOGOS
 2ちゃんねるなどでもたたかれたが、高木浩光の twitter が厳しい。
Winny=クラウドコンピューティング
って、おいおい、こういうことを言う人をちゃんと更生していかないと、ホント、日本の未来はないですよ。偽ベンチャーが闊歩するだけになってしまう。
( → twitter
 前後の twitter 発言も興味深い。


● ニュースと感想  (12月27日b)

 「女子高生のミニスカ」について。
 最近、寒いですねえ。それで思ったのだが、女子高生がミニスカで足を素肌でさらしているのを見ると、ホントに寒そうだ。よくまあ、我慢できるものだ……と思っていたら、勝手にやっているのではなくて、強制らしい。というのは、制服がミニスカだからだ。
 こんなことでは、女性が冷え性になって、少子化になるのでは? というか、日本が少子化なのは、女子高生のミニスカのせいでは? ……という気がしてきた。 (^^);
 ホントかどうかは正確には判断できないが、世界で一番ミニスカが進んでいる日本が、世界で一番少子化であることは事実だ。何らかの影響があるとしても、不思議ではない。
 「日本は少子・高齢化で大変だあ!」
 と騒ぐなら、その前に、まずは女子高生のミニスカを禁止した方がいいかもしれない。
 《 注 》 
 なお、風致の問題は、ここでは考慮していません。私の個人的な趣味では、ミニスカはあっても全然問題ではない。ただしどちらかと言えば、胸元を広げてくれた方がいい。
  ・ 足を見せるミニスカ
  ・ 胸元を見せる衣服
 のどっちかと言えば、後者を支持したい。
 でもまあ、どっちもなくてもいいです。もともと私は女子高生は好みじゃない。18歳以下は、女性として見る気がしない。特に制服姿は、萎える。(萌える、ではない。)

 [ 付記 ]
 「女子高生のミニスカを禁止せよ」という趣旨の報道があった。下記。
  → 極端に短い女子高校生の制服のスカート丈をただそうと、新潟


● ニュースと感想  (12月28日)

 「女子高生のミニスカ・続き」について。
 読者(けろ さん)から寄せられたコメント。
女子高生のミニスカについて。
ある冬、北海道北見市で見た光景は驚きのものでした。
氷点下15℃の吹雪の中、女子高生たちは素足を晒してミニスカを履いていました。 かの地では学校の強制なのではなく、「そのほうがカワイイと思われるから」なんだそうで。
カワイイなどと微塵も思われず、痛ましいだけでした。
 あはは。 ほとんど冗談みたいですね。  (^^);
 それにしても、コートぐらい着ればいいのにね。ミニスカにしても、コートを着れば、学校ではミニスカ姿でいられるんだが。通学途上ではコートだが。
 通学途上でも足を見せつけたいのかな? だけど、足に引かれるのは、スケベなおじさんだけだと思いますよ。若い男性は足なんかに引かれないと思うのだが。(一部のスケベ男性を除く。)
 一般に、男性が見るのは、「顔 → 胸 → 足」という順らしい。これが逆になると、痴漢体質。

 ──

 次の見解も寄せられた。(あむ さんから)
青森在住ですが、零下5度くらいの吹雪の日でもミニスカを女子高生は履いてます。やはりそのほうがかわいいからだそうで。寒いかと、きけば寒いけど我慢してると言います。
学校はむしろ止めるように指導してるんですが、とめられません。彼女たちのオシャレにかける情熱はすごいもんです。
 私としては、別にかわいくないと思うんですけどねえ。誰に見せてるつもりなんだか。仲間同士? いや、仲間は通学途上にはいない。通学途上の異性? それで引っかかる男生徒はいそうにない。……やっぱり、錯覚じゃないでしょうかねえ。
 そもそも、男子を釣るつもりなら、年中ミニスカにするのは、効率が悪い。見慣れてしまうので。それよりは、春から夏の間だけ、チラリと見せる方が効果的だ。冬は見せずに、春から夏に見せると、男は発情するかも。その方が釣れます。
 だいたい、男が釣られるのは、エロじゃなくて、チラリズムだ。見えそうで見えないときに、一番釣られる。あんなに太腿を見せたんじゃ詰まらない。スリットでチラリと見せる方が釣れる。
 ただ、ミニスカだと、ガキっぽくて幼稚に見える。(けいおん なんて、まるで小学生みたいに見えるし。)……それが「かわいい」という理由かな。バカみたい。
 「冬に生足を出すと、皮下脂肪が増えて、下半身デブになる。血流が悪くなって、短足にもなる」という警告をするといいかも。どこかのお医者さんが、警告してほしい。


● ニュースと感想  (12月28日b)

 自炊代行は違法行為だが、それが著作者に損害を与えているとは言えない……という見解がある。しかしそれは勘違いだ。電子書籍による違法販売はすでに堂々となされている。その張本人はアップルだ。
  → 自炊代行と違法販売


● ニュースと感想  (12月28日c)

 「原発事故調の報告と池田信夫」について。
 原発事故調の報告が出た。(各紙報道。)
 これについて池田信夫がツイートしている。(バカの見本?)
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会 http://bit.ly/spNke4 短期間によくまとめたが、政府の対応についてはこれから調査。やはり国会の事故調がやらないと、どなり散らすばかりで役に立たなかった菅首相の対応は追及できないのでは。
( → twitter
 池田信夫は根本的に勘違いしているようだが、原発事故への対応は首相の仕事ではない。首相は政府全体を統括するのが仕事であり、個別の業務は首相がやるべきではない。「もしドラッガー」の本でも読んで、マネジメントについて勉強するべき。
 今回の場合の担当者は、民間では東電、政府では原子力安全委と保安庁だ。これらに全面的に委譲すればいい、というのが、本筋だ。
 ところが、その本筋がまったく機能しなかった。だから菅直人が出てきたが、ここで首相が出てきて命令する、というのは、本筋ではない。これをもって首相を批判するのは見当違いだ。
 仮に野田首相だったら、単にオタオタするだけで、何もしなかっただろうし、その場合には、ものすごい第惨事になっていた可能性がある。そうなったら、池田信夫がいつも言っているような、「炉心溶融でも死者は出なかった、最悪の事態でもたいしたことはなかった」なんていう言明は成立しない。
 池田信夫は一方では「最悪の事態でもたいしたことはなかった」と主張し、他方では「菅直人のせいで死者数千人」なんて主張している。頭が分裂している。二重人格者か? 自己矛盾に気づかないのか? 
 
 そもそも、事故調の報告を読めばわかるように、最大の原因は、東電と自民党政府が「原発は絶対に安全だ」という方針で、危機回避策(つまり安全策)をまったくないがしろにしたことだ。ここに本質がある。ここに着目するべきだろう。
 そしてまた、その点を指摘しなかった知識人たちにも責任がある。(ちなみに私はちゃんと原発の危険性を指摘して、安全策を採るべしと指摘していた。)……やるべきことをやらなかった知識人たちにも、大いに責任があるのだ。
 池田信夫が何か語るべきだとしたら、次のいずれかだ。
  ・ 原発の危険性を指摘しなかったことで、知識人として反省します。
  ・ 原発の危険性を指摘しなかったのは、私が知識人じゃないからです。ただの凡人だからです。
 このどちらかにするべきだ。
 なのに、自分の責任を棚上げして、菅直人を批判するなんて、筋違いもいいところだ。真犯人が他人に罪をなすりつけているようなものだ。菅直人にしたら冤罪みたいなものだ。
 池田信夫は自らの無知蒙昧を反省するべきだろう。さらには、原発事故についての自分の責任も認めるべきだろう。
( ※ といっても、彼が自分の間違いを認めたことなど、一度もない。だから何度も間違ってばかりだ。)
( ※ 「そういうおまえはどうなんだ!」……と言われそうだが。ごめんなさい。私も謝る度合いが少ないかもね。もうしわけありません。ぺこり。 m(_ _)m )


● ニュースと感想  (12月28日d)

 「原発事故調の報告の意味」について。
 原発事故調の報告が出た。読売新聞の記事がポイントをつかんでいて、興味深い。(朝日は駄目だ。)
 ポイントは、次の点だ。
  ・ 原発事故のあと、政府(保安院)も、東電も、逃げ回っていた。
  ・ 東電は、あろうことか、「海水注入の中止」を命令した。(最悪!)
  ・ しかし吉田所長がその命令を聞く芝居を打った。「海水注入の中止」を現場で全員に放送したが、担当者には前もって「放送に従うな」と命令して、「海水注入の継続」を実行した。

 つまり、政府は無能・無力だったし、東電本社は最悪の道へと突き進んだが、現場の吉田所長がそれを阻止したおかげで、最悪の事態は免れた。……これが要点だ。

 ──

 ただ、読売の記事にも、おかしいところがある。社説で「菅直人が悪い」と批判しているせいだろうが、全体的に「菅直人が悪い」という趣旨の記事になっている。
 特におかしいのは、「避難範囲を 10キロから 20キロにしたので、住民や自治体は混乱した。菅直人のせいだ」というふうに事故調が述べている、という記事だ。
 本当に事故調はそういうふうに菅直人を批判したのだろうか? 「避難範囲を 10キロから 20キロにした」というのは、けなされることではなく、褒められることだ。確かに、混乱はあったが、混乱しながらも避難したことで、14日の爆発事故による放射性物質を浴びることを避けられたのだ。
 読売の記事に従えば、「避難範囲を 10キロにしておくべきだった。14日の爆発の放射性物質を住民に浴びせるべきだった。住民に放射性物質を浴びせなかった菅直人はけしからん」ということになる。しかし、本当に事故調がそう述べていたのか? とうてい信じがたい。
 
 また、東電の「全面撤退」という方針は、東電重役があとで否定しているが、それは、自らの保身のせいのために、自己弁護しているだけだろう。私が知っている範囲の情報では、東電幹部は単に現場の意見を勝手に解釈していただけで、何もできずにいただけだ。だから菅直人が乗り込んで「全面撤退は認めない」と叫んだとき、「もともとそのつもりですよ」とは答えず、黙って「おっしゃるとおり」と思って聞いていたのだろう。
 で、ずっと後になってから、「もともと撤退するつもりはありませんでした」と自己弁護しているのだろう。
 菅直人が乗り込まなかったら、「現場の判断に従って撤退することに決めました」と嘘をついて、撤退を命令していた可能性が十分にある。「撤退しない」という方針はなかったからだ。というか、何もできずに、オタオタしていただけだ。そして、事後的に、「自分たちはちゃんとしていました」と自己弁護しているだけだ。
 犯罪の被告が「自分は犯意はありませんでした」とあとで自己弁護して、それを真に受けるなんて、事故調はどうかしている。今回の事故調は、人が良すぎる。犯罪者の言葉を真に受けて報告するだけでなく、嘘を見極める能力が必要だ。その点、事故調は、能力不足だったと言える。もっと検事みたいな人(犯罪者の嘘を見抜ける人)が必要だった。
 で、嘘を見抜けない人が多いから、読売みたいなのがコロリと引っかかって、「東電はちっとも悪くない。悪いのは菅直人だ」というふうに責任転嫁をしてしまうわけだ。坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い。それで嘘を真実として扱い、真実を見過ごして、真犯人を隠蔽する。……真犯人を見逃す阿呆。(池田信夫と同じだね。)

 [ 付記 ]
 なお、以上は、現場レベルの話だ。もっと根源的な「どうして事故が起こったか」という点は、前項(12月28日b)で述べた。


● ニュースと感想  (12月29日)

 「原発事故調報告と産経の捏造」について。
 原発事故調の報告について、読売新聞の記事が歪んでいる、という旨の記述を前項で示した。
 もっとひどいのが産経らしい。産経の記事がいかに事実を歪曲して報道しているか(菅直人の悪口ばかりを言っているか)、という詳しい指摘が、下記にある。
  → 産経新聞による首相の責任捏造・福島第一原発事故

 ひどいものだ。で、これと同じなのが、池田信夫。(前々項で示したとおり。)
 なお、池田信夫の twilog を見るとわかるように、次のデマを RT して、拡散している。
RT @ishiitakaaki: 事故の責任者の半面、菅の人災を止めた救国の英雄でもあったのか。彼をどう判断するか。しかし現場が死を覚悟しているのに、東電が逃げたとデマを菅が拡散しているとは。恥を知るべきだ RT【放射能漏れ】海水注入で吉田氏が独断 事故調中間報告- 産経 http://t.co/rWveUZp2
 産経のデマを「真実」と見なしたあげく、デマを拡散する人がいて、それを拡散する池田信夫がいる。デマを否定するどころか、デマに乗る尻馬。
 それだけじゃなくて、本人も(産経の言葉を信じて)デマを振りまいている。( twitter でつぶやいている。)
彼があのとき首相だったばかりに失われた命は、たぶん数千人にはなると思う RT @sankeishimbun: 「怒鳴り声ばかり」震災直後の菅前首相の言動とは:.. http://bit.ly/tgNy3x
 [ 付記 ]
 参考記事。当時(5月)の、私の記事。マスコミのデマ記事のまとめ。
  → Openブログ: デマ・マスコミ


● ニュースと感想  (12月29日b)

 「65歳までの再雇用義務化」について。
 65歳までの再雇用義務化という法案が提出されるそうだ。
  → 65歳までの再雇用義務化、厚労省審議会が報告書
 これを見て、池田信夫などが、反対している。「その分、若手の雇用が奪われる」という理屈。本当か? 

 実はこれは、マクロ経済学を理解しない発想である。マクロ経済学の発想を理解すれば、次のようになる。
 「高齢者が雇用されれば、その分、所得が増える。所得が増えれば、消費も増える。結果的に、GDP が増えるだけであり、雇用の増減には影響しない」
 これが正解だ。「働けば、所得を得る。所得を得れば、消費も増える」というのが、ものの通りだ。なのに、マクロ経済学音痴は、「労働は増えるが、所得は増えない」と思っているか、「所得は増えても、消費は増えない」と思っているか、どちらかだ。どっちみち、間違いだ。マクロ経済学音痴。つまり、「所得の効果」を理解できない。物事を需給曲線だけで考えるから、「生産増 → 所得増 → 需要増」という循環構造を理解できないのだ。哀れ。(マクロ経済学の教科書を勉強するべし。)

 そもそも、古典派の発想は、「完全雇用が実現する。労働の需要不足は起こらない。単に賃金の低下が起こるだけだ」となる。それならそれで、「高齢者の雇用により、若年者の賃金が下がる」と語るべきだ。(本当は間違いだけど、古典派の発想ではそうなる。)……つまり、池田信夫は、古典派の発想としても不完全である。どうせなら「若手の賃金低下を防げ」と語ればいいのを、「若手の雇用を守れ」と語ってしまっている。そんなことでは「完全雇用」を否定するので、古典派の自己矛盾なのだが。

 [ 付記1 ]
 若手の失業は、経済全体が縮小していることが理由である。高齢者とは関係ない。高齢者の責任にしたり、高齢者と席の奪いあいみたいな発想ことをしたり、……というのは、物事の本質を見誤らせる。
 不況対策はそれはそれで別個に実行すればいい。そもそも、不況が継続することを前提として、「失業という『えんがちょ』(ババ)を誰に割り当てるか」という、なすりつけごっこをするなんて、幼児的すぎる。経済学者ならば、「不況を解決すること」を通じて「失業をなくす」という正解を唱えるべきだ。

 [ 付記2 ]
 何でもかんでも高齢者のせいにするのは、見当違いだ。仮にこの世に高齢者が一人もいなくなっても、デフレという状況はそれ単独で発生するからだ。「高齢者のせいで失業になる」なんて、逆恨みもいいところだ。
 ただ、「高齢者のせいでデフレが続く」というのは、皮肉的な意味では、正しいかもしれない。「高齢者」を「池田信夫のことだ」と理解すれば、当たらずといえども遠からず……となりそうだ。
( ※ 池田信夫は、自分自身が 58歳で高齢者だということを、認識できていないようだ。かわいそうに。ボケてきたのかな? ともあれ、彼は自分の主張に従って、2年後には現役をやめて引退するべきだ。ちゃんと声明しておいてほしい。まず隗より始めよ。)

 [ 付記3 ]
 池田信夫のお馬鹿な発言。
 私が民主党政権の「老人偏重」を批判するのは、若者のためを思っているからではない。こういう「ネズミ講」は遠からず破綻して、老人も若者も大損するから。「脱藩」した9人の議員は、自分が死ぬまでネズミ講が続けられると錯覚している。
( → twitter
 これは「老人が年金で優遇されていること」を言うらしい。
 そのつもりであれば、「老人は無為徒食をしないで、きちんと働け」と言うべきだ。「年金をもらって悠々自適にするのではなく、働いて、稼いで、自分の稼ぎで食え」と言うべきだ。
 というわけで、池田信夫の言っていることは、支離滅裂(自己矛盾)だ。老人は働いて食うべきなのか? 若い人の金をもらって食うべきなのか? 一方では前者を批判し、他方では後者を批判する。まったく、自分が何を言っているか、わかっていない。
 彼の二つ熱をともに満たすとしたら、「老人は死ね」ということでしかない。そう思うのなら、その言葉を自分に向かって言えばいい。

( ※ 要するに、マクロ経済学を理解しない無知な半可通が、下手に経済学を振り回すと、有害なだけだ、ということ。)


● ニュースと感想  (12月29日c)

 「自販機で Wi-Fi」について。
 自販機で Wi-Fi を無料でできるようになるそうだ。
  → 自販機周辺で無料ネット接続、アサヒ飲料が
 これはいいアイデアですね。感心した。
 無料では申し訳ないので、私だったら自販機で何か買います。120円で缶入りコーヒーでも買っても、マクドナルドで Wi-Fi するより安上がりだ。(イスとテーブルはないけど。長時間は使わないだろうし。)
 この手の Wi-Fi がいっぱい普及したら、スマホの3G回線は不要になりそうだ。スマホの契約は解約して、「ガラケー通話 と スマホ Wi-Fi(無料) 」で済ませることができる。スマホも、型落ちの古いやつを使えば、激安かタダで買えるかも。(SIMを抜けば、下取りに出すこともできるはず。)
 そのうちスマホは、機械も通話もタダになるかも。

 そんな気がするけど、間違っている? (私はこの分野は詳しくないので、自信なし。)
 ま、私の言うことは当てにならないが、そのうちネット上で騒がれるようになるだろう。今のところは、焦ってスマホを買わない方が利口かも。
( ※ お金をたっぷりもっている人を除く。また、スマホの必要度の高い人も除く。)
( ※ 普通の人の場合は、キーボードが必要なので、あちこちでデスクトップを借りて、ネット上のデータにアクセスするのが一番だ、というのが私なりの結論。この場合は、自分のマシンをもたず、出先で借りるだけだ。データだけはネット上に置いておく。……どうしてかというと、キーボードを使えないと、生産性がすごく落ちるから。また、見るだけなら、紙に印刷するのが一番軽量だ。)


● ニュースと感想  (12月30日)

 「ミニスカの尺度」について。
 日本の女子高生のミニスカは、世界的にはどのくらいの評価が与えられるか? 次の尺度表がある。
 → らばQ
 普通のミニスカ(昔はやったようなもの)は、「官能的」「衝動的」ぐらいの評価だが、日本の女子高生はもっとすごい。「厚かましさ」とか「危険」とかのレベルになるようだ。


● ニュースと感想  (12月30日b)

 「マクロ的認識」について。
 経済をマクロ的に認識するとは、どういうことか? 次の対比で比べられる。
  ・ 全体のパイの増減を考える …… マクロ的認識
  ・ 全体のパイは一定だと仮定して、配分を考える …… 古典派的認識
 配分を考えるのは、ミクロ経済学だ。そこでは「全体のパイは一定だ」と仮定する。ミクロ経済学においては、その仮定は正しい。(ミクロの変動は、全体量にはほとんど影響しないからだ。)……で、そのミクロの仮定を、国全体にまで持ち込んだのが、古典派だ。その仮定は、マクロにおいては成立しないから、当然、理屈のすべてが間違いとなる。

 こう考えると、池田信夫がいかに間違えているかもわかる。彼は全体のパイの増減を考えず、配分だけを考えているのだ。
 たとえば、次のように考える。
  ・ 高齢者の年金を減らせば、その分、若者が金を多く得る
  ・ 高齢者の職を減らせば、その分、若者の職が増える。
 これは「全体量が一定だ」という仮定の下での推論だ。しかし現実には、そうはならない。全体量が変動するからだ。次のように
  ・ 高齢者の年金を減らせば、その分、総所得が減るので、GDPが減る。その結果、若者は職と所得を失うので、かえって貧しくなる。
  ・ 高齢者の職を増やせば、その分、高齢者の所得が増えるので、GDPが増える。その結果、若者は職と所得を得るので、かえって豊かになる。
 このシナリオは 100%成立するわけではないが、ほぼ正しく成立する。このように「全体量の変動を考える」というのが、マクロ的な認識だ。
 
 一方、池田信夫みたいに、「高齢者の年金を減らせ」「高齢者の職も減らせ」という方針を取れば、高齢者の総所得が激減するので、日本の総所得も激減して、GDPは大幅に縮小して、ひどいデフレに落ち込む。その意味で、「所得を減らせばうまく行く」という方針は成立しない。同様に、彼の言うような「増税せよ」という方針も、GDPを大幅に減らすので、デフレをひどく悪化させる。
   池田信夫みたいにマクロ経済学を理解できない人がいると、日本はデフレの奈落に落ち込んでしまう。……その点では、「増税反対」を唱えた民主党の離党者の方が、池田信夫よりもはるかに賢明だ。

 [ 余談 ]
 参考記事。
  → パイを増やす人とパイを分ける人 - My Life After MIT Sloan
 直接の関係はないが、似た話題で、一興だ。


● ニュースと感想  (12月30日c)

 「池田信夫の放射線理解」について。
 池田信夫がようやく放射線についてまともなことを書くようになった。
低線量被曝の影響は「わからない」のではなく、他のリスクに埋もれてしまうほど小さいので統計的に有意ではないのだ。いま騒がれている数mSv程度の放射線のリスクは、あるとしても受動喫煙より小さい。
( → 池田信夫ブログ 2011-12-29
 これは正しい。9カ月ぐらいかかって、彼もようやく科学的真実を理解できたことになる。自分が前から知っていたようなフリをするのは困りものだが。
 彼が前から述べていたのは、「 100mSv 以下は無害である(と判明している)」という主張だった。
 医学的には1回100mSv以下の放射線による健康被害の証拠はないので、累積で100mSvの放射線にも害はないと考えられる。
( → 池田信夫ブログ 2011-11-03
 「あるとは言えない(あるとしてもごく微量である)」というのと、「ない」と断定するのとでは、まったく異なる。前者は科学的真実だが、後者は池田信夫の脳内妄想だ。その点では、武田邦彦の脳内妄想と同様だ。
 池田信夫はやたらと武田邦彦の脳内妄想を批判するが、自分自身の脳内妄想についても反省した方がいい。「これまでは間違っていました」と。……年末になってようやく真実に到達したのだから、過去の自分を振り返って、反省した方がいい。年末だしね。
( ※ と言っても、池田信夫に「反省しろ」と注文するのは、豚に「空を飛べ」と注文するのと同じ。無理難題か。)


● ニュースと感想  (12月31日)

 「吉川洋のケインズ解説」について。
 朝日・朝刊 2011-12-30 に、吉川洋のケインズ解説があった。あまりにもひどいので、呆れてしまった。
 「ケインズは時代遅れか?」という記者の掲げる質問に、「ケインズは今も生きている」と答える。ここまではいい。
 しかし、そのあとがひどい。「ケインズも今の財政赤字を批判するだろう」とか,「シュンペーターの技術革新が大切だ。供給の改善が大切だ」と語る。
 バカか? 呆れはてた。
 ケインズは、供給の問題では解決のできない需要の問題があることを示した。不況期にはいくら供給を拡大しても、経済は成長しないのだ。なのに、そこでシュンペーターを持ち出すのでは、正反対だ。
 吉川洋が自説を持ち出すのなら、それはそれで良い。しかし、自分の古典派的な主張を裏付けるために、ケインズを持ち出すのでは、正反対だろうが。ケインズを批判するなら批判するいいが、ケインズを批判するためにケインズを持ち出すのでは、自己撞着もいいところだ。
 この人はケインズとは何かということすら理解できていない。学部レベルのことすら理解できていない。呆れる。
 この人が何をやろうが勝手だが、絶対にやってはいけない仕事がある。それは、経済学部の教授だ。さもないと、学生は嘘を学ばされる。


● ニュースと感想  (12月31日b)

 「朝日新聞の放射線記事」について。
 朝日新聞の放射線記事がある。(朝刊 2011-12-30 )その趣旨は、「リスクについて正しく考えましょう」というもの。
 テーマはいい。しかし、内容が不足する。テーマを掲げて、実例を調べる。放射線やら、喫煙との比較やら、豚インフルエンザパニックとの比較やら。
 しかし、そのあとがひどい。「私たち一人一人がきっちり考えることが大切だ」という、当たり障りのない結論。
 そうじゃないでしょ。問題は、市民がどう考えるかじゃない。それは市民の問題であり、いちいち新聞が「考えよ」と教えてあげることじゃない。(市民を「考えることのできない馬鹿者たち」と見なしていることになるから、朝日の尊大さがわかる。)
 大事なことは、マスコミがデタラメを書くことだ。たとえば朝日は1面で連載コラムで「放射線は危険だ」というシリーズを出して、恐怖を拡大生産している。こういう煽動記事をなくすことが大事だ。
 また、豚インフルエンザのときには、煽動記事を書いて、パニックを起こすお先棒を担いだ。こういうことをやめることが大切だ。
 そして、そういう過去があったのだから、その過去を反省することが大切だ。「これこれの間違いをしました。今も間違いをしています。新聞社として,パニックを引き起こそうとする煽動記事を書かないことが大切です」と書くべきだ。
 なのに、それができていない。単に「市民はバカだから、バカな市民は頭を使って考えろ」という感じで、市民を馬鹿にしているだけだ。
 その尊大さを改めるべき。

 [ 付記 ]
 この記事について、池田信夫が見当違いなことを書いている。
放射能パニックをあおった朝日新聞が、来年は「リスクゼロはありえない」というキャンペーン。マッチでもうけてポンプでもうける、いい商売だね。 【朝日】放射能が列島を裂く〈リスク社会に生きる・プロローグ〉 http://t.asahi.com/52x6
( → twitter
 確かに、リンク先の短文を読むと、そういうふうな印象を受ける。しかし、朝日の記事は竜頭蛇尾だ。「リスクゼロはありえない」というキャンペーンをするように見えるが、実は、そうではない。「皆さん考えましょう」と言うだけで、自分では何も考えない。口先だけで、反省ゼロ。それが朝日だ。
 なのに、池田信夫は、新聞記事を読みもしないで、朝日が転向したと思い込んでいる。情けない。ネットの無料記事ばかりを読んで、有料の記事を読まないから、勝手に勘違いした話を書く。
 まったく、情けない。新聞すらも読まないで、知識人のつもりでいるのだろうか? しかも、読みもしないで、読んだつもりになって、見当違いの批判を書くとは。何をかいわんや。批判がまるきり見当違いで、空回りしている。
 誰か池田信夫に、「新聞代ぐらい金を払え」と言ってあげてください。彼はアゴラを広告だらけにして、さんざん広告収入をもらっているんだから、その広告代で新聞ぐらいは購読したらどう? 新聞すらも買えないで、新聞の情報も知らないで、おのれの無知をさらけだす大学教授なんて、あまりにもかわいそうで、涙が出る。


● ニュースと感想  (12月31日c)

 「池田信夫の放射線発言」について。
 NHK が放射線の番組で捏造した、というふうに池田信夫が何度も喚いている。ツイッターでも繰り返しているし、ブログでも書いている。
 → 池田信夫ブログ
 → twilog
 鬼の首でも取ったかのごとく、大騒ぎをしている。ま、それはそれでいい。
 しかし、自分自身はどうなのだ? 
世界の常識は「100mSv以下では健康に影響はない」。それなのに「1mSv でないといやだ」と泣いて記者会見するような専門家こそ問題だ。 http://ow.ly/6rAZW
( → twitter
 この3月以来、何度も同じことを語ってきた。「100mSv以下では健康に影響はない」と。しかしそれは世界の常識ではない。池田信夫だけの脳内妄想だ。正しくは自分が一昨日ごろにようやく気づいたこと、つまり、「100mSv以下では健康に影響があるとは言えない」(つまり、わからない)ということだ。
 なのに、「ない」と断言していた自分の過ちを、どうやって尻ぬぐいするんだ?
 まったく、ひどい人。

 [ 付記 ]
 ネットにはないが、彼がテレビで述べた発言の記録がある。
 池田信夫が生涯100mSv以下では、何の健康被害も無い、と断言した。 そんなこと誰も言っていない。 山下俊一氏すら。 池田信夫は正気なのだろうか。(TVタックル)
( → twitter
 さらに調べると、10月21日には、池田信夫はこう述べていた。
100mSv/年に変更することはICRP勧告の限度内でも可能である。当ブログは細野原発担当相も読んでおられるそうなので、ぜひ検討をお願いしたい。
( → 池田信夫ブログ
 こういうふうに「 100mSv 」を推進していた。つまり、それを「まったく無害」と信じていた。


● ニュースと感想  (12月31日d)

 「ユーロが 100円割れ」について。
 ユーロが 100円割れした。(円・ユーロのレート)(各紙報道。)
 池田信夫は、「こんなに円高なら、外国投信をすると良さそうだ」なんて前に書いていた。そこで、私は「自分でもユーロ投信でも大損したほど、何事も予想をはずす池田信夫がそう言うならば、円高はもっと進みそうだ」と書いたが、案の定だ。
 ま、ギリシア問題の解決はほど遠いし、「解決できそうだ」なんて楽観を振りまいていたのが「消え果てた夢」だと判明している現在、ユーロがさらに弱まるのは不可避だろう。
 実は、実効レートであるビッグマック指数(消費税込み)では、ユーロはまだまだ強すぎる。もっと下がるのが自然だ。95円ぐらいまで下がるのは、不可避だ。そこでやっとトントンになる。そのあとは、下がったり上がったりか。一時的には 90円ぐらいまでユーロ安になっても、何ら不思議ではない。
 私の予想は、来年半ばのユーロは、「90円〜100円の範囲で変動」となる。現時点では 100円なので、今後はじりじりとユーロ安が進みそうだ。(おおまかな予想。)





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